後継者は決まった。でも専門家への相談料やM&Aの仲介手数料は誰が持つのか。事業承継の現場では、ここで話が止まることがあります。承継そのものより、承継にかかる「お金の出どころ」が先に不安材料になるケースです。
長崎県の「事業承継促進・後継者事業展開支援補助金」は、物価高騰等による廃業を抑制するため、事業承継に向けた課題整理と、承継後の事業展開にかかる経費を、それぞれ上限50万円で支援する制度です。令和8年3月30日から受け付けていましたが、申請額が予算額を上回ったため、10月20日に受付を終了しました(募集期間は10月30日まで延長されていました)。
事業承継促進・後継者事業展開支援補助金の要点まとめ
正式名:長崎県事業承継促進・後継者事業展開支援補助金
だれが
- 申請者
- 事業者(法人・個人事業主)
- 対象業種
- 全業種
- 利用目的
- 事業承継に向けた課題整理、承継後の事業展開
- 対象地域
- 長崎県内
- 従業員数
- 規定なし(<strong>小規模事業者</strong>は常時使用する従業員数が原則20人以下、商業・サービス業は5人以下)
いくら
- 補助上限額
- 課題整理・事業展開それぞれ上限50万円(交付額は10万円以上必須)
- 補助率
- 1/2以内(小規模事業者は2/3以内)
いつ・どこへ
- 申請受付
- 令和8年3月30日〜10月20日(受付終了。当初9月30日、10月30日まで延長のうえ、予算上限で終了)

自分の会社は対象になるか
対象は、事業承継に向けた取り組み、または承継後の事業展開に前向きに取り組む事業者です。ただし前提条件があります。長崎県事業承継・引継ぎ支援センターの支援を受けており、5年以内の事業承継を目標としていることです。まだセンターに相談していない場合は、補助金の申請より先にそちらへの相談から始めることになります。
いくら受け取れるか
承継の形によって、対象になる立場と経費が変わります。
| 承継区分 | 対象者 | 対象経費 | 上限 |
|---|---|---|---|
| 親族内承継 | 譲渡側 | 課題整理・事業展開 | 各50万円 |
| 親族外承継 | 譲渡側・譲受側 | 課題整理・事業展開 | 各50万円 |
| M&A | 売手側・買手側 | 課題整理・事業展開 | 各50万円 |
補助率は対象経費の1/2以内ですが、小規模事業者(常時使用する従業員数が原則20人以下、商業・サービス業は5人以下)は2/3以内に引き上がります。課題整理と事業展開の両方を使えば、最大で合計100万円まで補助対象になり得ます。ただし1件あたりの交付額が10万円未満の場合は交付されません。
何に使えるお金か
- 課題整理:専門家謝金、M&A仲介手数料、登記費用など
- 事業展開:新商品開発、施設改修、設備投資費用など
事業承継の「相談・準備段階」と「承継後の投資段階」の両方をカバーする設計です。
申請の流れ
受付は令和8年10月20日に終了しました(当初は9月30日まで、のち10月30日まで延長されましたが、申請額が予算額を上回ったため前倒しで終了)。申請先は長崎県産業労働部経営支援課です。前提となる長崎県事業承継・引継ぎ支援センターへの相談には一定の時間がかかるため、次に同じ趣旨の募集があるときのために、早めにセンターへ相談を始めることをおすすめします。
よくある質問
M&Aの買手側でも申請できますか?
対象です。M&Aによる承継では、売手側・買手側のどちらも申請対象に含まれます。
センターに相談していないと申請できませんか?
長崎県事業承継・引継ぎ支援センターの支援を受けていることが前提条件です。まずはセンターへの相談から始めてください。
課題整理と事業展開の両方に申請できますか?
それぞれ別枠として上限50万円ずつ設定されているため、両方を活用できます。ただし交付額が10万円未満の場合は対象になりません。
