新しい事業に挑戦したいが、自己資金だけでは心もとない。奈良市には、ふるさと納税の仕組みを使って事業資金を集められる制度があります。奈良市ふるさと起業家支援事業です。
集まった寄附金は、目標額に届いても届かなくても全額、事業者に交付されます。目標額は一般枠が100万〜150万円、店舗整備や設備導入を伴う成長投資枠は300万〜400万円です。令和8年度の募集は2026年8月3日23時59分に締め切られました。この記事では制度の仕組みと、次回に向けた準備の仕方を解説します。
奈良市ふるさと起業家支援事業の要点まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 申請者 | 個人(起業家本人・法人代表者) |
| 制度名 | 奈良市ふるさと起業家支援事業 |
| 対象業種 | 指定なし(新規事業・事業拡大に挑戦する起業家) |
| 利用目的 | 創業・第二創業、店舗整備、設備導入 |
| 対象地域 | 奈良県奈良市 |
| 従業員数 | 規定なし(個人事業主・法人ともに応募可) |
| 補助上限額 | 成長投資枠400万円(一般枠は150万円)。目標額の達成・未達成を問わず全額交付 |
| 補助率 | 対象外(寄附型のため補助率の定めなし) |
| 申請受付 | 令和8年度は2026年8月3日23時59分で終了(次回募集は未公表) |
| 公式サイト | 奈良市「奈良市ふるさと起業家支援事業」 |

ふるさと納税で事業資金を集める仕組み
この制度は、補助金でも融資でもありません。奈良市が運営するふるさと納税ポータルサイトに、選ばれた起業家の事業計画を掲載し、全国から寄附を募る仕組みです。
寄附者には税の寄附控除が適用されるため、通常の寄附より協力を得やすくなります。事業者側はポータルサイトへの掲載手数料が不要で、記事の作成から寄附募集まで奈良市がサポートします。
対象になる事業者
一般枠・成長投資枠に共通する要件は次のとおりです。
- 創業後10年未満であること
- 市内に住所を有する個人事業主、または市内に事業所を有する法人
- 寄附金が目標額に届かなくても事業を実施する意思があること
- 市税等の滞納がないこと
成長投資枠は、これに加えて店舗整備または設備導入を伴う事業であることが条件になります。
一般枠と成長投資枠、どちらを選ぶか
2つの枠は、目標額の規模で分かれています。
| 枠 | 目標額 | 想定する事業 |
|---|---|---|
| 一般枠 | 100万〜150万円 | 新規事業への挑戦(設備投資を伴わないサービス開始など) |
| 成長投資枠 | 300万〜400万円 | 店舗の内装工事、厨房機器や製造設備の導入を伴う事業 |
たとえば、飲食店を新規開業して内装工事とキッチン機器一式に350万円かける計画なら成長投資枠、オンラインで完結する新サービスの立ち上げなら一般枠が目安になります。
寄附金の受け取り方と注意点
集まった寄附金は、目標金額に達したかどうかにかかわらず全額が事業者に交付されます。ただし、既存のふるさと納税返礼品を活用する場合は、返礼品額の30%相当額が差し引かれます。この点は資金計画を立てる際に見落としやすいので、事前に確認しておきましょう。
審査で見られること
審査は、奈良市が定める審査項目表にもとづき、外部委員で構成する審査委員会が書類と事業説明をもとに判定します。必要書類は次のとおりです。
- 申請書
- 事業計画書(A4サイズ10ページ以内)
- 決算書または確定申告書
- 定款・履歴事項全部証明書
- 誓約書
- 役員名簿
- 市税納税証明書
- 成長投資枠の場合は店舗整備の内容が分かる資料
事業計画書は10ページ以内という制限があるため、事業の魅力と資金使途を簡潔にまとめる力が問われます。
次回募集に向けて準備すること
令和8年度の募集は締め切られましたが、この制度は例年実施されています。過去には令和7年度に2026年11月1日〜2027年1月31日の期間で募集された実績があります。
次回に備えて、事業計画書のたたき台と決算書・確定申告書を早めに準備しておくと、募集開始後すぐに動けます。
よくある質問
寄附が目標額に届かなかったら、事業資金はもらえませんか?
いいえ、もらえます。目標額の達成・未達成にかかわらず、集まった寄附金は全額が事業者に交付される仕組みです。
創業10年を超えた会社は対象になりませんか?
対象になりません。一般枠・成長投資枠とも、応募時点で創業後10年未満であることが条件です。
一般枠と成長投資枠を両方申請できますか?
公式ページには両枠の併用可否についての明記がありません。検討する場合は産業政策課に確認してください。
