「廃棄物処理施設」と聞くと、施設を運営する事業者だけが対象と思われがちです。しかしこの補助金の対象者は「地方公共団体及び民間企業等その他団体」と幅広く、施設の余熱を受け取って利用する側の民間企業も申請できる可能性があります。
令和8年度 熱利活用事業(国庫債務負担行為事業分)第1次公募【廃棄物処理施設を核とした地域循環共生圏構築促進事業】は、廃棄物処理施設からの余熱を地域で有効利用するための設備(熱導管・熱交換設備・運転制御用の通信設備等)の導入を支援する制度です。この記事を書いている時点で、この第1次公募は2026年6月5日に募集終了しています。
熱利活用事業(廃棄物処理施設を核とした地域循環共生圏構築促進事業)の要点まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 申請者 | 事業者・地方公共団体(廃棄物処理施設の余熱を利活用する設備を導入する主体) |
| 制度名 | 令和8年度 熱利活用事業(国庫債務負担行為事業分)第1次公募【廃棄物処理施設を核とした地域循環共生圏構築促進事業】 |
| 対象業種 | 汎用 |
| 利用目的 | 安全・防災/設備投資/DX・IT導入 |
| 対象地域 | 全国 |
| 従業員数 | 規定なし(公式ページに記載なし) |
| 補助上限額 | 上限1.6万円/t-CO2(CO2排出削減量あたりの単価上限) |
| 補助率 | 対象経費の1/2(同種の電力利活用事業の実績に基づく参考値。EV車両等は差額の3/4となる区分あり) |
| 申請受付 | 2026年6月5日に終了 |
| 公式サイト | 廃棄物処理施設技術管理協会(JAEM)公募情報 |

「国庫債務負担行為事業分」とは何を意味するのか
タイトルにある「国庫債務負担行為」は、複数年度にまたがる事業を実施するための予算の仕組みを指す言葉です。単年度で完結する事業ではなく、設備の設計・製作・設置に複数年度かかることを前提にした事業であることを示しています。同時期に「単年度事業分」という別区分の公募が並行して行われることもあるため、自社の事業がどちらの区分に当てはまるかを取り違えないことが重要です。
対象になる/ならないの線引き
- 対象になる:廃棄物処理施設からの余熱を、熱導管・熱交換設備等を通じて地域で有効利用する設備、およびその設備を運転制御するために必要な通信・制御設備を導入する地方公共団体・民間企業等
- 対象になりにくい:廃棄物処理施設そのものの新設・改良(これは別の公募区分で扱われます)、余熱利用と無関係な一般的な省エネ設備投資
なぜこの線が引かれているか。 この事業の目的は、廃棄物処理施設を核に「自立分散型の地域エネルギーセンター」を作ることです。施設単体の性能向上ではなく、地域でエネルギーを面的に融通する仕組み作りが主眼のため、余熱を地域に届ける導管・設備が対象の中心になります。
よくある誤解されやすいポイント
- 「電力利活用事業」と混同する:同じ「廃棄物処理施設を核とした地域循環共生圏構築促進事業」の枠内に、熱を対象にする「熱利活用事業」と、電力を対象にする「電力利活用事業」の2区分があります。名称が非常に似ているため、対象設備を取り違えないよう注意が必要です
- 単価上限を補助上限額と誤解する:DB上の「上限1.6万円/t-CO2」は、CO2排出削減量1トンあたりの補助単価の上限であり、事業全体の補助金額の上限ではありません。実際の補助額は、事業のCO2削減効果と対象経費の両方から算定されます
- 公募回を確認せず古い年度の要件を参照する:この事業は年度・公募回によって条件が見直されてきた経緯があります。過去の三次公募・単年度事業分の情報と混同しないよう、該当する回の公募要領を確認してください
次回公募に備える準備
廃棄物処理施設を核とした地域循環共生圏の構築は、環境省が継続して進めている政策テーマです。
- 自社が受け入れ可能な廃棄物処理施設からの余熱の有無・熱量を関係施設に確認しておく
- 事業がCO2排出削減にどの程度貢献するか、削減見込量を試算しておく
- JAEMの公募情報ページを定期的に確認し、次回・次年度の公募告知を見逃さない
よくある質問
今から申請できますか?
第1次公募は2026年6月5日に募集を終了しています。この事業は年度内に複数回(三次公募等)実施される傾向があるため、JAEMの公募情報で次の公募をご確認ください。
廃棄物処理施設の運営事業者でなくても申請できますか?
対象者は「地方公共団体及び民間企業等その他団体」とされており、施設の運営事業者に限られません。余熱を受け取って利用する側の民間企業も対象になり得ます。詳しくはJAEMの公募要領でご確認ください。
補助率はどのくらいですか?
同事業内の電力利活用事業の実績では対象経費の1/2(EV車両等は差額の3/4)とされています。熱利活用事業の具体的な補助率は該当回の公募要領原本でご確認ください。
