電気料金の請求書を前に、屋根の上の太陽光を考える事業者は少なくありません。気になるのは発電量より先に、設備一式の初期費用です。
新潟市は、市内の事業所に自家消費型の太陽光を入れる費用を1kWあたり5万円(上限500万円)、蓄電池を対象経費の1/3で補助します。受付は2026年12月25日まで。ただし契約も着工も交付決定のあとです。先に契約や着工をした分は、補助の対象になりません。
事業者用太陽光発電・蓄電池設備導入補助金の要点まとめ
正式名:事業者用太陽光発電・蓄電池設備導入補助金
だれが
- 申請者
- 事業者(法人・個人事業主)
- 対象業種
- 中小企業・社会福祉法人・医療法人・NPO法人など
- 利用目的
- 自家消費型の太陽光発電・蓄電池の導入
- 対象地域
- 新潟県新潟市(市内の事業所)
- 従業員数
- 1名以上を雇用していること
いくら
- 補助上限額
- 太陽光500万円/蓄電池 16万円×kWh×1/3
- 補助率
- 太陽光1kWあたり5万円/蓄電池 対象経費の1/3以内
いつ・どこへ
- 申請受付
- 2026年5月1日〜2026年12月25日(予算上限まで)
- 事業の完了
- 実績報告は2027年3月1日まで
うちの会社は対象になる?
次の6つにすべて当てはまれば、対象の見込みです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 6
対象の法人は、中小企業のほか社会福祉法人・医療法人・私立学校法人・一般(公益)社団法人・NPO法人などです。中小企業は、業種ごとに資本金や従業員数の基準が決まっています(詳しくは新潟市の公式ページでご確認ください)。個人事業主も、従業員を1名以上雇っていれば申請できます。
次のどれかに当たると対象外です。
- ✕ 既存設備の交換や増設
- ✕ 集合住宅・長屋への設置
- ✕ 宗教法人・認可地縁団体
- ✕ 発電した電気を売る
- ✕ この補助を過去に受けた
- ✕ 国や県の補助金と同じ工事で併用する
過去にこの補助(交付要綱に基づく補助金)を受けた事業者は、再び申請できません。ただしリース等で、リース等契約先の法人が違う場合は除かれます。集合住宅は共用部への設置も不可です。売電は、FIT・FIP、自己託送、その他のすべてが対象外です。交換には、既存設備を撤去して更新する工事も含みます。
太陽光は、発電した電力の50%以上を設置した施設で使う計画が要ります。蓄電池は、リチウムイオン蓄電池で、太陽光と接続して発電した電気をためるものに限ります。持ち運べるポータブル型や、停電時だけ使う非常用の電源は対象外です。需給調整市場や容量市場(DR市場)に参加することもできません。20kWh以上の蓄電池は、新潟市火災予防条例の安全基準に当たる設備である必要があります。
蓄電池だけの申請もできます。その場合は、既存の太陽光に接続することが分かる書類(電力会社への連系申請書類など)が要ります。
いくら戻る? 工事の前に計算する
太陽光は発電出力(kW)、蓄電池は初期実効容量(kWh、小数点以下切り捨て)で補助額が決まります。蓄電池の補助額は、千円未満を切り捨てます。発電出力は、パネルの公称最大出力とパワコンの定格出力のうち小さいほうを、小数点以下切り捨てで使います。
- 太陽光30kWを工場の屋根に載せる:5万円 × 30kW = 150万円
- 太陽光120kWを物流倉庫に載せる:5万円 × 120kW = 600万円 → 上限の500万円
上限の500万円に届くのは、発電出力が100kW以上のときです。ただし補助額は対象経費を超えられません。経費が150万円しかない30kWの工事なら、補助は150万円までです。
蓄電池は、対象経費の1/3か、上限額のどちらか低いほうです。上限は「16万円 × 容量(kWh) × 1/3」で、1kWhあたり約5.3万円になります。
- 蓄電池10kWhで経費150万円:150万円 × 1/3 = 50万円(上限は約53.3万円)
- 蓄電池10kWhで経費240万円:240万円 × 1/3 = 80万円 → 上限の約53.3万円
太陽光と蓄電池を両方入れる場合は、それぞれの補助額を足した額が受け取れる額です。予算は太陽光が3,000万円、蓄電池が1,000万円と、設備ごとに分かれています。
何が対象経費で、何が外れる?
先に、対象にならないものです。
- 消費税・地方消費税
- 撤去や移設の工事(アンテナの撤去、室外機の移動など)
- 電力会社への接続申請費用や負担金
- 一定範囲を超える防水工事の改修、土工事
- 建築躯体の工事(躯体による基礎を含む)
- 廃棄物の処分費
対象になるのは次のものです。
- 太陽光:パネル、パワコン、取付基礎・架台、工事費、20kWを超える場合のフェンス類
- 蓄電池:蓄電池本体、蓄電池用パワコン、取付基礎・架台、工事費
見積書は、対象経費とそれ以外を分け、消費税額を明記します。「出精値引き」や「補助申請手続費」の項目を入れると使えません。
申請から振込までの流れ
- 施工業者から3者以上の見積もりを取る(事業者→施工業者。市内業者が原則)
- 交付申請書と添付書類を市に出す(事業者→環境政策課。郵送か窓口持参。12月25日まで)
- 交付決定を待つ(市→事業者。申請から約2週間。契約も着工もまだ)
- 契約して工事をし、代金を支払う(事業者→施工業者。割賦払いは不可)
- 実績報告書を出す(事業者→市。事業完了後30日以内、遅くとも2027年3月1日)
- 確定通知を受けて振込を待つ(確定通知は報告の約2週間後、振込はその約1か月後)
実績報告は3月1日に遅れると取消です。12月25日の締切ぎりぎりに出すと、交付決定は年明けになり、工事から支払い、報告までを2か月弱で終えることになります。太陽光は使用前自己確認(国への届出)にも時間がかかるので、余裕を見て早めに出す手があります。間に合わないのがこの届出だけなら、市に相談できます。
必要な書類
準備できた 0 / 12
納税証明書は申請月の1か月前以降の発行分、登記簿謄本等は申請年度の発行分です。競争入札の書類は、3者以上の見積書と比較表でも構いません。申請の時点で入札や見積もり比較が済んでいなければ、実績報告のときに出せます。耐震計算書は、設備を付ける前に市へ出さないと交付決定が取り消されます。書式は市の案内ページに掲載されています。
蓄電池を申請する場合は、蓄電池の安全規格(JIS C 4412など)が分かる書類、電気料金を減らす方法が分かる書類(昼間の発電を夜に使うなど)、耐震計算書も要ります。リースやPPAでは、リース料などが補助金の分だけ減ることが分かる書類が要ります。土地や建物を借りている場合は、申請書に貸主の承諾の記入も必要です。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 交付決定の前に契約・着手した:契約も着手に数えます。基礎工事や配線工事を先に進めた場合も取消です。
- 耐震計算書を設備の施工前に出さなかった:施工前に市へ出さないと、交付決定が取り消されます。
- 実績報告が2027年3月1日に遅れた:提出がなければ補助金は交付されません。
- 売電や自己託送をした:FIT・FIP、その他の売電、Jクレジットの適用はできません。
- 国や県の補助金を同じ工事で受けた:太陽光・蓄電池を含む工事では併用できません。
- 耐用年数の間に設備を手放した:太陽光17年、蓄電池6年の間は、譲渡・交換・貸付・廃棄・担保にできません。違反すると返還です。
併用と税金で気をつけること
固定資産税が安くなる「わがまち特例」とは併用できます。新潟市の他の補助制度とは、太陽光・蓄電池を含む場合は併用できません。補助金の税務上の扱いは、公式ページに記載がありません。顧問税理士や税務署でご確認ください。
よくある質問
蓄電池だけを導入しても対象になりますか?
対象になります。ただし、既存の太陽光発電設備に接続することが分かる書類(電力会社への連系申請書類など)を添える必要があります。蓄電池はリチウムイオン蓄電池で、平時に充放電を繰り返す使い方が前提です。停電時にだけ使う非常用電源や、持ち運べるポータブル型は対象になりません。太陽光の補助を受けたあとに蓄電池を追加する申請もできます。
リースやPPAで設置した設備も対象になりますか?
対象になります。リースの場合はリース事業者、PPA(設備の所有者が発電した電気を販売する契約)の場合はPPA事業者が申請者です。補助金の相当額は、リース料やサービス料金から差し引かれます。リースは、太陽光なら17年の法定耐用年数が終わるまで使い続けることが分かる書類も要ります。設置先の事業者が、対象の要件を満たしていることも必要です。
予算がなくなったら、受付期間内でも締め切られますか?
締め切られます。公式ページには「予算上限に達するまで」と書かれています。申請は先着順で受け付け、予算上限に達した日は、郵送分を含めて抽選になります。書類に不備があると抽選から外れます。抽選は設備ごとに行うので、太陽光の枠が埋まっても蓄電池の枠は残る場合があります。予算は太陽光3,000万円、蓄電池1,000万円です。
国や県の補助金と併用できますか?
太陽光・蓄電池を含む工事では併用できません。新潟県を通じた間接補助も同じ扱いです。市の他の補助制度とも併用できません。民間の補助制度は、国の交付金が原資でなければ併用できます。過去に国庫補助金を受けた施設でも、太陽光で受けたあとに蓄電池を申請するなど、同じ種類の設備でなければ申請できます。
すでに付いている設備の交換や増設は対象になりますか?
対象外です。補助の条件は、新品の設備を新しく設けることです。既存の太陽光や蓄電池を撤去して更新する工事も、パネルだけの増設も、既存のパワコンを使い回す工事も対象になりません。すでに設備を付けていて、契約まで済ませている場合も申請できません。
発電した電気を売ってもいいですか?
売れません。FIT・FIPの認定を受けないこと、自己託送をしないこと、そのほかの売電もしないことが条件です。Jクレジットも使えません。発電した電力の年間50%以上は、設置した施設で使う必要があります。申請では、過去の実績をもとにした推定発電量と消費予定の電力量を示す資料も出します。
個人事業主でも申請できますか?
申請できます。ただし、申請の時点で従業員を1名以上雇っている必要があります。個人事業主の住宅部分や、住宅と兼用の事業所部分は対象外です。従業員がいない場合は申請できません。申請書は申請者本人が手書きする必要はありませんが、土地や建物を借りている場合は、所有者の同意の署名か押印が要ります。
工事を市外の業者に頼んでもいいですか?
原則は市内に本社・本店・支店・営業所がある法人か、市内に住所がある個人事業主に頼みます。補助事業の実施が難しいときや、競争性を確保できないときは、市外の業者も認められます。その場合は、理由書(任意の書式)を出します。見積もりは3者以上で取り、価格を競わせたことが分かる書類を残してください。
契約や工事を始めるのは、いつからですか?
交付決定のあとです。交付決定は、不備がなければ申請から約2週間後です。決定の前に基礎工事や配線工事をしていると、取消になります。交付決定を早めてほしいという要望は受け付けてもらえません。申請には見積書の写しが要るので、見積もりは決定前に取ります。
支払いは分割やカードでもいいですか?
割賦(分割払い)は不可です。実績報告の時点で、支払いが完了している必要があります。カード払いで領収書が出ない場合は、利用明細書など、代金を支払ったことが分かる資料を出します。他の工事と合算された領収書でも、内訳に対象設備の項目と金額があれば使えます。
補助金はいつ振り込まれますか?
実績報告を出してから、確定通知が約2週間後、振込はその約1か月後です。つまり報告から1.5か月ほどかかります。振込日の指定はできません。補助金が入るまでの間は工事代金を自社で立て替えます。割賦払いは使えないので、工事代金の支払い資金と、振込までの約1.5か月分の資金繰りを先に見込んでおくと安心です。
実績報告の期限に間に合わないとどうなりますか?
期限は2027年3月1日で、遅れると取消になり、補助金は交付されません。災害(地震、津波、落雷、地すべり、広範囲の暴風・豪雨・豪雪、申請者に責任のない火災など)で間に合わないときに限って、市に協議できます。太陽光の使用前自己確認だけが間に合わない場合も、市に相談できます。
問い合わせ先はどこですか?
新潟市役所 環境政策課 ゼロカーボンシティ推進室です。電話は025-226-1357、メールは kansei@city.niigata.lg.jp です。申請書の提出は郵送か窓口持参で、窓口は市役所本館2階です。郵送は消印日が受付日になり、市は簡易書留など到着を確認できる方法を勧めています。リースからの切り替えのように、申請の途中で方式を変えたい場合は、一度取り下げて申請し直すことになるので、先に相談しておくと手戻りを防げます。
