機械を発注してから補助金の存在に気づく順番だと、間に合いません。新潟市の省力化・省エネ化補助金は、申請の期限が「事業着手の日の前日」で、設備の発注も交付決定のあとと決められています。
対象は、市内に工場や物流施設を持つ中小の製造業・運送業・倉庫業などです。取得価額160万円以上の機械・装置やソフトを入れるときに、対象経費の10〜30%(限度額200万〜1,000万円)が出ます。申請の受付は2027年2月末までですが、予算の範囲内の運用です。見積を取る段階で、先に市へ事前相談をする流れで考えると整理しやすくなります。
省力化・省エネ化補助金の要点まとめ
正式名:新潟市省力化・省エネ化補助金
だれが
- 申請者
- 市内に工場・物流施設を持つ中小企業者
- 対象業種
- 製造業、新聞業、出版業、道路貨物運送業、倉庫業、こん包業、港湾運送業
- 利用目的
- 省力化・省エネ化に役立つ生産設備・デジタル技術の導入
- 対象地域
- 新潟県新潟市内
- 従業員数
- 規定なし(中小企業者であること)
いくら
- 補助上限額
- 最大1,000万円(C区分の限度額)
- 補助率
- A類型10%/B類型20%/C類型30%
いつ・どこへ
- 申請受付
- 2026年4月1日〜2027年2月28日(予算の範囲内)
- 事業の完了
- 事業完了後30日以内か、交付決定年度の2月28日の早い日
- 公式サイト
- 新潟市「省力化・省エネ化補助金」
うちの会社は対象になる?
次の3つにすべて当てはまれば、対象の見込みです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 3
要綱の定義では、工場や物流施設に、すでに操業しているものに加えて、申請の年度中に新たに操業を始めるものも含まれます。対象の7業種は、製造業、新聞業、出版業、道路貨物運送業、倉庫業、こん包業、港湾運送業です。中小企業者とは、業種ごとに資本金と従業員数の上限が決まっていて、どちらか一方を満たせば該当する会社のことです。要綱は中小企業基本法の定義によるとしていますが、具体的な上限の数字は市のページにありません。
次のどれかに当たると対象外です。建設業・卸売業・小売業は、製造小売を含めて対象になりません。
- ✕ 建設業・卸売業・小売業(製造小売を含む)
- ✕ 国や地方公共団体などの法人
- ✕ 法令に違反している
法人か個人事業主かの区別は、市のページに書かれていません。個人事業主で申請を考えている場合は、企業誘致課に事前に確かめてください。
A・B・Cのどこを狙う?
申請するときに、A・B・Cのどれか1つを自分で選びます。区分が上がるほど、求められる削減の幅が大きくなります。
| 区分 | 作業時間の削減 | もう1つの条件 | 補助率 | 限度額 |
|---|---|---|---|---|
| A | 20%以上 | 下の3つのどれか(20%以上) | 10% | 200万円 |
| B | 30%以上 | 下の3つのどれか(30%以上) | 20% | 500万円 |
| C | 40%以上 | 下の3つのどれか(40%以上)+炭素生産性の向上 | 30% | 1,000万円 |
もう1つの条件は、電力使用量の削減、CO2排出量の削減、生産設備の燃料を化石燃料から電力へ切り替えることの3つのうち、どれか1つです。電力使用量の削減とCO2排出量の削減は、区分ごとの割合(A=20%、B=30%、C=40%)以上が必要です。
C区分には、もう1つ条件があります。導入した設備でつくる製品や部材がCO2排出量の削減に役立ち、工場の炭素生産性が年1%以上よくなることです。炭素生産性は、付加価値額をCO2排出量で割った数値です。この条件は製造業だけが対象なので、運送業や倉庫業はAかBを選びます。Cを考えているときは、企業誘致課への相談を市が案内しています。
作業時間の削減は、設備を入れる前と後の作業時間を比べます。たとえば、運送会社が配車管理システムを入れて、毎日の配車作業が5時間から3.5時間に減れば、30%の削減です。ソフトだけを入れる場合は、作業時間の削減の割合が、そのまま省エネとCO2の削減割合として扱われます。この例では、B区分の条件を満たす水準です。
電力使用量は、専用のExcelシートに入力すると自動で計算されます。数値は、設備のカタログなどをもとにします。
いくら戻ってくる?
対象経費(消費税を除く)に補助率をかけた額です。限度額を超えた分は自己負担になります。
- 運送会社が配車管理システムに200万円をかける(B区分):200万円 × 20% = 40万円
- 製造業が生産設備に800万円をかける(B区分):800万円 × 20% = 160万円
- 製造業が高効率の設備一式に2,000万円をかける(C区分):2,000万円 × 30% = 600万円
- 倉庫業が自動化設備に3,000万円をかける(A区分):3,000万円 × 10% = 300万円 → 限度額の200万円
A区分の限度額に届くのは、2,000万円のときです。B区分は2,500万円、C区分は3,334万円で限度額に当たります。費用は計算のための仮の数字です。
何に使える?
対象にならないものを先に挙げます。
- 取得価額が160万円に満たない設備やソフト
- 機械・装置の賃貸借(リースやレンタル)
- 消費税額
- 市の別の制度で補助を受ける設備
- 国・県など他の制度で補助を受ける同じ設備
対象になるものは次のとおりです。
- 機械・装置(事業に直接使う生産設備)
- デジタル技術(ソフトウェアなど。利用料も含む)
- 導入や活用のコンサルティング費
- クラウドサービスの利用料、機能拡張、保守サポート
- PCやタブレット(デジタル技術の導入に必要な場合だけ)
取得価額160万円以上という下限は、設備とソフトの導入に対する下限です。複数の設備を合算して160万円とできるかどうかは、市のページと要綱に書かれていません。小さな設備を重ねて入れる計画のときは、先に企業誘致課へ聞いてください。
申請の流れ(着手前に何をする?)
流れは次のとおりです。事前相談は申請の条件です。
- 事前相談をする(申請者→市。企業誘致課か各区役所の窓口)
- 交付申請書と添付書類を出す(申請者→市。事業着手の日の前日まで)
- 交付決定の通知を受ける(市→申請者)
- 設備を発注・導入する(申請者。発注は交付決定のあと)
- 実績報告を出す(申請者→市。事業完了後30日以内か、交付決定年度の2月28日の早い日)
- 確定通知を受けて、補助金の交付を受ける(市→申請者)
受付は2027年2月末までですが、実績報告の期限は、事業完了後30日以内と、交付決定年度の2月28日のうち早いほうです。私たち編集部は、年度末ぎりぎりの申請では、設備の納入と支払いまで間に合わないおそれがあると見ています。導入を急ぐ設備は、早めに相談するほうが安全です。
必要な書類
準備できた 0 / 9
事業計画書は複数シートのExcelです。すべて提出します。自動計算の様式で数字が当てはめにくいときは、手入力の様式を使います。納税証明書は、窓口で「新潟市制度用」と伝えて取ります。市のページには取り方の案内(PDF)が置かれていて、現時点で市税に未納がないことの証明になります。暴排の誓約書兼同意書には、裏面に役員等の名簿(氏名・生年月日・住所)があり、新潟県警察本部への照会に同意する内容です。市のページには「同意書」の様式も置かれていて、交付後3年度分の決算書などの確認に同意する書類です。提出の要否は、事前相談で確かめてください。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 着手したあとに申請した:申請期限は事業着手の日の前日です。発注や契約を先に進めないでください。
- 事前相談をしなかった:申請には事前相談が必要と、市のページに書かれています。
- 建設業・卸売業・小売業だった:対象は7つの業種に限られます。製造小売も対象外です。
- 同じ設備で他の補助金を受けた:市の別の制度や、国・県などの制度で補助を受ける同じ設備は対象になりません。
- 補助で取得した設備を処分した:耐用年数が過ぎる前の処分や転用は、事前に市の承認が要ります。条件に違反すると、交付決定の取消しや返還になることがあります。
よくある質問
個人事業主でも申請できますか?
対象は「市内に工場及び物流施設を有する中小企業者」とされています。法人か個人事業主かの区別は、市のページにも要綱にも書かれていません。個人事業主として申請を考えている場合は、事前相談のときに、事業の内容と設備の導入先を伝えたうえで、対象になるかを企業誘致課に確かめてください。
飲食店や小売店は使えませんか?
使えません。対象は、製造業、新聞業、出版業、道路貨物運送業、倉庫業、こん包業、港湾運送業の7つに限られています。建設業、卸売業、小売業(製造小売を含む)は、対象にならないと市のページに明記されています。自社の業種が7つのどれに当たるか迷うときは、企業誘致課に聞いてください。
設備を発注したあとでも申請できますか?
できません。申請の期限は「事業着手の日の前日」で、設備の発注は交付決定のあとと決められています。何をもって着手とするかの細かい線引きは、市のページに書かれていません。設備の導入を決めたら、業者と契約する前に、市の企業誘致課へ事前相談をしてください。
ソフトウェアだけの導入でも対象になりますか?
対象です。ソフトウェアなどのデジタル技術も、取得価額が160万円以上なら補助対象経費になります。ソフトの利用料も、要綱では取得に含まれます。ソフトだけを入れる場合は、電力使用量を計算しにくいため、作業時間の削減の割合を、省エネとCO2の削減割合として扱うと市のページに書かれています。
リースやレンタルの設備は対象になりますか?
対象になりません。要綱は、補助対象事業の設備等を「新たに取得」するものとし、機械及び装置の賃貸借を除くと定めています。ソフトウェアは、利用料を含めて取得とみなされるので、クラウド型のサービスは対象になりえます。契約の形が貸借なのか利用なのか迷うときは、事前相談で契約書の案を見せて確かめてください。
他の補助金と併用できますか?
同じ設備については併用できません。市の別の制度で補助を受ける設備と、国・県・ほかの地方公共団体、産業支援機関の制度で補助を受ける同じ設備は、補助対象事業になりません。別の設備なら、それぞれの制度の条件を満たせば重ねて使える可能性があります。申請の前に、どの設備をどの制度に出すかを整理しておくと安心です。
年に何回申請できますか?
一会計年度につき1回です。ただし、市内に工場や物流施設が複数あり、別の工場や物流施設で設備を取得する場合は、この制限を受けません。同じ年度に何度も申請したい場合は、拠点ごとに分けられるかがポイントになります。複数の拠点がある会社は、申請の前に企業誘致課へ伝えておくと、段取りを組みやすくなります。
区分Cを目指すときの注意点は?
C区分は、作業時間の削減40%以上と、電力使用量やCO2排出量の40%以上の削減に加えて、炭素生産性が年1%以上よくなることが条件で、製造業だけが対象です。市のページには、C区分を検討するときは企業誘致課(025-226-1689)へ問い合わせるよう書かれています。数字の根拠資料が多くなるため、早めの相談が必要です。
補助金はいつ払われますか?
設備を導入して、実績報告を出し、市から金額の確定通知が届いたあとに交付されます。つまり、設備の代金は、いったん自社で払う形です。実績報告の期限は、事業完了後30日以内か、交付決定年度の2月28日の早い日です。支払いの時期や方法の細かい点は、市のページに書かれていないので、窓口で確かめてください。
補助を受けた設備は自由に売却できますか?
自由にはできません。補助で取得した設備を処分(目的外の使用、譲渡、交換、貸付)するときは、あらかじめ市に承認の申請をします。法定の耐用年数を過ぎれば、この手続きは要りません。承認を受けないで処分すると、交付決定の取消しや、補助金の返還を命じられることがあります。設備の入れ替えを考えるときは、時期にも気をつけてください。
補助金をもらったあとに報告することはありますか?
市は、効果の確認のために、補助金を交付した年度から3期分の決算書と、固定資産課税台帳の写しの提出を求めることができます。求められた場合は、応じる必要があります。設備の保管状況は実績報告でも出すので、導入後は、設備の写真や納品の記録を残しておくと、のちの手続きがスムーズです。
融資を使うことはできますか?
市には、この補助金の交付決定を受けた人向けの制度融資「省力化・省エネ化資金」があります。設備代金は補助金が入る前に支払う必要があるため、資金の手当てを考えるときの選択肢になります。融資の条件や手続きは別のページにあるので、金融機関か市の窓口で、補助金の交付決定のあとに確かめてください。
相談や申請の窓口はどこですか?
新潟市役所 企業誘致課(中央区古町通7番町1010番地、ふるまち庁舎/古町ルフル5階、電話 025-226-1689)です。各区役所の産業振興課や地域課などでも案内を受けつけています。C区分を検討する場合は、企業誘致課にお問い合わせください。申請書を出す前の事前相談は必須なので、対象の判定や書類の書き方は、そのときに聞けます。
