自社の従業員に向けた職業訓練の講師謝金や教材費、訓練用の教室や機械の費用を、都道府県が3分の2以内で補助します。補助の前提は、訓練そのものが都道府県知事の認定を受けていることです。社内で自由に組んだ研修を、そのまま申請しても対象になりません。
認定職業訓練制度の要点まとめ
正式名:認定訓練助成事業費補助金(認定職業訓練制度)
だれが
- 申請者
- 中小企業の事業主・事業主団体・職業訓練法人など
- 対象業種
- 業種の指定なし
- 利用目的
- 認定職業訓練の運営費・施設設備費
- 対象地域
- 全国(窓口は都道府県)
- 従業員数
- 公式ページに記載なし
いくら
- 補助上限額
- 公式ページに記載なし(都道府県庁へお問い合わせください)
- 補助率
- 対象経費の2/3以内
いつ・どこへ
- 申請受付
- 都道府県ごとに異なる(公式ページに記載なし)
- 公式サイト
- 厚生労働省「認定職業訓練」
うちの会社は対象になる?
次の3つにすべて当てはまれば、対象の見込みです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 3
「中小企業事業主」の範囲は、都道府県が決めます。京都府の要綱は「知事が別に定める事業主」としています。目安になる中小企業基本法の基準は、業種ごとに資本金と従業者数の上限が決まっています。製造業その他は資本金3億円以下または従業者300人以下、卸売業は1億円以下または100人以下です。小売業は5,000万円以下または50人以下、サービス業は5,000万円以下または100人以下です。どちらか一方を満たせば該当します。
事業主の団体は、京都府の要綱で、構成員に占める中小企業事業主の割合が3分の2以上の団体に限られます。
次のどちらかに当たると対象外です。
- ✕ 認定を受けていない社内研修
- ✕ 従業員向けでない一般向け講座
認定を受けるには、実施主体が事業主・事業主団体とその連合体・職業訓練法人・一般社団法人等のいずれかである必要があります。教科や訓練時間、指導員、施設が厚生労働省令の基準に合うことも要ります。普通課程の訓練生は、事業主なら総数で3人以上、団体なら1訓練科につき3人以上です。
いくら補助される?
補助率は、補助対象経費の3分の2以内です。経費の種類ごとに、国と都道府県が分担します。
- 運営費:国1/3+都道府県1/3
- 施設・設備費(市町村や職業訓練法人が設置):国1/3+都道府県1/3
- 施設・設備費(都道府県が設置):国1/3
補助対象経費100円あたりで見ると、100円 × 2/3 = 66.7円以内が補助の上限の目安です。残りの約33円以上は自己負担です。
厚生労働省の資料にある補助金の体系は、中小企業事業主等が都道府県に申請し、都道府県が経費の2/3を補助する形です。国は、都道府県の補助額の1/2を都道府県へ交付します。事業主が国に直接申請する仕組みではありません。
補助上限額は国の資料に記載がありません。1人あたりや1講座あたりの単価もありませんでした。そのため具体的な金額の計算例は作れません。実際の額は都道府県の内示で決まるので、事業計画の段階で窓口に確かめるのが確実です。
建設関係の訓練では、補助のあとに別の助成金が付く場合があります。詳しくは後ろの章に書きました。
何に使える?
対象にならないものを先に挙げます。
- 認定を受けていない訓練の経費
- 集合して行う学科・実技以外の経費(京都府の要綱)
- 補助金に含まれる消費税の仕入控除税額
対象になるものは次のとおりです。
- 運営費(指導員・講師の謝金や手当、教科書・教材、機械器具、建物の借上げと維持、管理運営)
- 施設費(教室や実習場の建設・修繕)
- 設備費(機械器具の購入)
施設と設備の補助は、市町村か、職業訓練法人など職業訓練共同施設を設置する側に交付されます。京都府の要綱では、中小企業事業主が受けられる施設費は、職業訓練法人の場合に限られています。対象経費の細かい区分は、都道府県ごとの要綱で決まります。
申請の流れ
認定が先で、補助の申請が後です。1と2は国の資料にもとづく一般的な順で、3から5は京都府の要綱の例です。
- 窓口に相談する(事業者→都道府県庁。事業所の所在地か、訓練を行う施設がある都道府県)
- 訓練の認定を受ける(事業者→知事。教科・訓練時間・設備などが省令の基準に合っていること)
- 補助事業計画書を出す(事業者→知事。知事が別に定める日まで)
- 内示を受けて交付申請を出す(事業者→知事。内示を受けたあと、知事が定める日まで)
- 帳簿と証拠書類を保管する(事業者。完了した年度の翌年度から5年間)
提出日と様式は、都道府県が決めます。受付期間は国の資料に載っていないので、先に窓口へ確かめます。
必要な書類
準備できた 0 / 4
書類の名前と様式は、都道府県ごとに異なります。上の表は京都府の要綱にもとづく例です。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 認定を受けていない:補助は認定を受けた訓練が前提です。既存の社内研修をそのまま出しても認定されません。
- 訓練生が少ない:普通課程は、事業主なら総数で3人以上、団体なら1訓練科につき3人以上が認定の要件です。
- 計画書や申請の日を過ぎた:計画書も交付申請も、知事が別に定める日までに出します。京都府の要綱では、日付を要綱に書かず知事が決めます。
- 消費税の仕入控除税額が確定した:確定後は速やかに報告します。知事は、その税額の全部または一部の返還を命じることができます。
- 計画を大きく変えた:経費の配分や内容を著しく変える場合や、中止・廃止する場合は、知事の承認が要ります。
建設業は助成金も上乗せされる?
人材開発支援助成金の建設労働者認定訓練コースを使える場合があります。経費助成の対象は、都道府県の補助を受けて建設関係の認定職業訓練を行った中小建設事業主・事業主団体です。
経費助成は、都道府県の補助で助成対象とされた額の16.7%です。賃金助成は、建設労働者に有給で認定職業訓練を受講させ、人材開発支援助成金(人材育成支援コース)の支給決定を受けた中小建設事業主が対象です。1人あたり日額3,800円で、支給対象となった日数に限ります。賃金要件などを満たすと、日額1,000円が上乗せされます。
都道府県の補助だけで終わらせず、助成金の申請も並べて検討することを勧めます。
よくある質問
認定職業訓練とは何ですか?
事業主等が行う職業訓練のうち、教科・訓練期間・設備などが厚生労働省令の基準に合うものとして、都道府県知事が認定した訓練です。建築、金属・機械加工、情報処理、和洋裁、調理など、さまざまな職種で行われています。訓練期間は、普通課程が1年、短期課程が6か月以下です。認定を受けた訓練が、補助の対象になります。
いま実施している社内研修も対象になりますか?
認定を受けていない研修は対象になりません。認定の対象は、主として雇用する従業員に行う職業訓練で、教科・訓練時間・指導員・施設が省令の基準に合っている必要があります。既存の研修を基準に近づけて、認定を申請する流れになります。まず事業所の所在地の都道府県庁へ相談します。
補助率は全国どこでも同じですか?
国の資料では、補助率は補助対象経費の3分の2以内とされています。京都府の要綱でも、運営費と施設設備費のそれぞれ3分の2以内です。ただし対象経費の範囲は、各都道府県の定めるところによると、中小企業庁の資料にあります。所在地の要綱を、窓口で見せてもらうのが確実です。上限額も国の資料に記載がなく、都道府県の判断になります。
補助の上限額はいくらですか?
国の資料には、補助上限額の記載がありません。補助率が経費の3分の2以内とされているだけです。金額の上限や、1人あたりの単価があるかどうかは、確認できませんでした。京都府の要綱では、補助事業計画書を出したあとに、知事が補助金の額を内示します。計画を立てる前に、窓口で目安を聞いておくと安心です。
個人事業主でも申請できますか?
認定を受けられる実施主体は「事業主」で、法人か個人事業主かの区別は国の資料にありません。補助の対象も「中小企業事業主」と書かれています。ただし普通課程は、事業主の場合に訓練生が総数で3人以上必要です。従業員が少ない個人事業主は、他の事業主との共同実施を含めて、窓口に相談します。
国と都道府県の負担はどう分かれますか?
運営費は、国が1/3、都道府県が1/3です。施設・設備費は、都道府県が設置する場合は国が1/3を負担します。市町村や職業訓練法人が設置する場合は、国1/3と都道府県1/3です。事業主から見ると、都道府県が経費の2/3を補助し、国がその半分を都道府県へ交付する間接補助の形です。
申請はいつですか?
国の資料に、受付期間の記載はありません。京都府の要綱では、補助事業計画書と交付申請書を、知事が別に定める日までに出す仕組みです。受付の時期は都道府県ごとに異なります。計画書の提出日を過ぎると申請できないため、訓練を始める前に窓口へ日程を聞きます。
どんな訓練の課程が認定の対象ですか?
普通職業訓練の普通課程と短期課程、高度職業訓練の専門課程・応用課程・専門短期課程・応用短期課程です。普通課程は原則1年で1,400時間以上、短期課程は6か月以下で12時間以上です。自社の訓練がどの課程に当たるかは、都道府県の窓口で確かめます。
複数の会社で共同して実施できますか?
できます。補助の対象に、中小企業事業主や団体が単独または共同して行う認定職業訓練の運営費が含まれています。事業主の団体や連合団体も、認定を受ける実施主体です。共同で行う場合も、補助金は都道府県から交付されます。窓口への相談では、参加する事業主の数と訓練生の数を伝えます。
窓口はどこですか?
事業所の所在地か、訓練を行う施設がある都道府県庁です。人材開発の担当課が窓口になります。厚生労働省のページに、各都道府県庁のお問い合わせ一覧があります。国の担当は、厚生労働省の人材開発統括官の企業内人材開発支援室です。補助の可否や上限額は、都道府県に聞きます。
消費税の扱いはどうなりますか?
京都府の要綱では、補助金に係る消費税の仕入控除税額が確定したら、速やかに知事へ報告します。知事は、その税額の全部または一部の返還を命じることができます。補助金を受けた事業主が、仕入れ時に払った消費税を別に控除している場合に関わる規定です。経理の担当者や税理士にも、この取り扱いを共有しておきます。他の都道府県の扱いは、それぞれの要綱で確かめます。
書類はどのくらい保管しますか?
京都府の要綱では、補助事業に係る収支の帳簿や証拠書類を、事業が完了した日の属する年度の翌年度から5年間保管します。他の都道府県の保管期間は、それぞれの要綱で決まります。補助金は返還を命じられる場合があるので、保管期間の終わりまで書類を捨てずに残します。
建設業の助成金は誰でも使えますか?
建設関係の認定職業訓練について都道府県の補助を受けた中小建設事業主・事業主団体が対象です。経費助成は、補助で助成対象とされた額の16.7%です。賃金助成は、建設労働者に有給で受講させた中小建設事業主が人材開発支援助成金(人材育成支援コース)の支給決定を受けた場合の、1人あたり日額3,800円です。支給対象となった日数に限ります。
