自社のバックホウに後付け機器を載せて、丁張なしで掘削できるようにしたい。測量を2人から1人で回せるようにしたい。そうした機器の導入費を、県が経費の1/2(賃上げ枠は2/3)まで補助するのが、大分県の建設産業DX加速化事業です。
対象は、県内に主たる営業所があり、建設業許可と県の入札資格を持つ中小企業です。建設コンサルタント業務の入札参加資格を持つ会社も使えます。上限は機器の種類と枠で50万円から150万円。ただし令和8年度の二次募集(5月18日〜10月30日)は、公式ページに「予定の申込数に達しました」と出ています。締切の10月30日を待たず、先着順の受付はすでに終わっています。
次の募集があるかどうかは、公式ページに書かれていません。それでも対象の線引きと経費の決まりは、次に備える材料になります。
大分県建設産業DX加速化事業の要点まとめ
正式名:大分県建設産業DX加速化事業(ICT建機、ICT機器導入補助)
だれが
- 申請者
- 事業者(法人・個人事業主)
- 対象業種
- 建設業(許可あり)・建設コンサルタント業
- 利用目的
- ICT建機・測量機器・3次元CADなどの導入
- 対象地域
- 大分県(県内に主たる営業所があること)
- 従業員数
- 中小企業基本法の中小企業者(個人も可)
いくら
- 補助上限額
- 最大150万円(機器と枠で50万円から)
- 補助率
- 通常枠1/2以内・賃上げ枠2/3以内
いつ・どこへ
- 申請受付
- 2026年5月18日〜2026年10月30日(二次募集。申込数に達し終了)
- 事業の完了
- 令和8年度中に契約完了。報告は完了後30日か2月5日の早い方
受付が終わったあと、何を確かめておくか
令和8年度の募集は2回ありました。一次募集は4月13日〜5月12日で、すでに終了しています。二次募集は5月18日〜10月30日の予定でしたが、予定の申込数に達しました。
選定は先着順で、申請額が予算額に達した時点で受付が終わる仕組みです。締切日は目安にすぎず、早い会社から枠が埋まります。
令和9年度に同じ制度があるかどうかは、公式ページに書かれていません。編集部としては、募集の案内が出てから動くのでは遅いと考えています。県の建設政策課 建設技術情報班(097-506-4556)に問い合わせておくと、募集の時期を早めに知れます。
案内が出る前にできる準備もあります。
- 入札参加資格通知書と建設業許可通知書の写しを手元に置く
- 導入したい機器を絞り、複数の販売店から見積書を取る
- 交付決定までに2か月程度かかる前提で、導入の時期を逆算する
うちの会社は対象になる?
次の3つにすべて当てはまれば、対象の見込みです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 3
建設コンサルタント業の会社は、3つ目が「県の建設コンサルタント業務等の入札参加資格がある」に変わります。
次のどちらかに当たると対象外です。
- ✕ 県の入札参加資格を持っていない
- ✕ 資本金も従業員数も中小企業の基準超
中小企業基本法の中小企業者とは、業種ごとに資本金と従業員数の上限が決まった区分のことです。この制度が指すのは第2条第1項第1号の区分で、製造業・建設業などが入ります。資本金3億円以下か、常時使用する従業員300人以下のどちらか一方を満たせば該当します。
建設業許可を持っていても、県の工事の入札資格で格付けか認定を受けていなければ対象になりません。許可と入札資格の両方が必要です。
いくら戻ってくる?
補助対象経費の1/2(賃上げ枠は2/3)です。上限は機器の種類と枠で4通りに分かれます。
| 機器の区分 | 通常枠 | 賃上げ枠 |
|---|---|---|
| ICT建機(建機本体・後付け機器) | 1/2以内・上限100万円 | 2/3以内・上限150万円 |
| ICT機器(測量機器・CADソフトなど) | 1/2以内・上限50万円 | 2/3以内・上限75万円 |
経費は消費税を除いた額で数えます。補助金額は千円未満を切り捨てます。金額は計算のための仮の数字です。
- 自社のバックホウに後付け機器を付ける:160万円 × 1/2 = 80万円
- ICT建機の本体を入れる(通常枠):300万円 × 1/2 = 150万円 → 上限の100万円
- 同じ建機を賃上げ枠で入れる:300万円 × 2/3 = 200万円 → 上限の150万円
- 自動追尾型トータルステーションを入れる:80万円 × 1/2 = 40万円
- 3次元設計ソフトとドローンを入れる(通常枠):150万円 × 1/2 = 75万円 → 上限の50万円
上限に届く経費の目安も押さえておくと見積書を読みやすくなります。ICT建機は通常枠で200万円、賃上げ枠で225万円です。ICT機器は通常枠で100万円、賃上げ枠で112万5,000円です。
賃上げ枠を使うには何を満たす?
賃上げ枠は、令和8年度に賃上げを実施していて、実績報告前の直近1か月の総支給額が賃上げ前より1.5%以上増えていることが条件です。
総支給額に入るのは、月給・日給・時給などの基本給にあたる月額の賃金です。残業代・賞与・各種手当・役員報酬・福利厚生費・法定福利費・退職金は含みません。
賃金台帳には、その事業所で雇う全従業員を書きます。アルバイトやパートも入ります。増加率の計算に使うのは、賃上げの前後でどちらも同じ条件で在籍している人だけです。途中で退職した人や、時給から日給に労働条件が変わった人は計算から外れます。
賃上げ枠で申請しても、実績報告の時点で1.5%に届かなければ賃上げ枠は使えません。賃上げ枠から通常枠への変更は変更承認を受ければできます。通常枠から賃上げ枠へは変えられません。
何に使える?
対象にならないもの
- 消費税と地方消費税
- リース・レンタル費用、所有権が移らないファイナンスリース
- 保守費用(購入費と分けた見積書が必要)
- 補助事業期間内に契約が終わらない割賦払い
- 交付決定より前に契約した機器
- 他の補助金で別に交付を受けた分
対象になるもの
- ICT建設機械の購入費
- 既存の建機をICT化するための後付け機器の購入費
- 測量機器、3次元設計CADソフトウェアの購入費
- その他、生産性向上に役立つICTツールの購入費
- サブスクリプション形式のソフトウェア利用料(初年度に限る)
サブスクの利用料は、交付決定日か事業着手日の早い方から令和9年1月31日までの分が対象です。契約期間がそれを超える場合は月割りで計算します。パソコンやタブレットは、導入する機器と一体で専用に使うことが明らかなら認められる場合があります。
保有している建機を下取りに出して買い替えるときは、下取り金額で相殺する前の金額を経費に書きます。
申請から入金までの順番
- 事業計画書を出す(事業者→大分県スマート申請。募集期間内に先着順)
- 県の承認を待つ(県→事業者。内容を見て承認の可否を随時通知)
- 交付申請を出す(事業者→県。選定の通知が来てから)
- 交付決定のあとに契約して導入する(事業者。交付決定の前に契約しない)
- 実績報告を出す(事業者→県。完了の承認から30日か交付決定年度の2月5日の早い方まで)
- 請求書を出す(事業者→県。補助金の額の確定通知が来てから)
事業計画書を受け付けてから交付決定が出るまでは、2か月程度かかることがあります。機器の納期とあわせて、導入の予定に余裕を持たせる必要があります。契約は交付決定日以降のものだけが対象で、見積書は申請に付ける書類なので、交付決定の前に取っておく性質のものです。
必要な書類
準備できた 0 / 9
見積書は原則として複数社分を付けます。建設業許可通知書は、建設業許可で申請する会社だけが出します。賃金増加率試算表と賃金台帳は賃上げ枠だけで、実績報告の段階でも直近1か月分の賃金台帳を出します。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 交付決定の前に契約した:交付決定日以降に契約したものだけが対象です。注文書も契約と同じ扱いです。
- 賃上げが1.5%に届かなかった:賃上げ枠は実績報告前の直近1か月の総支給額で判定されます。手当や残業代で増えていても数えません。
- 支払いの形が対象外だった:リース・レンタルのほか、補助事業期間内に契約が終わらない割賦払いは対象外です。
- 補助で買った機器を勝手に処分した:取得価格が50万円以上の財産を処分するときは、事前に県の承認が要ります。処分で収入が出たときは、その一部か全部を県に納付する場合があります。
よくある質問
二次募集はもう申請できませんか?
公式ページには二次募集(5月18日〜10月30日)が「予定の申込数に達しました」と案内されています。先着順で、申請額が予算額に達した時点で受付を終える仕組みのため、締切日の前でも終了します。令和9年度の募集は公式ページに書かれていません。今後の予定は、建設政策課 建設技術情報班(097-506-4556)で確かめられます。
個人事業主でも申請できますか?
対象事業者の条件は「中小企業基本法第2条第1項第1号に規定する会社又は個人であること」です。個人も条件に入っています。そのうえで、建設業許可と県の入札資格の格付けか認定があるか、建設コンサルタント業務等の入札参加資格があることが必要です。県内に主たる営業所があることも条件になります。
契約済みの機器でも対象になりますか?
対象になりません。公式の「よくあるお問い合わせ」には、交付決定日以降に売買契約(注文書等を含む)を結んだものに限る、と書かれています。見積書を取るのは交付決定の前でも構いませんが、注文書を出す時期は交付決定のあとです。納期が長い機器は、交付決定の見込みから逆算して発注の時期を決めると間に合いやすくなります。
交付決定はいつ頃ですか?
事業計画書を受け付けてから、事業に着手できる交付決定の通知が出るまで、2か月程度かかることがあります。年度内に契約と導入を終える必要があるため、納期の長い機器ほど早めの申請が欠かせません。割賦払いや、令和9年1月31日までの利用分で数えるサブスクリプションの期間もからむので、導入のスケジュールを余裕を持って立てる必要があります。
消費税は補助の対象に含まれますか?
含まれません。補助対象経費は消費税と地方消費税を除いた額で数えます。見積書や申請書には税抜きの金額を書いて申請します。補助金額は予算の範囲内で千円未満が切り捨てられます。たとえば税抜きで160万円の後付け機器なら、1/2の80万円が補助金額の計算上の額です。上限は通常枠で100万円になります。
下取りに出す建機がある場合、経費はいくらで書きますか?
下取り金額で相殺する前の金額を、補助対象経費として書きます。下取りの金額を差し引いた額ではありません。見積書には、新しい機器の金額と下取りの金額が分かるように書いてもらうと、申請書の数字と見積書を照らしやすくなります。消費税は税抜きの金額で数えるので、あわせて確かめてください。
リースやレンタルでも補助されますか?
補助されません。機器等のリース・レンタル費用は対象外です。所有権が移転しないファイナンスリースも同じ扱いです。割賦払いは、補助事業期間内に終わるものは対象になる可能性があり、補助事業期間内(令和8年度中)に契約が完了しないものは対象外です。5年の割賦を考えているときは、事前に建設政策課へ相談してください。
ソフトウェアの保守費用は補助の対象ですか?
保守費用は対象外です。ソフトウェアを買うときに保守費用が含まれるなら、購入費用と保守費用を分けて書いた見積書を出します。サブスクリプション形式の利用料は対象になりますが、初年度に限ります。令和9年2月1日以降の利用にかかる費用は対象外で、補助の対象期間で月割り計算(1か月に満たない月は日割り)をして経費を決めます。
サブスクの利用料はいくらまで補助されますか?
対象期間で月割りして決めます。公式の例では、令和8年6月15日から2年間の契約で使用料が20万円のとき、対象期間は7.53か月です。7.53か月÷24か月×20万円で6万2,750円となり、千円未満を切り捨てた6万2,000円が補助対象経費です。この経費に補助率をかけた額が補助金額になります。
賃上げ枠の「総支給額」には残業代や賞与も入りますか?
入りません。残業代・賞与・各種手当は総支給額に含まれません。月給・日給・時給などの基本給にあたる月額の賃金が総支給額になります。賃金台帳に書く従業員は、その事業所で雇う全員(アルバイトやパートを含む)です。役員に支払った給与や役員報酬も、賃上げの計算には含めません。
ICT建機とICT機器を同時に申請できますか?
併用の可否は、公式ページと配布資料に書かれていません。補助上限額は、ICT建機とICT機器で別の表に分かれています。両方を入れる予定がある場合は、事業計画書にどちらの機器を何のために導入するかを書き分けて、申請の前に建設政策課へ確かめておくと安心です。電話は097-506-4556です。
問い合わせ先はどこですか?
大分県土木建築部 建設政策課 建設技術情報班です。電話は097-506-4556、メールはa18700@pref.oita.lg.jpです。対象かどうかの判断、割賦払いの扱い、賃上げ枠の計算、令和9年度の募集の予定など、公式ページで判断がつかないことは申請の前に問い合わせておくと、書類の出し直しを防げます。
