宿泊業の中小企業が、国の補助に上乗せして最大500万円を受け取れる大分県の補助金です。ただし観光庁の2つの補助事業のどちらかで、先に交付決定を受けていることが条件で、県だけには申請できません。
県への申請は、2026年12月25日17時必着です。予算が上限に達すると、期限の前でも受付が止まります。
大分県宿泊業経営力強化加速化補助金の要点まとめ
正式名:令和8年度大分県宿泊業経営力強化加速化事業費補助金
だれが
- 申請者
- 事業者(法人・個人事業主)
- 対象業種
- 宿泊業(旅館業法の許可を受けた事業者)
- 利用目的
- 国の省力化投資補助・ユニバーサルツーリズム促進事業への上乗せ
- 対象地域
- 大分県内に立地する施設
- 従業員数
- 200人以下(または資本金5,000万円以下の会社)
いくら
- 補助上限額
- 500万円
- 補助率
- 1/6以内〜1/4以内(枠で異なる)
いつ・どこへ
- 申請受付
- 2026年7月1日〜2026年12月25日
- 事業の完了
- 実績報告は原則2027年3月31日まで
上限500万円は賃上げ枠の値です。補助率は枠と国の事業で1/6以内か1/4以内に分かれ、通常枠の上限は340万円です。詳しくは本文に書きます。
うちは対象になる?
次のすべてに当てはまれば、対象の見込みです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 5
次のどれかに当たると対象外です。
- ✕ 国の事業にまだ応募していない
- ✕ 国の交付決定を受けていない
- ✕ 県への申請日より前に着手した
交付決定とは、国が補助を認めて出す通知です。県の補助は、この通知の写しを添えて申請するので、国の応募が先になります。
対象の事業は、観光庁の「観光地・観光産業における省力化投資補助事業」と「観光地・観光産業におけるユニバーサルツーリズム促進事業」の2つです。要綱では、どちらも令和7年度補正の事業と書かれています。
中小企業者の基準は、資本金5,000万円以下の会社、または常時使用する従業員が200人以下の会社と個人です。どちらか一方を満たせば足ります。
いくら補助される?
県の補助は、国の補助金の対象になる経費(補助対象経費)に、枠ごとの補助率をかけて決まります。
| 枠 | 国の事業 | 補助率 | 上限 |
|---|---|---|---|
| 通常枠 | 省力化投資補助事業 | 1/6以内 | 340万円 |
| 賃上げ枠 | 省力化投資補助事業 | 1/4以内 | 500万円 |
| 賃上げ枠 | ユニバーサルツーリズム促進事業 | 1/6以内 | 500万円 |
ユニバーサルツーリズム促進事業には、通常枠がありません。賃上げ枠だけです。
計算例は次のとおりです。県の補助率を補助対象経費にかける読み方で計算しています(かけ方の確認は、この節の最後に書きます)。
- 省力化投資・通常枠で、補助対象経費が1,200万円:1,200万円 × 1/6 = 200万円
- 省力化投資・通常枠で、補助対象経費が2,040万円以上:2,040万円 × 1/6 = 340万円(上限)
- 省力化投資・賃上げ枠で、補助対象経費が1,200万円:1,200万円 × 1/4 = 300万円
- 省力化投資・賃上げ枠で、補助対象経費が2,000万円以上:2,000万円 × 1/4 = 500万円(上限)
- ユニバーサルツーリズム・賃上げ枠で、補助対象経費が3,000万円以上:3,000万円 × 1/6 = 500万円(上限)
上限に届く補助対象経費は、上限を補助率で割って出した目安です。通常枠で2,040万円、賃上げ枠で2,000万円、ユニバーサルツーリズムで3,000万円です。公募要領に計算例がないため、この目安は申請前にツーリズムおおいたで確かめてください。
同じ補助対象経費なら、賃上げ枠のほうが多くもらえます。1,200万円なら、通常枠より100万円多い計算です。
国の補助率は1/2以内です。要綱の交付決定通知書の様式では、補助対象経費、うち国補助額、事業者負担額が並びます。県の補助額を事業者負担額にかけるのか、補助対象経費全体にかけるのかは、公募要領に計算例がありませんでした。要綱第3条は、補助対象経費に補助率をかける書き方です。申請前に、ツーリズムおおいたで試算を確かめてください。
何に使える?
対象にならないものは次のとおりです。
- 県への交付申請日より前に着手した事業
- 国の補助事業で対象外とされる経費
対象になるのは、国の補助事業の補助対象経費に準じるものです。県の公募要領と要綱は、具体的な設備や工事の一覧を載せていません。国の2事業の公募要領で、対象の経費を確かめてください。
ユニバーサルツーリズム促進事業で申請するときは、ツーリズムおおいたが主催するユニバーサルツーリズムの研修への参加も、要件に入っています。
申請の流れ
- 国の補助事業に応募し、交付決定を受ける(事業者→国の事務局。県の補助は、この決定が前提です)
- 県の交付申請書を出す(事業者→ツーリズムおおいた。メールで12月25日17時必着)
- 県の交付決定通知を受け取る(ツーリズムおおいた→事業者)
- 事業を実施する(事業者。県への申請日より前に着手しない。県の交付決定を待つ必要があるかは公募要領に書かれていないので、ツーリズムおおいたに確かめます)
- 国の額の確定通知を受け、県へ実績報告書を出す(事業者→ツーリズムおおいた。原則2027年3月31日まで)
- 県の額の確定通知を受けて請求する(精算払)
申請の受付は、土曜・日曜・祝日を除きます。メールの件名は「令和8年度大分県宿泊業経営力強化加速化事業費補助金(事業者名)」と決められています。
申請を取り下げられるのは、交付決定通知を受け取った日から15日を経過した日までです。
必要な書類
準備できた 0 / 16
事業計画の資料、見積書・カタログ、設備の写真・契約書・請求書等は、省力化投資補助事業の手引きに挙がっている書類です。ユニバーサルツーリズム促進事業の手引きには、国の交付申請書と交付決定通知書の写しが挙がっています。交付請求書は、県の額の確定通知のあとに出します。
賃上げ誓約書は、賃上げ枠で申請するときだけ要ります。実績報告書は、事業が終わってから出します。第10号・第11号の様式と賃金台帳の写しも、賃上げ枠のときだけです。
第2号様式の誓約書には、導入したツールや改修を、県のモデル事例として取材や事例集づくりに協力する項目があります。
賃上げ枠の条件は?
賃上げ枠は、2026年4月1日から2027年3月31日の間に、給与・賃金の総支給額を1.5%以上増やすことが条件です。
増加率は、基本給に当たる月額賃金で比べます。残業代、賞与、各種手当、役員報酬、福利厚生費、法定福利費、退職金は含みません。アルバイトとパートも、全員が計算に入ります。
時給や日給の人は、賃上げ前の労働時間と日数にそろえて計算します。賃上げ前後のどちらかの台帳にない人と、時給から日給などに変わった人は、計算から外します。
賃上げを国の事業終了後に行う場合は、県の補助事業の終了を実施時期に置きます。
賃上げ枠で申請して目標に届かなかった場合、原則として通常枠への変更は認められません。 誓約書には、要件が満たされなければ交付しない、または返還を求めるという内容も書かれています。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 県への申請日より前に着手した:申請日前に始めた事業は対象外です。国の交付決定が出ていても同じです。
- 国の交付決定を受けていない:国の2事業のどちらでも交付決定がなければ、県には申請できません。
- 賃上げ枠で1.5%に届かなかった:通常枠へは変えられません。交付されない、または返還を求められる場合があります。
- 予算が上限に達した:県の受付は、12月25日の前でも予告なく止まります。
- 国以外の補助金も受けた:同じ事業で、国の補助金以外の複数の補助金は受給できません。
- 取得した財産を無断で処分した:1件50万円以上のものは、事前に承認を受けます。
よくある質問
国の補助事業に応募していなくても申請できますか?
できません。県の補助は、観光庁の省力化投資補助事業か、ユニバーサルツーリズム促進事業で交付決定を受けた取組が対象です。県の申請書には、国の交付申請書類と交付決定通知の写しを添えます。国の応募に間に合っていない場合は、国の公募の状況を先に確かめ、県の期限と照らして計画を立ててください。
補助率の1/6や1/4は、どの金額にかかりますか?
要綱第3条は、国補助金の対象になる経費を県の補助対象経費とし、補助率は別表2のとおりと定めています。このため、国の補助対象経費に補助率をかける形で読めます。ただし公募要領に計算例はなく、国の補助額を引いたあとの金額にかけるかどうかは確認できませんでした。申請前に、ツーリズムおおいたへ試算を確かめてください。
通常枠と賃上げ枠は、どう違いますか?
省力化投資補助事業には、2つの枠があります。通常枠は補助率1/6以内で上限340万円です。賃上げ枠は補助率1/4以内で上限500万円です。賃上げ枠は、給与の総支給額を2026年4月から2027年3月の間に1.5%以上増やす要件が付きます。届かなかったときは、通常枠への変更ができません。賃上げの計画に自信がなければ、通常枠も検討してください。
ユニバーサルツーリズム促進事業でも通常枠は使えますか?
使えません。ユニバーサルツーリズム促進事業の枠は、賃上げ枠だけです。補助率は1/6以内で、上限は500万円です。そのため、この事業で申請する場合は、賃上げの要件を満たす前提になります。ツーリズムおおいたが主催する、ユニバーサルツーリズムの研修への参加も要件に入っています。
賃上げ枠の1.5%は、どう計算しますか?
基本給に当たる月額賃金の総額で比べます。賃上げを行う直前1か月分と、実績報告時点の直近1か月分の賃金台帳を使います。残業代、賞与、各種手当、役員報酬、福利厚生費、法定福利費、退職金は入れません。時給・日給の人は、賃上げ前の労働時間・日数にそろえます。比べる月の台帳にいない人は、計算から外します。
申請の受付はいつまでですか?
2026年7月1日から12月25日17時必着です。土曜・日曜・祝日は受け付けません。ただし、予算が上限に達したときは、期限の前でも予告なく受付が止まります。国の交付決定を受けた事業者は、早めに申請書を出す方が安全です。申請はメールで、件名は決められた形にします。
工事や設備の契約は、いつから始められますか?
県への交付申請日からです。申請日より前に着手した事業は、対象外になります。国の交付決定が出ていても同じなので、国の決定後は、先に県へ申請を出してください。契約や発注の時期は、事業者と相談して決めます。国の補助事業側の着手のルールも、別に確かめておく必要があります。
実績報告はいつまでに出しますか?
事業の完了または廃止の承認から30日後か、交付決定のあった年度の3月31日の早い方までです。公募要領は、原則2027年3月31日までと案内しています。報告には、国の実績報告書類と額の確定通知の写しを添えます。賃上げ枠は、賃金増加率計算表や賃金台帳の写しも要ります。国の額の確定通知が出てから、報告します。
中小企業者の基準を教えてください。
旅館業法第2条の「旅館業」を営み、同法第3条の許可を受けた者で、次のどちらかに当たる必要があります。資本金または出資の総額が5,000万円以下の会社、または常時使用する従業員が200人以下の会社と個人です。どちらか一方を満たせば足ります。県内に立地する施設を事業の対象にしていることも要件です。
他の補助金と併用できますか?
同じ事業で、国の補助金(観光庁の2事業)以外の複数の補助金は受けられません。観光庁の補助金との組み合わせが、この補助金の前提です。国や県の別の制度を使う予定があるときは、同じ経費を重ねて申請していないか、申請前にツーリズムおおいたへ確かめてください。重複の扱いは、交付要綱の第8条に定めがあります。
補助金で取得した設備を売ってもいいですか?
1件の取得価格が50万円以上のものを処分するには、あらかじめ会長(ツーリズムおおいた)の承認が必要です。承認を受けて処分し、収入があったときは、その全部または一部を納付する場合があります。耐用年数に相当する期間が過ぎていれば、この限りではありません。帳簿と証拠書類は、5年間保管してください。
問い合わせ先はどこですか?
公益社団法人ツーリズムおおいた 地域マネジメント部 地域マネジメント課です。電話は097-536-6250(平日9時〜17時45分)です。申請書の提出先も同じです。県の補助額の計算、国の交付決定との順番、賃上げ枠の計算で迷ったときは、申請の前に問い合わせてください。
