大分市の企業立地促進助成金は、事業計画書を出す前に行った設備投資は、1円も対象になりません。契約も設備投資に含まれます。工場の用地を押さえる前に、まず窓口へ相談する制度です。
助成は三つあります。設備投資額の6%、新規雇用1人あたり50万円、脱炭素投資額の10%です。三つを合わせても、1年度に出る額は2億円までです。
企業立地促進助成金の要点まとめ
正式名:大分市企業立地促進助成金
だれが
- 申請者
- 事業者(市内で新設・増設・移設をする企業)
- 対象業種
- 製造業。他の産業は産業用地への立地に限る(情報通信関連を除く)
- 利用目的
- 設備投資・新規雇用・脱炭素投資への助成
- 対象地域
- 大分市内
- 従業員数
- 規定なし(中小企業と大企業で基準額が違う)
いくら
- 補助上限額
- 設備投資支援は新設5億円。合計は新設6億円まで。単年度2億円
- 補助率
- 設備投資6%/雇用1人50万円/脱炭素10%
いつ・どこへ
- 申請受付
- 随時(締切の記載なし。設備投資の前に事業計画書を出す)
- 事業の完了
- 事業開始日から1年以内に実績報告
自分の会社は対象になる?
次の6つに当てはまれば、対象の見込みです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 6
次のどれかに当たると対象外です。
- ✕ 事業計画書の提出前に投資した
- ✕ 製造業以外で産業用地の外に立地する
- ✕ 情報通信関連産業(別の助成金)
基準額は、新設か増設・移設か、中小企業か大企業かで変わります。
| 区分 | 中小企業 | 大企業 |
|---|---|---|
| 新設:設備投資額 | 1億円以上 | 10億円以上 |
| 新設:新規雇用 | 5人以上 | 20人以上 |
| 増設・移設:設備投資額 | 5,000万円以上 | 10億円以上 |
| 増設・移設:新規雇用 | 2人以上 | 10人以上 |
「新設」は、市内に事業所のない企業が事業所を置くことです。「増設」は、市内に事業所のある企業が、事業規模を広げる目的で、その事業所を廃止せずに拡張するか、設備を更新するか、別に事業所を置くことです。「移設」は、事業規模を広げる目的で、市内の事業所をすべて廃止して、新しい事業所を市内に置くことです。
中小企業とは、中小企業基本法第2条第1項の中小企業者です。業種ごとに資本金と従業員数の上限があり、どちらか一方を満たせば該当します。製造業その他は資本金3億円以下か従業員300人以下、卸売業は1億円以下か100人以下、小売業は5,000万円以下か50人以下、サービス業は5,000万円以下か100人以下です。
公式ページは、設備投資額と新規雇用の人数を同じ表に並べています。大分市の「中小企業応援メニュー一覧」は、この助成金について「設備投資額及び雇用人数の要件があります」と書いています。投資額と雇用の両方の基準を満たす前提で計画を組み、どの助成にどちらの基準が効くのかは、事前相談で最初に確かめてください。
製造業以外の産業は、県や市などが造成した産業用地、または大分市産業用地開発支援事業の指定を受けて開発された産業用地への立地に限られます。ページの注記は製造業以外の産業にだけ付いています。製造業が産業用地の外に立地できるかは、ページから読み取れません。
いくら助成される?
助成は三つあり、算定の方法と上限がそれぞれ違います。
| 助成の種類 | 算定 | 上限 |
|---|---|---|
| 設備投資支援 | 設備投資額 × 6% | 新設5億円、増設・移設3億円 |
| 設備投資支援(機械等の賃借) | 賃借に係る設備投資額 × 25% | 最大1年間 |
| 雇用促進支援 | 新規雇用の人数 × 50万円 | 1億円 |
| 脱炭素投資支援 | 脱炭素投資額 × 10% | 1億円 |
設備投資支援と雇用促進支援を合わせた限度額は、新設5億円、増設・移設3億円です。脱炭素投資支援も含めた三つの合計は、新設6億円、増設・移設4億円です。同じ企業には、支払期間の重複に制限もあります。そのうえで、1年度に交付される額は2億円が上限です。2億円を超える分は、2年度以上に分けて交付されます。
製造業・中小企業の新設で、設備投資が10億円、うち5,000万円が脱炭素の対象設備、新規雇用が10人の場合を計算します。脱炭素投資額は設備投資額から除いて数えます。
- 設備投資支援:(10億円 − 5,000万円) × 6% = 5,700万円
- 雇用促進支援:10人 × 50万円 = 500万円
- 脱炭素投資支援:5,000万円 × 10% = 500万円
- 合計:6,700万円(単年度の上限2億円の内側)
上限に当たる例もあります。新規雇用が250人なら、250人 × 50万円 = 1.25億円ですが、雇用促進支援の上限は1億円です。設備投資が100億円なら、100億円 × 6% = 6億円ですが、新設の上限は5億円で、単年度2億円なので2年度以上にわたって分割交付になります。
助成金を交付している期間中は、新たな事業計画に係る助成金は交付されません。続けて第2弾の投資を考えている企業は、計画の順番を窓口に相談してください。
何が設備投資に数えられる?
対象にならないものを先に挙げます。
- 事業計画書の提出日より前に取得した土地・家屋・設備
- 事業所の新設等に必要のない資産(個別に判断)
- 別の投資計画で支援を受けている間に取得した資産
別の投資計画で設備投資支援を受けた(受ける予定を含む)場合は、その投資が完了した日以降に取得した資産だけが対象です。
対象になるものは、事業所の新設・増設・移設に必要な土地、家屋、償却資産(機械や設備など、事業に使う資産)です。事業計画書の提出日から事業開始日の前日までに取得したもので、提出日から5年以内に限ります。何が対象になるかは、個別に相談するよう公式ページに書かれています。
脱炭素投資支援の対象は製造業です。脱炭素投資額が3,000万円以上で、従業員数が事業計画書の提出日の人数以上であることが条件です。経済産業省の省エネ補助金の対象設備として、一般社団法人環境共創イニシアチブが公表している設備の取得費が、脱炭素投資額に当たります。
申請の流れ
- 事前相談をする(企業→創業経営支援課 企業立地担当班。097-537-7014)
- 事業計画書を出す(企業→創業経営支援課。設備投資や契約の前に)
- 指定申請書を出す(企業→創業経営支援課。事業開始日の30日前まで)
- 指定通知書を受け取る(大分市→企業)
- 事業を開始する(土地・家屋・償却資産をすべて取得し、使い始める)
- 事業開始届出書を出す(事業開始日から30日以内)
- 交付申請書兼実績報告書を出す(事業開始日から1年以内)
- 請求書を出し、振込を受ける(助成金額確定通知書を受け取ったあと)
事前相談の窓口は、商工労働観光部創業経営支援課です。申請の様式は、状況に応じて窓口が出します。
必要な書類
準備できた 0 / 5
公式ページに、書類ごとの添付資料の一覧はありません。様式と添付資料は、事前相談のときに窓口から示されます。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 計画書より先に投資した:事業計画書を出す前に行った設備投資は、対象外です。契約も含まれます。
- 新規雇用が減った:算定に使った新規雇用の人数を、助成金額が確定した日から5年間下回らないことが条件です。
- 市税を滞納した:交付の条件として、市税を滞納しないことが付けられます。
- 財産を目的どおりに使わなかった:取得した財産は、事業が終わったあとも善良な管理者の注意で管理し、助成の目的に沿って使います。
- 事業が5年続かない見込み:事業開始日から5年以上、事業を続けられる見込みが要件です。
帳簿などの証拠書類は、交付決定の年度の翌年度の4月1日から5年間、保管します。
似た助成金との違い
大分市の公式ページには、同じ企業立地の助成金として「情報通信関連産業支援助成金」と「本社機能移転促進助成金」が並んでいます。この助成金の対象業種は、情報通信関連産業支援助成金の対象になる産業を除いた産業です。IT関連の企業は、この助成金ではなく、そちらのページで要件を見てください。本社の機能を市内に移す場合も、別のページです。
よくある質問
事業計画書は、いつまでに出せばいいですか?
設備投資を行う前、契約を結ぶ前です。公式ページは、事業計画書を提出する前に行われた設備投資は助成の対象外になると書いています。土地の売買契約や機械の発注を先に済ませると、その分は対象に数えられません。投資の日程が動かせない場合でも、契約の前に事前相談の連絡を入れて、事業計画書を出す日を決めておくのが安全です。
新設と増設の違いは何ですか?
市内に事業所のない企業が市内に事業所を置くのが新設です。市内に事業所のある企業が、その事業所を廃止せずに拡張するか、新しく別の事業所を置くのが増設です。事業所をすべて廃止して、新たに市内に置き直すのが移設です。基準額は新設のほうが高く、中小企業の設備投資額は新設が1億円以上、増設・移設が5,000万円以上です。
中小企業の基準は、どう判断しますか?
中小企業基本法の定義で判断します。業種ごとに資本金の上限と従業員数の上限があり、どちらか一方を満たせば中小企業です。製造業その他は資本金3億円以下か従業員300人以下、卸売業は1億円以下か100人以下、小売業は5,000万円以下か50人以下、サービス業は5,000万円以下か100人以下です。複数の法人が一体で立地する場合は、企業集団を1つの企業とみなすことがあります。
製造業以外は、どこに立地すれば対象になりますか?
県や市などが造成した産業用地、または大分市産業用地開発支援事業の指定を受けて開発された産業用地です。公式ページの注記は、製造業以外の産業にこの条件を付けています。市内の一般の空き物件や自社の所有地に立地する計画は、この助成金の対象になるか分かりません。土地を決める前に、候補地がこの条件に当たるかを窓口で確かめてください。
IT企業やソフトウェア開発は対象ですか?
この助成金の対象にはなりません。公式ページは、情報通信関連産業支援助成金の対象になる産業を除くと書いています。IT関連の企業は、大分市の別ページにある「情報通信関連産業支援助成金」を確認してください。要件は別に定められているため、この記事の基準額をそのまま当てはめることはできません。どちらに当たるか迷う業種は、窓口で確かめます。
新規雇用にパートやアルバイトは数えられますか?
事業計画書の提出日の翌日以後に新たに就業する、正規雇用か非正規雇用の従業員が対象です。ただし、雇用促進支援の算定に数えられるのは、雇用保険の被保険者で、かつ市内に住んでいる人に限ります。パートでも、雇用保険に入っていて市内に住んでいれば数えられる読み方になります。具体的な人数の数え方は、事前相談で確認してください。
脱炭素投資支援は、どんな設備が対象ですか?
製造業が対象です。経済産業省の省エネルギー投資促進支援の補助金で対象になる設備として、環境共創イニシアチブが公表している設備の取得費が、脱炭素投資額になります。脱炭素投資額が3,000万円以上であること、従業員数が事業計画書の提出日の人数以上であることが条件です。助成額は脱炭素投資額の10%で、上限は1億円です。
助成額が2億円を超えたら、どうなりますか?
1年度に交付される額の上限は2億円です。算定した額がこれを超える場合は、2年度以上に分けて交付されます。たとえば設備投資支援の上限5億円に達する計画なら、1年度で受け取れるのは2億円までで、残りは翌年度以降です。助成金を交付している期間中は、新たな事業計画の助成は受けられません。資金計画は、分割を見込んで立てます。
機械を買わずにリースやレンタルで入れる場合は?
機械等の賃借も、設備投資支援の対象になります。助成額は、賃借に係る設備投資額の25%で、助成の期間は最大1年間です。事業計画書の提出日から事業開始日の前日まで(提出日から5年以内)に契約を結んだ賃借に限ります。契約の日が事業計画書より前だと対象に入りません。賃借の契約を結ぶ前に、事業計画書を出す順番を守ってください。
助成金をもらったあと、守る条件はありますか?
算定に使った新規雇用の人数を、助成金額が確定した日から5年間、下回らないことが条件です。取得した財産は、事業が終わったあとも管理し、助成の目的に沿って使います。市税を滞納しないこと、帳簿や証拠書類を5年間保管することも条件です。雇用の人数は5年にわたって見られるため、採用計画は余裕を持って立てます。
受付期間や締切はありますか?
公式ページに、受付期間や締切の記載はありません。随時の相談を受け付けている制度と読めます。ただし、事業計画書は設備投資や契約の前に、指定申請書は事業開始日の30日前までに出す期限があります。設備投資の日程から逆算して、いつまでに動けばよいかは、事前相談で確かめてください。年度ごとの予算の枠があるかどうかも、ページに書かれていません。
問い合わせ先はどこですか?
大分市 商工労働観光部 創業経営支援課 企業立地担当班です。電話は097-537-7014、ファクスは097-533-6117です。公式ページは、助成金の活用を検討する段階で、早めに相談するよう求めています。新設か増設かの区分、中小企業に当たるか、投資の対象になる資産かどうかなど、ページで判断できない点は、ここで先に確かめられます。
