人工呼吸器や吸引器は、補助金で買えるのでしょうか。佐賀県の人工呼吸器等設備整備事業なら買えます。ただし実施協議書を出して県の内示を受けた事業所だけが交付申請でき、令和8年度分の交付申請は10月15日必着で終わっています。
補助額は「基準額250万円」の額面どおりではありません。短期入所事業所で開設3年目までなら、基準額に補助率3/4を掛けた最大187.5万円が上限です。次の募集に備える事業所に向けて、対象の線引きと計算を順に整理します。
佐賀県 人工呼吸器等設備整備事業の要点まとめ
正式名:令和8年度佐賀県医療的ケア児等在宅生活支援事業(人工呼吸器等設備整備事業)
だれが
- 申請者
- 事業者(福祉サービス事業所を運営する法人)
- 対象業種
- 指定短期入所・指定生活介護・指定児童発達支援・指定放課後等デイサービスの各事業所
- 利用目的
- 医療的ケア児等の新たな受入・受入人数の拡大のための備品購入・設備整備
- 対象地域
- 佐賀県内
- 従業員数
- 規定なし(開設から15年目までの事業所が条件)
いくら
- 補助上限額
- 187.5万円
- 補助率
- 開設3年目まで3/4以内、4〜15年目は1/4以内
いつ・どこへ
- 申請受付
- 2026年10月15日必着(交付申請。内示を受けた事業者のみ)
うちの事業所は対象になる?
次の5つにすべて当てはまれば、対象の見込みです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 5
対象の4種は、指定短期入所、指定生活介護、指定児童発達支援、指定放課後等デイサービスです。ここでいう医療的ケア児等には、18歳になったあとや高校卒業後も医療的ケアを受けている人が含まれ、県内で在宅生活を送っていることが前提です。
次のどれかに当たると対象外です。
- ✕ 開設から16年目以降の事業所
- ✕ 内示を受けていない
- ✕ 受入の新規・拡大に結びつかない整備
- ✕ 訪問看護ステーションが整備する
3つ目は、要綱が「新たな受入又は受入人数の拡大に必要となる」整備を対象にしているためです。既存の機器を同じ数だけ入れ替える場合に当たるかどうかは、公式ページに書かれていません。購入の前に県の障害福祉課へ確認してください。
訪問看護ステーションは、同じ事業の別メニューである通院等支援事業の対象です。この記事の設備整備事業の対象者には入っていません。
開設年数は、開設日の属する年度を1年目として数えます。令和6年度中に開設した事業所は、令和8年度が3年目です。令和5年度の開設なら4年目になり、補助の区分が変わります。
いくら補助される?
補助額は、対象経費と基準額を比べて少ない方に、補助率を掛けた額です。基準額の250万円は、そのまま出る額ではありません。
| 事業所の種類 | 開設3年目まで | 4年目〜15年目 |
|---|---|---|
| 短期入所事業所 | 基準額250万円・補助率3/4 | 基準額50万円・補助率1/4 |
| 生活介護・児童発達支援・放課後等デイ | 基準額100万円・補助率3/4 | 基準額20万円・補助率1/4 |
基準額はどれも1事業所あたりです。経費の金額は次のように仮置きして計算します。
- 短期入所・3年目まで・経費200万円:200万円 × 3/4 = 150万円
- 短期入所・3年目まで・経費400万円:基準額250万円 × 3/4 = 187.5万円(上限)
- 短期入所・4年目以降・経費80万円:基準額50万円 × 1/4 = 12.5万円(上限)
- 放課後等デイ・3年目まで・経費60万円:60万円 × 3/4 = 45万円
- 放課後等デイ・4年目以降・経費30万円:基準額20万円 × 1/4 = 5万円(上限)
開設4年目に入ると、同じ機器を買っても補助額は大きく下がります。買い替えや増設の時期を決めるときは、開設年度から何年目に当たるかを先に確かめてください。
何に使える?
対象にならないもの
- 消耗品
- ほかの補助金の対象になる経費
- 受入の新規・拡大に結びつかない購入
- 短期入所以外の事業所による設備整備(備品の購入だけが対象)
対象になるもの
- 人工呼吸器
- 酸素濃縮器
- パルスオキシメータ
- 吸入器
- 吸引器
- 経腸栄養輸液ポンプ
- そのほか、県が医療的ケア児等の受け入れに特に必要と認めたもの
短期入所事業所は、備品の購入に加えて設備整備の経費も対象です。設備整備の中身(工事費が入るかなど)は公式ページに書かれていません。見積もりを取る前に障害福祉課へ確認しておくと、対象外の項目が混ざるのを防げます。
申請の流れ
- 実施協議書を出す(法人→佐賀県 障害福祉課。期限は別に定められる)
- 県から内示を受ける(県→法人。内示のない事業所は交付申請できない)
- 交付申請書(様式第1号)を出す(法人→県。郵送か電子メール。令和8年度分は10月15日必着)
- 交付決定を待つ(県→法人。標準的な審査期間は30日。決定の前に事業へ着手しない)
- 購入・整備をして実績報告を出す(法人→県。完了日から1か月後か3月31日の早い日まで)
- 額の確定通知を受けて請求する(法人→県。精算払いは様式第5号。概算払いも相談できる)
- 消費税の仕入控除税額を報告する(法人→県。様式第6号。0円でも報告する)
交付決定とは、県が補助金を出すと正式に決める通知のことです。これより前に始めた購入や工事は、補助の対象になりません。経費が変わったときは、変更交付申請(様式第2号)を年度末の3月31日までの日付で出します。
必要な書類
準備できた 0 / 10
上から6行目までが交付申請のとき、残りが実績報告のときの書類です。見積書と仕様書は、事前協議のときに出したものと変わらなければ省略できます。受給者証の写しは、契約中の医療的ケア児等のうち受給者証と給付費の決定内容がわかる部分を全員分そろえます。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 交付決定の前に着手した:県から交付決定が出たあとに事業へ着手する決まりです。先に買うと対象になりません。
- 目的に反して使った・処分した:取得価格が30万円以上の機械・器具は、耐用年数が過ぎるまで県の承認なしに目的外使用・譲渡・廃棄ができません。違反すると交付決定の取消しや返還を求められます。
- 条件や指示に違反した:交付決定に付いた条件への違反や不正があれば、補助金を出さない、または返還を命じられることがあります。
県は、事業の発注先に県内企業を選ぶよう努めることも交付の条件にしています。帳簿と証拠書類は、事業完了の年度が終わってから5年間保管します。
よく誤解されるポイント
同じページに3つの事業が載っています。 受入体制整備事業(人件費の補助)と通院等支援事業は、事前協議が要りません。事前協議が必要なのは、この記事の人工呼吸器等設備整備事業だけです。
10月15日の期限は、内示を受けた事業所の交付申請の期限です。 協議書を出していない事業所が、この日までに交付申請できるわけではありません。協議書の提出期限は要綱に「別に定める」とあり、県の案内ページには日付が載っていません。
「最大250万円」は基準額です。 実際の補助額は、これに3/4を掛けた187.5万円が上限です。
併用と税金
ほかの補助金の対象になる経費は、この事業の対象外です。国や市町の補助と同じ機器を重ねて申請することはできません。
消費税は、仕入控除税額(事業者が消費税の計算で差し引ける部分)がある場合、その分を減額して申請します。申請の時点で金額が決まっていなければ、事業完了後に様式第6号で報告し、全部または一部を返すことになります。
次の募集の有無や時期は、県の案内ページに書かれていません。要綱は年度ごとの適用を定めているため、障害福祉課へ問い合わせてください。
よくある質問
開設から16年以上の事業所は対象になりませんか?
対象になりません。補助対象者は、開設から15年目までの事業所を運営する法人に限られます。開設年数は開設日の属する年度を1年目として数えるので、開設日が年度の途中でも、その年度が1年目です。16年目に入る前に整備したい場合は、開設年度から何年目に当たるかを、実施協議書を出す前に数えておくと安心です。
実施協議書の期限を過ぎていたら、交付申請もできませんか?
できません。人工呼吸器等設備整備事業は、実施協議書を出して内示を受けた事業者に限り交付申請できます。令和8年度分の交付申請は10月15日必着で終わっています。次の協議や募集の時期は県の案内ページに書かれていないため、障害福祉課地域生活支援担当(0952-25-7064)へ問い合わせてください。
内示がなくても、交付申請書だけ先に出せますか?
出せません。県の案内ページに、人工呼吸器等設備整備事業は実施協議の結果、内示を受けた事業者に限り申請できると書かれています。同じ事業の受入体制整備事業と通院等支援事業は事前協議が要りません。混同して交付申請書だけ出してしまうと、手戻りになります。自分が出したい事業区分がどれかを先に確かめてください。
基準額が250万円なら、250万円もらえますか?
もらえません。補助額は、対象経費と基準額を比べて少ない方に補助率を掛けた額の範囲内です。短期入所事業所で開設3年目までなら、基準額250万円に3/4を掛けた187.5万円が上限になります。経費が200万円なら、200万円に3/4を掛けた150万円です。補助率は「以内」なので、この額まで出るとは限りません。
開設年数は、どの日から数えますか?
開設日の属する年度を1年目として数えます。たとえば令和6年度中に開設した事業所は、令和8年度が3年目です。3年目までは補助率3/4、4年目以降15年目までは1/4で、基準額も下がります。開設日が3月と4月では、年度が1つ違ってくるため、区分が変わることがあります。開設日は指定を受けた日で数えるのかなど、迷う点は県に確かめてください。
訪問看護ステーションも対象になりますか?
この記事の人工呼吸器等設備整備事業の対象ではありません。対象者は、開設から15年目までの指定短期入所事業所、指定生活介護事業所、指定児童発達支援事業所、指定放課後等デイサービス事業所を運営する法人です。訪問看護ステーションは、同じ事業の通院等支援事業(通院中や送迎中の付き添い)の対象者に入っています。
既存の利用者向けに機器を買い替える場合も対象ですか?
要綱は「新たな受入又は受入人数の拡大に必要となる」備品や設備を対象としています。既存の利用者のために同じ数の機器を入れ替える場合に当たるかどうかは、公式ページに書かれていません。受入人数が増える計画になっているかを実施協議書で示すのが基本です。入れ替えと拡大が混ざる購入は、協議の段階で県に確かめてください。
消耗品も補助されますか?
補助されません。要綱は、対象経費から消耗品費を除いています。対象は、人工呼吸器、酸素濃縮器、パルスオキシメータ、吸入器、吸引器、経腸栄養輸液ポンプのような備品と、県が受け入れのために特に必要と認めたものです。短期入所事業所は、これに設備整備の経費も加わります。見積書では、備品と消耗品を分けて書いてもらうと整理しやすくなります。
交付決定の前に機器を買ってもいいですか?
買わないでください。県の案内ページに、内定通知のあと交付申請を出し、県から交付決定を受けてから事業に着手する必要があると書かれています。決定前に購入した分は補助の対象になりません。交付申請から決定までの標準的な期間は30日とされているため、導入したい時期から逆算して、早めに協議書と申請書を準備してください。
補助金で買った機器は、すぐ売ったり廃棄したりできますか?
取得価格が30万円以上の機械・器具は、耐用年数が過ぎるまで、県の承認なしに目的外の使用、譲渡、交換、貸付け、担保提供、取壊し、廃棄をしてはいけません。承認を受けて処分し収入があれば、その一部または全部を県へ納めることがあります。30万円未満の備品も、事業完了後に善良な管理者の注意で管理する決まりです。
補助金はいつ振り込まれますか?
振込日は公式ページに書かれていません。流れは、実績報告を出し、県が補助金額の確定通知を出し、その金額を請求書(様式第5号)で請求する順番です。概算払い(先に概算で受け取る方法)を希望する場合は、障害福祉課の担当者へ相談する決まりです。口座名義人のカナの書き間違いで振込エラーになった例が県の資料に載っています。
申請書類はどこへ、どう出しますか?
県の障害福祉課地域生活支援担当へ、郵送か電子メールで出します。すべての様式で押印は要りません。提出先は〒840-8570 佐賀市城内1丁目1番59号、電話は0952-25-7064(平日8時30分〜17時15分)、メールは shougaifukushi@pref.saga.lg.jp です。提出書類の確認には、県が公開している「申請の流れと書類一覧」のチェックシートが使えます。
受入体制整備事業とは、どう違いますか?
受入体制整備事業は、短期入所事業所が医療的ケア児等の受け入れのために基準を超えて配置した人員の人件費を補助する事業です。機器や設備の購入費を補助するこの記事の事業とは別の区分で、事前協議も要りません。同じ事業所が両方に申請することは考えられますが、ほかの補助の対象になる経費は対象外になるので、経費の割り振りに注意してください。
