相模原市の「ベンチャー・スタートアップ企業進出補助金」は、市外から市内に事業所を新設する企業を支援する制度です。賃料は最大10割、整備費や外注加工費は最大半額。合計上限は120万円です。
受付は先着順の随時。令和8年度(2026年度)の締切は2027年2月末です。ただし予算上限に達すると、それより早く受付が終わります。
相模原市ベンチャー・スタートアップ企業進出補助金の要点まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 申請者 | 事業者(市外の日本国内で開業・法人登記している中小企業等。個人事業主も対象) |
| 制度名 | 相模原市ベンチャー・スタートアップ企業進出補助金 |
| 対象業種 | 業種指定なし(営業拠点・本社・研究開発拠点・生産拠点。在庫保管だけの倉庫は対象外) |
| 利用目的 | 事業所の新設・立地(市外から市内への進出) |
| 対象地域 | 神奈川県相模原市 |
| 従業員数 | 中小企業基本法上の会社および個人 |
| 補助上限額 | 120万円(賃料・整備費・外注加工費等の合計) |
| 補助率 | 賃料は最大全額支給、整備費・外注加工費は最大1/2 |
| 申請受付 | 随時(令和8年度は2027年2月末まで。予算上限に達すると早く終了) |
| 公式サイト | https://www.city.sagamihara.kanagawa.jp/sangyo/sangyo/1026664/1003291/josei/1029250.html |

対象になる企業・進出のかたち
補助対象は、市外の日本国内で開業・法人登記をしている中小企業等です。これまで市内に事業所を持たず、新たに市内へ事業所を設置することが条件になります。対象は中小企業基本法上の会社および個人。個人事業主としての進出も対象です。
申請枠は次の2つのいずれかです。
- 一般枠: 市外で法人登記または開業の届出をして15年以内であり、かつ「対象産業」に該当する企業等
- 市アクセラレーションプログラム採択者枠: 申請する当該年度に、相模原市のアクセラレーションプログラムの採択を新たに受けた企業等
一般枠の対象産業は、次の分野に該当するものです。
| 分野 | 対象産業の例 |
|---|---|
| 情報通信分野 | AI、IoT、DX(自動化・RPA等)、デジタルツイン、量子技術、VR・AR、Web3、通信、スマートシティ、ロボティクス、フィンテック、ヘルステック等 |
| 製造関連分野 | ロボット製造、先端素材、ナノテクノロジー、次世代モビリティ製造、ドローン・空飛ぶクルマ製造、GX関連製造、航空宇宙関連、半導体関連等 |
| 環境・エネルギー分野 | 省エネルギー関連サービス、再生可能エネルギー関連サービス、GX関連サービス、カーボンニュートラル関連サービス等 |
| その他 | 先進的・先端的な分野と見做せるもの |
進出の形は「営業拠点」「本社」「研究開発拠点」「生産拠点」のいずれかが対象です。在庫の保管だけを目的とした倉庫や、事業活動に関わらない拠点は対象外と明記されています。すでに市内で開業・法人登記している事業者も対象外です。これから市内で新規に開業・法人登記する場合も対象になりません。

補助対象経費と補助率:5項目は併用できる
補助対象経費は次の5項目で、①〜⑤は併用可能です。
| 経費項目 | 内容 | 補助率 |
|---|---|---|
| ①賃料 | 事業所の賃貸借契約に基づく賃料 | 最大10分の10 |
| ②事業所整備費 | 賃借する事業所の改修・リノベーション費用 | 最大2分の1 |
| ③外注加工費 | 事業に係る外部委託・試作/製作依頼の費用 | 最大2分の1 |
| ④材料費 | 事業に係る材料費(仕入れた材料をそのまま販売する場合は対象外) | 最大2分の1 |
| ⑤販売促進費・広告宣伝費 | 展示会出展費等を含む販売促進・広告宣伝費(接待交際費は対象外) | 最大2分の1 |
補助上限額は①〜⑤の合計で120万円です。賃料は、事務所として登記すればコワーキングスペースやレンタルオフィスも対象になります。ただし入居を伴わないバーチャルオフィスは対象外です。
事業所整備費は、設計・撤去・電気通信工事・建築工事などの改修費が対象です。物品の購入費そのものは対象になりません。
補助額のシミュレーション:業種・使い道別に3パターン
どの程度の補助になるか、3つの業種で試算します。
- 情報通信のAIスタートアップが研究開発拠点を新設: 月8万円の事業所を賃借。年間賃料96万円は全額が補助対象(10/10)。ネットワーク工事など整備費30万円は15万円(1/2)。合計111万円で上限の枠内
- 製造関連のロボットベンチャーが生産拠点を賃借: 月10万円なら年間賃料は120万円。全額が補助対象(10/10)で、ちょうど上限の120万円に届く
- 環境・エネルギー分野が採択者枠で営業拠点を開設: 年間賃料60万円(10/10で60万円)、外注加工費40万円(1/2で20万円)、展示会などの広告宣伝費80万円(1/2で40万円)。合計120万円で上限に到達
月10万円の賃料なら、それだけで上限に届きます。賃料がそれより安い場合は、整備費や広告宣伝費で枠を埋める組み立てになります。
申請の流れ:交付決定"前"でも契約・着手はできるが、交付申請"前"はNG
手続きは次の順で進みます。
- 事業計画書・交付申請書等の提出(募集開始〜2027年2月末)
- 契約締結・事業の着手(〜2027年2月末)
- 交付決定通知(提出後随時〜3月上旬)
- 事業完了・実績報告書の作成・提出(〜3月中旬)
- 補助金交付請求(〜3月中旬・末頃)
- 補助金交付(〜4月末頃)
この制度は、交付決定の通知を待たずに契約・着手へ進めます。交付申請時に「補助金等交付決定前事業着手届」を出し、着手時にも「事業着手届」を出す。この2枚で、交付決定前の契約・着手が認められます。
ただし交付申請日より前の契約、申請書受付より前の着手は対象外です。物件を仮押さえしても、契約は急がない。交付申請書を出したあとに契約・着手する順番を守ってください。
タイミング別の主な必要書類は次のとおりです。
- 交付申請時: 交付申請書、補助事業等計画書、収支予算書、補助金等概要調書、履歴事項全部証明書、納税証明書(国税・都道府県税・市町村税)、会社案内等、暴力団排除に関する誓約書、役員等氏名一覧表、補助金等交付決定前事業着手届、直近2期分の決算資料、(賃料補助の場合)賃貸借契約書案・賃料支払計画書、(整備費の場合)整備着手前の平面図・写真、見積書等
- 事業着手時: 事業着手届
- 事業完了・実績報告時: 事業完成届、収支決算書、補助事業等実績報告書、補助対象経費を証する書類(見積書・契約書・領収書)等
義務は進出後も続きます。事業開始日から2年を経過する年度末まで、市内での操業継続義務があります。市担当者による現地確認と、毎年度末の実施状況報告も必要です。違反すると交付決定が取り消され、交付済みの補助金は全額返還です(倒産・廃業等のやむを得ない場合を除く)。

他の補助金との併用・注意点
公式の注意事項では、他の補助金との併用はできないと明記されています。例外は、販売活動・研究開発・商品開発・生産等の事業活動全般の経費を補助する神奈川県・相模原市の制度だけです。国の補助金と組み合わせたい場合は、対象経費が重複しないかを創業支援・企業誘致推進課へ確認してください。
外資系企業も、日本法人であれば対象です。ただし親会社・子会社などの関連会社や、代表者の親族(三親等以内)との取引にかかる経費は対象外。申請は同一申請者(法人)につき1回のみです。
他の自治体にもオフィス開設を支援する制度があります。あわせてこちらの記事で解説しています。
よくある質問
個人事業主でも対象になりますか?
対象になります。補助要領は「中小企業基本法第2条第1項各号に掲げる会社及び個人」を対象と明記しています(業種ごとに資本金と従業員数の上限が決まっており、製造業その他は資本金3億円以下または従業員300人以下、卸売業は1億円以下または100人以下、小売業は5,000万円以下または50人以下、サービス業は5,000万円以下または100人以下。どちらか一方を満たせば該当します)。個人事業主による進出も含まれます。
相模原市内で新たに創業・法人登記する場合も対象ですか?
対象になりません。対象は「市外の日本国内で既に開業・法人登記をしている企業等」の進出だけです。これから市内で新規に開業・法人登記する場合は対象外と明記されています。
バーチャルオフィスやコワーキングスペースの利用でも申請できますか?
入居を伴わないバーチャルオフィスは対象外です。一方で、事務所として登記される場合は、コワーキングスペースやレンタルオフィスの利用も対象になります。
