パソコンやタブレットは、この補助金で買えるのか。買えません。パソコン、タブレット、スマートフォン、周辺機器は、公募要領で対象外と明記されています。
西条市の「中小企業等デジタル基盤強化事業費補助金」は、専用ソフトウェアや情報システムの導入費の1/2(一般枠は上限50万円)を補助する制度でした。ただし公式ページでは、令和8年8月3日(消印有効)で予算に達する見込みとなり、募集が締め切られています。当初の期限は12月18日でしたが、予算がなくなった時点で終わりました。この記事は、同じ型の制度に備える人に向けて、対象の線引きを整理したものです。
西条市 デジタル基盤強化事業費補助金の要点まとめ
正式名:西条市中小企業等デジタル基盤強化事業費補助金(一般枠)
だれが
- 申請者
- 事業者(法人・個人事業主)
- 対象業種
- 業種の指定なし
- 利用目的
- 専用ソフト・情報システムの導入
- 対象地域
- 愛媛県西条市
- 従業員数
- 業種ごとの上限あり(中小企業基本法の基準)
いくら
- 補助上限額
- 50万円(下限10万円)
- 補助率
- 1/2以内
いつ・どこへ
- 申請受付
- 2026年6月8日〜8月3日(予算到達で募集終了)
- 事業の完了
- 2027年1月29日まで
うちの会社は対象になる?
次の3つにすべて当てはまれば、対象の見込みでした。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 3
個人事業主は、市内に住所か事業所があれば対象です。中小企業者は、業種ごとに資本金か従業員数の上限が決まっており、どちらか一方を満たせば該当します。製造業・建設業・運輸業などは資本金3億円以下または従業員300人以下、卸売業は1億円以下または100人以下、サービス業は5,000万円以下または100人以下、小売業は5,000万円以下または50人以下です。
次のどれかに当たると対象外です。
- ✕ 大企業の子会社などのみなし大企業
- ✕ 国や県の補助を受けた同じ事業
- ✕ 許認可が必要なのに取っていない
みなし大企業は、大企業が株式の2分の1以上を持つなど、中小企業でも対象から外れる会社のことです。ほかに、風俗営業関連、政治・宗教活動が目的の事業、暴力団関係者も対象外です。
いくら戻ってくる?
対象経費(消費税は除く)の1/2以内で、上限は50万円です。下限は補助額で10万円、つまり対象経費が20万円に満たない案件は対象になりません。上限の50万円に届くのは、対象経費が100万円以上のときです。補助額は1,000円未満が切り捨てられます。
- 予約管理システムの導入に60万円:60万円 × 1/2 = 30万円
- 在庫管理システムと導入支援で120万円:120万円 × 1/2 = 60万円 → 上限の50万円
- 対象経費が18万円:18万円 × 1/2 = 9万円 → 下限の10万円に届かず対象外
1事業者につき申請は1回までです。
何に使える?
線引きのポイントは、「その事業以外にも使えるか」です。他の用途に使える汎用品は対象外、その事業のためだけの専用品は対象になります。目的外使用を防ぐための線です。
対象にならないもの
- パソコン、タブレット、スマートフォン
- 周辺機器(サーバー、ルーター、プリンター、複合機、モニター、スキャナー、Webカメラなど)
- Microsoft Officeなどの一般事務用ソフト
- すでに導入しているソフトの更新料
- 1点2万円未満の物品、消耗品(USBメモリ、SDカードなど)
- 中古品、予備品
- 交付決定の前に発注・契約・支払いをしたもの
対象になるもの
- ソフトウェア経費(専用ソフト、情報システムの購入・構築・借用)
- 外注費(オーダーメイドの開発・システム構築。請負契約が条件)
- 専門家経費(導入に付随する委託費。事業計画書の作成費は除く)
- ハードウェア経費(専用ソフトに付随して使う機器の購入・据付・運搬)
クラウドサービスやサブスクリプションは、交付決定後の契約日から2027年1月29日までの利用分が対象です。契約がこの期間を超える場合は、期間分だけを按分します。
ハードウェア経費は、対象経費の総額の1/2までです。ソフト30万円とハード40万円を組むと、ハードは30万円までしか認められず、対象経費は60万円、補助額は30万円になります。ハードウェアだけの申請、専門家経費だけの申請もできません。専門家経費とハードウェア経費を半分ずつ計上する組み方も認められていません。
よく誤解されるポイント
パソコンを買うために使えると考えて、導入計画に入れてしまう人がいます。ソフトの動作に必要だと説明しても、パソコンやタブレットは汎用品として対象外です。専用機器として対象にできるのは、1点2万円以上で、導入するソフトやシステムに付随して使う物に限られます。
もう1つは、DXモデル創出枠との取り違えです。同じ制度に、補助率10/10・上限300万円の「DXモデル創出枠」がありました。採択予定は1件、公募期間は2026年5月27日から6月26日で、審査会による書面審査でした。一般枠の期間では申請できません。
申請の流れ
制度が募集していた当時の流れです。
- 申請書類をそろえる(事業者。見積書、導入するソフトの資料、決算書など)
- 郵送で申請する(事業者→西条産業情報支援センター。消印有効。窓口では受け付けない)
- 交付決定を待つ(市→事業者。書類に不備がなければおおむね2週間)
- 発注・導入して、支払いを終える(事業者。交付決定通知のあとに着手)
- 実績報告を郵送する(事業者。完了から30日以内、または2027年1月29日の早い日まで)
- 確定通知を受けて請求する(事業者→市。請求後1か月以内を目途に振込)
納期に間に合わないなど、やむを得ず早く着手するときは、申請書と同時に事前着手届(様式第4号)を出せば、交付決定前に着手できます。申請日以降の着手に限られ、交付決定が保証されるわけではありません。
必要な書類
準備できた 0 / 5
事前着手届は、納期に間に合わないなどやむを得ず、交付決定の前に着手する場合だけ要ります。宣誓書兼委任状は押印が必要で、日付は申請日と同じにします。申請書に書いた申請日より後に発行された書類は使えません。クラウド利用料の算出資料、専門家経費の業務内容資料、ハードウェアの導入予定箇所の写真は、該当する場合だけ出します。公式ページの書類一覧には、条件のない「設置予定箇所の写真」も並んでいますが、公募要領に対応する項目はありません。ハードを入れない場合の要否は、窓口に確かめてください。決算を一度も迎えていない場合は、法人は履歴事項全部証明書と月別売上表、個人は開業届の写しと月別売上表です。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 交付決定の前に着手した:事前着手届を出していない発注・契約・支払いは対象外です。
- 支払いの証拠が足りない:振込指定一覧は、振込済みの証明になりません。
- カード払いの名義が違う:名義が申請者本人と同じで、期間内に口座から引き落とされた分だけが対象です。
- 宣誓した内容に反した:宣誓書には、この事業で取得した設備について先端設備等導入計画の認定を受けない、という項目があります。
- 補助金を受けた設備を売った:50万円以上の設備を耐用年数のうちに処分すると、返還の対象になります。
- 報告が期限に遅れた:実績報告を期日までに出さないと、交付決定が取り消されることがあります。
よくある質問
今から申請できますか?
できません。公式ページに、2026年8月3日(消印有効)で予算に達する見込みとなり、募集を締め切ったと書かれています。当初の期限は12月18日でしたが、予算がなくなり次第終了する仕組みでした。次の募集があるかどうかは、公式ページに書かれていません。担当の産業振興課経営支援係に聞くのが確実です。
パソコンを買う費用は補助されますか?
補助されません。公募要領には、パソコン、タブレット端末、スマートフォンと周辺機器が補助対象外と明記されています。周辺機器には、サーバー、ルーター、プリンター、複合機、モニター、スキャナー、Webカメラなどが含まれます。対象になる機器は、導入する専用ソフトに付随して使う、1点2万円以上の物です。
個人事業主でも申請できましたか?
申請できました。市内に住所か事業所がある個人事業主が対象でした。個人事業主は、決算書類として直近の確定申告書(第一表・第二表)と、青色申告なら所得税青色決算書の1〜4面、白色申告なら収支内訳書の1〜2面を出します。一度も決算を迎えていない場合は、開業届の写しと月別の売上表で代わりになりました。
一般枠とDXモデル創出枠は何が違いますか?
一般枠は補助率1/2以内・上限50万円で、公募期間は2026年6月8日から12月18日でした。DXモデル創出枠は補助率10/10・上限300万円で、採択予定は1件、公募期間は5月27日から6月26日です。審査会による書面審査で、採択されると事例発信や報告会への協力が求められます。両方に同時に申請できるかは、公式ページに記載がありません。
専門家への委託費は対象になりますか?
導入するソフトに付随する委託なら対象でした。条件は、業務内容と費用を決めた書面の契約を結ぶこと、仕様が分かる書類を申請時に出すこと、支援を受けたあとの報告書を実績報告に添えることです。事業計画書の作成にかかった費用は、対象外になります。専門家経費だけの申請はできません。
交付決定の前に契約してもいいですか?
原則として交付決定のあとに着手します。交付決定の前に発注・契約・支払いをした経費は対象外です。早く着手する必要があるときは、申請書と同時に事前着手届を出す方法があります。ただし申請日以降の着手に限られ、事前着手届を出しても交付決定が保証されるわけではありません。決定が出なかった場合は自己負担になります。
クラウドサービスの利用料はどこまで対象ですか?
交付決定後の契約日から、補助事業の完了日(2027年1月29日の実施期限)までの利用分が対象です。月額・年額のサブスクリプションや保守費用も同じ扱いで、契約が期間を超える場合は期間分を按分します。公式ページには、利用料を計算するシートと記載例が用意されています。年額契約をまとめて払う場合も、期間分だけが対象です。
補助金の振込はいつですか?
実績報告のあとに市が内容を確かめて補助金の額を確定し、確定通知を受けて請求書を出します。請求書の提出後、1か月以内を目途に指定口座へ振り込まれます。経費は先に自社で払う必要があるので、導入費の資金繰りを考えておく必要があります。クレジットカード払いは、期間内の口座引き落としが条件です。
申請は窓口でできましたか?
窓口では受け付けておらず、郵送のみでした。送付先は、株式会社西条産業情報支援センター デジタル化補助金担当で、送付先以外に届いた郵便は受け付けられません。締切は消印有効でした。申請書の様式は市のページからダウンロードでき、交付申請書の記載例も用意されています。
補助を受けた設備は自由に売れますか?
単価50万円(税抜)以上の機械や備品は、処分制限期間が決まっています。期間内に目的外で使う、譲渡する、担保に出す、廃棄するときは、事前に市の承認が必要です。承認を受けずに処分すると、交付決定の取り消しや返還の対象になります。導入したシステムの事例紹介やヒアリングへの協力も、お願いされることがあります。
問い合わせ先はどこですか?
申請と実績報告の受付窓口は、株式会社西条産業情報支援センター デジタル化補助金担当(電話 0897-53-0010)です。制度に関する市の窓口は、産業振興課経営支援係(電話 0897-52-1482)です。次の募集の予定は、公式ページに書かれていないので、産業振興課経営支援係に聞いてください。
