スキャンツールの補助金は、買う前に申請するのでしょうか。いいえ。購入と支払いを終えてから申請する後払い型で、対象は2026年4月1日以降に買った機器と受けた研修です。スキャンツールとは、自動車の車載コンピュータと通信して故障診断をする持ち運べる機器のことです。
2026年10月6日時点で、事務局のホームページは「申請受付終了間近です」と案内しています。8月20日には、予算に対する申請額の割合が90%に達したと発表されました。受付終了の表示は見当たりませんが、買ってから申請する制度なので購入の前に事務局(03-4446-4346)で受付中かを確かめてください。
スキャンツール補助事業の要点まとめ
正式名:令和8年度予算スキャンツール補助事業
だれが
- 申請者
- 事業者(法人・個人事業主)
- 対象業種
- 自動車整備業
- 利用目的
- スキャンツールの購入、使い方の研修の受講
- 対象地域
- 全国
- 従業員数
- 公募要領に定めなし
いくら
- 補助上限額
- 1事業場あたり32万円(機器30万円・研修2万円)
- 補助率
- 機器1/3(検査専用は1/4)・研修1/3
いつ・どこへ
- 申請受付
- 2026年8月7日10時〜2027年1月29日17時(予算がなくなり次第終了)
- 事業の完了
- 2027年1月29日までに支払いまで終えること
うちの事業場は対象になる?
次の6つにすべて当てはまれば、対象の見込みです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 6
認証工場は、運輸局から特定整備の認証を受けた自動車特定整備事業者です。電子制御装置整備を含む認証を受けているか、その認証を申請する予定(申請中を含む)の分解整備事業者でも構いません。認証がない場合は、自社が持つ自動車関連施設で整備事業をしていて、三級自動車整備士と自動車タイヤ整備士を除く整備士が配置されていることも条件で、申請するのは電子制御装置整備の認証です。研修は「補助対象研修一覧」に載っているものが対象で、支払いの期限は受付が予算で途中終了したときはその最終日になります。国の他の補助金は、同じ機器・研修で令和8年度以降に始まったものを指します。
次のどれかに当たると対象外です。
- ✕ 一覧にない機器
- ✕ リースで入れた機器
- ✕ 2026年4月1日より前の購入・受講
- ✕ 国土交通省の補助金等停止措置中
- ✕ 指名停止措置を受けている
- ✕ 車両法などの関係法令を守っていない
- ✕ 暴力団排除の誓約に反する
同じ型式でも、一覧に載っていなければ申請できません。対象は購入です。
先に買うのは問題ありません。問題は予算です
申請の前に買っていても構いません。むしろ順番は逆で、買って支払いを終えてから申請します。一方で、事務局は申請書類の事前確認をしていません。
受付が予算の上限で途中終了した場合は、公募要領の対象期間もその最終日で終わります。終了のお知らせが出たあとに買った機器は対象になりません。
予算の上限を超えそうなときは、一級自動車整備士が在籍し、その証明書類を出した事業者の採択が優先されます。それ以外の申請は、システムが受け付けたあとでも不受理(棄却)になることがあります。不受理になっても購入費は全額自己負担です。一級自動車整備士がいる事業場は、優先採択の書類を一緒に出しておくと安全です。
いくらもらえる?
補助額は、消費税を除いた金額に補助率をかけて100円未満を切り捨てます。上限は機器30万円、研修2万円で、合わせて32万円です。
- 税別90万円の機器を買う:90万円 × 1/3 = 30万円(上限に届く)
- 税別60万円の機器を買う:60万円 × 1/3 = 20万円
- OBD検査だけに対応した検査専用の機器(税別60万円)を買う:60万円 × 1/4 = 15万円
- 研修を受ける。補助対象研修一覧のG-TRAINING導入編(G-SCANユーザー、税別3万円):3万円 × 1/3 = 1万円
1/3の機器は税別90万円以上、検査専用の機器は税別120万円以上で機器の上限30万円に届きます。研修の2万円は、受講料が税別6万円以上のときです。
上限は、事業者単位でも機器1台単位でもなく、事業場単位です。同じ事業場で何台買っても、上限は変わりません。本社と支社など、異なる事業場から別々に申請することもできます。
何に使える?
対象にならないもの
- 補助対象機器一覧にないスキャンツール
- リースで導入した機器
- 2026年4月1日より前に購入した機器、受講した研修
- パソコン・スマートフォン・タブレットだけの申請
- Windows 11が入っていない情報端末、主にスキャンツール以外に使う情報端末
- 消費税、振込手数料、周辺機器の取得費
- すでに持っている機器を購入費として計上したもの
- 故障診断ソフトの利用料のうち、導入開始日から1年を超える期間の分
対象になるもの
- 補助対象機器一覧にあるスキャンツール(検査専用のものは補助率1/4)
- 一覧の機器を使うために必要な追加購入機器(パソコンなど)。一覧の機器と同じ申請で、一括して申請する場合に限ります
- 故障診断用ソフトの購入費と、導入開始日から1年までの月額・年額の利用費
- 補助対象研修一覧にある研修の受講費(ツールメーカーや自動車整備振興会が行う研修)
どこまでが「追加購入機器」で、どこからが「周辺機器」なのかは、公募要領に細かい定義がありません。パソコンの周辺に付ける品を買うときは、申請の前に事務局へ確認してください。すでに持っている機器を購入費として申請したことが分かると、交付決定が取り消されて補助金の返還を求められます。
申請の流れ
- 買う機器・受ける研修が一覧に載っているか確かめる(事業者。購入の前に。一覧は随時更新されます)
- 機器を買う、研修を受ける(事業者→販売店・研修会場。2027年1月29日までに支払いまで終える)
- 事務局の申請システムで申請する(事業者→TOPPAN株式会社の事務局。パソコンから。2027年1月29日17時まで。申請と実績報告を1回で行う「交付申請兼実績報告」)
- 審査と交付決定を受ける(事務局→事業者。「交付決定通知書兼交付額確定通知書」が届くと補助額が確定します)
- 請求申請を出す(事業者→事務局。振込先が分かる書類を添えて。通知のあとに)
申請は、パソコンからインターネット経由で行う方法だけです。スマートフォンやタブレットは動作保証外で、郵送や持ち込みは受け付けていません。補助金の振込は、審査が終わり次第、11月中旬以降に順次始まる予定です。
必要な書類
準備できた 0 / 10
経費使用明細書はExcelで、機器1/3用・機器1/4用・研修用のうち該当するものを使います。認証書は自動車特定(分解)整備事業者であることを示す書類で、出せない場合は整備士の証明に加え、法人は現在事項全部証明書、個人事業主は住民票か運転免許証の写しを出します。請求書・領収書は機器、受講証明書・領収書は研修の分で、写真の情報端末はWindows 11が分かるものにします。一級整備士の書類は優先採択を求める場合、振込先の書類は請求申請のときに出し、口座は法人なら法人名義、個人事業主なら本人名義です。
請求書は、機器のメーカー名・名称・型式・品番・ソフトのバージョンが分かるものを出します。対象の経費と対象外の経費が区別され、消費税が別表示になっていることも条件です。住民票や運転免許証の写しは、個人番号や免許の条件欄などを黒塗りします。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 予算の上限に達した:申請システムが受け付けたあとでも、不受理になることがあります。不受理になった場合、買った費用は自己負担です。
- 一覧にない機器を買った:同じ型式でも、一覧にない機器は対象外です。購入の前に、事務局ホームページの最新の一覧で確かめます。
- 書類の不備を直さなかった:事務局が決めた期日までに不備を直さないと、申請は受け付けられず、出ていた交付決定も取り消されます。
- 5年以内に処分した:購入価格が50万円以上の機器は、購入から5年間、事務局の承認なしに譲渡・貸し付け・廃棄などができません。処分すると、原則として補助金の一部を返します。
国の別の補助金・保有義務
同じ機器・研修で国の他の補助金を受けた場合、この補助事業では重複して申請できません。公募要領と宣誓書が重複を問うのは、令和8年度以降に始まった国の補助金です。申請の主体は事業場なので、過去の事業で同じ機器の補助を受けていても今回申請する事業場が別なら申請できます。
補助事業のお金の帳簿と証拠書類は、補助事業が終わった年度の終了後5年間、保存します。税金上の扱い(補助金が課税される場合の経理など)は、公式ページに書かれていません。顧問税理士や税務署に確かめてください。
よくある質問
申請してから機器を買えば間に合いますか?
間に合いません。この補助金は、購入と支払いを終えたあとで交付申請と実績報告を一緒に出す仕組みです。対象は2026年4月1日以降に購入し、2027年1月29日までに支払いまで終えたものです。事務局は申請前の書類確認をしておらず、買ったあとで対象外と分かっても費用は戻りません。買う前に一覧への掲載と受付状況を確かめてください。
2026年4月1日より前に買ったスキャンツールは対象になりますか?
対象になりません。対象は2026年4月1日以降に購入した機器と、同じ日以降に受講した研修です。4月1日以降に購入していれば、補助金の申請が始まった8月7日より前に買った機器も対象になります。補助事業の完了日は、支払いを終えた日(領収書に書かれた日付)です。発注日や納品日ではありません。
電子制御装置整備の認証がなくても申請できますか?
申請できる場合があります。電子制御装置整備を含む認証を受けているか、その認証を申請している(申請予定を含む)事業者が対象です。申請時に認証を申請していない事業者は、今後申請することを宣誓書で約束します。自社の施設で整備事業をしている場合は、三級整備士とタイヤ整備士を除く整備士の配置も条件です。
補助対象機器一覧にない機器は申請できませんか?
できません。同じ型式の機器でも、一覧に載っていなければ対象外です。一覧にある機器のファームウェア(機器の制御ソフト)のバージョンが一覧と違っていても申請はできます。検査用として使う場合は、特定整備事業の認証を取り、特定DTC照会アプリでバージョンを確かめます。一覧は国土交通省が認定したもので、2026年8月14日に更新されています。
パソコンやタブレットだけを買うときも対象ですか?
対象になりません。パソコン・スマートフォン・タブレットだけの申請はできません。一覧のスキャンツールと同じ申請の中で一括して申請する場合に限り、機器を使うために必要な追加購入機器として計上できます。情報端末はWindows 11が入っていることが条件で、Windows 10の端末はWindows 11にアップデートすれば対象になります。
リースで導入した機器は対象ですか?
対象になりません。この補助事業は購入に対する補助で、リースは対象外とされています。リース会社から借りる形で機器を入れる予定があるなら、購入に切り替えないと補助を受けられません。購入する場合も、支払いを2027年1月29日までに終える必要があります。分割払いで支払いが残る場合の扱いは公式ページに書かれていないため、事務局に確かめてください。
1事業場で何台買っても上限は同じですか?
同じです。複数台を申請しても、1事業場あたりの限度額は機器30万円・研修2万円で変わりません。補助率も、消費税を除く本体価格の1/3(検査専用は1/4)のままです。複数の事業場がある場合は、事業場ごとに別々に申請できます。本社と支社で事業者が異なるときは、利用者登録も別々に行います。
予算がなくなったら、申請済みの分はどうなりますか?
予算額を超えたあとの申請は、システムが受け付けてもあとで不受理になります。優先採択の要件を満たした事業者が先に採択され、それ以外の申請が不受理になることもあります。申請順に審査する決まりですが、受付後でも不受理になり得るので申請済みでも安心はできません。不受理のときは事務局から連絡があります。
優先採択とは何ですか?
予算を超える申請が出たときに、一級自動車整備士が在籍している事業者を先に採択する仕組みです。優先を求めるには、一級整備士の合格証書などを出します。現在事項全部証明書に載っていない人の証明を出す場合は、直近の給与明細や名刺など、その人が申請事業者に在籍している書類も要ります。
補助金はいつ振り込まれますか?
交付決定のあとに請求申請を出すと、振込が行われます。事務局のQ&Aでは、先進安全自動車の整備環境の確保事業(スキャンツール補助金)は、11月中旬以降に審査が終わった分から順次振り込む予定です。書類の不備が多い時期や申請が集中する時期は、審査に通常より時間がかかることがあります。
申請の締切はいつですか?
2027年1月29日(金曜日)17時です。国土交通省の報道発表は曜日を(火)と書いていますが、公募要領と事務局の案内は金曜日です。2027年1月29日は金曜日です。ただし予算の上限に達すれば、この日より前に受付が終わります。期限間際はアクセスが集中して通信が不安定になることがあるため、余裕を持って申請します。
以前この補助金を受けましたが、今年も申請できますか?
申請できる場合があります。同じ機器・研修で国の他の補助金(被害者保護増進等事業費補助金を含む)をすでに受けていると、重ねて申請できません。ただし申請の主体は事業場なので、過去に同じ機器の補助を受けていても今回申請する事業場が別なら申請できます。同じ事業場で同じ機器の補助を過去に受けている場合の扱いは、事務局に確かめてください。
故障診断ソフトの月額利用料も対象ですか?
対象になりますが、期間に制限があります。故障診断用ソフトの購入費のほか、事業期間中に発生して支払いまで終えた月額・年額の利用費が対象です。ただし導入開始日から1年を超える期間の利用料は対象外で、案分して除きます。2年目以降の費用は対象になりません。ソフトの利用料を含めて申請するときは、請求書に内訳が分かるように書いてもらいます。
問い合わせ先はどこですか?
申請の書き方や書類は、令和8年度被害者保護増進等事業費補助金事務局(TOPPAN株式会社)が窓口です。電話は03-4446-4346、平日9時〜18時です。制度そのものは、国土交通省 物流・自動車局 自動車整備課(電話 03-5253-8111)です。一度かけてつながらないときは、時間をずらしてかけ直します。
