LED電球に替えるだけで、省エネ設備の補助金は出るのでしょうか。出ません。光源だけの交換は消耗品の扱いで、器具ごと替える工事が対象です。この補助金は、予算の6,300万円に達して受付を終えています。次の公募の要件は、令和8年度の内容と同じとは限りません。
線引きの中心は2つあります。事業所全体の省エネ診断を先に受けていることと、交付決定の前に発注も契約もしていないことです。この2つを外すと、金額にかかわらず対象から外れます。
省エネ・再エネ設備導入補助金の要点まとめ
正式名:令和8年度 省エネ・再エネ等設備導入加速化補助金
だれが
- 申請者
- 事業者(法人・個人事業主・組合など)
- 対象業種
- 業種の指定なし
- 利用目的
- 省エネ設備の更新、太陽光発電・蓄電池などの導入
- 対象地域
- 滋賀県内(事業所等が県内にあること)
- 従業員数
- 中小企業者等(業種別の基準あり。本文で説明)
いくら
- 補助上限額
- 最大300万円(設備ごとに上限が違う)
- 補助率
- 3分の1以内(指定避難所等の再エネは2分の1以内)
いつ・どこへ
- 申請受付
- 2026年12月10日17時まで(予算到達で受付終了)
- 事業の完了
- 2027年2月10日まで
最大300万円に届くのは、指定避難所等の施設が太陽光発電と蓄電池、小水力発電、燃料電池などを入れる場合です。一般の中小企業者等の上限は、省エネ設備で200万円、太陽光発電と蓄電池で210万円、小水力発電で200万円です。
うちの会社は対象になる?
次の6つにすべて当てはまれば、対象の見込みです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 6
次のどれかに当たると対象外です。
- ✕ 生産設備・事務用機器の更新
- ✕ 新設・建替・移転に伴う設備
- ✕ 中古品・光源だけの交換
- ✕ 交付決定前に発注・契約した
- ✕ 県の別の補助金を受けた設備
中小企業者等は、資本金か従業員数のどちらかが業種ごとの基準以内の事業者です。製造業・建設業・運輸業その他は資本金3億円以下または300人以下、卸売業は1億円以下または100人以下、サービス業は5,000万円以下または100人以下、小売業は5,000万円以下または50人以下です。個人、組合、社会福祉法人なども含みます。ゴム製品製造業、ソフトウェア業、旅館業は別の基準があり、公式の手引きに載っています。大企業が株式の2分の1以上、または大企業と合わせて3分の2以上を持つ会社などの「みなし大企業」は除かれます。
省エネ診断は、エネルギー管理士などの専門家が事業所全体のエネルギー使用状況を調べ、削減策を提案するものです。公式ページでは、滋賀県産業支援プラザの診断支援を案内しています(定数になり次第終了)。ただし、次の場合は診断が要りません。
- 太陽光発電などのファイナンスリース・オンサイトPPA(第三者が設備を所有して電気を売る契約)で入れる場合
- 新設の事業所など、過去1年間のエネルギー使用実績がなく診断できない場合
再エネ設備だけは、交付申請の時点で診断が済んでいなくても、実績報告までに診断書を出せば認められます。省エネ設備には追加の条件もあります。
- 事業所全体の前年度のエネルギー使用量を5%以上、または100GJ以上減らせる見込みがある
- 県の条例で事業者行動計画の提出が必要な事業者ではない
- 過去に県の省エネ設備向け補助金を受けたなら、交付を受けた年度の翌年度から3年が過ぎている
照明を更新するときは、県が運営する「びわ湖カーボンクレジット倶楽部(LED照明)」への入会も必要です。
いくら戻ってくる?
補助率は対象経費の3分の1以内です(千円未満は切り捨て)。ただし、上限額が設備ごとに決まっているので、実際の額は次の3つのうち一番小さい数字になります。
省エネ設備は、次のうち一番小さい額です。
- 200万円
- 事業所全体のエネルギー削減量(GJ)× 1万円
- 対象経費 × 1/3
設備ごとの上限額は次のとおりです。
| 設備 | 中小企業者等 | 指定避難所等 |
|---|---|---|
| 太陽光+蓄電池 | 1kWあたり7万円(上限210万円) | 1kWあたり10万円(上限300万円) |
| 太陽光のみ | 1kWあたり4万円(上限120万円) | 上限120万円 |
| 蓄電池のみ | 1kWhあたり5万円(上限50万円) | 1kWhあたり7万円(上限75万円) |
| 小水力発電 | 200万円 | 300万円 |
| 風力発電 | 100万円 | 150万円 |
| V2H(車から給電する装置)のみ | 10万円 | 10万円 |
| 次世代自動車+V2H | 100万円 | 100万円 |
このほか、バイオマス発電、太陽熱、地中熱、下水熱、ガスコージェネレーション、燃料電池は、中小企業者等が200万円、指定避難所等が300万円です。
計算例は、申請の手引きに載っている3つです。
- LED照明と空調機を更新する(削減120GJ):400万円 × 1/3 = 133.3万円、120GJ × 1万円 = 120万円 → 一番小さい120万円
- 太陽光25kWを入れる:330万円 × 1/3 = 110万円、25kW × 4万円 = 100万円 → 一番小さい100万円
- 太陽光40kWと蓄電池9kWhを入れる:690万円 × 1/3 = 230万円、40kW × 7万円 = 280万円 → 上限の210万円
1例目は、経費の3分の1より削減量のほうが先に頭打ちになっています。削減量が少ない更新は、経費をかけても額が伸びません。3例目は、上限に当たる例です。太陽光と蓄電池の組み合わせでは、蓄電池の容量は補助額の計算に入りません。kW数は、太陽光パネルの出力とパワーコンディショナー(直流を交流に変える機器)の出力の小さいほうです。
指定避難所等は、県内にある耐震性を備えた民間の福祉施設や医療施設などで、市町から福祉避難所に指定された(予定を含む)施設です。実績報告までに指定されている必要があります。申請では、市町からの通知文などの写しを付けます。
何に使える?
対象にならないものを先に挙げます。省エネ効果を数字で示せない経費と、営利目的に近いものが外れます。
- 生産設備と事務用機器(生産設備に電気・熱・水を送るユーティリティ設備は対象)
- 光源(電球・蛍光管)だけの交換と、旧器具を使ったバイパス工事
- 工事を伴わない設備と、持ち運べる設備
- 中古品(性能と価格を客観的に確かめられないため)
- 施設の新設・建替・移転
- 設計費・調査費・消費税
- 既存設備の処分費(撤去費は、更新に欠かせない分だけ対象)
- 見える化だけのシステム(自動制御を伴うものは対象)
- 売電のための設備や、系統連系・事業計画認定の申請費用
対象になるものは次のとおりです。
- 本工事費・付帯工事費・設備費
- 省エネ設備:高効率の照明(器具とランプを同時に交換)、空調の更新、冷蔵冷凍設備、給湯設備、変圧器、屋根の断熱、空調制御システム、窓の遮熱・断熱
- 再エネ設備:太陽光発電、蓄電池、V2H、小水力・風力・バイオマスなど
- 割賦販売契約で買う設備(リース契約とESCOは対象外。太陽光のファイナンスリース・オンサイトPPAは別の扱い)
太陽光発電で売電するのは構いません。ただし、1事業所あたり年3,600kWh以上、かつ発電量の50%以上を自家消費する必要があります。
申請の流れ
- 省エネ診断を受ける(事業者→診断機関。再エネ設備のみなら実績報告までに出せば可)
- 県内の事業者から見積書を2社以上取る(事業者→県内の施工業者。申請時に有効期限内のもの)
- 交付申請書と添付書類をメールで出す(事業者→プラザ CO2ネットゼロ支援課。12月10日17時必着)
- 交付決定の通知を待つ(プラザ→事業者。申請から30日以内。決定の前に発注しない)
- 発注して工事を終える(県内の事業者。2027年2月10日まで)
- 実績報告書を出す(事業者→プラザ。完了から30日以内か2月10日の早いほう)
- 額の確定通知のあと、補助金が振り込まれる(プラザ→事業者)
書類がそろった申請から受付順に審査します。不備があると、直るまで審査が止まり、ほかの申請が先になります。公式ページも、締切間際は実績報告の期限に合わなくなると注意しています。
必要な書類
交付申請のときに出す書類です。
準備できた 0 / 18
行動計画書は省エネ設備のみ、クレジット入会届と新旧照明リストはLED照明を入れるときだけ必要です。機器構成図・単線結線図は太陽光発電の分、自立運転時の電力供給図は太陽光と蓄電池を入れるとき、設置承諾書は土地や建物の所有者が申請者と違うとき、市町の指定通知は指定避難所等で申請するときです。個人事業主は履歴事項全部証明書の代わりに住民票の写し(本籍は省略)を出します。履歴事項全部証明書と県税の納税証明書は、直近3か月以内に取ったものです。納税証明書には、県税に未納がない旨の記載が要ります。太陽光は自家消費率の算定資料も要ります。ファイナンスリース・オンサイトPPAで申請する場合は様式が別になるので、プラザに先に問い合わせてください。
実績報告のときは、事業報告書、施工者印のある工事証明書、契約書と請求書と振込証明書の写し、完了後の写真、取得財産等管理台帳などを出します。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 交付決定の前に発注した:発注と契約書の締結のうち早いほうが「着手」です。見積書を取るだけなら問題ありません。
- 発注先か施工が県外の事業者だった:県内に本社か支店がある事業者の県内の事業所に発注し、施工もそこが行う必要があります。県外に下請けに出すと対象外です。見積書も県内の事業者から取ります。県内に施工できる事業者がない設備は、事前に相談します。
- 支払いを証明できない:現金渡しは認められません。振込手数料は自己負担で、他の事業との合算払いは原則不可です。手形は決済が済んだ時点が支払い完了で、令和9年1月末までに決済が必要です。
- 期限に間に合わない:完了から30日以内か2027年2月10日の早い日までに実績報告を出します。工事が冬にずれ込むと間に合わなくなります。
- 効果が出なかった:完了の翌々年度の6月30日まで(令和8年度分は令和10年6月30日)に効果報告を出します。要件を満たさないと、交付決定が取り消されて返還になることがあります。
- 財産を勝手に処分した:取得価格が50万円以上の設備は、耐用年数の間、転用・譲渡・貸付・廃棄に承認が要ります。
勘違いしやすい点と併用
6,300万円は、1社がもらえる額ではありません。 補助事業全体の予算額です。1社の上限は、設備ごとに上の表で決まります。
国や市町の補助金とは併用できます。 ただし、その補助金の額を対象経費から引いて計算します。市町の制度によっては併用を認めないものがあるので、市町の担当に確かめます。
県の他の補助金とは、同じ設備では併用できません。 過去に県の省エネ・再エネ向け補助金で入れた設備は、耐用年数が過ぎるまで更新の対象外です。
同じ年度に補助を受けられる設備は、1事業所あたり1種類です。 組み合わせられるのは、省エネ設備と太陽光(蓄電池つきを含む)、V2H単体と太陽光(蓄電池つきを含む)に限られます。
よくある質問
受付が終わっていても、この記事の内容は役に立ちますか?
役に立ちます。ただし、次の公募が同じ条件で出るとは限りません。令和8年度は、予算額に申請額が達した時点で受付を終えました。次に備えるなら、今のうちに事業所の省エネ診断を受けておくこと、県内の施工業者に見積もりを頼める関係をつくることが先です。最新の募集は、プラザの公式ページか電話(077-511-1424)で確かめてください。
LED電球に替えるだけでも対象になりますか?
対象になりません。電球や蛍光管などの光源は消耗品なので、光源のみの交換は補助の対象外です。照明器具とランプを同時に交換する工事が対象で、電気工事を伴わないシーリングライトも対象になりません。旧器具をそのまま使うバイパス工事(電源直結工事)も外れます。照明を更新する場合は、びわ湖カーボンクレジット倶楽部への入会も必要です。
省エネ診断は必ず受ける必要がありますか?
原則として必要で、事業所全体の診断結果を申請書類に付けます。例外は3つです。ファイナンスリース・オンサイトPPAで太陽光発電を入れる場合、新設の事業所など過去1年間のエネルギー使用実績がない場合、再エネ設備を入れる場合(実績報告までに診断書を出せば可)です。既存事業所の改修や増築は、診断が必須です。
本社が県外にある会社でも申請できますか?
申請できます。対象になるのは、設備を整備する事業所等が滋賀県内にあることです。本社の所在地は問われません。ただし、発注先も施工も県内の事業者にそろえる条件は変わりません。県外の本社が一括で手配して県外の業者に施工させると、対象外になります。
見積書は何社から、どんな形で取ればよいですか?
2社以上から取ります。原則として県内の事業者のもので、申請時に有効期限内であることが条件です。内訳は数量×単価で書いてもらい、「工事一式」のまとめ書きは避けます。補助対象外の設備や工事がある場合は、その明細も見積書に分けて書いてもらいます。対象と対象外を判別できないと、審査が止まります。
自宅兼事業所でも使えますか?
店舗や工場など、事業に使う部分だけが対象です。分電盤が自宅用と事業所用に分かれているなど、設備が100%事業に使われると明らかなら、全額が対象経費になります。区別できない場合は、事業用の床面積を全体の床面積で割るなど、合理的な方法で按分します。按分後の経費が30万円を下回ると対象になりません。事前の相談が確実です。
リース契約や割賦払いで設備を入れてもよいですか?
割賦販売契約は対象です。リース契約とESCO(省エネ効果を保証して費用を回収する契約)は対象外です。例外が太陽光発電設備で、ファイナンスリースとオンサイトPPAの事業者は申請できます。この場合は様式と提出書類が別になり、補助金相当額が需要家のリース料金やサービス料金の低減などで還元される契約でなければなりません。
太陽光の電気を売ってもよいですか?
余剰電力の売電は認められています。条件は、1事業所あたり年3,600kWh以上かつ発電量の50%以上を自家消費することです。売電が主目的と判断されると、対象外になることがあります。売電メーターなど売電のための設備、系統連系の申請費用、事業計画認定の申請費用は、補助対象経費に入れられません。
国や市町の補助金と併用できますか?
併用できます。国や市町、その関連団体の補助金を受ける場合は、その額を対象経費から引いて、県補助金の額を計算します。市町の制度によっては、併用を認めないものがあります。県の他の補助金を同じ設備で受けることはできないので、併用を考えるときは、先に市町と国の制度の条件を確かめてください。
以前にこの補助金を受けた会社は、もう申請できませんか?
設備によります。省エネ設備は、過去に県の省エネ設備向け補助金を受けた事業者が、交付を受けた年度の翌年度から3年を過ぎていれば申請できます。太陽光発電設備等とその他の再エネ設備のみを入れる場合は、この年数の条件がかかりません。ただし、補助金で入れた設備の更新は、耐用年数が過ぎるまで対象外です。
補助金の振込はいつですか?
実績報告書を出し、書類審査と必要に応じた現地確認を経て、額の確定通知を受けたあとです。確定通知は報告書の提出から30日以内に届き、通知後すみやかに指定の口座へ振り込まれます。補助金は後払いなので、工事代金は先に自己資金や融資で支払う必要があります。送金先の情報が分かる写真も、申請時に出します。
問い合わせ先はどこですか?
公益財団法人滋賀県産業支援プラザ 連携推進部 CO2ネットゼロ支援課です。電話は077-511-1424、場所は大津市打出浜2-1 コラボしが21 2階です。申請書類は、Excelと添付資料をkasokuka2026@shigaplaza.or.jpへメールで送ります。メール送信が難しいときは、事前に相談します。対象になるか迷う設備は、見積もりを取る前に問い合わせると、出し直しを防げます。
