すでに「くるみん認定」を取っている会社は、この奨励金の対象になりません。先に頑張った会社ほど、この制度の恩恵を受けられないという、少し皮肉な設計です。
白井市が令和8年度から始めたこの奨励金は、育児・介護等休業の制度を「これから」整える会社を後押しする制度です。すでに整えている会社ではなく、これから整える会社を対象にしているためです。
この補助金の概要(早見表)
| 検索項目 | 内容 |
|---|---|
| 申請者 | 事業者(法人・個人事業主) |
| 制度名 | 白井市中小企業育児・介護等休業取得促進奨励金 |
| 対象業種 | 業種指定なし |
| 利用目的 | 育児・介護等休業制度の新設と労務環境の整備 |
| 対象地域 | 千葉県白井市(市内に事業所を有する中小企業) |
| 従業員数 | 規定なし(中小企業であること) |
| 補助上限額 | 15万円(基本10万円+認定加算5万円) |
| 補助率 | 定額(基本額10万円、認定取得企業は5万円加算) |
| 申請受付 | 公式ページに締切日の記載なし(予算上限に達し次第終了) |
| 公式サイト | https://www.city.shiroi.chiba.jp/soshiki/shimin/s05/nos003/ssh024/ssh028/17410.html |
※この表の項目(対象業種・利用目的・対象地域・従業員数)は、GRANTOSの補助金診断の検索軸に対応しています。
なぜ「既に認定を受けた企業」が対象外なのか
対象外の条件に、こうあります。「過去に本制度または就業規則の改善が要件となっている国・県補助金などの交付を受けている場合は対象となりません」。くるみん認定・えるぼし認定等をすでに取得した企業も、この文脈で対象から外れます。
この線引きの意図は明確です。この奨励金が支援したいのは、これから制度を整える会社の"最初の一歩"です。すでに国の認定を受けるレベルまで環境整備が進んでいる会社は、この奨励金がなくても取り組みを進められると判断されているためです。制度を新設する段階の会社ほど、この奨励金の対象に当てはまります。
対象になる要件を順番に確認する
奨励金を受けるには、次の要件をすべて満たす必要があります。
- 市内に事業所があり、継続事業の意思があること
- 就業規則に育児・介護等休業制度を1つ以上新たに導入し、労働基準監督署へ届出済みであること
- 労務コンサルティングを受診していること(社会保険労務士、市の年金・労働相談、白井市商工会のいずれか)
- 市税の未納がないこと
- 過去5年間で重大な法令違反がないこと
- 暴力団との関係がないこと、性風俗関連営業でないこと
年次有給休暇とは別枠の特別休暇として、育児休暇や介護休暇を1つ以上導入することが前提です。既存の育児介護休業法上の制度をそのまま届け出るだけでは、この奨励金の要件を満たさない可能性があります。
金額の仕組み:基本10万円、認定で+5万円
奨励金額は次のとおりです。
- 基本額:1社あたり10万円
- 加算:くるみん認定、えるぼし認定、もにす認定、ユースエール認定、安全衛生優良企業認定のいずれかを受けている場合、5万円上乗せ
ここでの「認定加算」と、対象外要件にある「過去に認定を受けた企業は対象外」は、一見矛盾しているように見えます。公式ページの記載を読む限り、対象外になるのはあくまで「本制度または就業規則の改善を要件とする国・県補助金の交付を受けている場合」であり、認定の取得そのものを理由に一律除外するとは書かれていません。ここから先の細かい線引きは、担当課の判断になります。
労務コンサルティングは「受診してから」申請する順番
この奨励金のもう一つの特徴が、労務コンサルティングの受診を要件にしている点です。選べるのは3つです。
- 社会保険労務士による相談
- 市の年金・労働相談
- 白井市商工会の支援相談
就業規則の届出だけでは足りません。このいずれかを受診したことが、申請の前提条件になります。就業規則を整えてから申請書を書き始めるのではなく、先にコンサルティングの予約から動く方が、手戻りが少なくなります。
申請期間の記載はない。予算上限が実質の締切
公式ページには、申請の開始日・締切日の記載がありません。「予算上限に達し次第終了」とだけ明記されています。具体的な予算額は公表されていないため、いつまでに動けば間に合うかは、公式情報からは読み取れません。
締切日が決まっていない制度は、早く動いた会社から先に受けられる、と考えておくのが安全です。就業規則の整備と労務コンサルティングの受診を、後回しにしない理由がここにあります。
働き方改革・雇用環境整備の分野では、国にも似た趣旨の助成金があります。成果目標の立て方や交付決定前後の順番など、白井市の奨励金とは別の設計思想を持つ制度の注意点を、GRANTOS公式LINEの登録者限定ページで紹介しています。
よくある質問
すでにくるみん認定を受けている会社は申請できませんか?
公式ページの対象外要件は「本制度または就業規則の改善が要件となっている国・県補助金の交付を受けている場合」です。くるみん認定の取得自体が一律に対象外となるかは記載だけでは判断できないため、白井市産業振興課へ事前に確認することをおすすめします。
育児介護休業法で義務化されている制度を届け出るだけでも対象になりますか?
公式ページには「新たに1つ以上導入」とあります。法定義務の履行にとどまるのか、それを超える独自の特別休暇制度が必要なのかは記載だけでは判断しきれないため、事前に窓口へ確認してください。
申請の締切はいつですか?
公式ページには締切日の記載がありません。予算上限に達し次第終了する運用のため、早めに労務コンサルティングを受診し、就業規則の届出を済ませておくことをおすすめします。
免責事項: 本記事の内容は2026年7月時点で確認できた情報にもとづきます。対象要件・奨励金額・受付状況は変更される場合があるため、申請前に必ず白井市の公式ページおよび最新の案内でご確認ください。
出典:
要件の解釈や労務コンサルティングの受診方法に迷う場合は専門家に相談するのも一つの手です。
