静岡市の「スタートアップ立地促進事業補助金」は、中心市街地に新しく借りた事業所の賃借料を2/3補助する制度です。上限は400万円。1年度200万円を上限に、2年間(24か月)受け取れます。月15万円のオフィスなら、2年で240万円が戻る計算です。
対象は、革新的なアイデア・技術・ビジネスモデルで短期間の急成長を目指す法人です。社会課題の解決と持続的な成長の両立を目指す法人も含まれます。東京や他都市の会社が静岡に開発拠点を新設する場合も、静岡発で立ち上げる法人も対象です。
静岡市スタートアップ立地促進事業補助金の要点まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 申請者 | 事業者(法人) |
| 制度名 | 静岡市スタートアップ立地促進事業補助金 |
| 対象業種 | 業種指定なし(革新的なアイデア・技術・ビジネスモデルで短期間の急成長を目指す法人) |
| 利用目的 | 事業所の新設・立地(中心市街地に新しく借りた事業所の賃借料) |
| 対象地域 | 静岡県静岡市(中心市街地) |
| 従業員数 | 賃金給与等を支給されている者が1人以上(市内で創業して2年以内の場合を除く) |
| 補助上限額 | 400万円(1年度200万円を上限に2年間・24か月) |
| 補助率 | 賃借料の2/3 |
| 申請受付 | 公式ページでご確認ください(令和8年度募集要領) |
| 公式サイト | https://www.city.shizuoka.lg.jp/s2859/hojokin.html |

対象になる事業者・要件を具体例で見る
補助対象となるには、次の要件のすべてに該当し、市長が必要と認める必要があります。
- 静岡市内における3年以上の事業計画を有し、市の認定を受けること
- 事業計画の認定日以後に実施する事業であること
- 市内に新たに事業所を賃借し事業を実施すること(既存事業所の単なる移転・事業拡大を伴わない移転は対象外)
- 事業所が静岡市中心市街地活性化基本計画に定める区域(静岡地区・清水地区)内であること
- 事業計画の認定から6か月以内に市内で当該事業所の商業・法人登記をする意思を示すこと
- 賃金給与等を支給されている者(代表者以外の役員を含む)が1人以上いること。ただし市内で創業して2年以内の場合はこの限りでない
- 過去に当該事業所で本補助金や静岡市クリエーター活動事業補助金など、静岡市の事務所賃借系補助金の交付を受けたことがないこと
具体的にどんなケースが当てはまるか、3パターンで見てみます。
- 東京の受託開発スタートアップが静岡に開発拠点を新設: 代表1名+エンジニア社員2名。静岡駅周辺(呉服町・両替町エリア等)にオフィスを借りる。社員がいるので要件6を満たせる
- 静岡発の社会課題解決型スタートアップが創業1年目で開業: 市内で創業したばかりで代表1名のみ。創業2年以内なので、要件6は適用除外になり得る
- 他都市から静岡へ本社機能を移す: すでに事業実績がある法人が、清水地区に事業所を借りて登記も移す。要件5の「認定から6か月以内の登記」が実務上の期限になる

単なる移転か、事業拡大を伴う新規出店か。この判断ひとつで対象・対象外が分かれます。オフィスを変える理由をどう説明するかが重要になります。
補助額のシミュレーション:家賃によって2年間の総額はここまで変わる
いくらもらえるか計算する
補助率 賃借料の2/3 / 上限 400万円
対象になるのは事業計画認定の申請日以降に生じた賃借料・施設利用料だけです。敷金・礼金・入会金・保証金・仲介手数料・火災保険料・消費税相当額は対象外です。
| 区分 | 補助率 | 補助上限 |
|---|---|---|
| 事業所の賃借料・施設利用料 | 2/3 | 400万円(200万円/年度) |
月額家賃ごとに2年間の補助総額を試算すると、次のようになります。
| 月額家賃 | 年間家賃 | 年間補助額(2/3・上限200万円) | 2年間合計 |
|---|---|---|---|
| 8万円(個室型コワーキング・代表1名中心) | 96万円 | 64万円 | 128万円 |
| 15万円(小規模オフィス・社員2〜3名) | 180万円 | 120万円 | 240万円 |
| 25万円以上(オフィスビルのワンフロア・10名規模) | 300万円以上 | 200万円(上限) | 400万円(上限) |
年間200万円を超えた分は補助されません。月額家賃が25万円を超えても、2年間の合計は400万円で頭打ちです。オフィスの規模はこの線を見ながら決めると、資金計画が立てやすくなります。
申請実務のタイミング:契約締結"前"の認定申請がすべての起点
手続きは「事業計画認定申請」→「補助金交付申請」→「実績報告」→「補助金請求」の順です。物件の契約を結ぶ前に、事業計画認定申請書(様式第1号)を出します。順番を逆にすると対象外です。
タイミング別に整理すると、次のとおりです。
- 事業計画認定申請(事業所の契約締結前): 事業計画認定申請書(様式第1号)、事業詳細資料(任意様式・ミッション/ビジネスモデル/事業計画等を記載)、履歴事項全部証明書、直近3年分の貸借対照表・損益計算書
- 認定審査(申請後1か月程度): 市による書類審査・ヒアリングを経て認定通知
- 事業所開設・入居: 認定後に契約締結・事業開始
- 補助金交付申請(事業所設置後〜認定通知から1年以内): 補助金交付申請書(様式第4号)、企業等概要調書(様式第5号)、事業計画書(様式第6号)、収支予算書(様式第7号)、従業員数確認書類、定款の写し、登記事項証明書の写し、賃貸借契約書の写し、市民税の納税証明書
- 実績報告(補助期間の終期、または申請年度末): 実績報告書(様式第11号)、事業実績書(様式第6号)、収支決算書(様式第7号)
- 補助金請求: 請求書(様式第13号)を提出し、受領後30日以内に指定口座へ振込
隠れた期限が2つあります。認定から6か月以内に商業・法人登記をする意思を示すこと。認定日から1年以内に事業を始めること。始めなければ、特段の事情がない限り認定は取り消されます。申請は静岡市のWebフォームから行います。

対象地域は静岡・清水の中心市街地エリアに限定される
対象は、静岡市中心市街地活性化基本計画の区域(静岡地区・清水地区)に借りる事業所だけです。静岡地区は追手町・呉服町・両替町・七間町・鷹匠など。清水地区は江尻町・巴町・清水町などです。市内ならどこでもよいわけではありません。物件を探す前に、候補エリアが区域内かを確認します。
他の補助金もあわせて検討したい方へ
静岡市には、事業所の賃借に関する補助金が他にもあります。クリエーター活動事業補助金、企業立地促進事業補助金などです。ただし同じ事業所で、この補助金と重複して受けることはできません。
国の補助金もあわせて検討したい方は、こちらの記事で解説しています。
よくある質問
個人事業主でも申請できますか?
制度の対象は「法人」です。募集要領は履歴事項全部証明書(商業登記簿謄本)の提出を求めています。個人事業主のまま申請できるかは明記がありません。申請前に産業政策課へ確認してください。
補助対象の経費はいつから発生した分が対象になりますか?
事業計画認定の申請日以降に生じた賃借料・施設利用料のみが対象です。申請日より前に契約・発注・利用開始した経費は対象外です。物件の契約を先に済ませないでください。
すでに静岡市内に事業所がある場合も対象になりますか?
対象は「市内に新たに事業所を賃借し事業を実施する」ケースです。既存の事業所があり、事業拡大を伴わない単なる移転は対象外です。事業拡大を伴う新規賃借にあたるかは、事業内容で判断が分かれます。産業政策課へ事前に相談してください。
