会社を辞めずに起業できる補助金はあるのか——結論から言うと、この出向起業等創出支援事業がまさにそれでした。 大企業に勤めたまま、出向という雇用形態を使って新規事業に挑戦する個人を、経費の一部補助というかたちで後押しする国の事業です。令和4年度2次公募(2022年7月22日〜9月30日)は終了しており、制度自体も令和6年度で終了しています。
「出向」という言葉から自治体や大企業間の人事異動をイメージすると意味を取り違えます。ここでの出向起業は、勤務先に籍を置いたまま、自分が設立した(または設立予定の)別会社に出向する形で起業するという、通常の退職・独立とは違うルートを支援する制度でした。
出向起業支援事業の要点まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 申請者 | 個人(本人)(大企業等に勤務し出向起業に取り組む個人。実質的な受給者は出向先の新設法人) |
| 制度名 | 出向起業等創出支援事業(令和4年度2次公募) |
| 対象業種 | 指定なし(個人が申請) |
| 利用目的 | 出向起業に取り組む個人の新規事業に必要な経費の補助 |
| 対象地域 | 全国 |
| 従業員数 | 規定なし(個人が申請) |
| 補助上限額 | 500万円(ハードウェア開発を含む支出の場合1,000万円) |
| 補助率 | 2分の1以内 |
| 申請受付 | 令和4年度2次公募は終了(2022年7月22日〜9月30日) |
| 公式サイト | 一般社団法人人材版事業革新等推進機構「出向起業等創出支援事業」(保存版) |

会社を辞めていない状態でも申請できたのか?
できました。むしろ「辞めずに挑戦できること」がこの制度の存在意義でした。 通常の起業支援策の多くは、独立・開業(退職済み)を前提に設計されています。この制度は、大企業等に籍を置いたまま出向という形で新会社の経営に関わる人を対象にしていた点が最大の特徴です。退職して個人事業主になった人がこの制度を後から使うことはできません。 出向という雇用形態そのものが要件だったためです。
上限500万円と1,000万円、何が違うのか
補助上限額が2段階になっているのは、支出の中身にハードウェア開発が含まれるかどうかが分かれ目です。
- ソフトウェア・サービス開発が中心の事業: 上限500万円
- ハードウェア開発を含む支出がある事業: 上限1,000万円
同じ補助率(2分の1以内)でも、扱う技術領域によって上限が倍になるという設計です。試作機の製造や部品調達など初期投資がかさむハードウェア系のスタートアップほど、この上限差が事業計画に直結していました。
なぜこの制度は令和6年度で終了したのか
この制度自体は令和6年度をもって終了しています。出向起業という枠組みに近い支援を探している人は、経済産業省・中小企業庁が現在実施している起業・新規事業関連の補助金の最新一覧を確認するのが確実です。
よくある質問
今から申請できますか?
令和4年度2次公募(2022年9月30日締切)は終了しており、出向起業等創出支援事業自体も令和6年度で終了しています。現在申請できる制度ではありません。
出向元の会社を辞めずに使える補助金は今もありますか?
この制度の後継として同じ条件(出向を維持したまま)の制度が継続しているかどうかは、本調査の一次情報からは確認できませんでした。経済産業省・中小企業庁の最新の起業支援策一覧でご確認ください。
上限1,000万円になるのはどんな場合ですか?
事業の支出にハードウェア開発が含まれる場合です。ソフトウェア・サービスのみの事業は上限500万円でした。
