昭和56年5月31日以前に着工した沿道ビルの耐震改修を、墨田区が費用の9/10まで補助します(特定緊急輸送道路沿い。補強設計は10/10)。区から補助対象の確認結果が通知される前に契約すると、補助は受けられません。見積もりを取る前に、まず区の窓口で事前相談をしてください。
補助の対象は、緊急輸送道路に接する建物です。道路が「特定」か「一般」かで、補助率も使える工事も変わります。
墨田区 緊急輸送道路沿道建築物耐震化促進事業の要点まとめ
正式名:緊急輸送道路沿道建築物耐震化促進事業
だれが
- 申請者
- 沿道建築物の所有者(管理組合を含む)
- 対象業種
- 業種の指定なし(建物の所有者が対象)
- 利用目的
- 耐震診断・補強設計・耐震改修・建替え・除却
- 対象地域
- 東京都墨田区
- 従業員数
- 規定なし
いくら
- 補助上限額
- 一般は改修3,000万円まで。特定は単価×床面積まで
- 補助率
- 特定は9/10(補強設計は10/10)。一般は2/3
いつ・どこへ
- 申請受付
- 令和8年度の事業。締切の記載なし(予算の範囲内)
うちのビルは対象になる?
次の4つにすべて当てはまれば、対象の見込みです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 4
敷地は、緊急輸送道路に2m以上接している必要があります。補強設計と耐震改修では、耐震診断でIs(構造耐震指標。耐震性能を表す数値)が0.6未満、または倒壊の危険があると判断された建物であることも条件です。高さの要件は、建物のいずれかの部分から道路境界線までの水平距離に、道路幅員の1/2を足した長さを超えていることを指します。
次のどれかに当たると対象外です。
- ✕ 売買や分譲が目的の不動産業者
- ✕ 区の通知より前に契約した工事
- ✕ 一般の道路沿いで建替え・除却をする
申請できるのは所有者です。所有者の承諾があれば、承諾を受けた人も申請できます。
接している道路は、次の名前で見分けられます。
- 特定緊急輸送道路:水戸街道(国道6号)、京葉道路(国道14号)、蔵前橋通り、新大橋通り、首都高速6号線、首都高速7号線
- 一般緊急輸送道路:墨堤通り、明治通り、丸八通り、浅草通り、清澄通り、三ツ目通り、四ツ目通り、曳舟川通り、都道449号、墨5号、墨45号
特定の沿道では、耐震診断はすべて実施済みです。そのため特定の耐震診断助成は終了しています。
いくら補助される?
補助額は「基準額」と「実際にかかった費用」の低いほうに、補助率をかけて決まります。基準額は、延床面積に1㎡あたりの単価をかけた金額です。
一般緊急輸送道路は、3つの工事が対象です。
| 工事 | 補助率 | 限度額 |
|---|---|---|
| 耐震診断 | 2/3 | 300万円 |
| 補強設計 | 2/3 | 200万円 |
| 耐震改修工事 | 2/3 | 3,000万円 |
耐震改修の単価は、建物の主な用途で決まります。店舗・事務所は1㎡あたり57,000円、分譲マンションは51,700円、賃貸マンションや戸建などは39,900円です。
- 450㎡の事務所ビルで工事費3,000万円:450㎡ × 57,000円 = 基準額2,565万円 → 2,565万円 × 2/3 = 1,710万円
- 450㎡の事務所ビルで工事費2,000万円:実費が基準額より低いので 2,000万円 × 2/3 = 約1,333万円
- 800㎡の事務所ビルで工事費5,000万円:800㎡ × 57,000円 = 4,560万円 → 4,560万円 × 2/3 = 3,040万円 → 上限の3,000万円
基準額を超えた工事費は、全額が自己負担です。450㎡の例では、3,000万円の工事でも補助の計算に使えるのは2,565万円までです。
特定緊急輸送道路は、補強設計と、耐震改修・建替え・除却が対象です。令和8年4月1日から、耐震改修工事などの補助率が9/10に上がりました。
- 補強設計:補助率10/10。1,000㎡以下の部分は1㎡あたり5,000円、1,000㎡超2,000㎡以下は3,500円、2,000㎡超は2,000円で基準額を出します。1,500㎡なら 500万円 + 175万円 = 675万円が基準額で、実費がこれ以上なら675万円が出ます。
- 耐震改修工事:1,000㎡の事務所ビル(Is0.4)で工事費7,000万円の場合、基準額は 1,000㎡ × 57,000円 = 5,700万円。5,700万円 × 9/10 = 5,130万円です。
- 延床面積が5,000㎡を超える大きな建物では、5,000㎡を超える部分の補助率が1/6になります。基準額の面積の上限は10,000㎡です。
特定の耐震改修などの単価は、Isが0.3未満か0.3以上かで変わります。建物の用途や、免震工法などの特殊工法でも変わるため、自分の建物の単価は区の案内パンフレットか窓口で確かめてください。
何に使える?
対象にならないものを先に挙げます。
- 耐震改修と関係のないリフォーム工事
- 工事監理にかかった費用
- 工事で新しく付ける住宅設備機器
- 一般の道路沿いの建替え・除却
対象になるものは、次のとおりです。
- 耐震診断の費用(一般の道路沿いのみ)
- 補強設計の費用(評定の取得を含む)
- 耐震改修工事の費用
- 建替えと除却の費用(特定の道路沿いのみ)
外装や設備のリフォームを耐震改修と同時に進めると、費用と工期を抑えられます。ただし補助の対象になるのは、耐震改修の部分だけです。
申請の流れ
- 事前相談をする(所有者→墨田区 不燃・耐震促進課。契約の前、できるだけ早く。特定の沿道は前年度でも受け付けています)
- 補助対象確認申請を出す(所有者→墨田区。審査はおおむね2か月)
- 補助対象確認結果通知書を受け取る(墨田区→所有者。契約はこの通知のあと)
- 契約して事業を進める(所有者→設計者・施工者。補強設計と一般の耐震診断では評定も取る)
- 完了実績報告を出す(所有者→墨田区。交付申請兼完了報告。審査はおおむね2か月)
- 補助金交付決定通知を受け取り、請求する(墨田区→所有者。請求後1〜2か月で振り込まれます)
補助金は後払いです。所有者が業者への支払いを済ませた状態で、区へ申請します。
必要な書類
準備できた 0 / 12
耐震診断の助成は書類が少し違い、診断の見積書・工程表と、診断を行う建築士の資格を示す書類が要ります。
枠内の書類がそろわないと、受付はされません。公的機関の証明書は、申請日から3か月以内に取得したものを出します。住民税の証明書は、個人は個人住民税、法人は法人住民税です。管理組合は不要です。
管理組合は、管理規約と役員名簿の写しも出します。補強設計や工事では、実施を決めた総会の議事録も必要です。所有者でない人が申請する場合は、承諾書と印鑑登録証明書(原本)がいります。工事の種類で書類は変わるため、事前相談で渡される案内に従ってください。
評定は、区が指定する機関で取ります。一般社団法人すみだまちづくり協会のほか、東京都と協定を結んだ機関が使えます。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 通知の前に契約・着手した:補助対象確認結果通知書が出る前に契約すると、補助は交付されません。着手していた場合も同じです。
- 予算が確保できていない:この制度は国と東京都の補助金を使うため、原則として前年度から予算の確保が必要です。早めの事前相談が前提です。
- 指定外の機関で評定を取った:評定は区が指定する機関で取る決まりです。別の機関の評定は使えません。
- 耐震改修以外の工事を混ぜた:リフォームや新設備の費用は、補助の計算に入りません。契約書や見積書で、耐震改修の部分を分けておきます。
複数年度にまたがる工事の扱い
工期が年度をまたぐ場合は、「出来高払い」になります。総事業費に占める各年度の事業費の割合で、補助金を年度ごとに分けて支払う方式です。
この場合は、基本の申請に加えて、年度ごとに対象確認申請と実施報告が必要です。複数年度の事業は、審査に3か月程度かかります。令和8年9月に契約し、令和9年11月に完了する工事が、区の挙げる例です。
よくある質問
特定緊急輸送道路と一般緊急輸送道路は何が違いますか?
建物が接している道路の種類で、補助率と対象工事が変わります。特定は東京都の条例で指定された道路で、水戸街道や京葉道路などが当たります。補助率は耐震改修などが9/10、補強設計が10/10です。一般は、特定以外の緊急輸送道路で、補助率は2/3です。どちらに当たるかは、東京都耐震ポータルサイトの緊急輸送道路図か、区の窓口で確かめられます。
昭和56年6月以降に建てた建物は対象になりますか?
対象になりません。対象は昭和56年5月31日以前に着工された建物に限られます。公式ページでは「昭和56年5月31日以前に着工された建築物」と書かれています。着工を確かめる書類として、登記事項証明書や家屋課税台帳の写しを使います。基準日の見方に迷うときは、申請の前に不燃・耐震促進課へ確認してください。
建物の高さの要件はどう確かめますか?
建物のいずれかの部分で、高さが「道路境界線までの水平距離+道路幅員の1/2」を超えている必要があります。たとえば幅員20mの道路なら、道路境界線から10m離れた位置の部分が20mを超える高さであればよい、という見方です。この数字は計算の考え方を示す例です。実際の判定には、案内図や配置図などの書類が要ります。迷う場合は、事前相談で建物の情報を伝えて判定してもらってください。
建物を借りているテナントでも申請できますか?
申請者は所有者が原則です。所有者から事業を行うことについて承諾を得た人は、申請できます。その場合は、承諾書と印鑑登録証明書(原本)を出します。区分所有のビルでは、管理組合も申請者になれます。どの立場で申請できるかは建物ごとに違うため、事前相談の時点で登記や契約の状況を伝えてください。
耐震診断の補助はまだ使えますか?
一般緊急輸送道路沿いの建物なら使えます。補助率は2/3で、限度額は300万円です。診断は、一般社団法人すみだまちづくり協会など、区が指定する機関の評定を取る必要があります。特定緊急輸送道路沿いの耐震診断助成は終了しており、特定の沿道建築物は区内ですべて診断済みです。
区の通知より前に見積もりを取るのは問題ありませんか?
見積もりを取るだけなら問題ありません。止められているのは契約と着手です。補助対象確認結果通知書が出る前に契約したり、業務に着手したりすると、補助は受けられません。申請には見積書と工程表の写しが要るため、先に見積もりを取るのは普通の手順です。契約は、通知を受け取ってから結んでください。
補助金はいつ振り込まれますか?
完了実績報告のあと、交付決定通知を経て、請求から約1〜2か月後に振り込まれます。申請の審査はそれぞれおおむね2か月かかります。補助金は後払いなので、設計や工事の代金は先に自分で支払います。支払いを済ませた状態で区へ申請する決まりです。つなぎの資金は、早めに用意しておく必要があります。
評定とは何ですか?
補強設計などの内容が、国の基準に沿って適切に行われているかを、第三者の機関が判断することです。補強設計の補助では、評定の取得が条件です。一般の耐震診断でも評定を取ります。評定を取れる機関は、一般社団法人すみだまちづくり協会と、東京都と協定を結んだ機関です。
工期が翌年度にまたがる場合はどうなりますか?
「出来高払い」になります。総事業費に占める各年度の事業費の割合に応じて、補助金を年度ごとに分けて支払う方式です。基本の申請のほかに、年度ごとの対象確認申請と実施報告が必要になります。審査には3か月程度かかります。工期が決まった時点で、事前相談のときに伝えてください。
リフォームを一緒にやっても補助されますか?
耐震改修の部分だけ補助されます。外装や設備のリフォームは補助の対象外で、工事で新しく導入する設備機器の費用も入りません。同時に施工すると費用や工期を抑えられる場合があります。その場合は、見積書で耐震改修の部分と、それ以外の部分を分けて出してもらってください。
工事監理の費用は補助の対象ですか?
対象外です。補助対象事業費に、工事監理にかかった費用は含まれません。ほかに、耐震改修と関係のないリフォームや、新しく導入する設備の費用も対象外です。見積もりの段階で、耐震改修の費用、工事監理の費用、その他の工事の費用を分けてもらうと、補助額の計算がしやすくなります。
相談できる窓口はありますか?
墨田区の都市計画部 不燃・耐震促進課(電話 03-5608-6269、平日8時30分から17時)が窓口です。このほか、東京都防災・建築まちづくりセンターの相談窓口(電話 03-5989-1457)では、建築士や弁護士などの専門家の派遣や、建築士による改修計画案の作成を無料で利用できます。窓口は、補助制度を使うかどうかを決める前でも利用できます。
申請の受付期間はいつからいつまでですか?
公式ページに、申請の受付期間と締切日の記載はありません。補助は予算の範囲内で行われ、国と東京都の補助金を使うため、原則として前年度に予算を確保しておく必要があります。契約の前に審査の期間もかかるので、利用を考えた時点で早めに事前相談をしてください。特定の沿道では、前年度でも事前相談を受け付けています。
