墨田区の公式ページは、制度の説明より先に業者の勧誘への注意を載せています。「自己負担なしで導入できる」と言われても、対象経費の4分の1以上は必ず自己負担になります。
出るのは、区内の中小企業が自社の既存業務にデジタル技術を新しく取り入れる費用です。補助額は対象経費の4分の3で、上限は50万円です。
墨田区デジタル技術活用支援補助金の要点まとめ
正式名:墨田区デジタル技術活用支援補助金
だれが
- 申請者
- 事業者(法人・個人事業主)
- 対象業種
- 業種の指定なし
- 利用目的
- 業務効率化・生産性向上のためのデジタル技術の導入
- 対象地域
- 東京都墨田区
- 従業員数
- 公式ページに記載なし(中小企業者の基準による)
いくら
- 補助上限額
- 50万円(申請金額の下限は5万円)
- 補助率
- 3/4(千円未満切り捨て)
いつ・どこへ
- 申請受付
- 2026年4月1日〜2026年11月30日17時必着(予算上限に達し次第終了)
- 事業の完了
- 実績報告書の提出は2027年2月19日17時必着
自社は対象になる?
次の6つにすべて当てはまれば、対象の見込みです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 6
次のどれかに当たると対象外です。
- ✕ 導入済みツールの買い替え・更新だけ
- ✕ 自社で独自開発したシステム
- ✕ 交付決定より前に契約・支払いをした
中小企業者とは、業種ごとに資本金と従業員数の上限が決まっていて、どちらか一方を満たせば該当する会社や個人事業主のことです。具体的な基準は、墨田区の公式ページに数字がありません。迷うときは経営支援課に確かめてください。
「主たる事業所」は、法人なら本店の登記地と事業の実態が区内にあること、個人事業主なら事業所の所在地と実態が区内にあることを指します。区外に住んでいても、事業所が区内にあれば構いません。ただし区外在住の個人事業主も、区民税の事業所課税分を滞納していないことが求められます。
「新しい工程」の線引きは、すでにデジタル化している作業の買い替えだけでは対象外という点にあります。たとえば会計をすでにソフトで回している会社が、別のソフトに乗り換えるだけなら対象になりません。乗り換えと同時に会計以外の工程もデジタル化し、効果を数字で示せる場合は、対象になることがあります。
いくら補助される?
対象経費の4分の3が補助されます。上限は50万円です。数字は仮の例です。
- クラウドの顧客管理を入れ、設定費も払う:40万円 × 3/4 = 30万円
- 飲食店がセルフオーダーの仕組みを入れる:20万円 × 3/4 = 15万円
- 人事労務ソフトとRPAをまとめて入れる:80万円 × 3/4 = 60万円 → 上限の50万円
上限に届くのは、対象経費がおよそ66.7万円以上のときです。下限は逆で、補助額が5万円に満たない申請はできません。対象経費にすると、およそ6.7万円がその境目です。6万円の導入なら補助額は4.5万円になり、申請できません。
消費税は対象経費に入りません。見積書の税込額をそのまま当てはめず、税抜額で計算してください。
何に使える?
対象にならないもの
- セキュリティソフト、表計算・文書作成ソフトなどの汎用ソフト
- パソコン、タブレット、プリンタなどの汎用の事務機器
- 機械装置の設置・撤去・処分・運搬の費用
- 導入済みソフトの更新費、追加ライセンス費
- 中古品
- ECサイト・ホームページの新設や改修、ポータルサイトの掲載料
- インターネット回線料などの通信費
- 関連会社など、主に別法人で使うとみなされる経費
- 保険料、収入印紙、振込手数料
- 他の補助金を財源にしている経費
対象になるもの
- ソフトウェア、クラウドサービス、ハードウェアの購入費
- 利用料、使用料、運用保守費(月額・年額の分は下の補足を参照)
- 導入に伴う設定・設計・カスタマイズの費用
- 導入や活用のための技術指導・助言の費用
- 導入や活用のための研修の費用
月額や年額で払う費用は、交付決定日が属する月の翌月分から、その年度の1月31日分までが対象です。1年分をまとめて払っても、対象になるのはこの期間の分だけです。利用料や運用保守費は、申請年度に初めて導入したものに限ります。
公式の取り組み例には、会計・人事労務・顧客管理ソフトでのデータの一元管理、RPAでの入力作業の自動化、飲食店のセルフオーダー、ドローンでの高所点検があります。区は特定の製品を認定していません。「この製品は対象です」という業者の説明は、そのまま信じないでください。
申請の流れ
- 区に問い合わせる(事業者→経営支援課。申請を考え始めたら早めに)
- 事業計画書をつくる(事業者→すみだビジネスサポートセンター。事前予約制で、契約や支払いの前に)
- 申請書類を出す(事業者→経営支援課。持参か郵送で、11月30日17時までに必着)
- 交付決定の通知を待つ(区→事業者。審査は1〜2週間程度。届くまで発注しない)
- 導入して支払いを済ませる(事業者→導入先。交付決定のあとに契約)
- 実績報告書を出す(事業者→経営支援課。2027年2月19日17時までに必着)
- 額の確定通知を受け、請求する(区→事業者。支払いは報告から1か月半ほど)
事業計画書には、期待する効果と数値目標を書きます。月単位の目標を1つは入れる必要があります。
事前相談の窓口は、補助金の交付を保証する場所ではありません。区は、審査内容についての問い合わせには応じないとしています。
必要な書類
準備できた 0 / 12
履歴事項全部証明書から法人都民税の納税証明書までの3行は、法人だけが出す書類です。確定申告書は直近1期分で、法人は法人事業概況説明書と決算書もつけます。個人事業主は開業届の写しか営業許可証の写し、令和7年の確定申告書控と青色申告決算書(または収支内訳書)、令和7年度の個人住民税の納税(非課税)証明書を出します。区外在住なら、区内事業所に係る個人住民税の証明書です。納税証明書の発行元は、公式ページに書かれていません。経営支援課に確かめてください。
見積書は、1件で50万円(税込)を超える場合に原則2社以上からとります。発注先は、導入内容を主要な業務としている事業者でなければなりません。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 交付決定の前に動いた:通知が届く前の契約・支払いは対象外です。見積りをとるだけなら問題ありません。
- 買い替えや汎用品を混ぜた:パソコンや更新費など、対象外の経費は補助額から除かれます。
- 実質無料のような処理をした:キャッシュバックで実質の負担を偽ることも、虚偽の申請になります。交付決定の取り消しと返還の対象です。
- 支払いが確認できない:実績報告書の提出日までに支払いが確認できない分は対象外です。手形や相殺払いも使えません。
交付決定通知書が届く前に契約や支払いをした経費は、あとから理由を説明しても対象になりません。
併用・申請回数・交付後の約束
国・都・区などの他の補助金を受けている経費は、対象になりません。この補助金は、同じ年度に申請できるのは1回までです。公式ページには、複数回に分けて申請できるかどうかの追加の説明はありません。
申請のときに出す誓約・同意書では、人員削減を目的とした導入ではないこと、導入した財産を法定耐用年数のあいだ善良に管理することを約束します。導入した財産を許可なく目的外に使ったり、譲渡したりすることはできません。帳簿などの証拠書類は、事業を終えた年度の終了後5年間、保存します。
よくある質問
「自己負担なしで導入できる」と言われました。本当ですか?
本当ではありません。補助率は4分の3なので、対象経費の4分の1以上は必ず自己負担になります。区は、キャッシュバックなどで実質の負担を偽ることも虚偽の申請にあたるとしています。不正が分かれば、交付決定が取り消され、補助金の返還を求められます。誘われた場合は、先に区へ確かめてください。
すでに使っている会計ソフトの見直しにも使えますか?
単なる買い替えは対象外です。会計はすでにデジタル化されているためです。ただし新しいソフトで会計以外の工程もデジタル化され、業務効率化や生産性向上の効果を数字で示せるなら、対象になる場合があります。判断は個別になるので、事業計画を作る前に事前相談で確かめてください。
パソコンやタブレットも補助されますか?
原則として対象外です。ほかの目的にも使える汎用性の高い事務機器は、目的外の使用になり得るためです。プリンタも同じ扱いです。計画の中心はソフトやクラウドに置き、機器は自己負担で用意する前提で考えるのが安全です。見積書でも、機器と対象経費を行ごとに分けておくと内訳書が書きやすくなります。
自社で開発したシステムの費用は対象ですか?
対象外になりやすいです。導入するデジタル技術は、申請時点で広く公開・販売されている既存の製品でなければなりません。あわせて、申請日から過去5年以内に発売またはバージョンアップされた製品という条件もあります。古い製品を使い続けている場合は、この条件で外れることがあります。
先に見積りをとったり、無料版を試したりしてもよいですか?
見積りをとるのは構いません。対象外になるのは、契約や支払いです。無料版を試すだけの契約は、交付決定前の着手にはあたりません。有料版の本契約が交付決定のあとなら対象になります。有料版の契約日が分かる書類の提出を求められることがあるので、契約書は残しておいてください。
補助額の下限5万円は、5万円以上の経費が対象という意味ですか?
違います。5万円は区が交付する金額の下限です。補助率が4分の3なので、対象経費の下限はおよそ6.7万円です。たとえば対象経費が6万円なら、補助額は4.5万円となり下限を下回ります。7万円なら補助額は5.25万円で、千円未満を切り捨てた5.2万円になり、申請できます。申請の前に、見積書の税抜額で計算してください。
ホームページやECサイトの制作費は出ますか?
出ません。ECサイトやホームページの新設・改修の費用は対象外です。ポータルサイトの掲載料、手数料、登録料も同じです。ネット販売の開始が目的なら、この補助金の使い道とは合いません。対象になるのは、自社内の既存業務の一部または全部の工程を、新しいデジタル技術で改善する取り組みです。新規事業として取り組むものも対象外とされています。
月額のクラウド利用料は、いつの分まで対象ですか?
交付決定日が属する月の翌月分から、その年度の1月31日分までです。1年分をまとめて払った場合も、対象になるのはこの期間だけです。交付決定の前に申し込んだ月額サービスは、契約が交付決定より前になるため対象外です。契約日と支払日を、事前にそろえて確認してください。
見積書は何社からとればよいですか?
1件で50万円(税込)を超える経費は、原則として2社以上から見積りをとります。50万円以下の場合に2社が必要かどうかは、公式ページに記載がありません。発注先は、導入する内容を主要な業務にしている事業者でなければなりません。発注先の会社概要のコピーなど、それを確認できる書類も申請で出します。
交付決定まで、どのくらいかかりますか?
書類がそろっていれば、審査はおおむね1〜2週間です。書類に不備があれば、その分延びます。交付決定の通知書は郵送で届くので、届いたことを確認してから契約します。申請の受付期間中でも、予算の上限に達すると受付は終わります。余裕のある時期に出してください。
補助金はいつ振り込まれますか?
事業を終えて実績報告書を出し、区が審査して額を確定したあとです。支払いは、報告書の提出から1か月半ほどかかります。それまでの導入費用は、いったん自己資金で払う必要があります。報告書の期限は2027年2月19日17時必着で、間に合わないと対象外になります。
事前相談は必ず受けるのですか?
必要です。申請の前に、すみだビジネスサポートセンターで事業計画書をつくります。事前予約制なので、早めに電話しておきます。区は、事前相談の窓口は補助金の交付を保証する場所ではない、と示しています。相談を受けたことは、採択の保証にはなりません。
業者の登録や、製品の認定は要りますか?
要りません。システムを提供する事業者の事前登録は不要です。また区は、特定の製品やサービスを補助の対象として認定していません。製品が対象になるかは、自社の既存業務のどの工程をどう改善するかで決まります。迷ったときは、経営支援課に電話で確かめてください。
