後継者に会社を引き継ぐ、あるいはM&Aで第三者に譲る——どちらを選んでも、事業承継計画の策定委託料、企業価値の算出委託料、譲渡契約書の作成費用など、専門家に払う費用が積み重なります。数十万円単位の出費になることも珍しくなく、承継を先延ばしにする理由のひとつになっています。
徳島県の「事業承継支援費補助金」は、この費用の一部を補助する制度です。対象は「親族・従業員等への事業承継に係る経費」と「M&Aの仲介委託等に係る経費」の2区分。補助率は補助対象経費の1/2以内、補助上限額は補助対象事業1件につき30万円です。
申請の対象になるのは、中小企業基本法上の小規模事業者(製造業・建設業・運輸業等は従業員20人以下、卸売業・サービス業・小売業は5人以下)に限られます。中規模以上の企業は対象外です。申請受付は令和8年4月1日から始まっており、予算の上限に達し次第終了します。
事業承継支援費補助金の要点まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 申請者 | 事業者(法人・個人事業主・承継予定の従業員または役員) |
| 制度名 | 徳島県事業承継支援費補助金 |
| 対象業種 | 業種指定なし(風俗営業等・フランチャイズ契約事業者は対象外) |
| 利用目的 | 親族・従業員等への事業承継に係る経費、M&Aの仲介委託等に係る経費 |
| 対象地域 | 徳島県内に事業所を置くこと(譲受側も引き続き県内で事業を営むこと) |
| 従業員数 | 中小企業基本法上の小規模事業者(製造業・建設業・運輸業等は20人以下、卸売業・サービス業・小売業は5人以下) |
| 補助上限額 | 補助対象事業1件につき30万円 |
| 補助率 | 補助対象経費の1/2以内(1,000円未満切り捨て) |
| 申請受付 | 令和8年4月1日〜令和9年2月26日(予算上限に達し次第終了) |
| 公式サイト | 徳島県「『徳島県事業承継支援費補助金』の募集について」 |

自分の会社は対象になる?
小規模事業者かどうかは、業種と従業員数で決まります。
| 業種 | 小規模事業者の基準(常時使用する従業員数) |
|---|---|
| 製造業・建設業・運輸業・その他 | 20人以下 |
| 卸売業 | 5人以下 |
| サービス業 | 5人以下 |
| 小売業 | 5人以下 |
このほか、県内に事業所を置く法人・個人事業主・承継予定の従業員/役員であること、譲受側が引き続き県内で事業を営むこと、県税の未納がないことが条件です。発行済株式の2分の1以上を大企業に保有されている会社(いわゆるみなし大企業)は対象外になります。
いくら戻るか
パターン1:親族への承継 事業承継計画の策定を専門家に委託し、譲渡契約書の作成費用とあわせて50万円かかったとします。補助率1/2で25万円になり、上限30万円の範囲内なので、そのまま25万円が補助対象です。
パターン2:M&Aによる第三者承継 初期診断・企業価値算出・仲介の着手金などで合計70万円かかったとします。補助率1/2なら35万円ですが、上限は30万円のため、実際に補助されるのは30万円です。
M&Aの成功時に支払う「成功報酬」は、いずれのパターンでも対象外経費です。着手金や診断・算出費用までが対象という点は、見積を取る前に押さえておいてください。
いつ動くべきか:交付決定日が経費のスタートライン
この補助金には順番のルールがあります。交付決定日より前に発注・契約した経費は、実際の支払いが後であっても対象外になります。専門家に事業承継計画の策定を依頼する場合も、契約自体は交付決定を待ってから結ぶ必要があります。逆に、補助事業期間中に契約・支払いを済ませても、実際の使用(サービス提供)が期間外なら対象外になる点にも注意してください。
支援を受けるには、徳島県事業承継ネットワークの構成機関(とくしま産業振興機構、商工会・商工会議所、中小企業団体中央会、県内金融機関、事業承継・引継ぎ支援センター、中小企業診断士・弁護士・税理士等)のいずれかから支援を受けたうえで申請する必要があります。まずどの支援機関に相談するかを決めるところから始めてください。
申請方法と問い合わせ先
補助金交付申請書、事業計画書、支援機関による証明書、誓約書、履歴事項全部証明書(個人は住民票)、県税の滞納がないことの証明書、直近1期分の決算書などを添えて、郵送または持参で提出します。
〒770-8570 徳島県徳島市万代町1丁目1番地 徳島県庁5階 徳島県経済産業部産業成長推進課スタートアップ・経営支援担当
- 電話:088-621-2367
- メール:sangyouseichousuishinka@pref.tokushima.lg.jp
よくある質問
個人事業主でも申請できますか?
できます。県内に事業所を置く個人事業主、または承継予定の従業員・役員も対象です。
M&Aが成立した後の成功報酬も補助対象になりますか?
なりません。募集要項で明確に対象外経費とされています。初期診断・企業価値算出・着手金などの段階の費用が対象です。
支援機関に相談せずに直接申請できますか?
できません。徳島県事業承継ネットワークの構成機関(商工会議所・金融機関・事業承継引継ぎ支援センター等)の支援を受けたうえでの申請が条件です。
