東京都には、カーボンクレジットに関する助成が2種類あります。クレジットを作る側を支援する「カーボンクレジット創出支援事業」と、すでにあるクレジットを買って使う側を支援するこの「カーボンクレジット活用促進事業」です。名前が似ているため混同しやすいので、まず自社がどちらの立場かを確認してから読み進めてください。
カーボンクレジット活用促進事業の要点まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 申請者 | 事業者(法人・個人事業主・学校法人・医療法人等) |
| 制度名 | カーボンクレジット活用促進事業 |
| 対象業種 | 指定なし(都内に事務所・事業所を持つ事業者) |
| 利用目的 | 脱炭素・環境対策(カーボンクレジットの活用・ブランディング) |
| 対象地域 | 東京都内(都内に事務所または事業所を有すること) |
| 従業員数 | 中小企業は上限200万円・3分の2、中小企業以外は上限100万円・2分の1(判定基準は公社へお問い合わせください) |
| 補助上限額 | 中小企業:200万円、中小企業以外:100万円 |
| 補助率 | 中小企業:3分の2以内、中小企業以外:2分の1以内 |
| 申請受付 | 令和8年4月1日~令和9年3月31日(予算上限に達し次第終了) |
| 公式サイト | クール・ネット東京「カーボンクレジット活用促進事業」 |

「創出支援」との違いは、助成の対象が正反対であること
「カーボンクレジット創出支援事業」は、自社の省エネ設備の導入などによる削減量をクレジットとして登録・認証してもらう費用(第三者機関の審査費用など)を助成します。一方この「活用促進事業」は、東京都カーボンクレジット市場などですでに発行されているクレジットを購入し、自社のCO2排出をオフセット(相殺)した取組を対外的に発信する費用を助成します。クレジットを作る側と、作られたクレジットを買って使う側、助成の対象がちょうど正反対になっている点が、この2制度を分ける最大のポイントです。
対象経費は「排出量の計算」から「発信」までの3段階
助成対象になる経費は、事業者の規模で範囲が変わります。
- 中小企業:GHG排出量算定費用、ブランディング計画策定・プロモーション企画のコンサルティング費用、プロモーション実施費用の3つ
- 中小企業以外(学校法人・医療法人等を含む):プロモーション実施費用のみ
例えば、飲食店が「フードトラックのLPガス使用によるCO2排出をクレジットでオフセットしました」と店頭やSNSで発信する場合、まず自社の排出量を算定し、どう伝えるかを企画し、実際にポスターやWebページを作る、という3段階の費用が中小企業なら一通り対象になります。
中小企業とそれ以外で、上限額も助成率も2倍近く違う
助成率・上限額は、中小企業が3分の2・200万円、中小企業以外が2分の1・100万円です。中小企業のほうが対象経費の範囲も広く、助成率も高く設定されているため、自社が中小企業に該当するかどうかで受けられる支援の厚みがかなり変わります。判定基準(中小企業基本法上の資本金・従業員数要件)は、この制度でも一般的な区分に沿うと考えられますが、正確な該当可否はクール・ネット東京へ確認してください。
申請はメール原則。他の助成金とは方式が違う
これまで見てきた東京都の助成金の多くはJグランツでの電子申請が中心ですが、この制度はメール申請が原則です(cc_offset@tokyokankyo.jp、郵送も可)。GビズIDの取得が不要な分、手続きの心理的なハードルは低いといえます。ただし予算上限に達し次第終了するため、令和9年3月31日という締切より前に受付が終わる可能性があることは変わりません。
よくある質問
すでに自社でクレジットを創出している場合、両方の制度を使えますか?
制度の目的が異なるため、クレジットの登録・認証費用は「創出支援事業」、購入したクレジットを使った発信費用は「活用促進事業」と、それぞれ別に申請する構成が可能と考えられます(正確な取扱いはクール・ネット東京へお問い合わせください)。
東京都カーボンクレジット市場以外で購入したクレジットも対象になりますか?
案内文では「東京都カーボンクレジット市場」等での購入を前提とした記載になっています。それ以外の市場で購入したクレジットが対象になるかは明記されていないため、クール・ネット東京への事前確認をおすすめします。
学校法人・医療法人でも申請できますか?
できます。対象者には「民間企業、学校法人、公益財団法人、医療法人、社会福祉法人等」が含まれています。ただし助成率・上限額は中小企業以外の区分(2分の1・100万円)が適用されます。
