親から事業を引き継いだものの、先代のやり方をそのまま続けるだけでは先細りが見える。東京都の「事業承継を契機とした成長支援事業(一般コース)」は、承継をきっかけに新しい事業展開に踏み出す後継者を助成する制度です。承継そのものではなく、承継後の成長投資が対象になります。
事業承継を契機とした成長支援事業(一般コース)の要点まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 申請者 | 事業者(法人・個人事業主) |
| 制度名 | 事業承継を契機とした成長支援事業(一般コース) |
| 対象業種 | 業種不問(都内中小企業) |
| 利用目的 | 新たな事業を行いたい(事業承継後の新規事業展開) |
| 対象地域 | 東京都内 |
| 従業員数 | 中小企業基本法上の中小企業者に該当すること(業種ごとに資本金または従業員数の上限が決まっており、製造業その他は資本金3億円以下または従業員300人以下、卸売業は1億円以下または100人以下、小売業は5,000万円以下または50人以下、サービス業は5,000万円以下または100人以下。どちらか一方を満たせば該当します) |
| 補助上限額 | 800万円 |
| 補助率 | 3分の2以内(賃金引上げ計画を実施する場合は4分の3以内、小規模事業者は5分の4以内) |
| 申請受付 | 令和8年度第2回:9月1日〜9月30日(第1回は終了) |
| 公式サイト | 東京都中小企業振興公社「事業承継を契機とした成長支援事業」 |

対象になる「承継」の形
対象は、令和3年4月1日から申請日前日までに事業承継した都内中小企業です。法人・個人事業主で対象になる承継の形が分かれます。
| 事業形態 | 対象になる承継 |
|---|---|
| 法人 | 代表権の移転、M&A(事業譲渡・株式譲渡) |
| 個人事業主 | 開業と廃業による代替わり、事業用資産の引継ぎ |
承継しただけでは対象になりません。承継を契機として「新規事業展開に取り組む」ことが条件です。例えば、先代が営んでいた金属加工業を引き継いだ後継者が、新たに自社製品の企画・販売部門を立ち上げる場合が該当します。単に既存事業を継続するだけの計画では対象外です。
補助率を4分の3・5分の4に上げる方法
基本の補助率は3分の2ですが、賃金引上げ計画を実施すると4分の3に上がり、小規模事業者ならさらに5分の4まで上がります。小規模事業者とは、常時使用する従業員数が20人以下(商業・サービス業は5人以下)の事業者を指します。
例えば、新規事業展開にかかる経費が600万円で、小規模事業者が賃金引上げ計画を実施する場合、5分の4の480万円が助成されます。基本の3分の2(400万円)と比べて80万円多く受け取れる計算です。賃金引上げ計画書の提出が前提になるため、計画段階から従業員の賃上げをどう進めるかを検討しておく必要があります。
よくある質問
承継してから何年以内なら申請できますか?
期限の定めはなく、令和3年4月1日から申請日前日までに承継していれば対象です。ただし申請時期(第1回・第2回)ごとに受付期間が決まっているため、募集要項で確認してください。
親族外への事業譲渡(第三者承継)も対象になりますか?
対象になります。法人の場合はM&A(事業譲渡・株式譲渡)による承継も含まれるため、親族内承継に限定されません。
賃金引上げ計画を実施しなかった場合、後から補助率は下がりますか?
計画どおりに賃上げを実施しなかった場合の取り扱いは、募集要項・交付要綱に定められています。申請前に東京都中小企業振興公社へ確認しておくことをおすすめします。
