都内の中小企業が、介護や暑さ対策などの課題を解く試作品をつくる費用の2/3(上限2,000万円)を助成します。第2回の申請は、2026年10月30日の17時までです。
ただし試作品が申請書の達成目標をすべて満たさないと、助成金は出ません。経費は先に自社で払い、お金が入るのは完了検査のあとです。第1回の受付は終了しています。
課題解決型技術開発促進事業の要点まとめ
正式名:課題解決型技術開発促進事業(試作品開発・改良助成)
だれが
- 申請者
- 事業者(法人・個人事業主)、都内で創業予定の個人
- 対象業種
- 指定なし(都内の中小企業者)
- 利用目的
- 都市課題の解決に資する試作品の開発・改良
- 対象地域
- 東京都内
- 従業員数
- 中小企業者の基準内(業種ごとに資本金か従業員数の上限)
いくら
- 補助上限額
- 2,000万円
- 補助率
- 助成対象経費の2/3以内
いつ・どこへ
- 申請受付
- 2026年9月14日〜2026年10月30日17時(第2回。第1回は終了)
- 事業の完了
- 2028年12月31日まで(開始は2027年4月1日、最長1年9か月)
うちの会社は対象になる?
次の5つにすべて当てはまれば、対象の見込みです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 5
法人は、基準日(2026年9月1日)の時点で、登記上の本店か支店が都内にあることが条件です。個人事業主は、開業届の控えで都内の所在地が分かる必要があります。
都内で事業を1年以上している必要があります。創業して1年たたない事業者は「未決算法人」として申請できます。都内での創業を具体的に計画している個人も、申請できます。
事業税などを滞納(分納を含む)していないことも条件です。実施場所は、自社の事業所や工場(賃借を含む)です。原則は都内で、状況によって首都圏の1都7県も認められます。他社の場所は書けません。
中小企業者とは、中小企業基本法で決まる規模の会社です。業種ごとに資本金と従業員数の上限があり、どちらか一方を満たせば足ります。
- 製造業・その他の業種:資本金3億円以下または従業員300人以下
- 卸売業:1億円以下または100人以下
- サービス業:5,000万円以下または100人以下
- 小売業:5,000万円以下または50人以下
- 旅館業:5,000万円以下または200人以下
大企業が実質的に経営に参加している会社は、中小企業でも対象外です。大企業が単独で株式の1/2以上を持つ場合などが当たります。
次のどれかに当たると対象外です。
- ✕ 医療法人・NPO・一般社団法人など
- ✕ 量産用の設備投資が目的
- ✕ 開発の大部分を外注する
- ✕ 開発がほぼ終わっている
社会福祉法人、医療法人、特定非営利活動法人、一般社団・財団法人、学校法人、有限責任事業組合(LLP)は、申請できません。会社法上の会社と個人事業主が対象です。
4つの支援テーマはどう選ぶ?
次の4つのうち、最も当てはまるテーマを1つ選んで申請します。
| テーマ | 例 |
|---|---|
| 持続可能で安全・安心な東京 | 防災・減災、感染症対策、セキュリティ、子供の安全対策 |
| 高齢者・障害者・介護 | 次世代介護機器、福祉・アクセシビリティ、パラスポーツ |
| DXの推進 | 業務の自動化、データ活用、業界特化型のソフト |
| 暑さ対策 | 熱中症対策、気候変動への適応、管理・モニタリング |
デジタルトランスフォーメーション(DX)は、デジタル技術で業務や事業を作り替えることです。
テーマは「東京の課題を解く製品」であることの証明になります。自社の生産ラインを速くするだけの開発は、当てはまりません。
石油供給不足に伴う課題を解く製品・サービスには、別の助成枠(助成率4/5以内、限度額2,000万円)があります。こちらは別ページの事業で、本記事の対象外です。
いくら戻ってくる?
助成の対象になる経費の2/3が助成されます。上限は2,000万円です。上限に届くのは、対象経費が3,000万円以上のときです。
- 熱中症の見守りセンサーの試作に900万円:900万円 × 2/3 = 600万円
- 介護向けの装置の試作に2,400万円:2,400万円 × 2/3 = 1,600万円
- 業務自動化のソフトの開発に4,500万円:4,500万円 × 2/3 = 3,000万円 → 上限の2,000万円
3つ目の例では、自己負担は2,500万円です。上限を超えた1,000万円ぶんは、助成されません。
通知される助成予定額は、上限の目安です。完了後の精査で、実際に使った額に合わせて減ることがあります。確定額は、経費の区分ごとに2/3をかけて千円未満を切り捨てた額です。
何に使える?
対象にならないもの
- 量産用の機械装置・金型
- パソコン、タブレット、カメラなどの汎用品
- 消費税、通信費、光熱費、事務用品
- 中古品の購入と、運用・保守の費用
- 市場調査や広報などのマーケティング費
- 2027年4月1日より前の発注や支払い
対象になるもの
- 原材料・副資材費(試作品の部品、鋼材、試験用の部品)
- 機械装置・工具器具費(試作金型、計測機器、サーバ、クラウド利用料)
- 委託・外注費(機械加工、設計、試験評価)
- 産業財産権の出願・導入費(特許、実用新案、意匠、商標)
- 直接人件費(試作に直接かかわる従業員と役員)
- 専門家指導費、規格認証・登録費
直接人件費は、時給の単価に従事時間をかけて計算します。単価は報酬月額ごとの表で決まります。月額報酬が30万円(29万円以上31万円未満)なら、時給は2,520円です。この人が試作に800時間かかわると、2,520円 × 800時間 = 201.6万円が対象経費です。助成は2/3の134.4万円になります。
人件費の助成額は、助成期間の総額で1,000万円が上限です。従事時間は1人1日8時間、年間1,800時間までで、開発の統括や会議の時間は含まれません。
1件100万円(税抜)以上の機械装置や外注は、原則2者以上の見積書が要ります。
2027年4月1日より前に契約・支払いをした費用は、対象外です。助成対象期間(2027年4月1日〜2028年12月31日)の中で、発注から支払いまで終える費用だけが対象になります。
申請の流れ
申請はすべて、国の電子申請システム「Jグランツ」で行います。持参、郵送、メールでは受け付けません。
- GビズIDプライムを取る(事業者→デジタル庁。未取得なら今すぐ)
- 募集要項と申請書をダウンロードする(事業者→公社のHP。申請の前に)
- 申請書と書類をJグランツにアップロードする(事業者→公社。2026年10月30日17時まで)
- 書類審査を受ける(公社→事業者。2027年1月中旬まで。結果はJグランツで通知)
- 面接審査を受ける(事業者→公社。2027年2月上旬。日時の変更は不可)
- 採択と交付決定の通知を受ける(公社→事業者。2027年3月末まで)
- 開発を進め、完了後に実績報告を出す(事業者→公社。事業終了から15日以内)
GビズIDプライムは、国の電子申請に共通で使うIDです。国の審査があるため、発行に期間がかかります。公社は、余裕をもった準備を求めています。
交付決定は、採択とは別に出る通知です。ただしこの事業では、交付決定が出ても、経費の対象になるのは2027年4月1日からです。
実績報告のあとに完了検査があり、助成金額が確定します。確定通知を受けて請求すると、約1か月後に振り込まれます。助成金が出るのは完了検査のあとだけで、中間検査では出ません。
採択されると、コーディネータが月1回ほど訪問して進み具合を確かめます。専門家の派遣は任意で、助成期間のうち8回まで無料です。
必要な書類
準備できた 0 / 10
上の表は法人の場合です。個人事業主は、登記簿謄本の代わりに開業届を出し、納税証明書の種類も変わります。事業開始から2年たたない事業者は、確定申告書が直近1期で足ります。創業予定者は確定申告書の代わりに、代表者の源泉徴収票と月次資金繰表を出し、残高証明書も要ります。
補足説明資料は任意で、A4で30ページ以内です。見積書は、1件100万円(税抜)以上の機械装置や外注がある場合に要ります。改良前の製品資料は、テーマを「改良」で申請する場合だけです。特許公報は、申請書の産業財産権の欄で「はい」と答えた場合だけです。
登記簿謄本と納税証明書は、原本をスキャンして出します。採択後に原本を照合するため、原本は手元に残します。登記簿謄本は、提出日の時点で発行から3か月以内のものです。
申請書のExcelには、「反社会的勢力排除に関する誓約事項」のシートがあります。内容を確かめて署名し、申請書と一緒に出します。
ファイル名は、募集要項で決まっています(例:01申請書(事業者名).xlsx)。マイナンバーが載っている書類は受け付けないので、番号の部分を黒塗りします。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 達成目標が一つでも未達:目標の全部を完了検査で確認できないと、事業の完了になりません。それまでにかかった経費も出ません。
- 完了前に売り込みを始めた:価格や発売時期のチラシ、HPへの販売中の掲載、有償での貸与が当たります。助成金は一切支払われません。
- 対象期間の外で支払った:2027年4月1日より前の契約や、期間内に支払いを終えていない経費は対象外です。
- 承認なしに計画を変えた:事業の内容、実施場所、外注先の変更は、事前に公社の承認が要ります。承認がない変更の経費は対象外です。
- 支払い方法が認められない:支払いは事業者名義の口座からの振込が原則です。手形・小切手や、他の取引との相殺で払った経費は対象外です。
- 申請要件に当たらないと分かった:交付決定の取り消しと、助成金の返還を求められます。
達成目標は、申請書に書く試作品の到達点です。特長的な機能を最大3つまで、数値で書きます。申請のあとに変更はできません。第三者が客観的に確かめられる書き方にします。
併用・事業化後の決まりは?
同じテーマ・同じ経費で、国や都の別の助成を受けることはできません。国や自治体の助成に重ねて申請するのは可能ですが、両方採択されたら一方を辞退します。公社が行う他の助成事業とは、同じテーマで申請できません。
1つの企業が申請できるのは、各回1件です。同じ年度に採択されるのも1件までです。
助成が終わった年度の翌年度から5年間、年に1回、事業化の状況を報告します。事業化で収益が出たときは、助成額を上限に、収益の一部を公社に納めます。
開発を終えた事業者は、販路拡大助成の開発枠(上限350万円、一般枠は150万円)を、資格審査だけで申請できます。小規模企業者に当たる採択者は、東京都中小企業制度融資で信用保証料の1/2補助も受けられます。
よくある質問
個人事業主でも申請できますか?
申請できます。個人事業主は、基準日の2026年9月1日の時点で、開業届の控えから都内の所在地が分かり、都内で1年以上事業をしていることが条件です。開業から1年たっていない場合は「未決算個人事業者」として申請できます。都内で創業する予定の個人も対象です。ただし、個人事業主が自分に払う報酬は、人件費に入りません。
医療法人やNPOでも申請できますか?
申請できません。社会福祉法人、医療法人、特定非営利活動法人、一般社団・財団法人、学校法人、有限責任事業組合は、助成の対象外です。対象は、株式会社や合同会社などの会社法上の会社と、個人事業主です。中小企業協同組合のような中小企業団体も申請できますが、構成員の半数以上が都内に実質的な事業所を持つ必要があります。
4つのテーマのどれに当たるか迷います。
最も当てはまるテーマを1つ選びます。たとえば介護現場の見守りは「高齢者・障害者・介護」、熱中症の予防は「暑さ対策」が目安です。どれにも当てはまらず、自社の工程改善だけが目的の開発は、対象になりません。迷ったときは、事業の課題と解決する相手を先に整理します。募集要項の例を見ても決められない場合は、助成課(03-3251-7894)に問い合わせてください。
開発がすでに進んでいる製品も対象になりますか?
進み具合によります。申請の時点で開発・改良がおおむね終わっている事業は、対象外です。すでに売っている製品を改良する場合は、新しい機能や仕組みを足して差をつける開発なら対象になります。どちらの場合も、2027年4月1日より前に払った費用は対象になりません。申請前に買った部品や機器は、助成の経費にならない点に注意してください。
量産のための機械や金型は対象になりますか?
対象になりません。生産・量産用の機械装置や金型の導入など、設備投資が目的の事業は対象外です。対象になるのは、試作品をつくるための試作金型や計測機器、サーバなどです。試作品は、達成目標を満たすために必要な最小限の数量に限られます。1台で目標を確かめられるなら、1台ぶんの経費だけが対象です。
開発を外注に出してもいいですか?
一部ならかまいません。ただし、開発の主要な部分は自社で行う必要があります。仕様の決定や試験のように、開発の根幹をなす部分が当たります。開発の全部や大部分を外注する事業は、対象外です。工場を持たないファブレス企業も、主要な部分を自社で行えば申請できます。外注先に払う費用は、委託・外注費として計上します。
人件費はいくらまで対象になりますか?
時給の単価に従事時間をかけて計算し、助成額で総額1,000万円が上限です。単価は、従事者の報酬月額ごとの表で決まります。報酬月額が13万円未満なら1,050円、30万円前後なら2,520円、60万5,000円以上なら5,210円です。対象は、毎月一定の報酬や給与が直接払われている役員と、直接雇用の従業員です。雇用保険に入っていない従業員の作業は、対象に入りません。所定労働時間の外や休日の作業も、対象に入りません。
助成金はいつ入金されますか?
完了検査のあとです。事業が終わって実績報告を出し、完了検査で達成目標と経費の書類が確認されると、助成金額が確定します。確定通知を受けて請求すると、約1か月後に振り込まれます。つまり開発の費用は、全額を先に自社で払うことになります。中間検査では助成金は出ないため、資金繰りの計画を申請書に入れてください。
申請にGビズIDは必要ですか?
必要です。申請はJグランツだけで受け付けているため、事前にGビズIDプライムのアカウントを取る必要があります。国の審査があるので、発行までに期間がかかります。締切の2026年10月30日が近い場合は、先にIDの発行を申請し、その間に申請書を準備します。IDで困ったときは、GビズIDヘルプデスク(0570-023-797)に問い合わせます。
行政書士などに代理申請を頼めますか?
頼めますが、使えるのはJグランツの代理申請機能だけです。GビズID上で委任の手続きをし、代理人が申請書を作ります。申請の確認と提出は、申請者本人が行います。助成対象経費にかかわる外注先の事業者と、その従業員は、代理申請を請け負えません。代理申請者は、公社に「同意書」を出す必要があります。
事業化して売上が出たら、お金を返しますか?
助成が終わった年度の翌年度から5年間、収益の一部を公社に納める場合があります。事業化で相応の収益が出たときだけで、納付額は助成金の交付額が上限です。計算は、助成事業の収益から控除額を引き、助成金額が総事業費に占める割合をかけます。控除額は、自己負担額の2割です。毎年の事業化の報告も、5年間続きます。
達成目標が達成できなかったらどうなりますか?
事業の完了にならず、助成金は交付されません。それまでにかかった経費も支払われません。達成目標は、申請書の提出後に変更できないため、助成期間内に確かめられる水準で書きます。特長的な機能を最大3つ、数値や試験方法とあわせて書くのが決まりです。目標を高く置きすぎないことが、申請書づくりでいちばん大切な判断になります。
問い合わせ先はどこですか?
東京都中小企業振興公社の企画管理部 助成課です。課題解決型技術開発促進事業の担当で、電話は03-3251-7894(平日9時から17時)、メールはkadai-kaihatsu@tokyo-kosha.or.jpです。対象のテーマや経費が分からないときは、申請書を作り込む前に聞いておくと、出し直しを防げます。
