この助成金が支えるのは、先端技術の事業化です。公募要領の例は、先進運転支援デバイスやAIやIoTや医療機器やバイオ(創薬)などです。起業する人でも、この分野に当たらなければ応募できません。
応募の前に財団のヒアリングを受けていないと、書類だけ出しても申請は受理されません。 会社を作る前でも、概ね1年以内に起業する予定なら応募できます。
令和8年度の第2回は応募期間が過ぎています。金額、助成率、事業期間、対象経費、審査項目は、全公募に共通の交付要領で確かめました。応募の方法と提出書類は、第3回の公募要領によります。第2回の公募要領は、財団の公式ページで見つかりませんでした。直近の公募は第3回の記事で案内しています。
とっとり起業化促進事業助成金の要点まとめ
正式名:とっとり起業化促進事業助成金
だれが
- 申請者
- 事業者・個人のどちらも(起業予定の個人・グループを含む)
- 対象業種
- 先端技術分野(AI・IoT・医療機器・バイオ(創薬)など)
- 利用目的
- 先端技術分野での起業・試作・実証・社会実装
- 対象地域
- 鳥取県内
- 従業員数
- 人数の指定なし(中小企業者が対象)
いくら
- 補助上限額
- 最大2,000万円(創業型500万・試作実証1,000万・社会実装2,000万)
- 補助率
- 10/10(対象経費の全額)
いつ・どこへ
- 申請受付
- 2026年7月17日〜2026年8月26日(第2回・受付終了)
- 事業の完了
- 交付決定から24か月以内(型により令和9年か11年の12月末まで)
うちは対象になる?
次のすべてに当てはまれば、対象の見込みです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 5
次のどれかに当たると対象外です。
- ✕ ヒアリングなしに書類だけ出す
- ✕ 同じ事業で他の公的助成を受ける
- ✕ 県税の滞納がある
対象者は、交付要領の第4条で次の3つのうち1つに当たる人と決まっています。
- 県内で概ね1年以内に起業しようとする個人・グループ(採択されたら交付決定後1年以内に起業する)
- 県内に事務所や工場などがある、起業後10年以内の中小企業者
- 県内に事務所や工場などがある、新分野進出後5年以内の中小企業者
中小企業者とは、業種ごとに資本金か従業員数の上限が決まっている事業者です。どちらか一方が上限以下なら該当します。製造業などは資本金3億円以下か従業員300人以下です。卸売業は1億円以下か100人以下です。サービス業は5,000万円以下か100人以下です。小売業は5,000万円以下か50人以下です。ゴム製品製造業、ソフトウェア業、旅館業には別の基準があります。
県外の企業も対象です。ただし起業創業型の公募要領(第3回)には、事業期間中と終了後3年間は県内で事業を行うことが前提と書かれています。
いくらもらえる?
助成率は10/10で、対象経費の全額が助成されます。上限は、取組の段階で決まる3つの区分ごとに違います。
| 区分 | 取組の段階 | 助成限度額 |
|---|---|---|
| 起業創業型 | 技術シーズを活かした応用研究。試作相当の段階までは未了 | 500万円 |
| 試作実証型 | 事業化に向けた技術実証。試作相当の段階まで到達済み | 1,000万円 |
| 社会実装型 | 地域課題の解決に資する製品・サービスの実証。試作相当の段階まで到達済み | 2,000万円 |
交付要領では、起業創業型は「スタートアップ型」、試作実証型は「開発支援型」と呼ばれます。社会実装型は、開発支援型に最大1,000万円を加算した区分です。次の3つをすべて満たし、目的に資すると特に認められた場合に加算されます。
- 特定の地域だけの課題でなく、地域社会が抱える課題の解決に資する
- 機能改良やマーケティングを行い、他分野への波及も期待できる
- 県内企業を含む連携体が、県内を拠点に実証を行う
どの区分で出すかは、試作が済んでいるかどうかで決まります。 同じ年度のうちは、開発支援型とスタートアップ型のどちらか一方にしか応募できません。
- 試作の前の応用研究に480万円かける:480万円 × 10/10 = 480万円
- 試作済みの装置の実証に1,300万円かける:1,300万円 × 10/10 = 1,300万円 → 上限の1,000万円
- 連携体で地域課題の実証に2,400万円かける:2,400万円 × 10/10 = 2,400万円 → 上限の2,000万円
経費は、消費税を除いた額で計算します。交付決定のあとに増額はできません。提案の時点で相見積もりを取り、十分に積算するよう公募要領が求めています。助成は財団の予算の範囲内で行われます。
何に使える?
対象にならないもの
- 直接人件費
- 量産に必要な設備の導入費
- 原材料など製品の原価にあたる経費
- 販売商品に直接かかわる経費
- 交付決定の前に発生した経費
対象になるもの
- 謝金と旅費(外部専門家への謝金や移動費)
- 委託費と外注加工費と共同研究費
- 研究開発・商品開発費(原材料費と機械装置・工具器具費と産業財産権等の導入費)
- 事務費(会議費や消耗品費や研究開発に従事する人のアルバイト賃金)
- 人材育成費(専門書の購入や有料セミナーの受講料)
費目の区分は交付要領の別表で決まっています。委託費と外注加工費の合計は、交付決定額の5割以内です。県内に事業所のある企業へ発注するなら、基準が補助限度額の5割に変わります。試作実証型で交付決定額が800万円なら、県外への発注は400万円までです。県内への発注は500万円までです。
30万円以上の機械装置や工具器具は、購入でなくリースかレンタルで調達するのが原則です。この原則は第3回の公募要領にある決まりです。経費は、交付決定の日以後に発注・契約して支払ったものに限ります。
申請の流れ
- 財団に電話かメールで連絡する(事業者→鳥取県産業振興機構 経営支援グループ。応募を考え始めた時点で)
- 面談とヒアリングを受ける(事業者→財団の担当者。応募要件を満たすか確認される)
- 提案書一式を出す(事業者→財団。要件を満たすと確認された場合だけ。公募期間内の午後5時必着)
- 審査を受ける(一次の書面審査のあと二次でプレゼンなど。全体で約2か月)
- 交付申請書を出す(事業者→財団。採択の通知を受け取った日から30日以内)
- 事業を行って実績報告をする(交付決定のあと。完了から30日以内)
1から4の応募方法と審査の進め方は、第3回の公募要領で確認したものです。5以降は交付要領の決まりで、全公募に共通します。
交付決定の日が、事業の着手日になります。事業の途中で、交付決定の6か月後から1年6か月後までの間に、進み具合に応じた助成金を先に受け取る概算払を申請できます。事業の完了後も、3年間は毎年、事業化の状況を報告します。期限は翌年度の4月15日です。
必要な書類
準備できた 0 / 7
この表は第3回の公募要領の一覧です。提案書と誓約書と別紙の部数は、起業創業型が2部で、試作実証型・社会実装型が1部です。登記事項証明書は法人だけが出します。県税の未納がないことを示す書類は、公募要領に「納税証明書等」とあるだけで発行先の記載がありません。財団に確認してください。
提出は持参か郵送です。財団の担当者が事前に承諾した場合に限り、受付期間内のメール提出も認められます。その場合もあとで持参か郵送をします。
もらえなくなるのはどんなとき?
- ヒアリングを受けていない:事前の連絡とヒアリングなしに書類だけ出すと申請は受理されません。ヒアリングで要件を満たさないと分かった場合も同じです。
- 期間を過ぎて届いた:公募期間の午後5時を過ぎて届いた書類は受理されません。郵送は期間内の必着です。
- 他の公的助成も受けている:同じ事業で国や地方公共団体などの助成金を受けているか受ける予定なら、審査の対象から除かれます。
- 助成金を別の用途に使った:交付決定のあとでも用途の違反や要領違反があれば、決定が全額か一部取り消されます。交付済みの分は返還を求められます。
よくある質問
会社を作る前でも応募できますか?
できます。鳥取県内で概ね1年以内に起業しようとする個人やグループが、交付要領の対象者に入っています。ただし採択された場合は、交付決定後1年以内に起業する必要があります。応募の前には財団のヒアリングを受けます。ヒアリングでは事業の内容や実現可能性が確認されます。起業の時期が決まっていなくても、早めに連絡して相談してください。
事前ヒアリングは必ず受ける必要がありますか?
必ず必要です。連絡もヒアリングもなく申請書類だけを出した場合は、受理されません。ヒアリングで応募要件を満たさないと分かった場合も同じです。流れは、財団へ電話かメールで連絡し、面談でヒアリングを受け、要件を満たすと確認されてから書類を出す順番です。公募期間の終わり近くに連絡すると、日程が合わなくなるおそれがあります。
いくらもらえて助成率はどのくらいですか?
助成率は10/10で、対象経費の全額です。限度額は起業創業型が500万円で、試作実証型が1,000万円で、社会実装型が2,000万円です。社会実装型は、試作実証型に最大1,000万円を加算した区分です。助成は財団の予算の範囲内で行われます。交付決定のあとに増額できないため、提案の時点で必要な額を十分に積算しておきます。
どの区分で応募すればよいですか?
試作の段階で決まります。試作相当の段階が終わっていない応用研究は起業創業型です。試作相当の段階まで到達していて技術実証をするなら試作実証型です。地域課題の解決に向けて県内企業を含む連携体で実証するなら、社会実装型を選べます。同じ年度のうちは、起業創業型と試作実証型のどちらか一方にしか応募できません。迷うときはヒアリングで相談してください。
先端技術分野に当てはまるか、どう判断しますか?
公募要領は、先進運転支援デバイスやAIやIoTや医療機器やバイオ(創薬)などを例に挙げています。ほかに、時代や環境の変化に適応するために必要になる技術分野も含まれます。先端技術分野とは、県内で育ちつつある将来有望な技術シーズで高い市場性が見込まれ、新産業の創出につながる分野のことです。当てはまるか迷う場合は、ヒアリングで確認します。
県外の企業でも応募できますか?
起業創業型の公募要領には、県外企業も対象になると書かれています。ただし事業期間中と事業終了後の3年間は、鳥取県内で事業を実施することが前提です。ほかの区分でも、対象者は県内に事務所や工場などがある中小企業者か、県内で起業する個人・グループです。県内に拠点を置く計画があるかを、応募の前に財団へ伝えておくと話が早く進みます。
人件費は対象になりますか?
直接人件費は対象外です。対象になるのは、外部専門家への謝金や旅費と委託費と共同研究費と外注加工費と事務費と研究開発・商品開発費と人材育成費です。研究開発に直接従事する人のアルバイト賃金は、事務費の雑役務費として対象に入ります。社員の給与は助成の対象にできないため、経費の計画を立てる段階で区分を確認してください。
外注や委託には、どのくらい使えますか?
委託費と外注加工費の合計は、交付決定額の5割以内です。県内に事業所のある企業へ発注する場合は、補助限度額の5割以内にできます。たとえば試作実証型で交付決定額が800万円なら、県外への発注は400万円までです。県内への発注は500万円まで使えます。県内の企業へ発注すると使える上限が大きくなる決まりなので、発注先は見積もりの段階で決めておきます。
機械装置は買えますか?
30万円以上の機械装置や工具器具は、購入でなくリースかレンタルで調達するのが原則です。量産に必要な設備の導入費や製品の原価にあたる原材料費は、助成の対象になりません。研究開発の実施に必要な原材料や、機械装置の借用にかかる費用は、研究開発・商品開発費として対象になります。購入を考える機器は、先にヒアリングで扱いを確認してください。
審査では何を見られますか?
審査項目は、市場性と革新性と実現可能性と地域活性化への波及効果と経営者の5つです。第3回の公募要領では、実現可能性と地域活性化への波及効果に重点が置かれました。審査は、書類による一次審査と、プレゼンテーションなどの二次審査です。必要な場合は実地視察もあり、全体で約2か月かかります。結果は一次も二次も書面で通知されます。
採択されたあと、何を報告しますか?
交付決定のあとは、各年度の進捗を翌年度の4月15日までに報告します。事業が終わったら、完了から30日以内に実績報告書を出します。助成額が確定して請求すると支払われます。さらに事業の完了後は3年間、毎年の事業化の状況を翌年度の4月15日までに報告します。採択された事業は、事業者名や概要が原則として公表されます。
次の公募はいつですか?
令和8年度は第3回まで公募がありました。第3回の応募期間は2026年9月2日から10月16日でした。次の公募の時期は公式ページに記載がありません。最新の予定は、鳥取県産業振興機構の経営支援グループ(電話0857-52-6702)に聞けます。応募を考えているなら、公募が始まる前でも事業の構想を持って先に相談できます。
問い合わせ先はどこですか?
公益財団法人鳥取県産業振興機構の経営支援部 経営支援グループです。電話は0857-52-6702で、メールはsougyo@toriton.or.jpです。所在地は鳥取市若葉台南7丁目5番1号です。応募の連絡から面談のヒアリングや書類の提出まで、同じ窓口になります。ヒアリングは応募の要件なので、公募期間より前から相談できます。
