買い取った空き家を断熱改修して売る工事費の最大4/5(上限200万円)を、富山県が補助します。対象は買取再販事業者などの民間事業者だけで、個人が自分の住まいとして直す工事は対象になりません。
令和8年度の受付は7月15日に始まりました。公式ページに受付の終了日は書かれていません。改修は家全体が対象で、完了後の実績報告は2027年2月26日必着です。工事の期間から逆算して動く制度です。
空き家フルリノベーション補助金の要点まとめ
正式名:空き家フルリノベーション支援事業費補助金(令和8年度)
だれが
- 申請者
- 事業者(買取再販事業者等の民間事業者)
- 対象業種
- 公式ページに記載なし(空き家を買い取って販売する民間事業者)
- 利用目的
- 空き家の省エネ改修と流通の促進
- 対象地域
- 富山県内
- 従業員数
- 規定なし
いくら
- 補助上限額
- 200万円(Reチャレンジ水準・1戸あたり)
- 補助率
- 4/5以内(省エネ診断は2/3)
いつ・どこへ
- 申請受付
- 2026年7月15日から(終了日の記載なし)
- 事業の完了
- 2027年2月26日必着で実績報告
うちの会社は対象になる?
次の5つにすべて当てはまれば、対象の見込みです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 5
買取再販事業者とは、空き家を買い取って改修し、売る事業者のことです。空き家は、一戸建ての住宅で現在だれも住んでいないものを指します。改修後の用途は専用住宅です。店舗などを併設するときは、住宅の部分が水準に適合する必要があります。社員が住んでいたり、前の所有者がまだ住んでいたりすると対象外です。所有は、登記簿(全部事項証明書)か売買契約書で示します。
次のどれかに当たると対象外です。
- ✕ 個人が自分で住むための改修
- ✕ 新築・増築・建て替え
- ✕ エコキュートだけの設備工事
ZEH水準とは、断熱等性能等級5以上で、一次エネルギー消費量が省エネ基準より20%少ない住宅の水準です。改修前にこの水準を満たす住宅は対象になりません。省エネ基準は満たしていてもZEH水準に届かない住宅なら、ZEH水準への改修が対象になります。
改修後に満たす水準は2つ
改修が終わった家全体で、次のどちらかの水準に合わせます。
| 区分 | Reアドバンス | Reチャレンジ |
|---|---|---|
| 補助上限額 | 120万円 | 200万円 |
| 断熱性能(UA値) | 0.60以下 | 0.34以下 |
| 気密性能(C値) | 定めなし | 5.0以下 |
| 一次エネルギー消費量 | 20%以上削減 | 20%以上削減 |
| 耐震性能 | 耐震改修基準または現行の建築基準法の耐震規定に適合 | 同じ基準の1.25倍に適合(※) |
※耐震の倍率は、実施要領とリーフレットが1.25倍、公式ページの注記が「1.5倍以上」と、書き方がそろっていません。実施要領の1.25倍で書きましたが、Reチャレンジを狙う物件は、設計に入る前に建築住宅課へ確かめておくと安全です。公式ページの補助要件の欄には太陽光発電設備と「富山らしさ」も挙がっていますが、実施要領と要綱に基準の定めはありません。これも合わせて確かめます。
UA値は、家の外へ逃げる熱の量を表す数字で、小さいほど断熱が効いています。C値は、家の隙間の大きさを表す数字で、小さいほど気密が高い家です。一次エネルギー消費量は、冷暖房・給湯・換気・照明で使うエネルギーの量です。
上限額の差は80万円です。差を取りにいくには、気密測定で5.0以下を示し、耐震を1.25倍に引き上げる必要があります。
いくら戻ってくる?
補助額は、対象経費に補助率を掛けた額です。1戸あたりの上限は、Reアドバンスが120万円、Reチャレンジが200万円です。上限に届くのは、対象経費がReアドバンスで150万円以上、Reチャレンジで250万円以上のときです。
- 断熱化工事90万円 + 設備工事60万円(Reアドバンス):150万円 × 4/5 = 120万円 → 上限の120万円
- 断熱化工事160万円 + 設備工事90万円(Reチャレンジ):250万円 × 4/5 = 200万円 → 上限の200万円
- 外窓5か所を交換(2.8㎡以上、ZEH水準の窓):27.2万円 × 5 = 136万円 → 136万円 × 4/5 = 108.8万円
- 断熱化工事50万円 + 設備工事60万円:設備は断熱化の額の50万円まで → 100万円 × 4/5 = 80万円
外窓の例の27.2万円は、県が定めるモデル工事費(1箇所あたり)です。実際の工事費がモデル工事費を超えたときは、モデル工事費で計算します。消費税は対象経費から除きます。
補助率は経費の種類で変わります。
| 区分 | 補助率 |
|---|---|
| 断熱化工事・設備の効率化工事 | 4/5 |
| 省エネ化のための計画の策定 | 4/5 |
| 省エネ診断 | 2/3 |
3つの合計額が、上限額の枠に入ります。
何に使える?
対象にならないもの
- 新築・増築・建て替えの費用
- エコキュートの設置だけなど、断熱化を伴わない設備工事
- 省エネ診断や省エネ設計だけを行う費用
- 消費税
対象になるもの
- 開口部(窓・ドア)と躯体(外壁・屋根・天井・床)の断熱化工事費
- 設備の効率化工事費(給湯機、節水型トイレ、高断熱浴槽、蓄電池など)
- 省エネ改修のための調査・設計・計画の費用と、第三者機関の評定書の取得費
- 省エネ診断の調査費
設備の効率化工事は、断熱化工事と一緒に行う場合だけ対象です。対象になる額は、断熱化工事の額が上限です。省エネ診断と省エネ設計も、省エネ改修と併せて行う場合に限ります。
第三者機関の評定書とは、改修後の断熱性能とエネルギー性能が基準に合うことを確かめる書類です。BELS評価書、長期優良住宅の認定通知書、設計住宅性能評価書などが例にあがっています。
申請の流れ
- 改修計画を決める(事業者→設計者。ReアドバンスかReチャレンジかを選ぶ)
- 交付申請書と添付書類を県に出す(事業者→富山県土木部建築住宅課。持参か郵送)
- 交付決定の通知を受ける(県→事業者。通知の前に契約・着工しない)
- 工事の契約をして着工し、完了させる(事業者→施工業者)
- 実績報告書を出す(事業者→県。2027年2月26日必着)
交付決定とは、県が補助を認めた通知のことです。契約と着工は、交付決定の通知を受けたあとに行います。契約が先になると対象外です。
実績報告書の期限は、要綱では補助事業が完了した日から20日を過ぎた日と、交付決定を受けた年度の2月末日のうち、早いほうです。公式ページには2027年2月26日必着とあります。完了が遅れそうなときは、早めに建築住宅課へ相談します。
必要な書類
準備できた 0 / 12
内訳書には、使う建材・寸法・仕様が分かるものを使います。工事内容説明書には、改修前の状態を示す設計図書か写真も付けます。補助対象外の経費が含まれるときは、見積書に明示します。建築確認の写しは、確認済証を紛失した場合は台帳記載証明にかえられます。
申請書と実績報告書は、持参か郵送で受け付けています。メールとFAXでは受け付けていません。送付先は、〒930-8501 富山市新総曲輪1-7 富山県土木部建築住宅課 住みよいまちづくり係です。
実績報告のときは、事業実績書、精算額計算表、領収書の写し、施工中と完了後の写真、出荷証明書や施工証明書などを出します。省エネ診断や計画の策定をした場合は、その成果品も付けます。Reチャレンジ水準は、気密性能が分かる気密測定結果報告書も要ります。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 交付決定の前に契約・着工した:交付申請をして通知を受けたあとに契約します。先に着手した工事は対象になりません。
- 実績報告に間に合わなかった:原則として、2027年2月26日必着の期限までに事業を完了して報告します。県のQ&Aは、完了が令和9年3月以降になる見込みの工事を対象外としています。
- ほかの補助金と重複した:同じ経費に国・県・市町村などの補助を重ねて受けられません。例外は、市町村の木造住宅耐震改修補助です。
- 同じ住宅で2回目の申請をした:同一の住宅に対する補助は1回までです。
- 補助を受けた住宅を承認なく目的外に使った:補助事業の完了後10年間は、知事の承認なしに目的に反する使用・譲渡・取り壊しなどができません。
要綱は、補助事業のあとに住宅を取得した人にも同じ制限をかけています。売却後の扱いは条文だけでは読み切れませんでした。買い手に引き渡す前に、建築住宅課へ確認しておくことを勧めます。
他の補助金との併用と消費税
国・県・市町村などの補助制度との併用は、原則としてできません。市町村が実施する木造住宅耐震改修補助とは併用できます。その場合は、省エネ改修と耐震改修の工事費を分けて、それぞれ申請します。工事費の重複は認められません。
消費税は補助対象経費から除きます。工事写真や内観写真は、リノベーション事例の共有のために県から提出を求められます。県は成果の概要を公表できるため、販売時の広報に使う写真が事例集に載る可能性があります。
よくある質問
個人が自宅にするために空き家を改修する場合は対象ですか?
対象になりません。この補助金の実施主体は買取再販事業者等で、公式ページにも個人が所有する空き家を改修する工事は対象外と書かれています。業者が所有する空き家を基準に適合する工事で改修し、そのあと市場に流通させるものが対象です。自分で住む家の改修を考えている場合は、市町村の空き家対策の担当課に、別の補助制度がないか確かめるのが近道です。
ReアドバンスとReチャレンジは何が違いますか?
断熱性能が違います。Reアドバンスは外皮平均熱貫流率(UA値)0.60以下のZEH水準で、上限は120万円です。Reチャレンジは0.34以下のより高い水準で、上限は200万円です。さらにReチャレンジは、気密性能C値5.0以下と、耐震基準の1.25倍も満たす必要があります。どちらも補助率は4/5で、改修後の家全体が水準に適合することが条件です。
エコキュートだけの交換でも補助されますか?
補助されません。設備の効率化に係る工事は、窓や外壁などの断熱化工事と併せて行う場合だけ対象です。断熱化工事の費用が50万円で設備工事が60万円なら、設備のうち対象になるのは50万円までです。給湯機の交換を計画に入れるときは、断熱化の工事費とのバランスを見積もりの段階で確かめておくと、対象経費の見込みが立ちやすくなります。
工事の契約や着工はいつからできますか?
交付申請をして、交付決定の通知を受けたあとです。県のQ&Aでは、改修工事に着手したあとの交付申請はできないと明記されています。契約と着工のどちらか早いほうが事業着手とされるため、契約書を先に交わした場合も対象外になるおそれがあります。工事業者との打ち合わせは進めても、契約の日付は交付決定のあとにそろえてください。
実績報告書はいつまでに出せばよいですか?
公式ページでは、2027年2月26日必着です。原則として、この期限までに補助対象の事業を完了して報告書を出します。要綱には、完了した日から20日を過ぎた日と、交付決定を受けた年度の2月末日のうち早いほうという定めもあります。工期が長い改修ほど余裕がなくなるため、設計と施工の日程は、この期限から逆算して組むことを勧めます。
申請の受付はいつまでですか?
公式ページには、令和8年度の受付を7月15日に開始したと書かれていますが、受付の終了日は載っていません。予算に限りがある制度のため、早めの相談が安全です。終了日が分からない分、実績報告の期限である2027年2月26日から逆算して、交付決定、着工、完了までの日程を組むのが現実的です。受付の状況は建築住宅課に電話で確かめられます。
申請書類はメールで出せますか?
メールとFAXでは受け付けていません。申請書と実績報告書は、持参か郵送で、富山県土木部建築住宅課 住みよいまちづくり係へ出します。書類の修正などのやり取りは、メールでもできます。郵送で出すときは、配達の日数を見込んで、交付決定や実績報告の期限に余裕をもたせておくと安心です。
ほかの補助金と併用できますか?
国・県・市町村などの補助制度との併用は、原則としてできません。例外は、市町村が実施する木造住宅耐震改修補助金です。その場合は、省エネ改修と耐震改修の工事費を分けて、それぞれ申請します。同じ工事費を両方に載せることは認められません。併用を考えるときは、見積書の段階で工事費を分けておくと、書類が整理しやすくなります。
以前この補助金を使った住宅にもう一度申請できますか?
できません。同一の住宅に対して行う補助は、1回までです。要綱にも、同一の住宅に対する補助は1回を限度とすると定められています。買い取った物件が過去にこの補助金を使っていないか、仕入れの段階で売主に確かめておくと、改修後に対象外と分かる事態を避けられます。登記簿の確認とあわせて行うとよいでしょう。
消費税は補助の対象ですか?
消費税は補助対象経費から除かれます。見積書の金額が税込みなら、税抜きの金額で補助額を計算します。たとえば税抜きの対象経費が150万円なら、補助額は150万円 × 4/5 = 120万円です。見積書は、補助対象の工事と対象外の工事の内訳が分かる形にしておくと、申請書類の確認がしやすくなります。
すでに取得している空き家でも申請できますか?
申請できます。空き家を必ず新たに取得する必要はなく、補助事業者である民間事業者が所有する空き家であれば対象です。所有していることは、登記簿(全部事項証明書)か、所有者との売買契約書で示します。文書で証明できない場合は対象外です。取得してから時間がたつ物件でも、現在だれも住んでいないことが条件です。
改修前から省エネ基準を満たしている住宅は対象ですか?
改修前の状態によります。省エネ基準を満たしていても、ZEH水準には届いていない住宅なら、ZEH水準への改修が対象です。改修前にZEH水準を満たす省エネ性能がある住宅は、対象になりません。仕入れる物件の断熱の状態は、改修前の写真や図面と合わせて、設計者に確かめてもらうと判断しやすくなります。
問い合わせ先はどこですか?
富山県土木部建築住宅課 住みよいまちづくり係です。電話は076-444-3359、メールはakenchikujutaku01@pref.toyama.lg.jpです。対象になるか迷う物件や、ReアドバンスとReチャレンジのどちらを選ぶかなどは、申請の前に相談しておくと手戻りを防げます。リーフレットとQ&Aは、県の案内ページからPDFで入手できます。
