自社の屋根や敷地に太陽光発電を置き、電気代を下げながら県の補助を受けられます。自家消費型の太陽光は1kWあたり5万円で、上限は500万円です。申請書の計算では、発電量の50%以上を自社で使う設計にすることが求められます。
高効率空調機器と高効率給湯機器の枠は、令和8年度分の予算が上限に達して受付を終えています(令和8年10月21日に県が告知)。この記事は、受付を続けている太陽光・水力・地中熱を中心に書きます。
富山県脱炭素化モデル中小企業育成事業費補助金の要点まとめ
正式名:富山県脱炭素化モデル中小企業育成事業費補助金
だれが
- 申請者
- 事業者(法人・個人事業主)
- 対象業種
- 全業種(県内の中小企業)
- 利用目的
- 再生可能エネルギー・省エネ設備の導入
- 対象地域
- 富山県内
- 従業員数
- 業種ごとに基準あり(本文で説明)
いくら
- 補助上限額
- 500万円(太陽光は1kWあたり5万円)
- 補助率
- 太陽光は5万円/kW以内、水力・地中熱は2/3以内
いつ・どこへ
- 申請受付
- 2026年5月1日〜2026年10月30日(締切は6回)
- 事業の完了
- 2027年2月12日まで
うちの会社は対象になる?
次の5つにすべて当てはまれば、対象の見込みです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 5
中小企業者とは、業種ごとに資本金か従業員数の上限が決まっている会社や個人のことです。どちらか一方が上限以内であれば当てはまります。
| 業種 | 資本金・従業員数の上限 |
|---|---|
| 製造業・建設業・運輸業ほか | 3億円以下、または300人以下 |
| 卸売業 | 1億円以下、または100人以下 |
| サービス業(飲食業を除く) | 5,000万円以下、または100人以下 |
| 小売業(飲食業を含む) | 5,000万円以下、または50人以下 |
次のどれかに当たると対象外です。
- ✕ 大企業が株式の半数以上を持つ
- ✕ FIT・FIPの認定を取って売電する
- ✕ リースやPPAで設備を入れる
- ✕ 自社所有でない土地・建物に置く
大企業が持つ割合は、発行済み株式か出資額の2分の1以上が対象外の目安です。3分の2以上を大企業が持つ場合や、役員の2分の1以上が大企業の役員・職員を兼ねる場合も対象外です。普段使っていない事業所に置く場合も、補助の対象になりません。
自家消費の条件は、太陽光と水力にかかります。2段階で書かれています。発電量の30%以上を自社で使います。自社分を含めて50%以上を、県内の需要家が使います。申請書の計算欄は「年間自家消費想定量÷年間発電想定量」を50%以上にするよう求めています。
いくらもらえる?
太陽光は、最大出力に1kWあたり5万円を掛けた額です。最大出力は、パネルとパワーコンディショナーの低い方を使い、小数点以下は切り捨てます。上限は500万円なので、100kWで頭打ちになります。
- パネル55kW・パワコン49.9kW:49kW × 5万円 = 245万円
- パネル80kW・パワコン85kW:80kW × 5万円 = 400万円
- パネル120kW・パワコン120kW:120kW × 5万円 = 600万円 → 上限の500万円
水力と地中熱は、対象経費の2/3以内です。上限は太陽光と同じ500万円です。
- 地中熱ヒートポンプの工事に600万円かかる:600万円 × 2/3 = 400万円
- 水力発電の設備に900万円かかる:900万円 × 2/3 = 600万円 → 上限の500万円
500万円は、県の交付要綱が設備ごとに定めている上限です。経費が750万円を超える水力・地中熱では、上限に当たります。
何に使える?
対象にならないもの
- リース・PPA(第三者所有モデル)で入れる設備
- 中古品と、過去に買った在庫品
- 既存設備の取り外し・廃棄の費用
- ソーラーカーポートの本体と、その設置費
- 消費税
- パネルとパワコンだけの機器費の申請
ソーラーカーポートは、屋根にのせるパネル部分だけが対象です。機器費だけの申請は認められないので、設置工事の費用もあわせて計上します。
対象になるもの
- 太陽光:パネル、架台、パワーコンディショナー、接続箱などの附属機器、配線を含む設置工事
- 水力:出力1,000kW未満の設備。交付決定の前に環境影響調査と関係者との協議を終えている必要があります
- 地中熱:不凍液を循環させるクローズドループ方式のヒートポンプ。熱供給能力は温水・冷水とも0.10GJ/h(約27.78kW)以上です
費目は、工事費・設備費・業務費・事務費に分かれます。野立ての太陽光も、自営線を引いて自社で使い切れるなら対象です。
申請の流れ
締切は6回あり、一次が5月29日、二次が6月30日、三次が7月31日、四次が8月31日、五次が9月30日、六次が10月30日です。
- 施工業者と現地調査をして仕様を決める(事業者→施工業者。発電量と自社の使用量の見込みもここで出す)
- 見積書と申請書類をそろえる(事業者。書類が1つでも欠けると受理されない)
- 申請書類一式を出す(事業者→エネルギー政策課。郵送は締切日の消印まで有効、持参は平日の9〜12時と13〜17時)
- 審査を受ける(県→事業者。締切から3週間ほどで、結果が書面で届く)
- 交付決定のあとに契約・着工する(事業者→施工業者)
- 設備の引き渡しと工事代金の全額払いを終える(令和9年2月12日まで)
- 実績報告を出す(事業者→県。完了日から30日以内か令和9年2月26日の早い方まで)
実績報告のあとに県が補助額を確定し、請求書を出すと支払われます。補助金は事業の完了前には振り込まれません。電子メールでの申請は受け付けていません。
必要な書類
太陽光の場合の一覧です。
準備できた 0 / 12
事前着手届は、交付決定の前に契約や着工をするときだけ、交付申請書と一緒に出します。省エネ診断を受けている場合は、結果報告書の写しも付けます。水力・地中熱は、事業計画書の別紙と添付書類が一部変わります。
見積書は申請者の名前で取り、作成日と施工業者の住所・社名・代表者名を入れてもらいます。合計(税抜と税込)と、設備費・工事費などの内訳が分かる形にします。登記事項証明書と納税証明書は、申請日から3か月以内に発行されたものです。
太陽光と水力では、申請者用と施工業者用の誓約書に自署します。申請者は、FIT・FIPの認定を取らないこと、発電量の自家消費の割合を守ること、J-クレジットに登録しないこと、ほかの補助を受けていないことなどを誓います。太陽光では、20kW以上で柵と標識、50kW以上で完成図書の作成、10kW以上で撤去・廃棄費用の積立計画も求められます。違反が分かると、補助金を返すことになる場合があります。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 交付決定の前に工事代金を払った:事前着手届を出せば、契約・着工・完了までは認められます。工事代金の支払いは、交付決定の前にすると対象外です。
- FITやFIPで売電した:FIT・FIPの制度で売電すると、補助金の返還を求められます。余剰電力は、小売電気事業者との相対契約や自由契約なら売れます。
- ほかの補助と重ねた:国・県・市町村の補助を、同じ設備に重ねることはできません。二重交付が分かると返還になります。
- 期間内に完了しなかった:令和9年2月12日までに事業が終わらないと、対象外になります。遅れそうなときは、早めに県へ連絡してください。
- 採点で採択に届かなかった:先着順ではありません。県が審査し、点数の高い事業から採択します。
令和8年度の変更点と、採択後の報告
令和8年度は、審査基準に「省エネ診断の実施」の10点が加わりました。省エネルギーセンターか環境共創イニシアチブの診断で、令和5年度以降に受けたものが対象です。その代わり、事業の実現可能性の配点は15点から5点に下がりました。
採択予定の件数も増えました。令和8年6月の補正予算で、5件から7件程度になっています。
補助金をもらったあとにも、報告があります。CO2削減効果と脱炭素経営の取組状況を、令和9年度から令和13年度の5年間、県へ報告します。太陽光と水力は、設備設置の翌月から1年後に電気使用量も報告します。県はこれらを公表します。事前に公表してよい情報かどうかの確認があります。
取得価格が50万円以上の設備は、法定耐用年数のあいだ、県の承認なしに譲渡や目的外の使用ができません。太陽光は17年、水力は20年、地中熱は15年です。
よくある質問
空調機器と給湯機器の入れ替えは、もう申請できませんか?
令和8年度分の枠は、受付が終わっています。県は、令和8年7月2日に予算が上限に達したとして受付を終え、9月16日に1件の追加募集を行い、10月21日に再び受付を終了しました。令和9年度に同じ枠が設けられるかは、公式ページに書かれていません。枠の再開は、エネルギー政策課に確かめてください。受付中の太陽光・水力・地中熱への切り替えも、選択肢になります。
申請の締切はいつですか?
六次締切が令和8年10月30日です。一次から五次は、5月29日、6月30日、7月31日、8月31日、9月30日でした。申請は郵送か持参で、電子メールは使えません。郵送は締切日の消印まで有効で、持参は平日の9〜12時と13〜17時に受け付けます。予算が上限に達したときは、期間中でも受付が終わることがあります。
先着順で決まりますか?
先着順ではありません。各締切のあとに県が審査し、点数の高い事業を採択します。100点満点の配点は、他の県内中小企業への波及効果が40点、事業の目標・内容が25点、事業の目的・必要性が20点、省エネ診断の実施が10点、実現可能性が5点です。波及効果が最も重いので、自社の取組みを他社が参考にできる形で書くと評価されやすくなります。
太陽光の補助額はどう計算しますか?
パネルとパワーコンディショナーの出力を比べ、低い方の数値を使います。小数点以下は切り捨て、1kWあたり5万円を掛けて、1,000円未満を切り捨てます。たとえばパネルが55kWでパワコンが49.9kWなら、49kW × 5万円 = 245万円です。複数台を入れる場合は合計出力で計算します。上限は500万円なので、100kWを超える設備でも補助は500万円までです。
余った電気を売ってもいいですか?
売電そのものは認められています。ただしFIT制度とFIP制度では売れません。余剰電力は、小売電気事業者などと相対契約や自由契約を結んで売ります。FITやFIPによる売電が確認されると、補助金の返還を求められます。発電量の30%以上を自社で使い、自社分を含めて50%以上を県内の需要家が使う条件もあるため、売電を前提にした大きな設備は計画が通りにくくなります。
リースやPPAで導入した設備は対象ですか?
対象になりません。PPA(第三者所有モデル)やリースは、太陽光・水力・地中熱・空調・給湯のすべての設備で対象外です。申請者が設備を買い、自社で所有することが前提です。自己所有でない土地や建物に置く場合も対象になりません。事務所を借りている会社は、設置場所の所有関係を先に確認しておくと安心です。
交付決定の前に契約してもいいですか?
原則は、交付決定を受けてから契約します。早く契約しないと期間内に終わらない場合は、交付申請と一緒に事前着手届を出します。届けを出せば、決定前に契約・着工・完了まで進められます。ただし工事代金を払うと対象外です。届けを出しても交付は約束されません。決定されなかったときの損失は、申請者の負担になります。国の交付決定日である令和8年4月21日より前の契約は、対象外です。
他の補助金と併用できますか?
同じ設備については併用できません。国・県・市町村のどの補助も、重ねて受けられません。この補助金は環境省の交付金を使っているため、二重交付が分かると補助金の返還を求められます。設備ごとに別の補助を使い分ける場合は、対象経費が重ならないことをエネルギー政策課に確かめてください。
ソーラーカーポートは対象になりますか?
屋根にのせる太陽光パネルの部分は、対象になります。カーポート本体と、その設置にかかる費用は対象外です。見積書を取るときは、パネルや配線などの発電設備の費用と、カーポートの費用を分けて書いてもらうと、申請書の計算がしやすくなります。ガレージや車庫の屋根も、同じ扱いです。
事業はいつまでに終わらせる必要がありますか?
設備の引き渡しを受け、工事代金の全額を払い終えた時点が、事業の完了です。期限は令和9年2月12日です。実績報告は、完了日から30日以内か、令和9年2月26日のいずれか早い日までに出します。提出が遅れると、交付決定が取り消されることがあります。工事が遅れそうなときは、わかった時点で県に連絡してください。
問い合わせ先はどこですか?
富山県商工労働部成長産業推進室エネルギー政策課(事務局)です。電話は076-444-9658、場所は富山市新総曲輪1-7の県庁東別館3階です。申請書類に不備があると受理されないので、記入に迷う点は事前に相談できます。審査の経過についての問い合わせには、応じてもらえません。
