設備投資さえすれば補助金が出るのか。結論から言うと、違います。富山市の先端設備等導入加速化支援事業補助金は、先端設備等導入計画の認定を先に受け、かつ賃上げの方針を従業員に表明した事業者だけが対象になる制度です。「良い設備が見つかったから、まず買ってしまおう」という順番では、対象経費になりません。
あなたの会社が生産性向上のための設備投資を考えているなら、見積もりを取る前に認定計画と賃上げ表明という2つの前提条件を確認しておく必要があります。
富山市先端設備等導入加速化支援事業補助金の要点まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 制度名 | 富山市先端設備等導入加速化支援事業補助金 |
| 対象業種 | 業種の限定なし(先端設備等導入計画の認定を受ける中小企業者・小規模事業者) |
| 利用目的 | 設備整備・IT導入をしたい |
| 対象地域 | 富山県富山市 |
| 従業員数 | 中小企業・小規模事業者(みなし大企業を除く)(大企業が株式の一定割合を保有するなどで対象外になる会社) |
| 補助上限額 | 500万円 |
| 補助率 | 1/2(千円未満切り捨て) |
| 申請受付 | 令和8年2月2日(月)〜令和9年1月29日(金)※予算上限で早期終了の可能性あり |
| 公式サイト | https://www.city.toyama.lg.jp/business/shokogyo/1010600/1018139.html |

対象になる事業者・ならない事業者
対象になるのは、次のすべてを満たす中小・小規模事業者です(小規模事業者とは、常時使用する従業員が20人以下(商業・サービス業は5人以下)の事業者のことです)。
- 令和8年2月2日以降に先端設備等導入計画の認定申請を行い、富山市の認定を受けていること
- 認定計画において雇用者給与等支給額の増加率が3.0%以上となる賃上げを実施する方針を従業員に表明していること
- 市税を滞納していないこと
- みなし大企業でないこと
- 暴力団員等との関係を有しないこと
対象・対象外を整理すると次のようになります。
| 対象になる | 対象にならない |
|---|---|
| 先端設備等導入計画の認定を受けたうえでの設備導入 | 計画の認定を受けずに導入した設備 |
| 交付決定日以降に着手した経費 | 交付決定日より前に発注・購入した経費 |
| 賃上げ方針(3.0%以上)を表明した事業者 | 賃上げ方針を表明していない事業者 |
| 認定計画に記載された先端設備等 | リース契約・割賦販売契約による導入 |
「増加率3.0%以上」は、あなたの会社ではいくらでしょうか。人数が変わらなければ、月給30万円の社員1人につき月9,000円、年10万8,000円の引き上げにあたります。従業員10人なら年間で約108万円。設備で浮いた時間や外注費を、この原資に充てられるかを先に見ておきます。

補助率1/2・上限500万円のシミュレーション
いくらもらえるか計算する
補助率 1/2 / 上限 500万円
補助率は対象経費の1/2(千円未満切り捨て)、上限額は500万円です。対象になるのは、認定を受けた計画に記載され、かつ交付決定日以降に着手した設備導入費用だけ。消費税額・地方消費税額・振込手数料は除きます。
対象経費に当てはめてシミュレーションすると、次のようになります。
| ケース | 対象経費 | 補助率 | 補助額 |
|---|---|---|---|
| 製造ラインの機械装置を1台更新 | 400万円 | 1/2 | 200万円 |
| 複数の測定工具・検査工具をまとめて導入 | 600万円 | 1/2 | 300万円 |
| 大型の機械装置+関連ソフトウェアを導入 | 1,200万円 | 1/2 | 500万円(上限) |
対象経費が1,000万円に達したあたりから補助額が上限500万円に到達する計算です。上限額を意識して、複数の設備投資をどこまで1つの導入計画にまとめるかが資金計画のポイントになります。
申請の流れ:認定計画が先、交付決定はそのあと
この補助金は、先端設備等導入計画の認定を受けてから補助金を申請するという2段階の設計です。順序を間違えると、認定前に着手した経費は対象外になります。
- 先端設備等導入計画を策定し、令和8年2月2日以降に富山市へ認定申請(賃上げ方針の表明を計画に記載)
- 認定を受ける
- 補助金の交付申請を行う
- 交付決定を受けてから、設備の発注・契約・着手を行う
- 設備導入後、実績報告書等を提出する
申請受付期間は令和8年2月2日(月)から令和9年1月29日(金)までです。ただし、予算上限に達し次第、受付期間内でも早期に締め切られる可能性があるため、認定計画の準備が整った事業者から順に動くのが安全です。

よく誤解されやすい点:「表明」と「達成」の違い
じつは、賃上げの「方針を表明する」ことと、実際に3.0%以上の賃上げを「達成する」ことは、制度上イコールではありません。表明した賃上げ方針を、その後どう実行し、どう証明していくかは、事業計画のなかでどう位置づけるかによって扱いが変わってくる部分があります。
よくある質問
すでに設備を発注してしまった場合、あとから申請できますか?
できません。交付決定日より前に着手(発注・契約)した経費は対象外です。先端設備等導入計画の認定を受け、補助金の交付決定を受けてから発注・契約する必要があります。
リースで設備を導入する場合も対象になりますか?
対象になりません。公式ページには「リース契約及び割賦販売契約に基づき導入する先端設備等の導入に要する経費は補助金の対象外」と明記されています。
賃上げ表明をすれば、必ず3.0%以上賃上げしなければいけませんか?
計画上は3.0%以上の賃上げ方針の表明が交付要件です。 表明後の未達成時の取り扱いについては公式ページに明記がないため、詳細は富山市の担当窓口へ確認することをおすすめします。
