トラック事故の多くは、居眠りや脇見といった運転者側の要因で起きます。運行管理者がその兆候を事前につかめれば、事故は防げます。この補助金は、その「事前につかむ仕組み」を導入する費用を支援するために作られました。令和6年度補正予算分の募集はすでに終了しています。
対象は通信機能付きデジタル式運行記録計(デジタコ)などを使い、運行管理者がドライバーの運転状況をリアルタイムで確認できる体制を整える中小の運送事業者です。補助上限は120万円でした。以下、制度の中身と、後継年度の動きを整理します。
運行管理高度化補助金の要点まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 申請者 | 事業者(一般貨物・特定貨物自動車運送事業者。デジタコ未導入の中小事業者) |
| 制度名 | 令和6年度補正予算被害者保護増進等事業費補助金(自動車運送事業の安全総合対策事業の部:運行管理の高度化に対する支援) |
| 対象業種 | 運輸業(トラック運送事業) |
| 利用目的 | 通信機能付きデジタル式運行記録計等の導入による運行管理の高度化 |
| 対象地域 | 全国 |
| 従業員数 | 中小企業者に該当する事業者(保有車両10両未満の事業者等が中心) |
| 補助上限額 | 120万円 |
| 補助率 | |
| 申請受付 | 終了(2026年2月13日まで延長実施。後継の令和7年度分・令和8年度分は別事業として実施) |
| 公式サイト | 令和7年度被害者保護増進等事業費補助金ホームページ(令和6年度補正予算分の執行事務局サイトは終了) |

なぜ「運行管理の高度化」だけが独立した支援メニューなのか
被害者保護増進等事業費補助金には、運行管理の高度化のほかにも、社内安全教育、過労運転防止、健康起因事故防止など複数の支援メニューがあります。これらが分かれているのは、事故原因ごとに対策の中身がまったく違うからです。
運行管理の高度化は「運転中の異常をリアルタイムで検知する」対策です。教育や研修のように人の意識を変えるアプローチとは別に、機器で客観的に把握する仕組みを入れることが目的でした。デジタコの映像・データを運行管理者が確認し、危険な運転傾向があれば個別に指導する、という運用が前提になります。
対象になった経費と、対象にならなかったもの
補助対象は、通信機能付きデジタル式運行記録計(映像記録型ドライブレコーダーと一体になったものを含む)の導入費用です。単体のドライブレコーダーや、通信機能のない旧型の運行記録計は対象外でした。
- 対象: 通信機能付きデジタル式運行記録計、映像記録型ドライブレコーダー一体型の機器
- 対象外: 通信機能のない運行記録計、既存機器の保守費用のみの支出
デジタコを使いこなすには、データを日々確認する運用体制も必要です。導入して終わりではなく、運行管理者がデータを見て指導する仕組みまでセットで考えることが、この補助金の前提になっていました。
今から申請できるか。次に探すべき場所
令和6年度補正予算分は募集を終了しています。ただし、この事業は年度ごとに名称と内容を少しずつ変えながら継続しています。現在は令和7年度分の被害者保護増進等事業費補助金が別サイト(hogo-zoushin.jp)で運用されており、支援メニューの構成も一部変わっています。
公式に明記されているのはここまでです。 令和8年度以降に「運行管理の高度化」に相当するメニューがそのまま復活するかどうかは、現時点の公式情報からは確認できません。デジタコ導入を検討している事業者は、次の2つを定点観測することをおすすめします。
- 国土交通省の自動車総合安全情報ページ(事故防止対策支援推進事業)
- 各年度の被害者保護増進等事業費補助金の執行事務局サイト(年度ごとにURLが変わる点に注意)
よくある質問
今から申請できますか?
できません。令和6年度補正予算分の運行管理の高度化に対する支援は、募集を終了しています。後継となる年度の類似メニューが実施されているか、国土交通省・執行事務局の最新情報を確認してください。
デジタコさえ買えば対象になりますか?
通信機能付きのデジタル式運行記録計であることが条件でした。通信機能のない旧型の機器や、単体のドライブレコーダーは対象外です。既に導入済みの事業者は、機器の仕様を再確認する必要があります。
来年度も同じ内容で実施されますか?
公式ページには次年度の詳細な実施予定は明記されていません。被害者保護増進等事業費補助金自体は年度ごとに継続していますが、支援メニューの構成や補助率は毎年見直される可能性があります。最新の公募要領で確認してください。
