「造船会社ならどこでも申請できるのか」——対象は明確に絞られています。支援されるのは「ゼロエミッション船」を建造するための設備投資、つまり水素・アンモニア・電気等を燃料・動力源にする次世代船舶に対応した設備です。従来型の重油エンジン船の建造設備は対象になりません。
令和7年度(補正予算)ゼロエミッション船等の建造促進事業は、水素・アンモニア・電気等で動く次世代船舶(ゼロエミッション船)の国内建造体制を世界に先駆けて構築するため、造船会社等が行う設備投資を支援する国土交通省・環境省共同の制度です。この記事を書いている時点で、この公募は2026年4月17日に募集終了しています。
ゼロエミッション船等の建造促進事業の要点まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 申請者 | 事業者(ゼロエミッション船の建造設備投資を行う造船業等の法人) |
| 制度名 | 令和7年度(補正予算) ゼロエミッション船等の建造促進事業 |
| 対象業種 | 汎用(造船業を中心とした製造業) |
| 利用目的 | 設備投資/DX・IT導入 |
| 対象地域 | 全国 |
| 従業員数 | 規定なし(公式ページに記載なし) |
| 補助上限額 | 公式ページに記載なし(国土交通省・環境省へお問い合わせください) |
| 補助率 | 1/2または1/3以内(対象設備の区分による) |
| 申請受付 | 2026年4月17日に終了 |
| 公式サイト | 一般財団法人日本船舶技術研究協会「ゼロエミッション船等の建造促進事業」 |

なぜ「ゼロエミッション船」に限定されているのか
海運業界のCO2排出削減は国際的な規制強化(IMOの排出規制等)が進む分野で、日本の造船業が世界シェアを握れるかどうかの分かれ目になっています。この事業は、単なる造船設備の更新支援ではなく、「次世代の燃料・動力に対応した設備を、他国に先駆けて整備する」ことを目的にした産業競争力強化策です。前身の公募実績では6件の採択で1,200億円超の設備投資を促進したとされており、案件あたりの投資規模が大きい制度であることがうかがえます。
対象になる/ならないの線引き
- 対象になる:水素・アンモニア・電気等を燃料・動力源とするゼロエミッション船の建造に必要な設備(エンジン、燃料タンク、燃料供給システム等)、およびこれらを船体に艤装するための設備
- 対象になりにくい:従来型の化石燃料(重油等)のみに対応した建造設備の更新、ゼロエミッション船の建造と直接関係のない一般的な造船所設備の投資
よくある誤解されやすいポイント
- 造船業なら何でも対象になると思い込む:対象はあくまでゼロエミッション船(水素・アンモニア・電気等)に対応する建造設備です。従来燃料の船舶建造設備の更新は対象になりません
- 補助率が一律だと思い込む:DB・一次情報ともに「1/2または1/3以内」と幅があります。対象設備の区分によって適用される補助率が異なるため、自社の投資計画のどの部分に、どちらの補助率が適用されるかを確認する必要があります
- 国土交通省だけの制度と思い込む:この事業は国土交通省と環境省の共同実施です。窓口・公募要領の掲載先が両省にまたがる場合があるため、両方の報道発表ページを確認すると情報の見落としを防げます
次回公募に備える準備
海運・造船分野の脱炭素化は国際競争力に直結する政策テーマで、継続的な支援が見込まれます。
- 自社が建造・艤装を計画している船舶が、水素・アンモニア・電気等のどの燃料・動力に対応するか整理しておく
- エンジン・燃料タンク・燃料供給システムなど、対象になり得る設備投資の内訳を具体化しておく
- 国土交通省・環境省の報道発表ページ、日本船舶技術研究協会のサイトを定期的に確認する
よくある質問
今から申請できますか?
この公募は2026年4月17日に募集を終了しています。ゼロエミッション船の建造促進は継続的な政策テーマのため、次回公募を国土交通省・環境省のサイトでご確認ください。
中小の造船会社でも対象になりますか?
企業規模の要件は公式に明記が確認できていません。ただし過去の採択実績では大規模な設備投資案件が中心になっているとみられるため、詳細は執行団体・国土交通省への確認をおすすめします。
補助率はどのくらいですか?
対象設備の区分によって1/2または1/3以内とされています。自社の投資計画のどの部分にどちらが適用されるかは、公募要領原本で確認してください。
