見積書に配膳ロボットとタブレットが並んでいたら、補助の対象になるのはロボットだけです。尼崎市のこの補助金は、人手を減らす設備に絞って費用の2/3を出す制度です。
2026年度の募集は、通常枠の第2回(8月31日締切)も拡充枠もすべて受付を終了しています。上限は通常枠で製造業200万円、それ以外100万円。拡充枠は500万円でした。次の募集に備えて、省エネ設備と汎用品が対象外という線引きと、着手の順番を押さえておけます。
尼崎市 省力化・生産性向上設備導入支援補助金の要点まとめ
正式名:尼崎市省力化・生産性向上設備導入支援補助金2026
だれが
- 申請者
- 事業者(法人・個人事業主)
- 対象業種
- 業種指定なし(性風俗関連・宗教政治団体等を除く)
- 利用目的
- 製造ロボット・IoT機器・配膳ロボット・各種システムの導入
- 対象地域
- 兵庫県尼崎市
- 従業員数
- 通常枠は中小企業者/拡充枠は従業員2,000人以下
いくら
- 補助上限額
- 500万円(拡充枠)/通常枠は製造業200万円・他100万円
- 補助率
- 対象経費の2/3以内(千円未満切り捨て)
いつ・どこへ
- 申請受付
- 通常枠 第2回:2026年8月31日締切(受付終了)/拡充枠も終了
- 事業の完了
- 2027年2月26日まで(実績報告書兼請求書の提出まで)
うちの会社は対象になる?
次のすべてに当てはまれば、対象の見込みです(通常枠の場合)。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 5
次のどれかに当たると対象外です。
- ✕ 本社機能が市外にある
- ✕ 定まった事業所がない
- ✕ 通常枠と拡充枠の両方に申請
中小企業者は、業種ごとに資本金か従業員数の上限があり、どちらか一方を満たせば該当します。製造業・建設業・運輸業などは資本金3億円以下か従業員300人以下、卸売業は1億円以下か100人以下、サービス業は5,000万円以下か100人以下、小売業は5,000万円以下か50人以下です。
みなし大企業は、大企業が株式の2分の1以上を持つなど、中小企業でも対象外になる会社のことです。
主たる事業所は、代表者が日常的に勤務し、経営の意思決定や総務・経理・人事を担う部門がある事業所を指します。登記上の本社が市外でも、実態が市内にあれば対象です。個人事業主は、住民票が市外でも、代表として営む事業所が市内なら対象です。
フリーランスのように事業所を特定できない場合は、対象外です。自宅兼事務所は、事業に使う部分に入れる設備だけが対象になります。
通常枠と拡充枠はどちらを選ぶ?
| 区分 | 対象 | 上限額 | 条件 |
|---|---|---|---|
| 通常枠 | 中小企業者・個人事業主 | 製造業200万円・他業種100万円 | 第1回・第2回の2回公募 |
| 拡充枠 | 中小企業者+従業員2,000人以下の企業 | 500万円 | 事前相談と専門機関の伴走支援が必須。最低投資額300万円 |
拡充枠の伴走支援は、一般財団法人近畿高エネルギー加工技術研究所(AMPI)の専門家が、現場の整理整頓やレイアウトの改善から付き添うものです。通常枠と拡充枠の両方には申し込めません。どちらかで交付決定を受けると、もう一方には申し込めなくなります。
2026年度は、市の公式ページ(9月14日更新)でどちらも「受付終了」とされています。ただし、拡充枠の期間は資料ごとに違います。要綱は2027年2月26日まで、チラシは2026年12月28日までで、予算に達した時点で終了と定めています。公式ページの表示を優先して終了として扱い、気になる場合は市に確かめてください。
いくら戻る?
補助額は、対象経費に2/3をかけた額です。千円未満は切り捨てで、消費税は経費に含めません。1申請者につき申請は1度だけです。
- 製造業が製造ロボットを導入:450万円 × 2/3 = 300万円 → 上限の200万円
- 飲食店が配膳ロボットを導入:150万円 × 2/3 = 100万円(上限に届く)
- 美容室が予約管理システムを導入:85万円 × 2/3 = 約56.6万円(千円未満切り捨てで56万6千円)
製造業の上限200万円に届くのは、対象経費が300万円のときです。製造業以外は150万円で100万円に届きます。拡充枠は、投資額が750万円で上限の500万円です。
上限額は、導入する設備を使う事業の部門で決まります。パンを作って売る会社なら、工場で使う設備は200万円、店舗で使う設備は100万円が上限です。
他の補助金を併用する場合は、その金額を対象経費から引いてから2/3をかけます。
何に使える?
対象にならないものを先に確認します。
- パソコン、タブレット、スマートフォン、モニターなど、他の用途にも使える機器
- 空調、照明、太陽光発電、蓄電池、給湯などの省エネ設備
- 車両(部品、修理費、車検費を含む)
- 新紙幣・貨幣への対応が目的の券売機
- 既存設備の老朽化による買い替え
- 自社の人件費、家賃、水道光熱費、消耗品費
- 同一代表者や資本関係のある会社への支払い
パソコンは、導入する設備と一体不可分で、導入先から理由書を取れる場合に限って認められることがあります。ソフトとパソコンをセットで買うときは、見積書で価格を分けておく必要があります。分けていないと、ソフトも対象外です。
対象になるものは次のとおりです。
- 製造ロボット、配膳ロボット、3Dプリンター
- 新紙幣対応が目的ではない券売機
- IoTデバイス、既存設備のデジタル化(改修を含む)
- 生産管理、予約管理、作業工程管理、受発注、物流管理のシステム
- 上記の設置費、配送費、工事費、付属設備の改修費、セッティング費
予約や配達のプラットフォームの利用料は、ソフトとして扱われます。対象は定額制の年額・月額払いだけで、使った人数に応じて増える料金は対象外です。また、補助対象期間の分だけが対象になります。
申請から入金までの順番
- 事業計画と見積書、カタログをそろえる(事業者。導入前の現況写真も撮っておく)
- 交付申請書を市に出す(事業者→イノベーション推進担当。持参かレターパックで郵送。当日消印有効)
- 交付決定通知を待つ(市→事業者。応募が予算を超えたときは審査で決まる)
- 通知の日付より後に発注・導入・支払いをする(事業者)
- 実績報告書兼請求書を出す(事業者→市。2027年2月26日の消印有効)
- 口座に振り込まれる(市→事業者。受理から1か月程度。振込通知はない)
FAX、メールでの提出は受け付けていません。代理申請も原則できません。申請書は消えないボールペンで書くか、Word形式で作成します。
必要な書類
準備できた 0 / 11
拡充枠では、伴走支援を受けたことを確かめる事前確認書も要ります。事前確認書には、AMPIの担当者が記入する欄があります。履歴事項全部証明書は、申請日前6か月以内のものです。
実績報告のときは、事業実績書、収支決算書、発注書や納品書、請求書や領収書の写し、導入後の現況写真、振込先の口座が分かる書類を出します。振込先は申請者名義の口座に限られます。
市税の証明は、税務署などで取る納税証明書では代わりになりません。尼崎市の税務管理課で取ります。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 交付決定の前に着手した:発注書、納品書、請求書の日付が、交付決定通知の日付より後でないと対象外です。
- 2027年2月26日までに終わらなかった:発注、納品、支払い、実績報告の提出まで済んでいる必要があります。クレジットカードは口座からの引き落とし、手形は着金で、はじめて支払いが完了したことになります。
- 審査で選ばれなかった:応募が予算を超えると、有識者の意見を参考に市が決めます。
- 計画を変えた:通常枠は事業内容を変えられません。導入予定の機器の価格が上がったときだけ、変更承認の申請を出せます。
- 導入した設備を目的外に使った:市長の承認なしに使い方を変えたり、譲渡、貸付、担保にしたりすると、返還を求められることがあります。
財源は、国の物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金です。会計検査院の実地検査の対象になることがあり、不適正な使い方があると返還を求められます。
他の補助金と一緒に使える?
併用はできます。ただし、国の交付金を財源にしている補助金とは併用できません。併用不可の定めがある制度もあるため、事前の確認が必要です。
よくある質問
2026年度の募集は、まだ間に合いますか?
間に合いません。市の公式ページに「本年度の募集についてはすべて受付けを終了しました」とあります。通常枠は第2回が2026年8月31日(当日消印有効)までで、拡充枠も公式ページでは「受付終了」です(チラシには12月28日まで、要綱には2027年2月26日までとあり、資料間で食い違っています)。第2回に申請した方は、審査と交付決定が9月から10月30日の予定です。交付決定通知が届く前の発注は、補助の対象になりません。
2027年度も募集されますか?
市の公式ページに、次の年度の実施予定は載っていません。2025年度に同名の補助金があり、2026年度は通常枠と拡充枠に分けて実施された経緯があります。ただ、来年度の予算や内容は決まっていません。募集の有無は、市のイノベーション推進担当(電話06-6489-6675)に確かめるか、公式ページの更新で確認してください。
パソコンとロボットを一緒に買うと、パソコン分も出ますか?
パソコンは原則として対象外です。ほかの用途にも使える機器にあたるためです。市の質問集には、ソフトとパソコンのセットは価格を分けた見積書が必要で、「セット価格」のままだとソフトも対象外になると書かれています。ロボットとパソコンを同じ見積書に載せるときも、価格を分けてもらっておくと安心です。パソコンなしでは動かせないなど、一体不可分と認められる場合は、導入先の理由書を付けて対象になることがあります。
POSレジのために買うタブレットは対象ですか?
対象外です。タブレットは、事業計画書に書いた用途以外にも使えるため、汎用性のある機器として扱われます。モニターも同じ扱いです。レジのソフトが対象になるかは、公式の質問集に例がありません。タブレットとソフトの代金を見積書で分けたうえで、申請の前に市のイノベーション推進担当に確かめてください。
リースで設備を入れる場合、何が対象ですか?
初期の導入費用と、補助対象期間内の月額リース料が対象です。補助対象期間は、交付決定の日から2027年2月26日までです。リース料を契約時にまとめて払った場合も、期間に当たる分だけが対象になります。市の例では、リース料120万円を5年(60か月)分一括で払い、対象期間が10か月なら、対象は20万円で補助額は約13万3千円です。
中古の機械でも使えますか?
使えることがあります。既存の設備と比べて省力化につながると認められる場合が対象です。ただし、価格の妥当性が明確でない中古品は、3社以上の中古品販売業者から型式や年式が書かれた同等品の見積りを取らないと対象外です。申請の前に、見積りを依頼する余裕を見ておくと安心です。
本社が市外にあります。対象になりますか?
主たる事業所が尼崎市内にあることが条件のため、本社機能が市外なら対象外です。登記上の本社が市外でも、実際の本社機能が市内にあれば対象になります。たとえば創業者の自宅を登記上の本社にしているだけで、代表者や管理部門が尼崎市内の事業所にいる場合です。親会社と子会社が別々に登記されていれば、それぞれ申請できます。
フリーランスや自宅兼事務所は対象ですか?
定まった事業所を持たないフリーランスは、設備を入れる場所を特定できないため対象外です。自宅兼事務所は、事務所や店舗として使う部分に入れる設備だけが対象です。リビングや寝室などの居室への導入は対象外になります。事業用と居室が図面や写真で区別できない場合は、市から追加の書類を求められることがあります。
製造業の上限200万円は、どう判断されますか?
導入する設備を使う事業の部門で決まります。会社全体が製造業かどうかではありません。パンを作って売る会社の場合、工場で使う設備なら200万円、店舗で使う設備なら100万円が上限です。パン製造小売は、製造業ではなく小売業に分類される例も公式の質問集に出ています。申請した業種を、市が製造業でないと判断して訂正を求めることもあります。
クレジットカードや手形で払ってもいいですか?
払えますが、それだけでは支払いが完了したことになりません。クレジットカードは自社の口座から引き落とされた時点、手形は相手の口座に着金した時点で完了です。2027年2月26日までにその状態になっていないと、対象外になります。カード払いは引き落とし日が翌月以降になることがあるため、遅くとも前の月までに払うよう計画を立てておくと安全です。
補助金はいつ振り込まれますか?
市が実績報告書兼請求書を受け取ってから、1か月程度です。書類に不備があって訂正や再提出が必要になると、1か月以上かかることがあります。振込の通知は届きません。自分で口座を確認します。期限の2027年2月26日を過ぎて提出した場合は、補助金が交付されませんので、提出の日程は余裕を持って組みます。
書類の提出方法を教えてください。
尼崎市役所の経済環境局経済部イノベーション推進担当へ、持参するか、レターパックまたはレターパックライトで郵送します。メールとFAXは受け付けていません。受付時間は、祝祭日を除く月曜日から金曜日の9時から17時です。申請書は申請者本人(法人は代表者か担当者)が書いて出します。代理での申請は原則できません。
