神戸市「中小企業投資促進等助成制度」は、市内の工場・事業所での設備投資や新増設に、投資額の10〜50%・最大3,000万円を助成します。ただし一般区分は対象事業費1,000万円以上が条件。交付決定日より前に発注・契約した投資は対象外です。
神戸市中小企業投資促進等助成制度の要点まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 申請者 | 事業者(中小企業者またはその団体) |
| 制度名 | 神戸市中小企業投資促進等助成制度 |
| 対象業種 | 業種指定なし(新増設で申請する場合は中小製造業のみ) |
| 利用目的 | 設備整備(製造加工機械・産業用ロボット等の設備投資、工場の新増設) |
| 対象地域 | 兵庫県神戸市(基本は工業専用地域・工業地域・準工業地域) |
| 従業員数 | 中小企業者(交付申請書の提出日の1年以上前から市内の事業所で事業を営むこと) |
| 補助上限額 | 3,000万円 |
| 補助率 | 区分により10%〜1/2(CO2排出量15%以上削減で優遇) |
| 申請受付 | 年度初めの約1か月(2026年度は5月15日で受付終了。最新は公式ページでご確認ください) |
| 公式サイト | https://www.city.kobe.lg.jp/a93457/business/sangyoshinko/shokogyo/venture/monodukuri/toshisokushin/index.html |

この助成金で何ができるか
対象は、市内で取得する製造加工機械・クレーン・産業用ロボット、生産設備向けの建物附属設備(空調・電気・給排水等)です。工場の生産ラインを更新したい、市内に新しい拠点を構えたい、という投資に使えます。
同じ投資でも、区分によって助成率が10%から1/2まで変わります。
対象になる事業者・投資の範囲
対象は、神戸市内の事業所で、交付申請書の提出日の1年以上前から続けて事業を営む中小企業者(またはその団体)です。事業所には本社・支店・営業所・店舗・工場・研究開発拠点が含まれます。神戸市税の滞納・未申告がないことも条件です。
新増設(工場の新築・購入・延床面積の増加)で申請する場合、対象は中小製造業のみに絞られます。
対象になる投資は大きく2種類です。
- 設備投資: 製造加工機械(旋盤・溶接機・マシニングセンター等)、クレーン、産業用ロボット等の各種産業用機械・装置、生産工程上必要な工具・器具・備品(情報通信機器・ソフトウェア等)、建物附属設備(動力用電気設備・給排水設備・ガス設備・空調設備・ボイラー設備等)
- 新増設(中小製造業のみ): 工場・研究開発拠点の新築・購入による新設、それに伴う構築物(門・塀・舗装等)・建物附帯設備(内装・内部造作等)
対象地域も決まっています。基本は工業専用地域・工業地域・準工業地域(ポートアイランド第2期の一部、神戸ハイテクイースト工業団地等を含む)。振動・騒音等で周辺環境が悪化しないと認められれば、それ以外の市内地域も対象になり得ます。
投資額には下限があります。
- 一般区分・戦略産業分野・海外生産拠点移転: 1,000万円以上の事業費
- 小規模企業者(従業員20人以下)が行う設備投資: 100万円以上
- IoT・AI・ロボット導入: 100万円以上
- 女性雇用促進施設・外国人雇用にかかる施設の新増設: 50万円以上
数十万円の設備更新では使えません。従業員21人以上で一般区分を狙うなら、まず対象事業費が1,000万円に届くかを確かめてください。

助成率・上限額は区分でここまで変わる
助成金額は、区分ごとの助成率を対象経費に掛けた金額です(1社・団体あたりの限度額あり)。
| 区分 | 対象事業費 | 助成率(通常/CO2排出量15%以上削減) | 助成限度額 |
|---|---|---|---|
| 一般 | 1,000万円以上(小規模企業者は100万円以上) | 10%以内/15%以内 | 500万円 |
| 海外生産拠点の神戸市内移転 | 1,000万円以上 | 1/2以内(上乗せなし) | 3,000万円 |
| 戦略産業分野(航空・宇宙、医療・健康・福祉、農業・食糧、環境・エネルギー) | 1,000万円以上(小規模企業者は100万円以上) | 1/3以内/1/2以内 | 3,000万円 |
| IoT・AI・ロボット | 100万円以上 | 1/3以内/1/2以内 | 1,000万円 |
| 女性雇用促進施設・外国人雇用にかかる施設 | 50万円以上 | 1/3以内(上乗せなし) | 1,000万円 |
たとえば対象事業費2,000万円の設備投資で試算すると、次のように助成額が変わります。
- 一般区分(通常): 2,000万円×10% = 200万円
- 一般区分(CO2排出量15%以上削減): 2,000万円×15% = 300万円
- 戦略産業分野(通常): 2,000万円×1/3 = 約667万円(上限3,000万円の範囲内)
- 海外生産拠点の神戸市内移転: 2,000万円×1/2 = 1,000万円
同じ2,000万円でも、区分次第で助成額は200万円から1,000万円まで開きます。戦略産業分野や海外生産拠点移転は計画書の提出・審査が必要で、件数を限定して交付決定されます。一般区分よりハードルは上がります。
対象外になる経費も押さえておいてください。公租公課(不動産取得税・火災保険料等)、賃借料、消費税は除かれます。リース契約や延払売買契約など、取得時に所有権を持たない設備も対象外です。

一般区分と戦略産業分野、どちらで申請するか。戦略区分で交付を受けられなかった場合、一般区分での審査を希望できる仕組みもあります。
申請の流れ:投資"前"の交付決定が絶対条件
対象は、交付決定日以降に発注・契約した経費だけです。公募要領に「それ以前に発注・契約締結した事業・経費は対象となりません」と明記されています。
見積を取るところまではセーフ。発注書へのサインと契約締結は、交付決定の通知が届くまで待ってください。
2026年度のスケジュールは次のとおりでした。
- 助成金交付申請: 2026年4月13日〜5月15日17:00必着(オンライン「e-KOBE」で申請)
- 交付決定通知: 2026年7月下旬予定
- 交付決定後に契約締結・着工(設備投資・新増設の実施)
- 事業完了報告: 設備等取得後速やかに(2028年3月3日まで)
- 助成金確定通知・交付
2026年度は5月15日で受付終了。受付は年度初めの1か月しかありません。2027年度も4月中旬〜5月中旬ごろになる可能性がありますが、公募要領は毎年更新されます。最新の受付期間は神戸市公式ページで確認してください。
もう一つ、事業完了報告までに「事業継続力強化計画」の認定取得が必要です。認定は経済産業局への提出が要ります。設備の導入と並行して準備を進めてください。

併用・優先順位に関する注意点
助成金は予算の範囲内です。申請額の合計が予算を上回れば、減額や不採択もあります。優先・加点の仕組みは次のとおりです。
- 原則として市内事業者への発注を助成金交付の優先度が高いものとして扱う(市外事業者に10万円以上発注する場合は理由の記載が必要)
- 過去3年度以内に交付決定を受けていない事業者を優先
- 令和8年度に前年度比平均1.5%以上の固定給の賃上げを行う事業者は加点対象
- 「専門分野における国際的品質マネジメントシステム規格の認証取得」「生産現場へのロボット導入に向けたシミュレーション」「ロボットシステムインテグレータ育成のための設備取得」を併せて申請する場合、これらの助成額(海外生産拠点移転・戦略産業分野を除く)の合計は1社あたり1,000万円が上限
国・県等の補助制度との併給はできません。併願(申請だけ両方出す)は可能です。投資規模が大きいなら、国のものづくり補助金と比べてどちらで申請するかを決めてください。
ものづくり補助金の上限・対象は、こちらの記事で解説しています。
よくある質問
投資額100万円程度の小さな設備更新でも申請できますか?
一般区分は対象事業費1,000万円以上が条件です。ただし小規模企業者(従業員20人以下)が行う設備投資、またはIoT・AI・ロボット導入に該当する投資は100万円以上から対象になります。自社の従業員数と投資の内容によって、当てはまる区分が変わります。
設備の発注を先に済ませてしまっても大丈夫ですか?
対象になりません。公募要領には交付決定日以降に発注・契約締結した事業・経費のみが助成対象と明記されており、それ以前に発注・契約した分は対象外になります。見積もり取得までは進めてよいですが、発注・契約は交付決定の通知後に行う必要があります。
個人事業主でも申請できますか?
対象は「中小企業者」であり、公募要領には個人事業者の場合の必要書類(住民票・確定申告書・開業届の写し)も明記されているため、個人事業主も申請対象に含まれます。ただし市内事業所での1年以上の継続事業・市税の滞納がないこと等の条件は法人と同様に適用されます。
