古いエアコンより先に、光熱費が悲鳴を上げる。電気代・燃料費は、じわじわ上がり続ける一方です。
神戸市の「省エネ設備更新補助金」は、そこを支える制度です。対象は市内の中小企業・個人事業主。古い業務用エアコンやLED照明を、省エネ性能の高い設備に更新する費用の1/2を補助します。上限は50万円、条件を満たせば75万円。2026年度に新設された制度です。
申請は2回に分かれています。タイミングを間違えると、間に合いません。
対象になる事業者・設備を具体例で見る
対象になるのは、神戸市内に事業所を持つ中小企業者・中堅企業者(個人事業主を含む)です。具体的には中小企業基本法第2条に該当する会社・個人、および常時使用する従業員が2,000人以下の会社が対象になります。一方で、社会福祉法人・医療法人など「会社法上の会社」に該当しない団体は対象外です。
対象設備は次の5区分で、いずれも既存設備の更新が条件です(新規導入・家庭用製品は対象外)。
- 業務用高効率空調
- 業務用給湯器
- 冷凍冷蔵設備
- 産業用モータ
- LED照明
さらに、更新する設備は次のいずれかの要件を満たす必要があります。
- 国の「省エネ・非化石転換補助金(設備単位型)」のカタログ掲載製品
- トップランナー基準達成製品
- グリーン購入法の調達基準適合製品
- 蛍光灯からLEDへの交換(照明器具本体の更新工事を伴うもの)
業種別にどんなケースが当てはまるか、3パターンで見てみます。
- 飲食店: 20年近く使った天井カセット形の業務用エアコンを、高効率モデルに入れ替え。工事費込みで対象経費80万円
- 食品スーパー・小売店: 老朽化した冷凍冷蔵ショーケースを省エネ型に更新。設置工事費込みで対象経費200万円
- 製造業の工場: 産業用モータとLED照明をまとめて更新。対象経費合計160万円
補助額のシミュレーション:対象経費によっていくらもらえるかが変わる
補助率は対象経費の1/2で、下限15万円・上限50万円です(対象経費の下限は30万円以上)。さらに、兵庫県・神戸市の「ひょうご脱炭素経営スクール」修了企業、またはこうべ産業・就労支援財団の「カーボンニュートラル支援事業」対象企業に該当する場合は、上限額が75万円に増額されます。
先ほどの3パターンに補助額を当てはめると、次のようになります。
| 業種イメージ | 更新設備 | 対象経費 | 補助額 |
|---|---|---|---|
| 飲食店 | 業務用エアコン更新(工事費込み) | 80万円 | 40万円(1/2) |
| 食品スーパー・小売店 | 冷凍冷蔵ショーケース更新 | 200万円 | 50万円(上限) |
| 製造業の工場 | 産業用モータ+LED照明 | 160万円 | 50万円(上限)/特例要件該当なら75万円まで |
製造業の工場のケースで「ひょうご脱炭素経営スクール」修了などの特例要件を満たすと、上限が50万円→75万円に25万円分増えます。この差額があれば、たとえば同じ工場内のもう1系統の照明もあわせてLED化するといった、追加の設備更新に回すことができます。
逆に、対象経費が30万円に届かない小規模な更新(例: LED照明のみで対象経費28万円)は補助対象外になる点は注意が必要です。複数の設備をまとめて更新することで対象経費の下限をクリアできないか、事務局に相談してみる価値があります。
申請の流れと「交付決定前の発注」に関する重要な注意点
申請から補助金受け取りまでは、交付申請 → 交付決定通知の受領 → 設備更新の実施 → 実績報告 → 補助金の交付という順番で進みます。
ここで必ず押さえておきたいのが、交付決定通知を受け取る前に設備を発注・設置してしまうと補助対象外になるという点です。神戸市公式ページでも「交付決定前に設置したものは補助対象になりません」と明記されています。工事の見積もりや業者との打ち合わせは事前に進めてよいですが、契約・発注・工事着手は交付決定の通知が届いてからにする必要があります。
申請期間はタイミングが2回に分かれています。
| 期 | 申請受付期間 |
|---|---|
| 第1期 | 2026年6月22日(月)10時 〜 7月24日(金)17時 |
| 第2期 | 2026年8月3日(月)10時 〜 9月11日(金)17時 |
申請は1事業者につき1回のみです。また第1期は「予算上限に達したため」受付が締め切られた実績があり、先着に近い形で予算枠が埋まっていく制度だと考えられます。第2期での申請を検討している場合も、早めに準備を進めておくのが安全です。
設備の設置・代金の支払いは2027年1月31日(日)までに完了させる必要がある点もあわせて確認しておきましょう。
国の省エネ補助金とのあわせ技も検討したい
神戸市の本補助金は対象経費の上限が50万円(特例75万円)のため、規模の大きな設備更新では国の制度もあわせて検討する事業者が多くなります。対象設備のカタログ要件でも、国の「省エネ・非化石転換補助金(設備単位型)」の掲載製品が神戸市補助金の対象要件の一つになっているため、両制度は親和性が高いといえます。
国の省エネ設備の補助金もあわせて検討したい方は、こちらの記事で解説しています。
省エネ設備の更新以外にも、自分の事業が対象になる補助金・助成金が他にないか気になる方は、3分でできる補助金診断も活用してみてください。
対象設備の要件確認や、複数設備をまとめた申請の可否など、実務の進め方に迷う場合は専門家に相談するのも一つの手です。
よくある質問
個人事業主でも対象になりますか?
対象は「神戸市内に事業所を有する中小企業者・中堅企業者」で、個人事業主を含むと明記されています。会社形態を問わず、中小企業基本法第2条に該当する規模であれば対象になり得ます。
新しく設備を導入する場合(増設)も対象になりますか?
対象外です。本制度は既存設備の更新(入れ替え)が条件で、新規導入や増設は対象になりません。また家庭用製品も対象外です。
補助率1/2の上限50万円を超える更新をした場合、超えた分はどうなりますか?
補助されるのは対象経費の1/2かつ上限50万円(特例要件該当時は75万円)までです。上限を超える部分は自己負担になります。「ひょうご脱炭素経営スクール」修了企業などの特例要件に該当するかどうかは、事前に神戸市省エネ設備更新補助金事務局へ確認することをおすすめします。
免責事項: 本記事の内容は2026年7月時点で確認できた情報にもとづきます。補助額・補助率・対象設備・申請要件・受付状況は変更される場合があるため、申請前に必ず神戸市の公式ページおよび最新の募集要領で内容をご確認ください。
出典:
- 神戸市公式サイト「神戸市省エネ設備更新補助金」
- J-Net21「市内事業者の方へ:省エネ設備更新補助の交付申請受付を開始します」
- 補助金ポータル「兵庫県神戸市:『省エネ設備更新補助金』≪第1期≫(令和8年度)」
補助金の概要早見表(暫定・subsidiesマスタ未登録)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象地域 | 兵庫県神戸市(市内に事業所を有する事業者) |
| 対象業種 | 業種指定なし(対象設備を保有・更新する中小企業者・中堅企業者) |
| 利用目的 | 省エネ・設備更新・電気代(光熱費)削減 |
| 対象者規模 | 中小企業基本法第2条該当の会社・個人/常時使用従業員2,000人以下の会社(個人事業主含む) |
| 補助上限額 | 50万円(特定要件該当時は75万円) |
| 補助率 | 1/2(下限15万円、対象経費30万円以上) |
| 申請受付期間 | 第1期: 2026年6月22日〜7月24日/第2期: 2026年8月3日〜9月11日 |
| 公式サイト | https://www.city.kobe.lg.jp/a31812/kobe-syoene2026.html |
