古いエアコンより先に、光熱費が悲鳴を上げる。電気代・燃料費は、じわじわ上がり続ける一方です。
神戸市の「省エネ設備更新補助金」は、そこを支える制度です。対象は市内の中小企業・個人事業主。古い業務用エアコンやLED照明を、省エネ性能の高い設備に更新する費用の1/2を補助します。上限は50万円、条件を満たせば75万円。2026年度に新設された制度です。
申請は2回に分かれています。タイミングを間違えると、間に合いません。
この補助金の要点まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象地域 | 兵庫県神戸市(市内に事業所を有する事業者) |
| 対象業種 | 業種指定なし(対象設備を保有・更新する中小企業者・中堅企業者) |
| 利用目的 | 省エネ・設備更新・電気代(光熱費)削減 |
| 対象者規模 | 中小企業基本法第2条該当の会社・個人/常時使用従業員2,000人以下の会社(個人事業主含む) |
| 補助上限額 | 50万円(特定要件該当時は75万円) |
| 補助率 | 1/2(下限15万円、対象経費30万円以上) |
| 申請受付期間 | 第1期: 2026年6月22日〜7月24日/第2期: 2026年8月3日〜9月11日 |
| 公式サイト | https://www.city.kobe.lg.jp/a31812/kobe-syoene2026.html |

対象になる事業者・設備を具体例で見る
対象は、神戸市内に事業所を持つ中小企業者・中堅企業者です。個人事業主も入ります。中小企業基本法第2条に該当する会社・個人、または常時使用する従業員2,000人以下の会社。一方、社会福祉法人・医療法人など「会社法上の会社」でない団体は対象外です。
対象設備は次の5区分で、いずれも既存設備の更新が条件です(新規導入・家庭用製品は対象外)。
- 業務用高効率空調
- 業務用給湯器
- 冷凍冷蔵設備
- 産業用モータ
- LED照明
さらに、更新する設備は次のいずれかの要件を満たす必要があります。
- 国の「省エネ・非化石転換補助金(設備単位型)」のカタログ掲載製品
- トップランナー基準達成製品
- グリーン購入法の調達基準適合製品
- 蛍光灯からLEDへの交換(照明器具本体の更新工事を伴うもの)
業種別にどんなケースが当てはまるか、3パターンで見てみます。
- 飲食店: 20年近く使った天井カセット形の業務用エアコンを、高効率モデルに入れ替え。工事費込みで対象経費80万円
- 食品スーパー・小売店: 老朽化した冷凍冷蔵ショーケースを省エネ型に更新。設置工事費込みで対象経費200万円
- 製造業の工場: 産業用モータとLED照明をまとめて更新。対象経費合計160万円

モータとLED照明、まとめて1回で申請できるのか。ここ、公式ページには明記がありません。複数設備をどう束ねるか、実例を見ながら整理すると迷いが減ります。
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補助額のシミュレーション:対象経費によっていくらもらえるかが変わる
補助率は対象経費の1/2。下限15万円・上限50万円です(対象経費は30万円以上)。上限が75万円になる条件は2つ。兵庫県・神戸市の「ひょうご脱炭素経営スクール」修了企業か、こうべ産業・就労支援財団の「カーボンニュートラル支援事業」対象企業であることです。
先ほどの3パターンに補助額を当てはめると、次のようになります。
| 業種イメージ | 更新設備 | 対象経費 | 補助額 |
|---|---|---|---|
| 飲食店 | 業務用エアコン更新(工事費込み) | 80万円 | 40万円(1/2) |
| 食品スーパー・小売店 | 冷凍冷蔵ショーケース更新 | 200万円 | 50万円(上限) |
| 製造業の工場 | 産業用モータ+LED照明 | 160万円 | 50万円(上限)/特例要件該当なら75万円まで |
工場のケースで特例要件を満たせば、上限は50万円から75万円へ。増える25万円で、もう1系統の照明までLED化できます。
逆に、対象経費が30万円に届かない更新(例: LED照明だけで28万円)は対象外です。設備をまとめて更新すれば下限をクリアできないか、事務局に相談してみてください。
申請の流れと「交付決定前の発注」に関する重要な注意点
申請から補助金受け取りまでは、交付申請 → 交付決定通知の受領 → 設備更新の実施 → 実績報告 → 補助金の交付という順番で進みます。
交付決定通知の前に発注・設置すると、補助は受けられません。神戸市公式ページにも「交付決定前に設置したものは補助対象になりません」と明記されています。見積もりや業者との打ち合わせは先に進めてかまいません。契約・発注・工事着手だけは、通知が届いてからです。
申請期間はタイミングが2回に分かれています。
| 期 | 申請受付期間 |
|---|---|
| 第1期 | 2026年6月22日(月)10時 〜 7月24日(金)17時 |
| 第2期 | 2026年8月3日(月)10時 〜 9月11日(金)17時 |
申請は1事業者につき1回のみ。第1期は「予算上限に達したため」受付が締め切られました。予算枠は先着に近い形で埋まります。第2期を狙うなら、受付開始日に出せる状態にしておくのが安全です。
設備の設置・代金の支払いは2027年1月31日(日)までに完了させる必要がある点もあわせて確認しておきましょう。

国の省エネ補助金とのあわせ技も検討したい
神戸市の補助は上限50万円(特例75万円)。大がかりな設備更新では、国の制度もあわせて検討することになります。神戸市の対象要件には、国の「省エネ・非化石転換補助金(設備単位型)」のカタログ掲載製品が入っています。国のカタログから選べば、どちらの要件も満たせます。
国の省エネ設備の補助金もあわせて検討したい方は、こちらの記事で解説しています。
よくある質問
個人事業主でも申請できますか?
はい、対象です。神戸市公式のFAQでも「個人事業主も対象になりますか」という質問に「対象です」と明記されています。ただし、神戸市内に事業所があり、神戸市の個人市民税の納税義務者であることが条件です。
開業したばかりでも対象ですか?
対象です。神戸市の公式FAQでは、交付申請の提出までに開業届を提出していれば、開業直後でも申請できるとされています。逆に言えば、交付申請の時点でまだ開業届を出していない場合は対象になりません。
上限が75万円になるのは、具体的に何をすればよいですか?
条件は2つあり、どちらか一方を満たせば増額の対象になります。(1)兵庫県・神戸市「ひょうご脱炭素経営スクール」を修了している、または2026年度の受講が決定していること、(2)(公財)こうべ産業・就労支援財団「カーボンニュートラル支援事業」の対象企業であることです。スクールはステージ1・2のどちらか一方の受講でも増額対象になりますが、受講を予定していても修了できなかった場合は増額分の返還を求められることがあるため注意が必要です。
増額の条件を満たす予定ですが、認定の通知がまだ届きません。どうすればよいですか?
まずは通常の上限50万円で申請し、交付申請フォームの自由記述欄に「スクール受講予定」である旨を書いておきます。認定通知が届いたあとに変更申請を行えば、上限額を75万円に変更できます。ただし、変更申請より前に予算の上限に達した場合は、上限額の変更ができないことがあります。
新規導入と設備の更新は、どこで線引きされますか?
この補助金は既存設備の更新のみが対象で、新規導入や増設は対象外です。趣旨は「既にある設備を省エネ性能の高いものに入れ替えることでエネルギーコストを削減する」ことにあるため、新しい事業所への設置や、台数を増やす増設はこの目的に当てはまりません。現在使用していない機器・故障して使っていない機器の更新も、既存設備の入れ替えとは認められず対象外です。
古い設備を撤去して、別の場所に新しく設置する場合は対象になりますか?
対象外です。新たに設備を設置する場合や、新しい事業所に設備を設置する場合は、既存設備との入れ替えという要件を満たさないため対象になりません。あくまで同じ事業所内で、今ある設備を入れ替える工事が対象です。
エアコン1台を2台に増やすような増設はできますか?
原則としてできません。ただし条件によっては認められるケースもあるため、個別の判断が必要です。増設を検討している場合は、事務局のコールセンター(050-5893-2448)へ事前に相談することをおすすめします。
補助額の下限15万円・投資額30万円に届かない場合はどうなりますか?
総額30万円(税抜き)未満の設備更新は対象外です。ただし複数の設備をまとめて更新する場合は、その合計額で判定されます。たとえばエアコン1台20万円と冷凍冷蔵設備1台15万円を同時に更新すれば合計35万円となり、対象になります。1つの設備だけでは届かない場合も、対象設備を組み合わせることで基準を満たせる可能性があります。
第1期で申請しましたが、第2期にも申請できますか?
できません。申請は両期を通じて1事業者につき1回のみです。市内に複数の事業所がある場合も、事業所ごとに申請するのではなく、まとめて1回の交付申請で申請する必要があります。第1期で申請済みの場合、第2期での再申請はできませんのでご注意ください。
交付決定前に発注・契約してしまった場合はどうなりますか?
原則として交付決定前の発注・契約はできませんが、納品が間に合わないなどの理由がある場合に限り、交付申請日以降であれば発注・契約が認められます。ただし審査の結果「不交付」となった場合、その発注分の補助金は受け取れません。また、交付決定前に設置・更新工事そのものに着手することは、理由の如何を問わず認められません。
家庭用のエアコンや冷蔵庫は対象になりますか?
対象外です。事業所で使用するものであっても、家庭用製品は補助の対象になりません。たとえばグリーン購入法の基準に適合した電気冷蔵庫であっても、それが家庭用製品に区分されるものであれば対象外です。家庭用か業務用か分からない場合は、メーカーや販売店に確認することをおすすめします。
医療法人・社会福祉法人・学校法人は申請できますか?
対象外です。神戸市の公式FAQでは、社会福祉法人・医療法人・特定非営利活動法人・一般社団法人・一般財団法人・公益社団法人・公益財団法人・学校法人はいずれも「会社法上の会社に該当しないため対象外」と明記されています。
リースや割賦(分割払い)で設備を導入する場合は対象になりますか?
リースでの調達は対象外です。ファイナンスリース・オペレーティングリースのいずれも認められません。一方、購入したうえでの分割払い(クレジットカード払い・分割支払い)は可能です。リースと分割払いは扱いが異なる点に注意してください。
国や兵庫県の補助金と併用できますか?
同一の設備について、国・県・神戸市の他の補助金と重複して申請することはできません。他の補助金を受けている、またはすでに申請している設備がある場合は、その設備にかかる経費を本補助金の補助対象経費から差し引く扱いになります。
申請は先着順ですか。予算がなくなったら締め切られますか?
先着順です。予算の上限に達し次第、受付は終了します。締切日(第2期は2026/9/11 17時)より前でも、予算に達した時点で受付が終わる可能性があるため、申請を予定している場合は早めに動くことをおすすめします。
完了期限の2027年1月31日に納品が間に合いそうにない場合はどうすればよいですか?
設備更新と代金の支払、実績報告のすべてを2027年1月31日までに完了する必要があります。1つでも間に合わなければ補助金は交付されません。納品時期が未定と言われている段階でも交付申請自体は可能ですが、納期は事前に十分確認してください。やむを得ない事情がある場合は、速やかに事務局のコールセンターへ連絡することが必要です。
