パート・アルバイトの基本給を3%以上引き上げると、1人あたり最大7万円の助成金を受け取れる制度です。最低賃金の引き上げに合わせて時給を見直すタイミングは多くの会社にあります。その見直しが、賃金規定の改定というかたちを取っていれば助成の対象になります。
キャリアアップ助成金(賃金規定等改定コース)の要点まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 申請者 | 事業者(法人・個人事業主) |
| 制度名 | キャリアアップ助成金(賃金規定等改定コース) |
| 対象業種 | 業種指定なし |
| 利用目的 | 有期雇用労働者等の基本給の賃金規定等を3%以上増額改定した場合の助成 |
| 対象地域 | 全国 |
| 従業員数 | 規定なし(中小企業・大企業で助成額が異なる) |
| 補助上限額 | 1人あたり最大7万円(中小企業・引き上げ率6%以上の場合)。加算含めると1事業所あたりさらに最大40万円上乗せ |
| 補助率 | 定額 |
| 申請受付 | 通年(予算がなくなり次第終了) |
| 公式サイト | 厚生労働省「キャリアアップ助成金」 |

いくらもらえる?引き上げ率で変わる金額
このコースの支給額は、賃金の引き上げ率によって段階的に変わります。1人あたりの金額です。
| 引き上げ率 | 中小企業 | 大企業 |
|---|---|---|
| 3%以上4%未満 | 4万円 | 2.6万円 |
| 4%以上5%未満 | 5万円 | 3.3万円 |
| 5%以上6%未満 | 6.5万円 | 4.3万円 |
| 6%以上 | 7万円 | 4.6万円 |
これに加えて、「職務評価」の手法を活用して増額改定を実施した場合は1事業所あたり20万円(大企業15万円)、有期雇用労働者等の昇給制度を新たに設けた場合は1事業所あたり20万円(大企業15万円)が、それぞれ加算されます。単純な時給アップだけでなく、昇給制度そのものを整備すると加算の対象が広がるため、賃金改定を機に制度化まで進めるかどうかで受け取れる総額が変わります。
承認までの重要なタイミングと必要書類
賃金を上げてから慌てて申請しても間に合いません。改定の実施前にキャリアアップ計画を提出しておくことが起点です。
- 賃金改定の実施前:キャリアアップ計画を都道府県労働局・ハローワークに提出する
- 就業規則・賃金規定を改定し、対象となる有期雇用労働者等の基本給を3%以上引き上げる
- 改定後の賃金規定を実際に適用する
- 改定後6か月分の賃金を支払う
- 取組後6か月分の賃金を支払った日の翌日から起算して2か月以内に支給申請を行う
引き上げの対象は「基本給」であり、諸手当を含めた総支給額の増加では要件を満たさない点に注意が必要です。時給や月給そのものの規定を書き換えて引き上げる必要があります。
対象になる引き上げ・ならない引き上げ
- 対象になる例:パート従業員全員の時給規定を、最低賃金の改定に合わせて1,050円から1,120円(約6.7%増)に引き上げた
- 対象になる例:職務評価の結果にもとづき、特定の職種のパート従業員の基本給を引き上げた
- 対象にならない例:基本給は据え置いたまま、繁忙期手当や皆勤手当だけを増額した
よくある質問
Q. 最低賃金の改定に合わせた引き上げでも対象になりますか?
はい。最低賃金の引き上げに連動して事業場内の賃金規定を改定するケースは、実務上よくある活用例です。引き上げ率が3%以上であれば対象になります。
Q. 一部のパート従業員だけを対象に引き上げても申請できますか?
対象となる有期雇用労働者等の範囲や人数の要件は年度によって細かい規定があります。特定の労働者だけを恣意的に対象から外すような設計は認められないため、就業規則の適用範囲を明確にしたうえで進める必要があります。
Q. 賃金規定等共通化コースとの違いは何ですか?
賃金規定等改定コースは「有期雇用労働者等の賃金を引き上げる」制度で、賃金規定等共通化コースは「正規雇用労働者と共通の賃金規定を新たに整備する」制度です。目的が異なるため、自社がどちらの取組をしているかによって申請するコースが変わります。
