障害のある方の採用は「まず短時間から働いてもらいたい」というニーズが少なくありません。障害者トライアルコースは、障害者を試行的に雇用する期間の賃金を助成する制度で、精神障害者・発達障害者向けには短時間から始められる「障害者短時間トライアルコース」も用意されています。
障害者トライアルコース・障害者短時間トライアルコースの要点まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 申請者 | 事業者(法人・個人事業主) |
| 制度名 | 障害者トライアルコース・障害者短時間トライアルコース |
| 対象業種 | 業種指定なし |
| 利用目的 | 障害者を試行的に雇用した場合の賃金助成 |
| 対象地域 | 全国 |
| 従業員数 | 規定なし |
| 補助上限額 | 精神障害者は月額最大8万円×3か月+月額最大4万円×3か月(最長6か月)。短時間トライアルコースは月額最大4万円×最長12か月 |
| 補助率 | 定額 |
| 申請受付 | 通年(予算がなくなり次第終了) |
| 公式サイト | 厚生労働省「障害者トライアルコース」 |

いくらもらえる?2つのコースで変わる金額
「障害者トライアルコース」と「障害者短時間トライアルコース」は対象者と支給の仕組みが異なります。
| コース | 対象者 | 月額支給額 | 支給期間 |
|---|---|---|---|
| 障害者トライアルコース(精神障害者) | 精神障害者で継続雇用を希望する者 | 月額最大8万円(最初の3か月)+月額最大4万円(次の3か月) | 最長6か月 |
| 障害者トライアルコース(その他障害者) | 重度身体障害者・重度知的障害者等 | 月額最大4万円 | 最長3か月 |
| 障害者短時間トライアルコース | 精神障害者・発達障害者 | 月額最大4万円 | 3〜12か月 |
精神障害者の場合、最初の3か月は手厚い月額8万円、その後の3か月は月額4万円に減額される段階設計になっているため、6か月間の受給総額を見込む際は単純に「月8万円×6か月」と計算しないよう注意してください。短時間トライアルコースは、いきなりフルタイムでの就労が難しい方に、週の労働時間を段階的に延ばしながら慣れてもらう仕組みです。
承認までの重要なタイミングと必要書類
- 求人段階:ハローワークまたは民間の職業紹介事業者に、障害者トライアル雇用としての求人を出す
- 対象労働者が「継続雇用を希望している」「未経験職への就職希望」「過去2年以内に離職・転職を繰り返している」などの要件のいずれかに該当するか確認する
- トライアル雇用実施計画を作成し、雇用開始前後の所定のタイミングでハローワークに提出する
- トライアル雇用を実施する
- 各月の賃金支払い実績にもとづき、支給申請を行う
短時間トライアルコースは、通常のトライアルコースより支給期間が長く(最長12か月)、月あたりの労働時間を段階的に増やしていく計画を事前に立てておく必要がある点が実務上のポイントです。開始時点でどのくらいの期間をかけてフルタイム勤務を目指すのか、計画段階で見通しを立てておくと申請がスムーズになります。
対象になる採用・ならない採用
- 対象になる例:精神障害者手帳を持つ求職者を、週20時間未満の短時間勤務から段階的に雇用時間を延ばす計画でトライアル雇用した
- 対象になる例:重度身体障害者を、ハローワークの紹介で試行的に雇用した
- 対象にならない例:障害者手帳等による確認ができないまま、自己申告のみで障害者として申請した
よくある質問
Q. 障害者手帳を持っていない場合は対象になりませんか?
対象者の確認方法は障害の種類によって異なります。手帳の有無だけでなく、医師の診断書等で確認できるケースもあるため、個別にハローワークに相談してください。
Q. 短時間トライアルコースから通常のフルタイム雇用へ移行できますか?
制度としては、短時間から始めて段階的に労働時間を延ばし、最終的に安定した雇用へつなげることを想定しています。ただし本採用への移行を法的に義務付けるものではありません。
Q. 通常のトライアル雇用助成金(一般トライアルコース)と両方使えますか?
対象労働者の要件が異なるため、同一の労働者について両方のコースを重複して申請することはできません。どちらのコースが対象になるかは、対象者の状況によって決まります。
