従業員12人の会社で、育児と仕事の両立プランを作れと言われても、何から手をつければいいか分からない。そんな担当者は少なくありません。
千代田区には、その最初の一歩に20万円を出す制度があります。「次世代育成支援行動計画策定奨励金」です。対象は従業員10人以上100人以下の事業主。行動計画を作って東京労働局に届け出れば、交付の対象になります。
令和8年度の交付予定は10件です。予算枠が小さいため、早めの準備が有利になります。
次世代育成支援行動計画策定奨励金の要点まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 申請者 | 事業者(法人。雇用保険法の適用事業の事業主) |
| 制度名 | 千代田区次世代育成支援行動計画策定奨励金 |
| 対象業種 | 業種指定なし |
| 利用目的 | 一般事業主行動計画(次世代育成支援対策推進法に基づく、育児と仕事の両立を進めるための行動計画)の策定・届出 |
| 対象地域 | 東京都千代田区(区内に本社があること) |
| 従業員数 | 常時雇用する従業員10人以上100人以下 |
| 補助上限額 | 20万円(1件) |
| 補助率 | 定額20万円 |
| 申請受付 | 通年。令和8年度は10件の予算枠に達し次第終了 |
| 公式サイト | 千代田区「次世代育成支援行動計画策定奨励金」 |

なぜ「10人以上100人以下」なのか
次世代育成支援対策推進法では、常時雇用する従業員が101人以上の企業に一般事業主行動計画の策定・届出を義務づけています。100人以下の企業は努力義務にとどまるため、区が奨励金で後押ししているのがこの制度です。従業員が101人以上の企業はこの奨励金の対象外で、義務として計画を策定することになります。
交付を受けるための7つの要件
公式ページに記載されている要件は次のとおりです。
- 区内に本社がある雇用保険適用事業の事業主
- 常時雇用する従業員が10人以上100人以下
- 東京労働局長に届け出た次世代育成支援対策の内容が3項目以上
- 行動計画に基づいて就業規則を定めている、または改定していること
- 内容の公表に同意できること
- 行動計画期間中に達成状況を区へ報告できること
- 過去にこの奨励金を受給していないこと
3の「3項目以上」が実務上のハードルです。休暇制度を1つ追加するだけでなく、複数の取組を行動計画に盛り込む必要があります。
必要書類と申請の流れ
- 一般事業主行動計画を策定し、東京労働局へ届出
- 行動計画に基づき就業規則を制定・改定
- 交付申請書(第1号様式)に必要書類を添えて区へ提出
- 区が審査し、交付を決定
必要書類は、交付申請書、一般事業主行動計画策定届と行動計画の写し、東京労働局への届出を確認できる証明、従業員数の確認書類、就業規則、履歴事項全部証明書または納税証明書(発行から3か月以内)、名称等公表同意書(第2号様式)です。企業パンフレットは任意提出です。
過去に同じ奨励金を受けた事業所は再度申請できません。社名変更や事業承継があった場合も、前身の事業所で受給していれば対象外になります。
補助額のシミュレーション
- 従業員15人の設計事務所: 育休取得推進・時短勤務制度・有給休暇取得率向上の3項目を盛り込んだ行動計画を策定。20万円を申請
- 従業員95人の小売チェーン: 従業員数が上限に近く、今年度中の届出を優先。策定コンサルへの外注費を、交付される20万円で一部相殺
- 従業員105人の会社: 従業員数が101人以上のため策定は義務。この奨励金の対象外で、20万円は交付されない
従業員数が101人に近い会社ほど、義務化前に届出を済ませておくメリットがあります。奨励金の対象になるのは、あくまで100人以下のうちです。
よくある質問
従業員が101人になった場合、奨励金はもらえますか?
もらえません。この奨励金の対象は常時雇用する従業員が10人以上100人以下の事業主です。101人以上は策定が法律上の義務になり、対象から外れます。
行動計画を作っただけで申請できますか?
できません。東京労働局への届出、就業規則の制定・改定、公表への同意など複数の要件をすべて満たす必要があります。
令和8年度の予算枠が埋まったら翌年度まで待つ必要がありますか?
公式ページには「令和8年度は10件」と記載されています。枠に達した場合の翌年度分の扱いは明記がないため、教育委員会事務局子ども部子育て推進課へお問い合わせください。
