工場や店舗の屋根に太陽光を載せるなら、見積書の合計額を見て手が止まる人は多いはずです。福島県には、その導入費用を1kWあたり5万円で支えてくれる補助金があります。ただし、対象は発電した電気を全部自分で使う設備だけで、売電を前提にした計画は外れます。
令和8年度の2次公募は、2026年8月21日(金)17時必着で受付を終えました。県はそのあと、9月2日から9月30日(水)17時必着の3次公募も行いました。補助の中身は同じで、対象は100kW以下の設備、上限は500万円です。4次公募の案内は、公式ページに載っていません。
福島県自家消費型太陽光発電設備導入支援事業補助金の要点まとめ
正式名:福島県自家消費型太陽光発電設備導入支援事業補助金
だれが
- 申請者
- 法人/青色申告の個人事業主/PPA・リース事業者
- 対象業種
- 業種指定なし
- 利用目的
- 脱炭素・省エネ(自家消費型太陽光発電設備の導入)
- 対象地域
- 福島県内
- 従業員数
- 規定なし
いくら
- 補助上限額
- 上限500万円(1kWあたり5万円)
- 補助率
- 定額補助方式(kW単価制。予算超過時は抽選)
いつ・どこへ
- 申請受付
- 2026年7月15日〜2026年8月21日17時必着(2次公募・終了)
- 事業の完了
- 令和9年1月末(交付決定日から)
うちの会社は対象になる?
次の5つにすべて当てはまれば、対象の見込みです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 5
事業所とは、県内にある工場や事務所などの事業場です。青色申告は、税務署に届け出て帳簿をつける申告方法のことです。国や独立行政法人、地方公共団体は法人でも対象外です。設備は、自己所有のほか、オンサイトPPAやリースでも入れられます。オンサイトPPAは、発電事業者が敷地内に設備を置き、そこで作った電気を買う契約です。
申請者の条件はほかにもあります。県税にひとつも未納がないこと、会社更生や民事再生の手続きの申立てがされていないこと、役員が暴力団員などでないことです。
次のどれかに当たると対象外です。
- ✕ FITかFIPの認定を取る
- ✕ 自己託送で電気を送る
- ✕ 同じ設備で国の補助も受ける
- ✕ 交付決定の前に契約を結ぶ
- ✕ 同じ場所で設備を分割している
FITは電気を国が決めた価格で買い取ってもらう制度で、FIPは市場価格に上乗せ分がつく制度です。どちらも売電が前提なので、自家消費とは両立しません。自己託送は、発電した電気を送配電網で別の場所の自社施設へ送る仕組みです。
いくら出る?
補助額は、5万円にkW数を掛けて決まります。掛けるkWは、太陽光パネルの出力とパワーコンディショナー(直流の電気を交流に変える機器)の定格出力のうち、小さい方です。小数点以下は切り捨てます。
- パネル30kW・パワコン25kW:25kW × 5万円 = 125万円
- パネル49.9kW・パワコン50kW:49kW × 5万円 = 245万円
- パネル・パワコンとも100kW:100kW × 5万円 = 500万円(上限)
100kW以下という条件があるので、上限の500万円に届くのは100kWちょうどの設備だけです。パネルを増やしても、パワコンが小さければ補助額は増えません。
公募期間内に申請が予算額を超えたときは、要件を満たした申請者の中から抽選で決めます。この場合は、申請が早い順で有利になることはありません。
申請の流れ
- 公募要領と交付要綱を読む(事業者→県のページ。様式一式もここから取れる)
- 疑問点を問合せ用紙で送る(事業者→エネルギー課。メールのみ・電話は不可。8月17日17時まで)
- 見積もりと書類をそろえる(事業者→施工業者・法務局など)
- 書類を郵送か持参で出す(事業者→福島県エネルギー課。8月21日17時必着)
- 交付決定を待つ(県→事業者。決定より前に施工業者と契約すると対象外)
- 設置・支払い・発電開始まで終える(事業者。令和9年1月末まで。延長は認められない)
- 実績報告を出す(事業者→県。完了から30日以内か令和9年2月10日の早い方)
- 金額の確定後に請求する(事業者→県。精算払請求書で受け取る)
交付決定は、県が補助金の交付を決めたと知らせる通知(交付決定通知書)で、補助事業を始めてよい合図です。2次公募の問合せ期間は、申請の締切より4日早く閉まります。疑問は締切の直前にまとめず、早めに送る手があります。
必要な書類
準備できた 0 / 12
全部事項証明書と履歴事項全部証明書は、登記簿の写しで、発行から6か月以内のものです。履歴事項全部証明書は法人だけ、青色申告の書類は個人事業主だけが出します。現況写真は直近1か月以内に撮ったものです。申請者と設置場所の所有者が違うときは、所有者の同意書が要ります。他人の土地や施設に置くときは利用許可書の写しなど、屋根に載せるときは屋根の形状が分かる書類も、場合によって加わります。PPAやリースの場合は、契約書の案などが加わり、同意書、役員一覧、県税の証明書は利用者の分も出します。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 売電する計画になっていた:FITかFIPの認定を取ると対象外です。発電した電気を全部自家消費しない計画も外れます。
- 交付決定の前に契約した:施工業者との契約が着手とみなされ、補助の対象になりません。
- 期間内に終わらなかった:設置・支払い・発電開始のすべてを令和9年1月末までに終える必要があり、延長はありません。
- 補助でつけた設備を処分した:法定耐用年数が終わるまで、譲渡や撤去をするには県の承認が要ります。承認なしだと返納を命じられることがあります。
- J-クレジットに登録した:J-クレジットは、温室効果ガスの削減量を売買できる国の制度です。耐用年数が終わるまでは登録できません。
設置したあとの義務と税金
補助を受けたあとも、やることが残ります。
- 設置した月の翌月から12か月分の発電量・使用量・購入量を、利用状況報告書で県に報告する
- 契約書や経理の書類を、補助事業が終わった年度の翌年度から5年間保存する
- 事業の内容を変えるときは、先に変更承認申請書(様式第8号)を出す(補助対象経費の20%以内の減額などは不要)
- 20kW以上の設備は、柵と標識を設置する(柵塀の工事費は補助対象経費)
- 10kW以上の設備は、解体・撤去の費用を積み立てる計画を立てる
消費税は、仕入れで控除できる分(消費税等仕入控除税額)を、補助対象経費から差し引いて申請します。申請の時点で金額が分からないときは、差し引かずに出せます。事業が終わったあとに金額が確定すれば、返還を命じられることがあります。自社の控除額が分からないときは、顧問の税理士に確かめる手があります。
PPAとリースでは、事業者が補助額相当分をサービス料金やリース料から差し引く条件があります。
よくある質問
2次公募に間に合わなかった場合、次の募集はありますか?
2次公募のあとに、2026年9月2日から9月30日17時必着の3次公募がありました。3次の公募要領は、日付が変わっただけで、補助額も要件も2次と同じです。3次も締切を過ぎていて、4次公募の案内は公式ページに載っていません。令和7年度にも、公式ページには一次から三次までの公募が並んでいます。交付要綱の附則には、令和6年7月、令和7年7月、令和8年4月と施行日が並び、要綱が見直されながら続いています。次の公募の時期は確認できませんでした。見積もりや書類の準備を先に進めておけば、案内が出たときに動けます。
個人事業主でも申請できますか?
申請できます。ただし、青色申告をしている個人事業主に限ります。白色申告の人は対象に入りません。提出書類には、直近1年分の青色申告を証明する書類(写し)が必要です。法人の場合は、県内に事業所があることが条件で、国・独立行政法人・地方公共団体は含まれません。青色申告に切り替えるかどうかは、税務署か税理士に確かめてください。
発電した電気を売ることはできますか?
売れません。この補助金は、導入する設備で発電した電気を全部自家消費することが要件です。FITかFIPの認定を取ることも、自己託送で別の場所へ送ることもできません。昼間の電力使用量が多い工場や店舗のほうが、計画を立てやすい制度です。電力を使い切れない時間帯がある場合は、設置する設備の大きさを見直す手があります。
100kWを超える設備は対象になりますか?
対象になりません。補助の対象は、未使用の100kW以下の設備です。パネルの出力とパワコンの定格出力のどちらで100kWを数えるかは、公募要領に書かれていませんでした。補助額の計算は、2つのうち小さい方のkW数を使います。100kWを超えそうな計画は、申請の前にエネルギー課へ問合せ用紙で確かめるのが確実です。
補助額はどうやって決まりますか?
5万円に、パネルの公称最大出力の合計と、パワコンの定格出力の合計のうち小さい方のkW数を掛けます。小数点以下は切り捨てで、上限は500万円です。たとえばパネル30kWとパワコン25kWなら、125万円になります。補助額は、かかった費用の何割という決め方ではありません。見積額と比べて、自己負担がいくらになるかを先に計算しておくと、資金の準備がしやすくなります。
オンサイトPPAやリースでも使えますか?
使えます。自己所有のほかに、オンサイトPPAとリースの3つの導入方法が対象です。PPAやリースでは、設備の所有者である事業者が申請者になります。ただし、受け取った補助額相当分を、サービス料金やリース料から差し引く条件がつきます。得られる環境価値は、電気を使う側に帰属させます。契約の案は、控除前と控除後の2種類を申請時に出します。
工場の敷地の外に設備を置けますか?
置けません。設備は、事業所の敷地内に導入する必要があります。事業所は、福島県内にある工場や事務所などの事業場です。土地や建物が申請者の所有でないときは、所有者の同意書と、設置場所を使える根拠の書類(利用許可書の写しなど)が要ります。屋根に載せる場合は、屋根の形状が分かる書類も添えます。
国の補助金と併用できますか?
同じ設備では併用できません。要件に、本補助金のほかに、法律や予算制度にもとづく国の負担や補助を受けて実施するものではないこと、とあります。国の補助を受けた設備を、あとから県の補助で上乗せする使い方はできません。別の設備や別の事業に国の補助を使う場合は、対象が重ならないことを、先にエネルギー課へ確かめておくと安全です。
申請書類はどうやって出しますか?
郵送か持参で、福島県企画調整部エネルギー課に出します。公募期間内の必着で、2次公募は2026年8月21日17時まででした。提出した書類は返却されません。虚偽の記載があったときは、採択されません。審査の途中で追加の書類を求められることもあるので、連絡のつく担当者を決めておくと対応しやすくなります。
契約や発注はいつから始められますか?
交付決定のあとです。交付決定の前に、施工業者と契約すると、補助の対象にならない決まりです。申請書類に見積書の写しが要るので、見積もりを取るところまでは申請の前に進められます。発注のタイミングは、交付決定通知を受け取ってからに合わせます。施工業者などとの契約は、原則として一般競争に付すと交付要綱が定めています。一般競争が困難なときや不適当なときは、指名競争や随意契約もできます。事業期間は交付決定日から令和9年1月末までなので、工事の日程は、通知後に組める余裕を見ておくと安心です。
設置した設備を、あとで売ったり撤去したりできますか?
法定耐用年数が終わるまでは、承認なしにはできません。譲渡、貸付、担保に出すこと、取り壊し、設置場所の変更が制限されます。やむを得ず処分するときは、財産処分等承認申請書を出して知事の承認を受けます。承認の際に、交付した補助金の一部を県に納めるよう命じられることがあります。事業を移転する予定があるなら、申請の前に検討しておきます。
電話で質問できますか?
できません。問合せは、問合せ用紙(Word)に書いて、エネルギー課へメールで出す形だけです。メールアドレスは、問合せ用紙に書かれています。2次公募の問合せ期間は、7月15日から8月17日17時までで、申請の締切より早く閉まりました。回答に時間がかかることがあるので、早めに送るよう案内されています。
柵や標識は必要ですか?
20kW以上の設備では必要です。設備を囲う柵塀を設置し、外側の見やすい場所に標識を掲げます。標識には、事業者の名称、代表者名、連絡先、保守点検責任者、運転開始年月日、本補助金で設置した旨を書きます。柵塀に係る工事費は、付帯工事費として補助対象経費に入ります。20kW未満の設備には、この要件はありません。
補助の対象になる経費は何ですか?
公募要領の別表1に、工事費・機械器具費・測量及び試験費・設備費・業務費・事務費の区分で書かれています。工事費には、材料費、労務費、共通仮設費、現場管理費、付帯工事費などが入ります。PPAやリースの場合は、需用費や使用料なども対象に含まれます。補助額は経費の割合ではなく、kW数で決まる仕組みです。
