「うちは関税の直接の当事者じゃないから対象外だろう」と思っていないでしょうか。実はこの補助金、輸出企業に限りません。物価高で利益が落ちていれば対象になり得ます。
福島県の「福島県米国関税措置・物価高緊急対策事業補助金」は、米国関税措置または物価高の影響で売上や利益が落ち込んだ県内中小企業者を対象に、商品開発・販路拡大・生産効率向上などの取組費用を補助する制度です。ただしいきなり補助金には申請できず、先に無料の専門家派遣を受けることが条件になっています。この順番を取り違えると申請自体ができません。
米国関税措置・物価高緊急対策事業補助金の要点まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 申請者 | 事業者(法人・個人事業主) |
| 制度名 | 福島県米国関税措置・物価高緊急対策事業補助金 |
| 対象業種 | 指定なし(中小企業基本法上の中小企業者) |
| 利用目的 | 商品開発、販路拡大、生産効率向上等の経営強化に関わる取組(機械設備購入・展示会出展・省エネ設備更新等) |
| 対象地域 | 福島県内に事業所を有する事業者 |
| 従業員数 | 業種ごとの中小企業基本法の基準に該当すること |
| 補助上限額 | 100万円(税抜) |
| 補助率 | 補助対象経費の3分の2以内 |
| 申請受付 | 令和7年10月30日〜令和8年10月30日(17時必着) |
| 公式サイト | 福島県「福島県米国関税措置・物価高緊急対策事業補助金について」 |

対象になるのか? 「利益の減少」で判定します
対象になるのは、令和7年4月以降の任意の1か月間で、売上高・売上総利益・営業利益のいずれかが前年同期比5%以上減少した福島県内の中小企業者等です。
ここでいう中小企業者とは、中小企業基本法第2条第1項の基準に該当する事業者のことです。業種ごとに資本金・従業員数の上限が決まっており、製造業その他は資本金3億円以下または従業員300人以下、卸売業は1億円以下または100人以下、小売業は5,000万円以下または50人以下、サービス業は5,000万円以下または100人以下で、どちらか一方を満たせば該当します。
判定は「単月」でよい点がポイントです。年間を通じて業績が安定していても、直近のどこか1か月で5%減っていれば対象になり得ます。
対象になる/ならないの線引き
| 区分 | 内容 |
|---|---|
| 対象になる | 5%以上の減少があり、かつ専門家派遣を先に受けた事業者 |
| 対象にならない | 減少幅が5%未満の事業者 |
| 対象にならない | 専門家派遣を受けずにいきなり補助金だけ申請しようとする事業者 |
| 対象になる使い道 | 商品開発、販路拡大、生産効率向上に関する機械設備購入・展示会出展・省エネ設備更新等 |
この線引きが引かれているのは、補助金が単独の資金支援ではなく、専門家の診断を踏まえた経営強化の取組に絞って支援する設計だからです。診断なしの設備投資はこの制度の対象外になります。
よく誤解されるポイント
「関税措置」という名前から、輸出業者専用の制度だと思われがちですが、対象要件は関税措置または物価高のどちらかの影響で足ります。輸出をしていない小売業・サービス業でも、原材料費や仕入価格の上昇で利益が5%以上落ちていれば対象です。
もう一つ誤解されやすいのが申請の順番です。専門家派遣と経営強化補助は同じ期間内に受付されているため、先に補助金の書類を用意しても、専門家派遣を受けていなければ受理されません。まず無料の専門家派遣(企業実務経験者や中小企業診断士による診断・助言、2回程度)を申し込み、そのうえで補助金を申請する流れです。
申請の流れ
専門家派遣の申込期間は令和7年10月30日から令和8年8月31日までです。派遣を受けたあと、補助金交付申請は令和7年10月30日から令和8年10月30日17時必着で受け付けられます。申請書類は郵送・メール・持参のいずれかで提出できます。
よくある質問
輸出をしていない会社でも申請できますか?
できます。対象要件は「米国関税措置または物価高の影響」で、どちらか一方に該当すれば申請できます。
専門家派遣を受けずに補助金だけ申請できますか?
できません。経営強化補助は専門家派遣を受けた事業者だけが対象です。先に派遣を申し込む必要があります。
専門家派遣は本当に無料ですか?
無料です。派遣回数の目安は2回程度で、企業実務経験者や中小企業診断士が診断・助言を行います。
