「排出削減が困難な産業」と聞くと自社は関係ないと思うかもしれませんが、対象は鉄鋼・化学・紙パルプ・セメントなど、燃料や製造工程そのものを変えないとCO2を減らせない業種に限られます。中小企業の設備更新一般を支援する補助金ではない、という線引きをまず押さえておく必要があります。
「排出削減が困難な産業におけるエネルギー・製造プロセス転換支援事業」は、経済産業省が実施する補助金です。対象業種が限定されている分、1件あたりの投資規模も設計費・設備費・建物取得費・システム整備費までを含む大型のものが想定されています。
排出削減困難産業エネ転換支援事業の要点まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 申請者 | 事業者(鉄鋼、化学、紙パルプ、セメント等の排出削減が困難な産業の事業者) |
| 制度名 | 令和8年度排出削減が困難な産業におけるエネルギー・製造プロセス転換支援事業 |
| 対象業種 | 鉄鋼、化学、紙パルプ、セメント等の排出削減が困難な産業 |
| 利用目的 | 燃料転換、製造プロセス転換、又は構造転換を行う事業所の設備投資(設計費・設備費・建物等取得費・システム整備費) |
| 対象地域 | 全国 |
| 従業員数 | 公式ページに記載なし(事務局へお問い合わせください) |
| 補助上限額 | 公式ページに記載なし(事業ごとの上限額は事務局へお問い合わせください。予算総額は事業Ⅰ・Ⅱ合計で約1,170億円) |
| 補助率 | 原則3分の1以内 |
| 申請受付 | 事業Ⅱ(化学・紙パルプ・セメント等):令和8年6月9日〜8月7日正午。事業Ⅰ(鉄鋼):公募準備中(未定) |
| 公式サイト | 経済産業省「令和8年度排出削減が困難な産業におけるエネルギー・製造プロセス転換支援事業」 |

事業Ⅰと事業Ⅱ、何が違うのか
同じ制度名の中に、対象業種で分かれた2つの公募区分があります。
- 事業Ⅰ:鉄鋼業を対象。執筆時点(2026年8月)では公募準備中で受付期間が未定です
- 事業Ⅱ:化学・紙パルプ・セメント等を対象。令和8年6月9日〜8月7日正午で受付中です
「排出削減が困難な産業」とひとくくりに呼ばれていても、鉄鋼業だけは別区分で公募が遅れている点に注意してください。自社の業種がどちらに当たるかで、いま申請できるかどうかが変わります。
対象になる投資・ならない投資
- 対象になる:自家発電設備等の燃料転換、製造プロセスの転換に必要な設備投資(設計費・設備費・建物等取得費・システム整備費)
- 対象にならない:CO2排出削減効果の要件を満たさない単なる設備更新、対象業種以外の一般的な省エネ設備投資
対象業種を限定しているのは、鉄鋼・化学・紙パルプ・セメントなどが燃料や製造工程そのものを変えない限りCO2を減らせない「排出削減困難」な産業とされているためです。一般的な省エネ設備の入れ替えで足りる業種は、この制度ではなく他の省エネ・脱炭素系補助金が対象になります。
よくある質問
中小企業でも対象になりますか?
対象業種(鉄鋼、化学、紙パルプ、セメント等)に該当する事業者であれば、企業規模による除外は公式ページ上では明記されていません。ただし投資規模が大きい制度のため、実務上は中堅・大手企業の活用例が中心と考えられます。詳細は事務局へご確認ください。
申請にはGビズIDが必要ですか?
はい。電子申請システム「Jグランツ」を通じた申請となり、GビズIDプライムアカウントの取得が必須です。取得には2〜3週間かかる場合があるため、早めの準備が必要です。
事業Ⅰ(鉄鋼)の公募はいつ始まりますか?
執筆時点では未定です。公式サイト(hta2026.jp)で公募開始のお知らせを確認してください。
