半導体はスマートフォンから自動車まで、あらゆる製品の心臓部です。その安定供給を国内で確保するため、生産設備の刷新と同時に脱炭素化を進める事業者を支援する制度がありました。「産業技術実用化開発事業費補助金(サプライチェーン上不可欠性の高い半導体の生産設備の脱炭素化・刷新事業費補助金)」の一次募集です。受付は2022年1月14日18時で終了しています。
半導体の国内生産能力強化は経済安全保障の観点からも重視されているテーマで、この補助金はその文脈で実施された令和3年度補正予算の事業でした。
半導体生産設備脱炭素化・刷新事業費補助金(一次募集)の要点まとめ
正式名:【一次募集】産業技術実用化開発事業費補助金(サプライチェーン上不可欠性の高い半導体の生産設備の脱炭素化・刷新事業費補助金)_令和3年度補正予算
だれが
- 申請者
- 事業者(法人)
- 対象業種
- 製造業(半導体の生産設備を保有・運用する事業者)
- 利用目的
- 半導体生産設備の脱炭素化・刷新
- 対象地域
- 全国
- 従業員数
- 日本に拠点を有し、事業を的確に遂行する組織・人員を有する民間事業者(経済産業省からの交付停止・指名停止措置を受けていないこと)
いくら
- 補助上限額
- 公募回の予算総額は150億円(採択予定10件程度・1件あたりの上限は要領による)
- 補助率
- 3分の1以内
いつ・どこへ
- 申請受付
- 2021年12月21日~2022年1月14日18時(終了)

「採択予定10件程度」という枠の狭さ
早見表の補助上限額欄にある「採択予定10件程度」という情報は見過ごせません。予算総額150億円を10件程度で分け合う想定だったとすれば、1件あたりの規模は数億円から十数億円になる、相当大型の設備投資が想定された制度だったことが分かります。 中小規模の設備更新というより、半導体製造ラインの大規模な刷新を計画する事業者向けの制度だったと考えられます。
対象は「サプライチェーン上不可欠性の高い」半導体に限定
制度名にある「サプライチェーン上不可欠性の高い」という条件は、あらゆる半導体の生産設備が対象になるわけではないことを示しています。国内産業の供給網において特に重要と位置づけられる品目・工程が対象になっていたと考えられ、具体的な対象範囲は公募要領で個別に定義されていました。
経済安全保障分野の補助金に共通する注意点
このような経済安全保障に関わる補助金は、申請者に「経済産業省からの交付停止措置や指名停止措置が講じられていないこと」といった、通常の補助金より厳格な資格要件が課されることがあります。 半導体・先端技術分野の補助金を検討する事業者は、自社が過去に行政処分を受けていないかなど、資格要件を早い段階で確認しておく必要があります。
よくある質問
この公募にまだ申請できますか?
いいえ。一次募集の受付は2022年1月14日18時で終了しています。半導体関連の生産設備支援策は年度ごとに名称・内容を変えて実施される傾向があるため、jGrantsや経済産業省の公募情報で最新の制度を確認してください。
中小企業でも申請できますか?
対象は「日本に拠点を有し、事業を的確に遂行する組織・人員を有する民間事業者」で、企業規模の制限は明記されていません。ただし大規模な設備投資が想定される制度であるため、実質的には一定の生産規模を持つ事業者が対象になりやすいと考えられます。
補助率3分の1は交渉できますか?
いいえ。補助率は公募要領で定められた率であり、個別の交渉で変更されるものではありません。対象経費の3分の1が交付される仕組みです。
