「うちの会社1社では労務管理の見直しに手が回らない」——そんな中小企業の悩みを、団体単位でまとめて解決しようとする助成金があります。事業協同組合や商工会議所のような事業主団体が、傘下の中小企業の労働時間短縮・賃上げの取り組みをまとめて後押しする制度です。
厚生労働省の令和2年度分は、2020年11月30日で受付を終了しています。今から申請することはできませんが、団体単位で使える助成金という珍しい設計は今後も形を変えて続く可能性があるため、内容を押さえておきましょう。
働き方改革推進支援助成金(団体推進コース)の要点まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 申請者 | 事業者(事業主団体・その連合団体) |
| 制度名 | 働き方改革推進支援助成金(団体推進コース)(令和2年度) |
| 対象業種 | 全業種(事業主団体の構成員に中小企業事業主が含まれること) |
| 利用目的 | 人材確保・雇用(構成事業主の労働時間短縮・賃金引き上げに向けた取り組み) |
| 対象地域 | 全国 |
| 従業員数 | 規定なし(構成事業主の1/2以上が中小企業であることが条件) |
| 補助上限額 | 500万円(都道府県単位または複数の都道府県で構成する団体は1,000万円) |
| 補助率 | 公式ページに記載なし(対象経費の合計額・総事業費から収入額を控除した額・上限額のいずれか低い額を支給。都道府県労働局へお問い合わせください) |
| 申請受付 | 終了(令和2年度分は2020年11月30日締切) |
| 公式サイト | 厚生労働省「働き方改革推進支援助成金」 |

個社向けとは仕組みが違う。「団体が動いて構成員を底上げする」設計
働き方改革推進支援助成金には、労働時間短縮・年休促進支援コースや勤務間インターバル導入コースのように個々の中小企業が直接申請するコースもあります。これに対して団体推進コースは、申請者が個社ではなく事業協同組合・商工会議所のような「事業主団体」である点が大きく違います。
対象になるのは、事業協同組合等・商工会・商工会議所などの法定団体、あるいは10者以上の中小企業で構成する共同事業主です。構成事業主の1/2以上が中小企業であることが条件になります。1社だけでは専門家を呼んだり設備を導入したりするコストが割高になる取り組みでも、団体でまとめて実施すればスケールメリットが出ます。
対象になる取り組みの例
団体が主体となって行う改善事業が対象です。
- 傘下企業向けの市場調査
- 新ビジネスモデルの開発
- 展示会の開催
- セミナーの実施
- 専門家による巡回指導
- 共同での設備導入
これらの実施にかかった実費(対象経費の合計額・総事業費から収入額を控除した額・上限額のいずれか低い額)が支給されます。明確な「補助率◯%」という形の記載は確認できておらず、実費補助に近い設計だったと見られます。正確な算定方法は都道府県労働局への確認が必要です。
補助上限額は団体の規模で変わる
- 基本:500万円
- 都道府県単位または複数の都道府県で構成される団体:1,000万円
広域で活動する団体ほど上限額が上がる仕組みです。単一市町村の商工会よりも、都道府県単位の組合・連合会のほうが対象になる範囲が広い分、上限も高く設定されています。
成果目標の達成が前提
支給には「構成事業主の一定割合以上に対して、改善事業またはその実施結果を活用すること」といった成果目標の達成が条件になります。単に取り組みを実施するだけでなく、その効果を傘下の事業主にどれだけ波及させたかが問われる設計です。
よくある質問
令和2年度分の申請はもう出せませんか?
出せません。受付は2020年11月30日で終了しています。働き方改革推進支援助成金の各コースは年度ごとに継続していることが多いため、最新の受付状況は厚生労働省または最寄りの都道府県労働局のページでご確認ください。
個人事業主が単独で申請できますか?
団体推進コースは個社ではなく、事業協同組合・商工会議所のような事業主団体、または10者以上で構成する共同事業主が申請者です。個人事業主が単独で使う場合は、労働時間短縮・年休促進支援コースなど他のコースが対象になります。
構成事業主が中小企業でなくても対象になりますか?
構成事業主の1/2以上が中小企業であることが条件です。中小企業でない事業主が構成員に含まれていても、この割合を満たしていれば申請できると見られますが、詳しい判定は都道府県労働局にご確認ください。
