「求人を出しても、応募が来ない。」
中山間地域では、よく聞く話です。人口の流出が、じわじわ効いてきます。
広島市には、この壁を薄くする制度があります。中山間地域における中小企業の人材確保支援事業です。対象は市内の中山間地域にある中小企業・NPO法人・組合。職場環境の改善、人材の採用、企業のPR活動という3つの切り口で費用を補助します。補助率は原則2分の1、要件を満たせば3分の2まで上がります。申請受付は2026年4月1日から2027年1月29日まで。
3つのメニューのうち、職場環境改善費補助はすでに予算上限に近づいています。残る2つは、今も申請を受け付けています。
広島市中山間地域における中小企業の人材確保支援事業の要点まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 制度名 | 広島市中山間地域における中小企業の人材確保支援事業(令和8年度) |
| 対象業種 | 業種指定なし(中小企業基本法上の中小企業・NPO法人・組合) |
| 利用目的 | 雇用・職場環境整備・採用促進・広報活動 |
| 対象地域 | 広島県広島市(中山間地域=山村振興法・離島振興法の指定地域、中山間農業地域) |
| 従業員数 | 中小企業基本法の業種別基準内(例: 製造業は資本金3億円以下または従業員300人以下) |
| 補助上限額 | 職場環境改善費補助300万円/人材確保促進補助は定額(上限2〜3人分)/企業PR力向上経費補助30万円 |
| 補助率 | 1/2(加算要件該当時2/3、人材確保促進補助は定額) |
| 申請受付 | 2026年4月1日〜2027年1月29日(メニューにより早期終了の可能性あり) |
| 公式サイト | https://www.city.hiroshima.lg.jp/business/sangyo/1021490/1024252/1017530.html |

対象になるのは「中山間地域」にある会社
まず押さえたいのは、エリアの縛りです。市内全域ではありません。
対象になるのは、次のいずれかに指定された地域に事業所を置く事業者です。
- 山村振興法の指定地域
- 離島振興法の指定地域
- 農林水産省の農業地域類型で「中山間農業地域」に設定されている地域
中小企業だけでなく、NPO法人・組合も対象です。業種の縛りもありません。ただし中小企業基本法の資本金・従業員数の基準内であることが条件です(例: 製造業は資本金3億円以下または従業員300人以下)。加えて、労働関係法令の遵守と、働きやすい職場づくりへの計画的な取り組みが前提になります。
3つの補助メニューの中身
同じ制度の中に、性格の違う3つのメニューが並びます。
| メニュー | 補助対象の例 | 補助率・補助額 | 上限 |
|---|---|---|---|
| 職場環境改善費補助 | 休憩室・トイレの改修など職場環境の整備 | 対象経費の1/2(加算要件該当時2/3) | 300万円 |
| 人材確保促進補助 | 新規雇用者の採用にかかる費用 | 雇用保険加入者1人40万円・未加入者1人20万円の定額 | 2人分(加算要件該当時3人分) |
| 企業PR力向上経費補助 | ホームページ制作・パンフレット制作など | 対象経費の1/2(加算要件該当時2/3) | 30万円 |
補助率・上限が引き上がる「加算要件」は、次のいずれかです。
- 働き方改革実践企業等に認定されている
- 「地域貢献活動休暇制度整備促進事業」で企業名等が公表されている
どちらも、日頃の働き方改革への取り組みが前提になる要件です。先に認定・公表を取っておくと、同じ取り組みでも受け取れる金額が変わってきます。
補助額の目安を業種別に見る
3つの業種で試算してみます。
- 製造業の工場: 中山間地域の拠点で、雇用保険加入の新規社員を2人採用。人材確保促進補助は40万円×2人=80万円
- 飲食店: 求人サイトへの掲載に加え、ホームページを刷新(対象経費70万円)。企業PR力向上経費補助は上限の30万円
- 農業関連の組合: 休憩室・トイレの改修工事(対象経費200万円)。職場環境改善費補助は2分の1で100万円
働き方改革実践企業等の認定があれば、補助率は3分の2です。同じ200万円の改修工事で、補助は約133万円。自己負担は100万円から約67万円に下がります。認定を先に取っておくかどうかで、33万円の差です。

「地域活動を行いやすい職場づくり」をどう説明するか
職場環境改善費補助と企業PR力向上経費補助は、要件を満たせば支給される設計です。事業計画の斬新さより、要件をどう満たしているかの説明が肝心になります。
じつは、休暇制度や職場環境の取り組みが「地域活動を行いやすい職場づくり」に当たるかどうかは、はっきり白黒つくものばかりではありません。同じ休暇制度でも、就業規則での位置づけと周知の仕方で、加算要件(2/3・3人分)を満たせるかが変わります。国の人材確保等支援助成金でも、似た判断が求められます。
申請から交付までの流れと注意点
申請の骨組みは、次の順番です。
- 交付申請: 交付申請書・労働法令遵守確認書・職場づくり計画書・役員氏名一覧表などを提出
- 交付決定: 市の審査を経て通知が届く
- 事業実施: 交付決定後に着手(決定前の着手は対象外)
- 実績報告: 完了後に実績報告書・証憑を提出
- 補助金請求・交付: 確定通知後に請求書を提出
交付決定の前に工事や採用活動を始めると、補助対象から外れます。急ぎたくなる場面ですが、まず交付決定の通知を待ってください。

よくある質問
個人事業主でも対象になりますか?
対象事業者は「中小企業」「NPO法人」「組合」です。中小企業基本法上の規模に該当すれば、法人・個人を問わず対象になり得ます。該当するかは、事前に広島市産業振興部へ確認してください。
職場環境改善費補助はもう申請できませんか?
現時点の受付状況は流動的です。募集停止の告知が出ていないか、必ず最新の公式ページで確認してから動いてください。
3つのメニューを同時に申請できますか?
公式ページを見る限り、交付申請はメニューごとに個別に行う設計です。複数メニューを同時に申請できるかは、事前に広島市産業振興部へ確認してください。
