値上げの交渉に備えて、中小企業診断士などの専門家に払う費用の半分(小規模企業者は3分の2、上限50万円)を、茨城県が補助します。申請する時点でパートナーシップ構築宣言を登録していることが条件なので、まず登録の有無を確かめてください。
茨城県価格交渉サポート補助金の要点まとめ
正式名:茨城県価格交渉サポート補助金
だれが
- 申請者
- 事業者(法人・個人事業主)
- 対象業種
- 業種の指定なし(中小企業が対象)
- 利用目的
- 価格転嫁のための専門家・コンサル費用
- 対象地域
- 茨城県(県内に主たる事業所があること)
- 従業員数
- 業種で異なる(小売50人以下、製造等300人以下)
いくら
- 補助上限額
- 50万円
- 補助率
- 1/2(小規模企業者は2/3)
いつ・どこへ
- 申請受付
- 2026年10月8日〜2026年12月25日
- 事業の完了
- 委託先等への支払いを2027年2月1日までに完了
- 公式サイト
- 茨城県「茨城県価格交渉サポート補助金」
予算額に達した場合は、期限の前でも受付が終わります。
うちの会社は対象になる?
次の5つにすべて当てはまれば、対象の見込みです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 5
次のどちらかに当たると対象外です。
- ✕ 大企業者に当たる
- ✕ 国や県の別の補助を受ける事業
県税のほか、県に対する税外未収金の滞納がないことも条件です。
中小企業の線引きは業種で変わります。会社は、資本金か従業員数のどちらか一方が下の上限以内なら該当します。個人事業主は、従業員数だけで見ます。
| 業種 | 資本金 | 従業員数 |
|---|---|---|
| 製造業・建設業・運輸業ほか | 3億円以下 | 300人以下 |
| 卸売業 | 1億円以下 | 100人以下 |
| サービス業 | 5,000万円以下 | 100人以下 |
| 小売業 | 5,000万円以下 | 50人以下 |
パートナーシップ構築宣言は、取引先との関係づくりについて自社の方針を宣言し、専用のポータルサイトで公表する仕組みです。交付申請書を出す時点で、公表されている必要があります。
伴走支援は、茨城県の価格転嫁相談窓口などで中小企業診断士が相談を受けて助言することで、原則として無料です。2027年1月31日までに1回以上受けたか、受ける見込みであれば申請できます。ただし、実績報告の段階で受けていないと交付されません。
大企業者は、大企業との間の事業活動の調整に関する法律で定める大企業にあたる事業者のことです。公式のよくある質問では、みなし大企業も対象外とされています。大企業が株式の2分の1以上を1社で持つ会社や、3分の2以上を持つ会社のことです。迷うときは相談窓口に確かめてください。
いくら戻ってくる?
補助率は費用の1/2です。小規模企業者は2/3に上がります。上限は50万円で、通常は費用が100万円、小規模企業者は75万円で上限に届きます。
小規模企業者は、従業員がおおむね20人以下の事業者です。商業またはサービス業が主な事業なら、5人以下になります。
- 顧問契約料などが40万円かかる通常の事業者:40万円 × 1/2 = 20万円
- 費用が60万円かかる小規模企業者:60万円 × 2/3 = 40万円
- 費用が120万円かかる通常の事業者:120万円 × 1/2 = 60万円 → 上限の50万円
- 費用が90万円かかる小規模企業者:90万円 × 2/3 = 60万円 → 上限の50万円
計算のもとになる費用は、消費税を除いた税抜きの額です。補助額に1,000円未満の端数が出たときは、切り捨てになります。
何に使える?
対象にならないもの
- 国や県から別に補助を受ける事業の費用
- 消費税(税抜きの費用で計算します)
- 物品の購入費(対象はコンサルティングなどの委託料です)
- 交付決定より前に契約した費用
- 2027年2月1日までに支払いを終えていない費用
対象になるもの
- 価格交渉の助言や同席のために、診断士など専門家と結ぶ顧問契約の料金
- 経営状況の分析や課題の洗い出しを頼む委託料、コンサルティング費用
- 自社製品と他社製品の比較、市場調査にかかる委託料、コンサルティング費用
- 販売戦略の見直しにかかるコンサルティング費用
公式ページが挙げているのは、いずれも「例」です。対象になるか迷う費用は、申請の前に価格転嫁相談窓口へ問い合わせてください。
申請の流れ
- パートナーシップ構築宣言を登録する(事業者→ポータルサイト。未登録なら最初に)
- 専門家に見積書を出してもらう(事業者→診断士やコンサル会社。費用の根拠になる)
- 電子申請で交付申請を出す(事業者→いばらき電子申請・届出サービス。2026年12月25日まで)
- 交付決定を待つ(茨城県→事業者。通知の前に契約を結ばない)
- 契約して事業を行い、2027年2月1日までに支払う(事業者→専門家)
- 実績報告と請求を出す(事業者→茨城県。事業完了から30日後か2027年2月1日の早い日まで)
申請から交付決定までは、書類に不備がなければ通常1〜2週間ほどです。交付決定から契約までの期間について、公式ページに記載はありませんでした。通知が届いたら、その日以降に契約するのが安全です。
必要な書類
交付申請のときに出す書類です。
準備できた 0 / 6
法人事業概況説明書は、法人だけが出します。直近の確定申告のものを使います。
実績報告のときは、実績報告書兼交付請求書(様式第6号)と事業実績書(様式第7号)を出します。あわせて、通帳の写し、契約書の写し、委託事業の完了報告書の写し、領収書の写しも要ります。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 交付決定の前に契約した:要綱では、契約の締結が補助事業の着手にあたります。着手は交付決定のあとと決まっています。
- 宣言が公表されていなかった:申請の時点で、パートナーシップ構築宣言が公表されている必要があります。
- 伴走支援を受けていなかった:実績報告の段階で診断士の伴走支援を受けていないと、補助金は交付されません。
- 予算がなくなった:12月25日より前でも、申請額が予算に達すると受付が終わります。
- 支払いが期限に間に合わなかった:委託先などへの支払いは、2027年2月1日までに終えます。
- 不正に受け取った:返還に加えて、年利10.95%の加算金がかかります。事業者名が公表されることもあります。
同じ内容や似た内容の申請が複数の事業者から出たときは、採択されない場合があるとも書かれています。
税金と、事業内容を変えるとき
補助金は事業所得にあたり、課税対象です。申請者は、この点に同意したうえで申請します。
国や県から別に補助を受ける事業や、受けようとする事業は、補助事業から除かれます。専門家の費用を別の補助金にも出していないか、申請前に確かめてください。
事業の内容や経費を変えるときは、事前に変更の承認申請が要ります。経費の配分を20%未満動かす程度なら、承認は要りません。
帳簿と領収書などの証拠書類は、補助金を受けた日の属する会計年度が終わってから5年間、保管します。
よくある質問
パートナーシップ構築宣言をしていないと申請できませんか?
申請できません。補助金の交付申請を出す時点で、宣言を行い、全国中小企業振興機関協会が運営するポータルサイトで公表されていることが条件です。申請期限は2026年12月25日なので、未登録の場合は登録を先に済ませます。登録の方法は、公式ページに載っている外部サイトで案内されています。宣言の写しは交付申請書類にも添えるので、公表後に画面を保存しておくと手続きが進めやすくなります。
中小企業診断士の伴走支援とは何ですか?
茨城県価格転嫁促進事業の一環として、診断士が価格転嫁の相談を受けて助言する支援です。県の価格転嫁相談窓口、県が開くセミナーの相談会、企業訪問のいずれかで受けられます。2027年1月31日までに1回以上受けた、または受ける見込みであれば条件を満たします。相談は原則無料で、企業訪問は3回まで無料です。まだ受けていない場合は、価格転嫁相談窓口に連絡して日程を決めておくと、申請の段階で受ける見込みを示せます。
個人事業主でも申請できますか?
申請できます。県内に主たる事業所を置く中小企業が対象で、個人事業主も含まれます。ほかの条件は法人と同じで、宣言の登録、県税の滞納がないこと、伴走支援を受けることが必要です。違うのは書類で、法人事業概況説明書の写しは法人だけが出すものなので、個人事業主は不要です。小規模企業者に当たる場合は、補助率が2/3になります。
小規模企業者の補助率2/3は自動で適用されますか?
申請の時点で小規模企業者に当たれば、補助率は2/3になります。目安は従業員がおおむね20人以下で、商業またはサービス業が主な事業の場合は5人以下です。たとえば従業員4人の飲食店は、サービス業なので該当する見込みです。従業員12人の製造業も、20人以下なので該当します。自社がどちらにあたるか迷うときは、申請前に価格転嫁相談窓口へ確かめると安心です。
上限の50万円は年度ごとに申請できますか?
公式ページと交付要綱には、年度ごとの申請回数についての記載はありませんでした。要綱が定めているのは、補助率と、上限50万円です。複数回の申請ができるかどうかを知りたいときは、茨城県の価格転嫁相談窓口(産業戦略部中小企業課経営支援室、029-301-3550)に問い合わせてください。申請の受付は2026年12月25日までです。
補助の対象になる経費の具体例を教えてください
公式ページは、4つの例を挙げています。価格転嫁の助言や価格交渉への同席のために専門家と結ぶ顧問契約料、経営状況を分析する委託料、自社製品と他社製品を比べる市場調査の委託料、販売戦略の見直しのコンサルティング費用です。ただし例示なので、判断に迷う経費は申請前の相談が必要です。経費の領収書は実績報告に添えるため、契約書とあわせて保管しておきます。
申請はどこから出しますか?
県の電子申請サービス「いばらき電子申請・届出サービス」の申請フォームから、電子申請で出します。郵送での申請は、原則として受け付けていません。実績報告のときも、同じサービスの専用フォームを使います。専門家など第三者が代わりに申請するときは、委任状(様式は任意)を添えます。書き方で迷ったときは、価格転嫁相談窓口に聞けます。事業計画について県から問い合わせが入ることもあるので、期限に余裕をもって出すよう案内されています。
契約はいつ結べばよいですか?
交付決定の通知を受けたあとです。交付要綱では、補助事業の着手を契約の締結と定めていて、着手は交付決定の後にしなければなりません。見積書は申請の前にもらってかまいませんが、契約書を交わすのは通知のあとにします。通知前に顧問契約を始めてしまうと、その費用は対象外になるおそれがあります。専門家には、通知が届くまで契約を待ってもらうよう伝えておきます。
実績報告はいつまでに出しますか?
事業完了の日から30日を過ぎた日か、2027年2月1日のうち、早いほうまでです。たとえば事業が2027年1月20日に終わると、30日後は2月19日ですが、2月1日のほうが早いので、2月1日が期限になります。報告は電子申請の専用フォームで出します。支払いも2月1日までに終える必要があるので、年明けの契約は避けてスケジュールを組みます。
事業の内容を変えたいときはどうしますか?
事前に変更の承認申請(様式第4号)を出し、承認を受けます。経費の配分を20%未満で変える場合や、補助金額の減額が20%未満の場合は、承認は要りません。事業をやめるときも、先に中止(廃止)承認申請書(様式第5号)が要ります。契約済みの内容を変える前に、県の相談窓口へ連絡しておくと、手戻りを防げます。
問い合わせ先はどこですか?
茨城県 産業戦略部 中小企業課 経営支援室(電話 029-301-3550)です。経費が対象になるか、書類をどう書くかといった相談は、茨城県価格転嫁相談窓口でも受けています。公式ページには、よくあるご質問と回答をまとめたExcelファイルも載っています。申請の前に目を通しておくと、条件の見落としを防げます。
