システムを入れたあとに申し込んで、間に合うのか。板橋区のデジタル化・データ利活用推進助成金は、申請の前に専門家の事前相談を受けていることが条件で、受けていない取組は申請できません。相談の枠にも限りがあるので、書類づくりより先に予約を取るのが順番です。
対象は、会計や受発注などの業務システムの導入費です。コースは3つあり、助成額は経費の2分の1以内(上限50万円・250万円)か、3分の2以内(上限500万円)です。受付は2026年5月11日に始まり、予算に達し次第終わります。
デジタル化・データ利活用推進助成金の要点まとめ
正式名:デジタル化・データ利活用推進助成金(令和8年度)
だれが
- 申請者
- 事業者(法人・個人事業主)
- 対象業種
- 業種不問
- 利用目的
- 業務システム導入によるデジタル化・業務効率化
- 対象地域
- 東京都板橋区(区内に本社か事業所)
- 従業員数
- 中小企業者であること(みなし大企業は対象外)
いくら
- 補助上限額
- 最大500万円(コース別。ア50万円・イ250万円)
- 補助率
- 1/2以内(ア・イ)、2/3以内(ウ)
いつ・どこへ
- 申請受付
- 2026年5月11日から予算に達し次第終了
- 事業の完了
- 2027年2月28日まで(支払いまで含む)
うちの会社は対象になる?
次のすべてに当てはまれば、対象の見込みです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 5
次のどれかに当たると対象外です。
- ✕ 区内の拠点が倉庫のみ
- ✕ 区内の拠点がバーチャルオフィス
- ✕ ECサイト関連の事業
- ✕ 同じ経費で他の助成も受ける
このほか、申請日までの過去5年間に公社・国・自治体の助成事業で不正等の事故を起こしていないこと、民事再生法や会社更生法の申立てなど事業継続が不確実な状況がないことも条件です。
中小企業者は、中小企業基本法で決まっている区分です。業種ごとに資本金か従業員数の上限があり、区の要領は中小企業庁のページで確認するよう案内しています。みなし大企業は、大企業が株式や出資の2分の1以上を持つ、役員の2分の1以上を大企業の役員・職員が兼ねるなど、実質的に大企業の経営下にある会社です。
区内での操業は、納税状況や事業所得の有無などから総合的に判断されます。個人事業主は、税務署に開業届を出していることも条件です。「おおむね1年以上」の年数の数え方は、公式ページに細かい定めがありません。要綱には、理事長が特に必要と認める場合は例外とする定めがあります。開業から日が浅い場合は、事前相談の場で聞くのが確実です。
いくら助成される?
経費(消費税を除く)に、コースごとの率をかけた額です。千円未満は切り捨てで、上限を超えた分は自己負担になります。
- 会計・勤怠・請求書のクラウド化(アのコース):80万円 × 1/2 = 40万円
- 同じ内容で150万円かかる場合:150万円 × 1/2 = 75万円 → 上限の50万円
- 受発注と在庫のシステム(イのコース):300万円 × 1/2 = 150万円
- 受発注・在庫・生産管理をまとめて入れる場合:600万円 × 1/2 = 300万円 → 上限の250万円
- 複数システムのデータを分析する基盤(ウのコース):600万円 × 2/3 = 400万円
- 同じ基盤で900万円かかる場合:900万円 × 2/3 = 600万円 → 上限の500万円
上限に届く経費は、アが100万円、イが500万円、ウが750万円です。
交付決定の額は、助成額の上限を示すものです。実際の支払いが申請時より少なければ、実際の経費に率をかけた額になり、多くても交付決定額を超えません。申請時の金額を高めに書いても、受け取れる額は増えません。申請書に書いた交付申請額が上限になり、あとから変えることはできません。交付決定の額は、申請額と違うことがあります。
どのコースで申請する?
コースは、入れるシステムが何をするかで分かれます。
| コース | 入れるシステム | 上限額 | 補助率 |
|---|---|---|---|
| ア バックオフィス効率化 | 会計・人事・労務・勤怠・給与・稟議・文書管理・契約・資産管理など | 50万円 | 1/2以内 |
| イ 業務管理システム | 生産管理・受発注・販売・売上管理・原価管理・顧客管理など | 250万円 | 1/2以内 |
| ウ データ利活用経営 | 複数のシステムのデータを集めて整理・分析する経営管理システムなど | 500万円 | 2/3以内 |
ウで申請しても、審査の結果、イのコースで交付が決まることがあります。ウは、アやイのシステムが持つ集計・分析の機能だけでは対象になりません。社内の複数のシステムのデータを、随時まとめて分析するものが対象です。イとウの両方のシステムを同時に入れる場合は、ウで申請できます。
1事業者が年度内に出せる申請は、アだけ、イだけ、ウだけ、アとイ、アとウの5通りのどれかです。イとウの組み合わせは、要領の一覧にありません。
何に使える?
対象にならないもの
- PC・タブレット・スマートフォン・複合機などのハード機器(単体の購入)
- OS、文書作成・表計算など、広く使われている汎用ソフト
- 小売店や飲食店のキャッシュレス決済だけの導入
- リース・レンタル契約の費用
- 中古品(ほかに手段がない場合を除く)
- 導入済みソフトのライセンスやユーザー数の追加
- 通信費(回線・プロバイダー・Wi-Fiの月額)
- データ分析の代行など、業務を丸ごと任せる費用
対象になるもの
- ソフトウェアやシステムの導入費(コースの区分に合うもの)
- システムの設計・改修・開発の委託費、外注費
- 導入したシステムを使えるようにするための講習受講料、教材費
- システムと切り離せず、データの収集・蓄積・利活用に関わる機械装置
ハード機器は、システムと切り離せない場合に限って対象です。データ記憶装置は含まれません。クラウドやソフトの利用料は、助成対象期間(2026年3月1日から2027年2月28日)にあたる分だけが対象です。パソコンを買い替えたいだけの計画は、この助成金では通りません。
申請の流れ
- 専門家事前相談を予約する(事業者→公社のホームページの専用フォーム。2026年4月1日9時から、予定数に達し次第終了。2026年10月9日時点の予約表には、10月20日と11月11日の枠が空きで載っています)
- 事前相談を受ける(事業者→専門家。全コース必須。実施日は公社のホームページに載る)
- 専門家派遣相談を受ける(事業者→専門家。イ・ウのコースは必須。アのコースでも、事前相談の場で公社が必要と認めたときは受ける。提案書がもらえる)
- 申請書類をそろえる(事業者。様式は公社のホームページから、見積書・証明書は各自)
- 申請フォームに入力し、届いたURLに書類を上げる(事業者→公社。2026年5月11日から予算に達し次第)
- 審査を受け、交付決定の通知を待つ(公社。内容に不明点があれば電話などで確認が入る)
- システムを導入し、2027年2月28日までに発注・納品・支払いを終える(事業者)
- 実績報告を出す(事業者→公社。公式ページの日程では2027年3月3日まで)
実績報告のあと、イとウのコースは現場確認があります。そのあと助成額が確定し、請求書を出すと振り込まれます。公式ページの日程では、振込は3月下旬です。
必要な書類
準備できた 0 / 14
提案書はイ・ウのコースで必須(アのコースでも公社が必要と認めたときは出します)、履歴事項全部証明書(発行後3か月以内)と法人の納税証明書2通は法人だけ、開業届の写しと住民税・個人事業税の証明書は個人事業主だけです。税抜50万円以上の経費、または月10万円以上かかるサービスは、原則2社以上の見積書と、比較した選定理由が要ります。2社から取れないときは、限定した理由を書きます。申請書類は返却されないので、写しを手元に残してください。
交付申請書(第1号様式)には、コース別の事業計画書の別紙が付いています。申請書類は専用のファイル転送サービスで電子データにして出し、FAXでは出せません。公社が求めた追加書類を期限までに出さないと、申請を辞退したものとみなされます。納税証明書は、課税がない場合でも、法人事業税は納付額0円の証明書、非課税なら非課税証明書が要ります。区外に住む個人事業主は、板橋区が出す特別区民税・都民税(事業所課税)の証明書です。
実績報告のときは、事業が終わったことを公社に電子メールで知らせ、届いたURLに書類を上げます。出す書類は、実績報告書(第9号様式)、同別表(第10号様式)、設置状況の写真、契約書や発注書、納品書や完了届、領収書(または請求書と振込控)です。クレジットカードで払った場合は、利用明細の写しと、期間内の引き落としが分かる書類も要ります。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 事前相談を受けていない:専門家が課題解決に必要と認めた取組であることが、対象事業の条件です。相談なしでは申請できません。
- 予算がなくなった:受付は予算に達し次第終わります。事前相談の予約枠も、予定数に達し次第終わります。
- 期間内に終わらなかった:発注・納品・施工・支払いの全部が2027年2月28日までに済まないと、その経費は対象外です。
- 支払い方法が合わなかった:役員や従業員の個人口座からの振込、関連会社を経由した振込、手形、小切手、クーポン、ポイント、他の取引との相殺での支払いは対象外です。クレジットカード以外のキャッシュレス決済も同じです。クレジットカードは法人カード(個人事業主は本人名義)で、期間内に口座から引き落とされたものに限ります。
- 変更の申請を出さずに進めた:導入するシステムや発注先を変えるとき、各経費区分の20%を超えて経費を流用するときは、先に変更申請が要ります。出さずに進めた分は対象外になります。変更申請は、年度内に1回だけです。
助成を受けたあとの約束
助成を受けると、事業者名や取組の概要、成果が公表されることがあります。5年間は板橋区内で操業を続けるよう努める義務があり、続けられなくなりそうなときは公社に報告します。
イとウのコースは、終了後3年間、毎年度システムの操業状況報告書を出します。助成で入れたシステムを、公社の承認なしに譲渡したり、担保に入れたりすることはできません。
よくある質問
本社が区外でも、区内に支店があれば対象ですか?
対象です。条件は「区内に本社又は事業所を有し、おおむね1年以上事業を営む」ことで、本社が区外でも区内に事業所があれば申請できます。ただし、倉庫やバーチャルオフィスなど事業所の実態がない拠点は、区内操業とは認められません。区内での操業は、納税状況や事業所得の有無から総合的に判断されます。判断に迷う拠点は、事前相談で聞いておくと安心です。
開業して1年たっていなくても申請できますか?
要件は「おおむね1年以上事業を営む」ですが、公式ページに「おおむね」の幅は書かれていません。実施要領には、開業から1年未満で納税証明書が出ない場合は、実績報告の時までに出せれば足りるという取扱いがあります。ただし、期限に余裕がない場合や、税の未申告で証明書が出ない場合は、この取扱いは使えません。開業から日が浅い方は、事前相談で確かめてください。
事前相談を受けずに申請できますか?
できません。申請の前に、公社の指定日に行う専門家事前相談を受けて、専門家から申請内容の助言を受ける必要があります。イとウのコースは、そのあとに専門家派遣相談を受けて、専門家の提案書を申請書と一緒に出します。予約は公社のホームページの申込フォームから取ります。予約枠は予定数に達し次第終わるので、導入を考え始めたら早めに予約するのが安全です。
3つのコースを同時に申請できますか?
年度内に出せるのは、アだけ、イだけ、ウだけ、アとイ、アとウの5通りのどれかです。アとイ、アとウは、同時でなくても構いません。イとウの組み合わせは要領の一覧にないため、両方のシステムを同時に入れるなら、ウのコースで1件にまとめて申請する形になります。コースの選び方に迷うときは、事前相談で専門家に聞いてみてください。
パソコンやタブレットも助成の対象になりますか?
単体の購入は対象外です。PC、タブレット、スマートフォン、モニタ、複合機、プリンタ、カメラ、スキャナ、券売機などのハード機器は、すべて対象外とされています。例外は、システムと切り離せず、データの収集・蓄積・利活用に関わるものだけです。この場合もデータ記憶装置は含まれません。システムを動かすために端末が必要なときは、事前相談でどこまで認められるかを確認してください。
ECサイトやキャッシュレス決済の導入は対象ですか?
どちらも対象外です。ECサイト関連の事業は、助成対象事業の条件の段階で除かれています。小売店や飲食店でキャッシュレス決済だけを導入する経費も、対象外の経費に入っています。自社の商品を売る仕組みとして、第三者への賃貸や販売を目的にしたソフトウェアやシステムも、対象外になる例に挙がっています。
クラウドサービスの月額利用料は助成されますか?
システムに付帯するクラウドやソフトの利用料は、助成対象期間内の分に限って対象です。年額や数年分を一括で払った場合は、期間内にあたる分だけを計算して対象経費にします。一方で、回線やWi-Fiの月額などの通信費、使った分だけ請求される従量課金方式の経費、システムに付帯せず別に契約するクラウドストレージの利用料は、対象外です。
見積書は何社分が必要ですか?
税抜50万円以上の経費、または月額10万円以上が続くと見込まれるサービスは、原則2社以上の見積書が必要です。あわせて、比較した結果の選定理由書を出します。2社から見積もりが取れず比較できないときは、限定した理由を書きます。それ以外の経費は、見積書か、一般に公開されている価格情報の資料があれば足ります。日付は、2026年3月1日から申請日までのものです。
実績報告はいつまでに出しますか?
公式ページの日程では、2027年3月3日までです。実施要領には、発注・納品・施工・支払い・効果の検証がすべて終わってから2週間以内に出すこと、助成対象期間の末日(2月末)の翌日から2週間たっても出さないと交付決定が無効になることが書かれています。二つの日付が合わないため、遅くとも3月3日までに出すつもりで、導入の完了を前倒しで組むのが安全です。
助成を受けたあとに守ることはありますか?
あります。5年間は板橋区内で操業を続けるよう努め、続けられなくなりそうなときはすぐに公社へ報告します。イとウのコースは、終了後3年間、毎年度システムの操業状況報告書を出す必要があります。助成で取得した財産を、目的に反して使ったり、譲渡や貸付をしたり、担保にしたりするときは、事前に理事長の承認が要ります。事業者名や成果が公表されることもあります。
実際の支払いが申請額より少なかったとき、助成額はどうなりますか?
実際に支払った経費に助成率をかけた額になります。たとえば、申請時に300万円で見込んだ業務管理システムが、実際には240万円で済めば、240万円 × 1/2 = 120万円です。逆に、申請より高くなっても、交付決定通知書の額が上限で、それを超えては出ません。確認できない経費や、帳票に不備のある経費は、対象外として減額されることもあります。
交付決定の前に発注してもよいですか?
公式ページと実施要領には、交付決定前の発注を禁じる文は見つかりませんでした。助成対象期間は2026年3月1日からで、見積書もその日以降のものが求められています。ただ、申請の前に専門家事前相談を受け、専門家が必要と認めた取組であることが条件です。発注の時期は、相談の場で公社に確かめてから決めるのが安全です。
問い合わせ先はどこですか?
公益財団法人板橋区産業振興公社の販路拡大・技術支援グループです。電話は03-3579-2191(平日9時から17時)、メールは khk@itabashi-sangyo.jp です。事前相談の予約と、受付がまだ続いているかの確認も、ここで取れます。予算に達し次第終わる制度で、2026年10月9日時点の公式ページに受付終了の表示はありませんが、残りの予算額は載っていません。申請を決める前に、受付の状況を一度聞いておくと安心です。
