電気バスを1台導入するだけでも、車両価格はディーゼル車の何倍にもなります。バス・タクシー事業者が単独でこの差額を負担し続けるのは現実的ではありません。この負担の一部を国が支えるのが、自動車環境総合改善対策費補助金です。
この補助金には事業Ⅰ・事業Ⅱ・事業Ⅲという区分があり、事業Ⅰは電気バス・プラグインハイブリッドバス・燃料電池タクシーなど、事業用の次世代自動車を対象とする枠です。令和2年度分は2020年11月9日で受付を終了していますが、事業自体は年度ごとに継続しているため、次に導入を検討するときのために仕組みを押さえておきましょう。
自動車環境総合改善対策費補助金(事業Ⅰ)の要点まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 申請者 | 事業者(バス・タクシー等の事業用自動車を運行する運送事業者) |
| 制度名 | 自動車環境総合改善対策費補助金(事業Ⅰ・地域交通グリーン化事業) |
| 対象業種 | 運輸業(乗合バス・タクシー等の運送事業者) |
| 利用目的 | 設備投資、脱炭素・省エネ(電気バス・プラグインハイブリッドバス・燃料電池タクシー等の次世代自動車の導入) |
| 対象地域 | 全国 |
| 従業員数 | 規定なし |
| 補助上限額 | 公式ページに記載なし(他年度の実績では電気バスの車両本体価格の上限は8,000万円。国土交通省へお問い合わせください) |
| 補助率 | 導入費用の1/3以内(他年度の実績にもとづく。令和2年度分の公式ページに記載なし。国土交通省へお問い合わせください) |
| 申請受付 | 終了(2020年10月26日〜11月9日) |
| 公式サイト | 国土交通省「商用電動車等に対する補助金について」 |

「事業Ⅰ」は電気バス・燃料電池タクシーの枠
自動車環境総合改善対策費補助金は複数の事業区分に分かれており、事業Ⅰは電気バス・プラグインハイブリッドバス・燃料電池タクシー等の事業用自動車が対象です。トラックの導入支援(CNGトラックやハイブリッドトラック等)は主に事業Ⅱ・事業Ⅲの枠で扱われており、「トラック事業者だから使える」「バス事業者だから使えない」という判断は、まず事業区分を確認してからでないとできません。
他年度の実施内容では、この枠は「地域交通グリーン化事業」とも呼ばれ、事業計画書を提出し外部有識者の評価を経て認定を受ける仕組みでした。単に車両を買い替えるだけでなく、その地域や事業者にとって先進的な取り組みであることが審査で見られていたと考えられます。
補助率は「導入費用の1/3」が目安
公式ページからこの令和2年度分の補助率・上限額そのものは確認できていませんが、他年度の実施内容では補助率は導入費用の1/3以内、電気バスについては車両本体価格の上限が8,000万円という枠組みが確認できています。充電設備の工事費については実額または別途の上限額が適用される設計でした。
車両本体だけでなく、電気自動車用充電設備等の導入も補助対象に含まれる点は見落とされがちです。バス・タクシーの電動化は、車両とインフラの両方をセットで検討する必要があります。
次に導入を検討するときの動き方
この補助金は年度ごとに公募が組まれる仕組みです。過去の実施パターンでは、次のような流れになっていました。
- 事業計画書の提出
- 外部有識者による評価
- 認定・交付決定
事業用自動車の入れ替えは発注から納車まで時間がかかるため、公募期間が限られていることを踏まえ、車種選定や事業計画の準備は公募開始前から進めておく方が現実的です。
よくある質問
令和2年度分の申請はもう出せませんか?
出せません。受付は2020年11月9日で終了しています。自動車環境総合改善対策費補助金は年度ごとに継続して実施されているため、最新の公募状況は国土交通省の「商用電動車等に対する補助金について」のページで確認できます。
トラックの導入でも事業Ⅰの対象になりますか?
事業Ⅰは電気バス・プラグインハイブリッドバス・燃料電池タクシー等の事業用自動車が主な対象です。CNGトラックやハイブリッドトラック等は主に事業Ⅱ・事業Ⅲの枠で扱われていました。該当する区分は国土交通省または地方運輸局にご確認ください。
充電設備だけを単独で申請できますか?
過去の実施内容では、車両導入とあわせて充電設備等の導入費用も補助対象に含まれる設計でした。充電設備単独での申請が可能かどうかは、最新の公募要領で確認する必要があります。
