海外にいる人を正社員として迎えるときは、採用が決まる前から紹介会社への手数料や在留資格の手続費、航空券代がかかります。この初期費用の3分の1を、1人あたり50万円まで神奈川県が補助します。
契約や申込みは、県が交付決定をした日より後に結ぶことが条件です。紹介会社と先に契約を済ませた分は対象になりません。
神奈川県高度外国人材受入支援補助金の要点まとめ
正式名:神奈川県高度外国人材受入支援補助金
だれが
- 申請者
- 事業者(県内に事業所のある中小企業。個人事業主も可)
- 対象業種
- 業種の指定なし(風俗営業等は対象外)
- 利用目的
- 高度外国人材の採用手続にかかる初期経費
- 対象地域
- 神奈川県内(県内の事業所で就業する場合)
- 従業員数
- 業種別の資本金か従業員数の上限以内(どちらか一方でよい)
いくら
- 補助上限額
- 1人あたり50万円(1社につき3人まで)
- 補助率
- 対象経費の1/3以内
いつ・どこへ
- 申請受付
- 2026年4月1日〜2027年2月12日(先着順)
- 事業の完了
- 2027年3月31日まで
うちの会社は対象になる?
次の5つにすべて当てはまれば、対象の見込みです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 5
対象の在留資格は「技術・人文知識・国際業務」と「高度専門職」の2つです。大学や専門学校を卒業した(卒業見込みを含む)人で、これから入国する予定の人が当たります。
次のどれかに当たると対象外です。
- ✕ 大企業・みなし大企業
- ✕ 日本にいる人の在留資格の変更
- ✕ 契約社員・派遣・アルバイトでの採用
- ✕ NPO・社団・財団・医療法人など
みなし大企業とは、大企業が株式の2分の1以上(または3分の2以上)を持つなど、実質的に大企業とみなされる会社のことです。
中小企業の範囲は、手引きで業種ごとに決まっています。資本金か従業員数の、どちらか一方が上限以内であれば該当します。
| 業種 | 資本金 | 常時使用する従業員数 |
|---|---|---|
| 製造業・建設業・運輸業ほか | 3億円以下 | 300人以下 |
| 卸売業 | 1億円以下 | 100人以下 |
| サービス業 | 5,000万円以下 | 100人以下 |
| 小売業・飲食店 | 5,000万円以下 | 50人以下 |
| ソフトウェア業・情報処理サービス業 | 3億円以下 | 300人以下 |
| 旅館業 | 5,000万円以下 | 200人以下 |
ゴム製品製造業(資本金3億円以下か900人以下)にも別枠があります。役員や休職中の人などは人数に数えない決まりもあるため、境目の会社は手引きの注記も確認してください。
補助を受けた翌年度から3年間は、県が行うアンケート調査への協力が求められます。中途退職があったときは、退職理由の聞き取りにも応じます。
いくら戻ってくる?
対象経費(税抜)の3分の1です。1人あたりの上限は50万円で、届くのは対象経費が150万円以上のときです。
- 県のQ&Aの例:180万円 × 1/3 = 60万円 → 上限の50万円(130万円は自己負担)
- 紹介手数料・在留資格の手続費・航空券で合計90万円:90万円 × 1/3 = 30万円
- 3人を採用し、1人ずつ150万円かかった場合:50万円 × 3人 = 150万円
1社が1年度に補助を受けられるのは3人までです。補助を受けた翌年度以降は、人数にかかわらず1年度あたり2人までになります。
補助金は、実績報告のあとに精算払いで入金されます。かかった費用は、いったん全額を自社で支払う必要があります。
何に使える?
対象にならないもの
- 採用後の生活支援
- 自社で実施した日本語学習や受入準備の費用
- 国内の移動費(鉄道・ガソリンなど)と、社員の渡航費
- 振込手数料、消費税、収入印紙代
- 補助金の申請書類をつくる費用
- 分割・リボ払い、ポイント・商品券・現金・手形での支払い
支払い方法の決まりは厳しく、翌月一括払い以外のカード払いは、その経費の全額が対象外になります。
対象になるもの
- 人材紹介会社に支払う手数料
- 内定者の日本語学習、受入計画づくりの採用コンサルティング
- 在留資格認定証明書の交付代行と、行政書士などへの相談費用
- 本人が日本へ来る航空機の費用(エコノミークラス相当、燃油サーチャージ等を含む)
在留資格認定証明書とは、海外から入国する人が事前に取る在留資格の証明書です。
渡航費は、航空券と各料金の内訳がわかる資料が必要です。総額しかわからない書類は、対象外になります。
申請の流れは?
- 県の雇用労政課に相談する(事業者→雇用労政課。契約や申込みの前に。電話 045-285-0649)
- 交付申請をする(事業者→県。e-kanagawa電子申請システムで、2027年2月12日までに)
- 交付決定を受ける(県→事業者。不備がなければ申請から1〜2週間が目安)
- 交付決定日以降に契約・支払いをして、2027年3月31日までに終える(事業者)
- 実績報告を出す(事業者→県。完了から30日以内か2027年4月30日の、早いほうまで)
- 補助額が確定し、入金される(県→事業者。報告から1か月ほど)
交付決定とは、県が補助金を出すと決めて通知することです。この通知の日の前日以前に結んだ契約と受入れは、補助の対象になりません。
手引きのQ&Aでは、申請から交付決定まで3週間程度という説明もあります。書類の不備があると、そのぶん補助期間が短くなります。
必要な書類
準備できた 0 / 7
全部事項証明書と納税証明書は、申請日の時点で発行から3か月以内のものです。個人事業主は、全部事項証明書の代わりに直近の確定申告書を付けます。見積書は「一式」と書かれたものを認めません。
実績報告では、契約書の写し、請求書や振込明細などの支払いを証する書類、雇用契約書の写し、在留資格認定証明書、通帳の写しを出します。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 交付決定の前に契約した:前日以前の契約・受入れは対象外です。紹介会社への申込みも含みます。
- 予算がなくなった:先着順で、申請額の合計が予算額に達すると、2月12日の前でも受付が終わります。
- 在留資格が認められなかった:在留資格の認定状況によっては、交付を受けられません。
- 3月31日までに終わらなかった:契約・受入れ・支払いの完了が間に合わなければ、対象外になります。
- 手数料が戻ってきた:補助金を受けたあとに人材紹介手数料の返還を受けたら、報告が必要です。補助金の全部か一部を返すことになります。
予算額は、県の公式ページや手引きに書かれていませんでした。先着順の制度なので、早めに雇用労政課へ相談することを勧めます。
併用と次年度の扱いは?
国や県の別の補助金を同じ経費に充てた場合は、その額を引いた残りが対象経費です。補助額が経費の総額を超えない範囲でしか使えません。
過去に補助を受けた会社は、次年度以降の対象人数が2人までに減ります。毎年3人ずつ使うことはできません。
よくある質問
技能実習や特定技能の人は対象になりますか?
対象の在留資格は「技術・人文知識・国際業務」と「高度専門職」の2つです。技能実習や特定技能は、県の定義に入っていません。工場や店舗の現場スタッフとして迎える場合は、予定している在留資格がこの2つのどちらかに当たるかを先に確かめてください。迷うときは、申請の前に県の雇用労政課へ相談します。
すでに日本にいる留学生を採用する場合は?
対象外です。県のQ&Aでは、国内にいる人が在留資格の変更許可を申請する場合は対象外とされています。対象は、これから入国する予定の人です。日本に在住している人を採る予定の会社は、この補助金を使えません。ただし、日本にいる人を雇う予定の会社でも、別に海外から呼ぶ人がいれば、その人の分は申請できます。
契約社員や派遣社員でも使えますか?
使えません。自社の県内事業所で働く正社員(無期雇用など)が対象です。派遣社員は、正社員として雇って他社に派遣する場合も対象外です。パートやアルバイトも対象になりません。紹介予定派遣は、申請の時点で計画に明記していれば、正社員採用で生じる人材紹介手数料が対象になる場合があります。
紹介会社とすでに契約している場合は?
契約日が交付決定日の前日以前なら、その経費は対象外です。補助金の申請より前に、補助事業に関する申込みや契約をした場合も同じです。以前から結んでいる基本取引契約書は、見積書の代わりになりません。基本契約書は補足資料にして、その人の分の見積書を別に出します。
本社が県外の会社でも申請できますか?
申請できます。県内に事業所か事務所があれば、本社が県外でも対象です。ただし、採用した人が県内の事業所で働くことが条件です。県外の事業所で働かせる予定の場合は、対象になりません。事業所には、本社のほか支店・営業所・出張所・工場なども含まれます。県内の拠点がどれに当たるか迷うときは、雇用労政課に確かめてください。
個人事業主は対象になりますか?
県のQ&Aでは、個人事業者も対象に含まれます。県内に事業所を持つ中小企業の基準を満たし、補助後のアンケートへの協力ができれば申請できます。個人事業主は、全部事項証明書の代わりに直近の確定申告書を出します。開業が2025年1月1日以降なら、開業届も付けます。
支払いはどんな方法なら認められますか?
銀行振込と口座振替が認められます。クレジットカードは、名義が申請者と同じで、決済日が補助期間内、かつ1回払いの場合に限ります。分割・リボ払いと、ポイント・商品券・仮想通貨・現金・手形での支払いは認められません。翌月一括払い以外にした経費は、全額が対象外です。
渡航費はどこまで対象ですか?
本人が日本へ来るための航空機費用が対象で、エコノミークラス相当に限ります。燃油サーチャージや空港施設使用料も含みます。鉄道やガソリンなど国内の移動費、社員が同行する渡航費は対象外です。航空券は、税金や料金の内訳がわかる資料が必要で、eチケット控えだけでは足りません。
採用は2027年3月31日までに終えないといけませんか?
契約・受入れと支払いを3月31日までに終えることが条件です。雇用開始が4月になる場合でも、経費が3月中に支払い済みなら対象になる場合があります。実績報告が3月31日に間に合わないときは、実施状況報告書(第4号様式)を同日までに出します。個別の計画は、雇用労政課に確かめてください。
補助金はいつ入金されますか?
実績報告のあとの精算払いです。不備のない実績報告書類を県が受け取ってから、1か月ほどが目安とされています。交付決定の時点では、お金は入りません。紹介手数料や航空券は、いったん自社で全額を支払う必要があります。資金繰りは、この前提で組んでおくと安心です。
人材紹介手数料を毎月払う契約でも使えますか?
3月31日までに納付が終わる分が対象です。たとえば12月から翌年5月までの6か月契約なら、3月31日までに支払う分だけが補助の対象になります。補助事業の完了日は、すべての手数料を払い終えた日です。支払いが年度をまたぐ契約は、あらかじめ県に相談しておきます。
採用したあとにやることはありますか?
補助を受けた翌年度から3年間、県が行う会社と本人へのアンケートに協力します。職場への定着状況や満足度を確かめる調査です。中途退職があったときは、退職理由の聞き取りにも応じます。この協力は対象者の条件の一つなので、申請の前に社内で担当者を決めておくと、3年間の対応が途切れません。
問い合わせ先はどこですか?
神奈川県の産業労働局 労働部雇用労政課 人材確保支援グループ(電話 045-285-0649)です。公式ページは、申請の前に雇用労政課へ問い合わせるよう案内しています。予算の残りや、自社の計画が対象になるかを確かめられます。経費に疑問があるときも、事前に協議する決まりです。
