従業員を外部の研修に出した費用の75%(上限50万円)を、熊本県が補助します。対象は社外の機関が開く、実訓練時間10時間未満の研修だけで、自社の勉強会や社員が講師の研修は使えません。
受講して費用を払ったあとに申請する事後払いの制度です。申請順に受け付けて、予算がなくなった時点で終わります。
熊本県リスキリング応援補助金の要点まとめ
正式名:熊本県リスキリング応援補助金
だれが
- 申請者
- 事業者(法人・個人事業主)
- 対象業種
- 業種の指定なし(県内に事業所がある中小企業等)
- 利用目的
- 従業員の外部研修の受講費・教材費・材料費
- 対象地域
- 熊本県内
- 従業員数
- 業種ごとの中小企業の基準以下(みなし大企業は対象外)
いくら
- 補助上限額
- 通常の従業員50万円/育休中の従業員15万円
- 補助率
- 補助対象経費の75%以内
いつ・どこへ
- 申請受付
- 訓練終了の翌日から3か月以内(最終は2027年2月15日)
- 事業の完了
- 訓練は2026年4月1日〜2027年2月15日に実施
- 公式サイト
- 熊本県「熊本県リスキリング応援補助金」
「中小企業」の基準は、業種ごとに資本金か常時使用する従業員数で決まっています。どちらか一方を満たせば足ります。
| 主たる業種 | 資本金 | 従業員数 |
|---|---|---|
| 製造業・建設業・運輸業 | 3億円以下 | 300人以下 |
| 卸売業 | 1億円以下 | 100人以下 |
| サービス業 | 5,000万円以下 | 100人以下 |
| 小売業 | 5,000万円以下 | 50人以下 |
| ソフトウェア業・情報処理サービス業 | 3億円以下 | 300人以下 |
| 旅館業 | 5,000万円以下 | 200人以下 |
ゴム製品製造業や、医療法人・社会福祉法人・商工会・NPO法人などは別の基準があります。「みなし大企業」は、大企業が株式の2分の1以上などを持つ会社のことで、規模が小さくても対象外です。
うちの会社は対象になる?
次の項目にすべて当てはまれば、対象の見込みです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 7
受講者は正社員に限りません。パート、アルバイト、短期契約の社員、外国人技能実習生も対象です。法人の役員は原則不可ですが、他の従業員と同じ指揮命令のもとで働いていると示せれば対象になります。
次のどれかに当たると対象外です。
- ✕ 自社の社員が講師の社内研修
- ✕ 実訓練時間が10時間以上
- ✕ 派遣社員や出向社員の受講
- ✕ みなし大企業
派遣社員と出向社員は、派遣元や出向元が費用を負担するリスキリングなら対象です。
いくら戻ってくる?
税抜の受講費・教材費・材料費の75%です。1円未満は切り捨てます。
- 外部の講座を税抜20万円で受ける:20万円 × 3/4 = 15万円
- 外部の講座を税抜70万円分受ける:70万円 × 3/4 = 52.5万円 → 上限の50万円
- 育休中の従業員が税抜25万円の講座を受ける:25万円 × 3/4 = 18.75万円 → 上限の15万円
上限の50万円に届くのは、税抜の対象経費が約66.7万円以上のときです。育休中の枠は20万円以上で届きます。
上限は1事業者あたりで、1事業所ごとではありません。通常の枠と育休中の枠は併用でき、合わせて最大65万円です。期間中は上限に達するまで何度でも申請できます。受講人数の上限はなく、同じ人が別の研修を受けても構いません。
何に使える?
対象にならないもの
- 交通費、宿泊費、飲食代
- 受講時間に応じた賃金
- 消費税、振込手数料
- 会員登録料や年会費
- 資格試験の受験料、修了証の発行料
- 定額制(サブスクリプション)のe-ラーニング
対象になるもの
- 受講費(受講料、授業料、入学料)
- 教材費(訓練で使う書籍、テキスト、ソフトウェア)
- 材料費(訓練で使う原材料)
教材費と材料費が受講費に含まれているときは、まとめて受講費として申請できます。
研修の種類と時間の条件
| 形式 | 条件 |
|---|---|
| 集合・対面 | 実訓練時間が10時間未満 |
| オンライン | 同時双方向で10時間未満 |
| e-ラーニング | 標準学習時間10時間未満、または標準学習期間1か月未満 |
| 通信制 | 標準学習時間10時間未満、または標準学習期間1か月未満 |
オンラインは、受講中に質疑応答ができる形に限ります。一方的な動画の視聴は対象外です。休憩やオリエンテーションの時間は、実訓練時間から除けます。
次の研修は、時間が10時間未満でも対象外です。
- 接遇、マナー、報連相など、どの職業にも共通する基礎研修
- 普通自動車免許の講習、日常会話程度の語学
- ハラスメント防止や意識改革の研修
- 講演会、見学会、ビジネス交流会、オンラインサロン
- 労働安全衛生法などで義務付けられた講習
- 受験だけで資格が得られる試験
管理職やチームリーダーが部下との接し方を学ぶ研修は、役割と受講目的が合っていれば対象になります。中型・大型免許やフォークリフトの講習も、仕事に関係があれば対象です。
申請の流れ
- 事前相談をする(任意。事業者→労働雇用創生課。電話096-333-2344。研修が対象かを確かめる。予算の確保はできない)
- 研修を受けて費用を払う(従業員→訓練実施機関。2026年4月1日〜2027年2月15日に終える)
- 必要書類をそろえる(事業者。電子データか写真で用意する)
- 申請フォームに入力する(事業者→県。研修が終わった翌日から3か月以内。遅くとも2027年2月15日まで)
- 審査と交付決定を待つ(県→事業者。「交付決定及び額の確定通知書」が郵送で届く)
- 請求書を出す(事業者→県。通知書が届いてから1週間以内)
申請は受講した研修ごとに出します。複数の研修を受けたときは、研修ごとに期限が別に来ます。通常の従業員と育休中の従業員では、申請フォームが別です。入力には15分ほどかかり、添付できるデータは30件までです。
補助金を受け取る前提で研修を実施しても、申請内容によっては対象外になります。研修の前に、対象になるかを窓口へ聞いておくのが安全です。
必要な書類
準備できた 0 / 8
納税証明書と履歴事項全部証明書は、申請日前3か月以内に発行されたものが要ります。履歴事項全部証明書は法人だけ、事業内容の書類は個人事業主だけです。本店が県外の法人は、県内の事業所の賃貸借契約書など、県内に事業所があると分かる書類も要ります。育休中の申立書(別記第4号様式)は、育休中の従業員の枠だけで要り、受講者本人の自署が必要です。受講証明書が出ない機関では、県のページにある参考様式を作ってもらいます。e-ラーニングと通信制は、修了証書や画面コピーなど修了を示す書類が要ります。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 申請期限を過ぎた:研修が終わった翌日から3か月、遅くとも2027年2月15日までです。過ぎた申請は原則受け付けません。
- 予算がなくなった:申請順の受付で、予算がなくなれば終わります。受け取る前提で受講していても、全額が自己負担になります。
- 対象外の研修を受けた:10時間以上、社内研修、サブスクのe-ラーニングなどは対象になりません。
- 他の補助と重ねた:国や県、市町村の別の補助を受ける研修は対象外です。申請後に別の補助を使うこともできません。
- 不正受給に巻き込まれた:「実質無料になる」「キャッシュバックがある」と勧められたら断ります。疑わしいときは県へ情報提供します。
国の助成金や地震の特例はどうなる?
10時間以上の研修は、この補助金の対象外です。国の人材開発支援助成金が使える場合があるので、熊本労働局助成金センター(電話096-312-0086)へ聞きます。商工会や組合など、官公庁以外の団体からの補助は併用できます。
令和8年熊本地震の影響でやむを得ず期限内に出せなかったときは、研修終了から3か月を過ぎた申請も受け付けます。最終の2027年2月15日は延びません。申請フォームの備考欄に理由を書き、り災証明書などの追加書類は不要です。
よくある質問
社内の勉強会や先輩社員が講師の研修は対象になりますか?
対象になりません。事業主が企画して外部講師を招く研修や、別の従業員が講師を務める社内研修は、この補助金の対象外です。対象は、社外の訓練実施機関が開く研修です。事業主と実施機関が内容を話し合って決めるオーダーメイド型は、1事業者向けの開催を想定した募集であることなどが分かれば対象になる場合があります。迷うときは事前相談をしてください。
10時間以上の研修は対象になりますか?
対象になりません。集合・対面とオンラインは実訓練時間が10時間未満、e-ラーニングと通信制は標準学習時間10時間未満か標準学習期間1か月未満が条件です。内容につながりのある研修を分けて受けた場合は、合計して一連の研修と判断され、10時間以上なら対象外です。内容につながりがなければ、別々の研修として扱われます。
通常の従業員の枠と育休中の枠は同時に使えますか?
同時に使えます。申請フォームは別々で、上限も別です。通常の従業員は1事業者あたり50万円、育休中の従業員は1事業者あたり15万円で、合わせて最大65万円になります。育休中の従業員が自分の意思で受ける研修が対象で、事業主から勧められた場合でも、本人が受けると決めたものであれば構いません。
資格の受験料は補助されますか?
補助されません。教育訓練のあとに受ける資格試験の受験料は、対象経費に含まれないためです。講習を受けずに単独で受験して資格が得られる試験も対象外です。講習の最後に確認テストがあり、それで資格が得られる場合は、試験の時間を除いて時間数を判定し、受験料を引いて補助額を計算します。
研修のための交通費や宿泊費は対象ですか?
対象外です。対象経費は受講費、教材費、材料費の3つで、交通費、宿泊費、飲食代は含みません。受講時間に応じた賃金や、会員登録料・年会費、修了証の発行料も対象外です。領収書に対象外の費用が含まれているときは、内訳が分かる資料を付けて、その金額を除いて申請します。
税込みの金額で申請してよいですか?
税抜の金額で申請します。消費税は対象外で、税込みで出すと修正を求められます。領収書に税抜価格が書かれていないときは、割り戻した税抜価格で計算します。振込手数料も対象外なので、経費に含めないでください。補助額は、税抜の対象経費の合計に3/4を掛け、1円未満を切り捨てて出します。
先に支払わないと申請できませんか?
申請日までに支払いが終わっていることが条件です。領収書や振込明細書などの写しを添付します。受講費の支払いは受講の後でも構いません。つまり、費用を自社で立て替えて、補助金は申請と審査のあとに受け取る流れです。先払いしたのに受講しなかった従業員の分は、対象外になります。
申請の締切はいつですか?
研修が終わった日の翌日から3か月を過ぎた日と、2027年2月15日のうち、早いほうが締切です。たとえば2026年8月10日に研修が終わると、11月10日までに申請します。2027年1月20日に終わると、3か月後より先に2月15日が来るので、2月15日までです。複数の研修を受けるときは、研修ごとに期限が別になります。
パートや外国人技能実習生の受講も対象ですか?
対象です。県内の事業所で働き、申請する事業者と雇用契約を結んでいれば、雇用形態や勤務時間は問われません。完全在宅勤務でも、県内の事業所に所属していれば受講できます。ボランティアのスタッフは雇用された労働者ではないので対象外です。個人事業主の配偶者や親族は、6か月を超えて従事する15歳以上の事業専従者なら対象になります。
個人事業主本人の受講は対象になりますか?
対象になります。県内の事業所で、事業主本人が業務に従事していれば受講できます。ただし、個人事業主やフリーランスの方が開く訓練は、実施機関としては対象外です。申請には、事業の内容が分かる書類が要ります。開業届の写しなどが例で、マイナンバーは黒塗りにして出します。
問い合わせ先はどこですか?
熊本県商工労働部の労働雇用創生課です。電話は096-333-2344、メールはroukosousei@pref.kumamoto.lg.jpで、平日の9時から12時と13時から16時に対応しています。自社が中小企業に当たるか、受ける予定の研修が対象かは、研修を申し込む前に聞いておくと安心です。申請書類の追加や修正をお願いされることもあります。
