先端設備を入れたら、いくら戻ってくるのか。結論から言うと、対象経費の1/2、上限500万円です。
対象は、久留米市内の中小企業者・個人事業主。ただし条件が1つあります。「先端設備等導入計画」の認定を、市から先に受けていることです。設備を買ってから申請しても、間に合いません。
受付期間は令和8年7月1日〜12月28日。ただし予算の上限に達すれば、その時点で締め切られます。
あなたの会社は対象になるのか
結論から言うと、次の3つを満たせば対象です。
- 中小企業等経営強化法上の「中小企業者」であること
- 令和7年4月1日以降に先端設備等導入計画の認定申請を行い、市の認定を受けていること
- 従業員を1名以上雇用しており、市税を滞納していないこと
「みなし大企業」に該当する場合は、資本金・従業員数の基準を満たしていても対象外です。ここは商工政策課への事前確認が確実です。
対象になる例、ならない例を挙げます。
- 対象になる:製造業の会社が、先端設備等導入計画の認定を先に取得してから、生産性向上に資する機械を発注した
- 対象になる:個人事業主の飲食店が、認定取得後に厨房設備を入れ替えた
- 対象外になる:認定を受ける前に、すでに設備を発注・契約してしまった
- 対象外になる:資本金基準は満たすが、大企業の子会社で「みなし大企業」に該当した
対象になる設備は「投資利益率5%以上」がライン
対象になる設備は、次の最低取得価額と、収益性の要件の両方を満たす必要があります。
| 設備区分 | 最低取得価額 |
|---|---|
| 機械装置 | 160万円以上 |
| 器具備品 | 30万円以上 |
さらに、次の2つの要件も必須です。
- 年平均の投資利益率が5%以上見込まれること
- 新品であること(中古・リース・割賦販売は対象外)
投資利益率5%とは、どのくらいの水準か。200万円の機械なら、年10万円の利益改善で届くラインです。たとえば、200万円の工作機械を導入して段取り替えの時間が短縮され、外注していた加工を内製化。年12万円の外注費が浮けば、投資利益率は6%で要件をクリアします。
賃上げ方針が、交付の「入口」になる
この補助金でいちばん見落とされやすいのが、賃上げ方針の表明です。
先端設備等導入計画の中で、雇用者給与等支給額の増加率を1.5%以上とする方針を従業員に表明することが交付要件になっています。設備投資の中身がどれだけ良くても、この表明がなければ計画自体が認定されません。
「設備投資はしたいが、賃上げまでは決めていない」という会社は、まずここを社内で固めるところから始めることになります。
この認定は、固定資産税の軽減にもつながる
先端設備等導入計画の認定は、国の制度にもとづくものです。認定を受けると、対象設備の固定資産税が一定期間軽減される仕組みが全国共通で用意されています。賃上げ方針1.5%以上なら3年間2分の1、3%以上なら5年間4分の1への軽減が、国が定める標準的な水準です。
つまり、同じ「先端設備等導入計画の認定」を使って、固定資産税の軽減と、久留米市独自の現金補助(本制度)の両方を受けられる可能性があるということです。認定を取る手間は1回で済み、その先に2つの支援がぶら下がっている、という構造です。
申請の順番を間違えると、まるごと対象外になる
この補助金の対象になるかどうかは、順番で9割決まります。
- 経営革新等支援機関(税理士・商工会議所等)に投資計画を確認してもらう
- 先端設備等導入計画の認定申請を市に提出する
- 市の認定を受ける
- 補助金の交付申請を行う
- 交付決定後に設備を発注・契約する
- 設備を取得し、実績報告を提出する
認定より前、あるいは交付決定より前に設備を発注してしまうと、その経費は補助対象になりません。「いい機械が見つかったから、話が進む前に契約だけ」という動き方が、いちばん危険です。
よくある質問
個人事業主でも対象になりますか?
対象になります。中小企業等経営強化法上の「中小企業者」に該当し、先端設備等導入計画の認定を受けていれば、法人・個人を問いません。
中古設備やリース設備は対象になりますか?
対象外です。補助対象設備は新品であることが条件で、中古品・リース・割賦販売による取得は含まれません。
賃上げ方針を達成できなかった場合、補助金は返還になりますか?
公式ページには賃上げ方針の「表明」が交付要件として明記されていますが、未達成時の返還規定の詳細は明記が確認できませんでした。申請前に商工政策課へ直接確認することをおすすめします。
先端設備等導入計画の認定手続きや、交付決定前の発注をめぐる線引きなど、実務の進め方に迷う場合は、他の自治体の設備投資系補助金にも共通する落とし穴をGRANTOS公式LINEの登録者限定ページで紹介しています。
免責事項: 本記事の内容は2026年7月時点で確認できた情報にもとづきます。補助額・補助率・対象要件・受付状況は変更される場合があるため、申請前に必ず久留米市の公式ページおよび最新の交付要綱でご確認ください。
出典:
この補助金の概要(早見表)
| 検索項目 | 内容 |
|---|---|
| 申請者 | 事業者(法人・個人事業主) |
| 制度名 | 久留米市中小企業先端設備等導入支援補助金 |
| 対象業種 | 業種指定なし(中小企業者・個人事業主) |
| 利用目的 | 生産性向上のための先端設備投資(賃上げ方針とセット) |
| 対象地域 | 福岡県久留米市 |
| 従業員数 | 中小企業等経営強化法上の中小企業者(従業員1名以上雇用) |
| 補助上限額 | 500万円 |
| 補助率 | 1/2 |
| 申請受付 | 令和8年7月1日〜12月28日(予算上限到達で早期終了) |
| 公式サイト | https://www.city.kurume.fukuoka.jp/1090sangyou/2020shoukougyou/3020joseiseido/2026-0617-1553-74.html |
※この表の項目(対象業種・利用目的・対象地域・従業員数)は、GRANTOSの補助金診断の検索軸に対応しています。
先端設備等導入計画の認定と補助金交付申請の順番、賃上げ方針の固め方など、実務の進め方に迷う場合は専門家に相談するのも一つの手です。
