「先端設備等導入計画」の認定を受ければ、自動的にこの補助金がもらえるわけではありません。認定は固定資産税の軽減措置につながる別枠の手続きで、この補助金を受け取るには、認定を受けたうえであらためて交付申請が必要です。この2つを混同すると、「認定は取ったのにお金が振り込まれない」という状況になります。
久留米市の「中小企業先端設備等導入支援補助金」は、先端設備等導入計画にもとづく設備投資に、対象経費の2分の1(上限500万円)を補助する制度です。申請期限は令和8年12月28日までです。
中小企業先端設備等導入支援補助金の要点まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 申請者 | 事業者(法人・個人事業主) |
| 制度名 | 久留米市中小企業先端設備等導入支援補助金(令和8年度) |
| 対象業種 | 業種指定なし(中小企業等経営強化法上の中小企業者) |
| 利用目的 | 先端設備等導入計画に基づく設備投資(賃上げ環境整備) |
| 対象地域 | 福岡県久留米市 |
| 従業員数 | 従業員1名以上を雇用(業種ごとに資本金・従業員数の基準あり) |
| 補助上限額 | 500万円 |
| 補助率 | 1/2 |
| 申請受付 | 令和8年7月1日〜12月28日(予算上限に達し次第終了) |
| 公式サイト | 久留米市「中小企業先端設備等導入支援補助金」 |

「先端設備等導入計画」と、この補助金の関係
先端設備等導入計画とは、生産性向上特別措置法(現・中小企業等経営強化法)にもとづき、中小企業が生産性を高める設備の導入計画を市区町村に認定してもらう仕組みです。認定を受けると、対象設備の固定資産税が一定期間軽減される優遇措置があります(賃上げ方針1.5%以上なら3年間2分の1、3%以上なら5年間4分の1に軽減)。
久留米市のこの補助金は、その認定を受けた事業者に対して、さらに設備導入費の一部を現金で補助する上乗せ制度です。認定を取る手続きは1回で済みますが、そこに固定資産税の軽減と、久留米市独自の現金補助という2つの支援がぶら下がっている、という構造だと理解すると分かりやすくなります。
対象になる事業者、ならない事業者
- 中小企業等経営強化法第2条第1項に規定する中小企業者であること(業種ごとに資本金と従業員数の上限が決まっており、製造業その他は資本金3億円以下または従業員300人以下、卸売業は1億円以下または100人以下、小売業は5,000万円以下または50人以下、サービス業は5,000万円以下または100人以下。どちらか一方を満たせば該当します)
- 先端設備等導入計画の認定申請、または変更認定申請を令和7年4月1日以降に行い、久留米市の認定を受けていること
- 市税を滞納していないこと
- 従業員を1名以上雇用していること
- 暴力団排除条例等に該当しないこと
資本金・従業員数の基準を満たしていても、大企業が株式の過半を持つ会社など「みなし大企業」に該当する場合は対象外です。先端設備等導入計画の認定を受けていない事業者も、この補助金単体では申請できません。
対象設備は「金額」と「収益性」の両方が条件
対象になる設備は、次の最低取得価額を満たす必要があります。
| 設備区分 | 最低取得価額 |
|---|---|
| 機械装置 | 160万円以上 |
| 器具備品 | 30万円以上 |
金額の条件に加えて、次の2つも必須です。
- 年平均の投資利益率(営業利益+減価償却費の増加額÷設備投資額)が5%以上見込まれること
- 新品であること(中古・リース・割賦販売は対象外)
投資利益率5%は、たとえば200万円の機械を導入し、段取り替えの時間短縮で外注加工を内製化、年12万円の外注費が浮けば投資利益率6%となり要件をクリアする、という水準です。この確認には認定経営革新等支援機関(国が認定した支援機関で、商工会議所・金融機関・税理士等が該当します)の関与が必要です。
賃上げ方針が、認定の「入口」になる
先端設備等導入計画の認定を受けるには、雇用者給与等支給額を1.5%以上、または3%以上増加させる賃上げ方針を策定し、従業員(または従業員代表)に表明する必要があります。この賃上げ方針の表明がなければ、そもそも計画自体が認定されず、補助金の申請にたどり着けません。設備投資の中身がどれだけ良くても、この表明がなければ入口の時点で止まります。
申請の順番を間違えると、まるごと対象外になる
この補助金は、順番が結果を左右します。
- 認定経営革新等支援機関に投資計画を確認してもらう
- 先端設備等導入計画の認定申請を市に提出する
- 市の認定を受ける
- 補助金の交付申請を行う
- 交付決定後に設備を発注・契約する
- 設備を取得し、実績報告を提出する
認定より前、あるいは交付決定より前に設備を発注してしまうと、その経費は補助対象になりません。「いい機械が見つかったから、話が進む前に契約だけ」という動き方が、いちばん危険です。
よくある質問
先端設備等導入計画の認定さえあれば補助金はもらえますか?
もらえません。認定は固定資産税の軽減措置につながる手続きで、この補助金は別途交付申請が必要です。
中古設備やリース設備は対象になりますか?
対象外です。補助対象設備は新品であることが条件で、中古品・リース・割賦販売による取得は含まれません。
個人事業主でも申請できますか?
できます。中小企業等経営強化法上の中小企業者に該当し、従業員を1名以上雇用していれば、法人・個人を問いません。
