後継者がいない。それでも会社をたたむのではなく、第三者に譲って事業を続けたい――そう考えたとき、最初に立ちはだかるのが財務・労務の調査費や契約書作成費といった、譲渡そのものにかかるお金です。相手先が見つかっても、この初期費用の見積もりで止まってしまう事業者は少なくありません。
京都府のM&A型事業承継支援補助金は、この事業引継ぎにかかる経営統合費用を支援する制度です。補助率は2分の1以内・上限100万円で、実施主体は公益財団法人京都産業21です。
M&A型事業承継支援補助金の要点まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 申請者 | 事業者(法人・個人事業主) |
| 制度名 | M&A型事業承継支援補助金 |
| 対象業種 | 指定なし(京都府内の中小企業。大企業を除く) |
| 利用目的 | 事業承継(株式譲渡・事業譲渡に伴う経営統合費用) |
| 対象地域 | 京都府内 |
| 従業員数 | 規定なし(公式ページに記載なし。京都産業21へお問い合わせください) |
| 補助上限額 | 100万円 |
| 補助率 | 対象経費の2分の1以内 |
| 申請受付 | 令和8年4月7日~令和9年2月26日17時必着(郵送または持参) |
| 公式サイト | 京都産業21「M&A型事業承継支援補助金」 |

自分の会社は対象になる?
対象になるのは、株式譲渡や事業譲渡を行う京都府内の中小企業です。中小企業基本法第2条第1項に規定する中小企業者が対象で、大企業は対象外です(業種ごとに資本金と従業員数の上限が決まっており、製造業その他は資本金3億円以下または従業員300人以下、卸売業は1億円以下または100人以下、小売業は5,000万円以下または50人以下、サービス業は5,000万円以下または100人以下。どちらか一方を満たせば該当します)。
さらに要件として、事業譲渡後も常時使用する従業員の雇用維持に努め、事業拠点を京都府内に維持することが求められます。譲渡先が見つかっても、雇用や拠点を府外に移す計画では対象外になる可能性があるため、譲渡条件を詰める段階でこの点を意識しておく必要があります。
いくら戻るか計算する
対象経費として明記されているのは、財務・労務調査費、契約書作成費、登記変更費用、移転・移設費などです。人件費は対象経費から除外されます。
補助率は2分の1以内、上限は100万円です。たとえば譲渡にあたって財務・労務のデューデリジェンス費用に80万円、契約書作成費用に40万円をかけたとすると、合計120万円の対象経費のうち2分の1は60万円。上限100万円の範囲内なので実際に補助されるのは60万円という計算になります。逆に対象経費が240万円かかった場合は、2分の1の120万円ではなく、上限の100万円が補助額になります。
つまずきやすい順番の話
この制度でいちばん重要なのは、申請前にコーディネーターによる事前相談が必須という点です。京都産業21の京都中小企業事業継続・創生支援センターに相談し、事業の内容を確認してもらってから申請する流れになっています。譲渡契約を先に結んでしまってから相談すると、対象経費として認められる範囲が想定より狭くなる可能性があります。
申請は令和9年2月26日17時必着(郵送または持参)までですが、譲渡や統合の実務は時間がかかるため、早めにコーディネーターへ相談を始めることをおすすめします。
書類をそろえる
申請にあたっては交付申請書のほか、譲渡契約に関する資料、対象経費の見積書・契約書等が必要になると見込まれます。人件費が対象外である点も踏まえ、どの費用が対象経費に該当するか、事前相談の段階で明確にしておくとスムーズです。
よくある質問
個人事業主の事業譲渡でも対象になりますか?
公式ページでは「中小企業」と表記されており、個人事業主が含まれるかどうかの明記はありません。事前相談の際に京都産業21へ確認することをおすすめします。
従業員の雇用は必ず維持しなければなりませんか?
公式ページでは「事業譲渡後も常時使用する従業員の雇用維持に努め」ることが要件とされています。「努める」という表現のため、完全な維持義務かどうかは事前相談で確認しておくと安心です。
人件費は本当に対象外ですか?
はい。公式ページの案内では、経営統合に必要な費用のうち人件費は対象経費から除外されると明記されています。
