松阪市の中小企業収益力向上・賃上げ環境整備補助金は、令和8年度分の受付を終えています。一次募集は5月21日に終わり、9月14日から始まった二次募集も予算の上限に達して終了しました。三次募集の案内は、市の公式ページにありません。
この補助金は設備導入や新事業で収益を上げる取組を支えます。小規模企業等は、賃上げが交付の条件になりません。次の募集に備えて、要件と準備の順番をまとめます。
松阪市 収益力向上・賃上げ環境整備補助金の要点まとめ
正式名:松阪市中小企業収益力向上・賃上げ環境整備補助金
だれが
- 申請者
- 事業者(法人・個人事業主)
- 対象業種
- 業種の指定なし
- 利用目的
- 設備導入・DX・事業再構築・販路開拓で収益力を上げる
- 対象地域
- 三重県松阪市
- 従業員数
- 業種ごとの中小企業の基準(小規模企業等は別枠)
いくら
- 補助上限額
- 300万円(下限10万円)
- 補助率
- 1/2以内
いつ・どこへ
- 申請受付
- 2026年4月1日〜2026年9月30日(予算上限で受付終了)
次の募集で、自社は対象になるか
次の3つにすべて当てはまれば、対象の見込みです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 3
事業所は、対外的に独立して事業をしていると認められるものです。二次募集では、登記簿や確定申告書などの公的な書類で所在地を確かめるとされていました。青色申告は、交付要綱では法人も個人も条件です。二次募集の案内には、法人は「法人税の申告」と書かれていました。
次のどれかに当たると対象外です。
- ✕ 風俗営業の事業者・政治団体・宗教団体
- ✕ 暴力団と関わりがある
- ✕ 同じ事業で国や県の補助金を受けた
「中小企業」は、交付要綱が中小企業法(中小企業基本法のこと)第2条に準じて定めています。業種ごとに資本金と従業員数の上限があり、どちらか一方を満たせば該当します。製造業その他は資本金3億円以下または従業員300人以下です。卸売業は1億円以下または100人以下、小売業は5,000万円以下または50人以下、サービス業は5,000万円以下または100人以下です。個人事業主と事業協同組合なども対象に入ります。
「小規模企業等」は、常時使用する従業員が商業・サービス業で5人以下、宿泊業・娯楽業と製造業その他で20人以下の事業者です。この区分に当たる人は、様式第4号の申出書を出すと、賃上げが交付の条件になりません。申出書は誓約書の代わりにもなります。
いくら戻ってくる?
補助額は、対象経費の2分の1です。1,000円未満は切り捨てます。上限は300万円、下限は10万円です。
- 食品加工の事業者が包装機を入れる:120万円 × 1/2 = 60万円
- 美容室が予約管理システムと会計ソフトを入れる:40万円 × 1/2 = 20万円
- 金属加工の事業者が工作機械を入れる:800万円 × 1/2 = 400万円 → 上限の300万円
上限の300万円に届くのは、対象経費が600万円以上のときです。消費税は対象経費に入らないので、税抜の金額で計算します。
交付要綱は、下限を10万円と定めています。補助額が10万円を下回る申請の扱いは、書かれていません。経費が20万円前後なら、申請の前に商工政策課へ確かめてください。
何に使える?
対象にならないもの
- パソコン、タブレット、プリンタ、カメラ、ポータブル電源などの汎用品(二次募集の案内)
- 人件費(講師や専門家への謝金は除く)
- 消耗品、光熱水費などのランニングコスト、保守、視察の費用(二次募集の要領)
- 営業車などの一般車両、営業のための事務所の整備費(二次募集の要領)
- 不動産の取得・賃借、飲食・接待、申請手続きの費用
- 消費税、振込手数料、保証金、公租公課
- ウェブサイト関連費を除く広告宣伝費を、単独で申請すること
対象になるもの
- 設備・備品の購入やリース、事業専用車両、ソフトウェアの購入
- 工事費・設計費・コンサルティング費、ソフトウェアの開発費
- 新商品・新サービスの開発費(試作品、市場調査、パッケージデザインなど)
- 新しい事業に使う店舗の改装費
- ウェブサイトやECサイトの構築・改良費
- 広告宣伝・販売促進費(他の経費と合わせて申請する場合だけ)
設備は原則として新品です。中古は、市長が必要と認めた場合に限り、残りの法定耐用年数が2年以上の機械が対象になります。汎用品を外すのは、事業の収益力に直結するかを市が見極めたいからと読めます。ただし、どこまでが汎用品かは公式に例示がありません。迷う機器は、見積書を取る前に商工政策課へ聞いてください。
対象事業は次の6つです。
- 省力化・作業効率化・生産能力増強のための設備導入、DXの導入
- サプライチェーンの強靭化のための部素材の内製化、製造工程の見直し
- 需要が見込める分野へ移って収益の柱を作る事業再構築
- 新商品・新サービスの開発、新事業の立ち上げ
- ブランド力の強化や新しい顧客層の掘り起こしにつながる販路開拓
- その他、市長が認める収益力向上の事業
申請の流れ
二次募集は先着順の受付でした。その流れをもとに、順番を示します。
- 募集の告知を確かめる(事業者→松阪市の公式ページ。受付は予算の上限で終わる)
- 見積書を取る(事業者→取引先。申請予定額は見積書の金額で入力し、概算は不可)
- 受付に申し込む(事業者→市。先着で、予算の枠に入った人にメールで提出フォームが届く)
- 申請書類を出す(事業者→商工政策課。二次募集では9月30日まで)
- 交付決定を受けてから事業を始める(市→事業者)
- 事業を終えたら実績報告を出す(事業者→市。完了から30日後か、市が定める期限の早い日まで)
- 額の確定を受けて請求書を出す(事業者→市。支払いはこの後の精算払い)
令和8年度分の実績報告の期限は、令和9年1月29日でした。受付後の審査は100点満点の評点式で、60点に届かないと不採択です。見られるのは採算性、実現性、持続性、積極性、経済合理性の5つで、採算性と実現性の配点が高くなっています。
必要な書類
準備できた 0 / 8
見積書は原則として2社以上で、積算は最も安い見積額で行います。特注品などで比べにくい場合は、相談できます。申出書(様式第4号)は小規模企業等だけが出し、誓約書の代わりになります。確定申告書は、個人なら第一表・第二表と青色申告決算書、法人なら決算報告書・法人税確定申告書(別表1)・法人事業概況説明書の写しです。交付要綱には、事業の収支見通しも挙がっています。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 交付決定の前に発注した:交付決定の前に契約・購入した経費は対象外です。二次募集の要領は例外に触れていません。交付要綱には、緊急でやむを得ないとき交付決定前着工等届(様式第5号)で先に発注できる定めがあり、発注日は令和8年2月24日以降に限ります。
- 賃上げの約束を果たさない:中小企業は、賃上げ計画に沿った引上げが交付の条件です。実績報告から6か月のあいだは、解雇や時間当たり賃金の引下げもできません。
- 目的に反して使った:補助で買った設備を市の承認なしに譲渡・貸付・担保にすると取り消されます。単価50万円以上の財産は、耐用年数の期間が処分の制限を受けます。
- 同じ事業で別の補助金も受けた:国・県・ほかの市町の補助金と重なると、交付決定が取り消されることがあります。
取り消されると、補助金の返還を命じられます。受け取った日から納付の日までの加算金は、年10.95%です。
併用できる補助金は?
この補助金は、一つの事業者に年度で1回だけ交付されます。次の3つは、重複して申請できません。
- 本補助金
- 松阪市農業経営体物価高騰緊急対策事業補助金
- 松阪市中小企業エネルギー価格高騰対策緊急支援補助金
同じ人が役員として登記されている複数の事業所から申請した場合も、交付されるのは一つの事業所だけです。
この補助金は、国の物価高騰対策重点支援交付金を使っています。交付金を財源にする制度は、国の方針しだいで翌年度の姿が変わります。次の募集の有無は、公式ページに書かれていません。市の補助金一覧で、告知を待ってください。
よくある質問
次の募集はありますか?
令和8年度分は、一次募集が5月21日に、二次募集が9月14日からの受付で終わりました。三次募集や令和9年度の予定は、公式ページに書かれていません。一次で辞退や減額が出て予算に残りが生じたことで、二次は開かれました。この補助金は国の物価高騰対策重点支援交付金を使っているため、次の姿は国の方針にも左右されます。告知は市の補助金一覧で確かめ、商工政策課にも聞いておくと安心です。
一次募集で決定を受けた人は二次に申請できましたか?
二次募集には申請できませんでした。令和8年度の一次募集で交付決定または不交付決定を受けた事業者は、対象外と案内されていました。一方で、一次募集の受付後に申請を自分で取り下げた人は、二次に申請できました。決定の通知を受ける前にやめた場合と、受けた後では扱いが分かれます。今後も同じ分け方になるかは分からないので、募集要領で確かめてください。
小規模企業等は賃上げをしなくてもよいですか?
小規模企業等は、賃上げが交付の条件になりません。常時使用する従業員が、商業・サービス業で5人以下、宿泊業・娯楽業と製造業その他で20人以下の事業者です。様式第4号の小規模企業等である旨の申出書を出すと、この扱いになります。申出書は誓約書の代わりにもなり、実績報告で賃金台帳の写しも要りません。賃上げの代わりに、事業で収益力が上がったことの確認が交付の条件になります。
中小企業は賃上げでどんな約束をしますか?
中小企業は、事業計画書の賃金引上げ計画に、賃上げの対象となる従業員と時間給換算の賃金を書きます。全員を書く必要はありません。賃金の比較月は、令和7年4月1日以降の直近の賃上げ時点か、令和7年4月1日のうち遅い方です。実績報告では、賃上げ後の賃金を比べます。賃上げが済んでいなければ、様式第13号の誓約書を出し、報告から6か月は解雇や賃下げをしない約束をします。
パソコンやタブレットは対象になりますか?
対象になりません。二次募集の案内に、パソコン、タブレット、プリンタ、カメラ、ポータブル電源などの汎用性の高いものは対象外と書かれています。一方、事業に専用の機械や設備、ソフトウェアは対象になりえます。汎用品との境目は、公式ページに細かい例がありません。レジやPOS端末のように迷う機器は、見積書を取る前に商工政策課へ聞いてください。聞いた内容は、メモに残しておくと後で役立ちます。
交付決定の前に発注してもよいですか?
交付決定の通知を受けてから発注します。二次募集の要領には、交付決定前に契約・購入した経費は対象外とあり、例外の記載はありません。一方、交付要綱には、緊急でやむを得ない事情があるときに交付決定前着工等届(様式第5号)を出せば先に発注できる定めがあります。この場合も、発注は令和8年2月24日以降に限ります。届を使えるかは募集ごとに違うおそれがあるので、先に商工政策課へ確かめてください。見積書を取るだけなら構いませんが、発注書を出すのは交付決定のあとにしてください。
青色申告をしていない場合は申請できませんか?
交付要綱では、法人は法人税の青色申告、個人は所得税の青色申告をしていることが、補助対象者の条件です。二次募集の案内では、法人は法人税の申告をしていることと書かれていて、表現に差があります。白色申告の個人は、条件を満たしません。次の募集に出るつもりなら、青色申告の承認を受けているかを、先に税務署や税理士に確かめておきましょう。
中古の機械も補助されますか?
設備・備品の購入は、原則として新品が対象です。中古は、収益力の向上につながり、市長が必要と認めた場合だけ対象になります。その場合も、法定耐用年数から経過した年数を引いた残りが2年以上の機械等という条件があります。購入を考えているなら、中古で足りる理由を事業計画書に書けるようにしておいてください。リースも対象経費に入ります。
いつ補助金が振り込まれますか?
補助金は、事業を終えて実績報告を出したあとに支払われます。市が報告を審査し、補助金の額を確定して通知します。その通知を受けてから、請求書(様式第15号)を出すと振り込まれる流れです。つまり、設備の代金はいったん自分で支払う必要があります。実績報告に使う領収書や支払の明細は、補助事業の帳簿とともに年度の終了後5年間は保管してください。
広告宣伝費だけで申請できますか?
できません。広告宣伝・販売促進費は、他の補助対象経費と合わせて申請する場合に限り対象になります。チラシやCMの費用だけでは出せないので、設備やシステム、商品開発などの事業とセットで考えます。ウェブサイトやECサイトの構築・改良費は、広告宣伝費とは別の区分で、単独でも対象になりえます。区分の判断に迷う費用は、事前に商工政策課へ相談してください。
同じ会社の別の事業所でも申請できますか?
同じ人が役員として登記されている複数の事業所から申請があっても、補助金が交付されるのは一つの事業所だけです。二次募集の案内では、すでに交付決定を受けた事業者と同じ人が役員に入っている事業者の申請も、対象外とされていました。グループ会社や関係する法人が複数あるときは、どの事業所で申請するかを先に決めておく必要があります。
問い合わせ先はどこですか?
松阪市の産業文化部商工政策課 勤労消費者係(電話 0598-53-4338)です。対象になるか、経費の区分、申請書類の書き方で迷ったときは、申請の前に問い合わせると出し直しを防げます。受付は先着順で予算の上限に達すると終わるため、告知が出たらすぐ動けるよう、見積書や確定申告書の写しを前もってそろえておくと安心です。
