小規模な法人が手を組めば、採用や研修を共同で進める費用を補助してもらえるのか。この補助金は、その取組を経費の5分の4まで支援する制度です。ただし令和8年度分の受付は、令和8年7月31日(金)17時で終了しました。
グループの代表として申請できるのは、介護保険サービスの事業所を運営する法人だけです。障害福祉や児童福祉の法人はメンバーとして入れますが、代表にはなれません。次に募集があるときのために、誰が代表になるかを先に決めておくと動きやすくなります。
事業者グループ職場環境改善協働実施推進補助金の要点まとめ
正式名:事業者グループ職場環境改善協働実施推進補助金
だれが
- 申請者
- 事業者(複数の法人で組むグループ。代表は介護事業所の法人)
- 対象業種
- 介護・障害福祉・児童福祉などの福祉事業所
- 利用目的
- 合同採用、共同研修、制度の共通化、老朽設備の更新
- 対象地域
- 長崎県内
- 従業員数
- 小規模法人(1法人1施設・事業所)を1つ以上含む
いくら
- 補助上限額
- 1グループ1,200万円、かつ1法人120万円(訪問介護は150万円)
- 補助率
- 5分の4
いつ・どこへ
- 申請受付
- 令和8年7月31日17時まで(6月16日から。受付終了)
- 事業の完了
- 令和9年2月19日まで
自分たちのグループは対象になる?
次の3つにすべて当てはまれば、対象の見込みです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 3
小規模法人は、募集要項で「1法人あたり1施設又は事業所のみを運営するような法人等」とされています。法人の数に上限はなく、最少の法人数も資料に書かれていません。
次のどれかに当たると対象外です。
- ✕ 1つの法人だけで申請する
- ✕ 小規模法人が1つも入らない
- ✕ 障害・児童福祉の法人が代表
メンバーに入れる法人は広く、介護事業所のほか、老人福祉法の施設・事業所、障害者総合支援法の障害福祉サービス事業所、児童福祉法の児童福祉サービス事業所も含まれます。介護保険サービス以外の福祉サービスだけを運営する法人も入れます。
いくら補助される?
補助率は5分の4です。上限は2段になっていて、グループ全体で1,200万円、かつ1法人につき120万円です。訪問介護事業所を経営する法人は、1法人の上限が150万円になります。
- 県の入力例(5法人、うち訪問介護の法人が2):対象経費335万円 × 4/5 = 268万円。上限は120万円 × 3 + 150万円 × 2 = 660万円なので、上限の内側です
- 同じ5法人で対象経費が900万円:900万円 × 4/5 = 720万円 → 上限の660万円
グループ全体の1,200万円に届くには、1法人120万円なら10法人、訪問介護の150万円なら8法人が必要です。小規模なグループでは、全体の上限より法人ごとの上限が先に効きます。たとえば4法人なら、上限は120万円 × 4 = 480万円です。
県の様式(経費所要額調)では、経費を法人ごとに分ける欄はありません。グループ全体の対象経費に4/5をかけた額を、法人数から積み上げた上限(上の例なら660万円)と比べて、申請額を決める作りです。
審査では、採択を絞ったり、補助額を減らして採択したりする場合があると募集要項に書かれています。希望額がそのまま通るとは限りません。
何に使える?
対象にならない経費
- 事業所車輌の購入費
- インターネット回線使用料など通信費
- 内示の前に契約したもの(購入、リース、レンタル、研修開催の契約)。内示より前の契約は、すべて補助の対象外です
- 介護テクノロジーのメンテナンス費
- 他の補助金をすでに受けている、または受ける予定のもの
- 実施期間内に納品・実施・支払いが終わらないもの
- 保守やサポートなど、事業期間のあとも続く費用の翌年度分
- 保険料
対象になる取組
- 合同の人材募集、一括採用、共同での職場の魅力発信
- 共同送迎に向けた調査
- 共同発注による福利厚生の充実
- 合同研修、人事交流
- 人事管理、給与制度、福利厚生などのシステム・制度の共通化
- 加算の取得事務を含む業務の集約・共同での外部化
- 各種委員会の共同設置、指針の共同策定
- ICTインフラの整備(通信費は除く)
- 老朽設備・備品の更新(車輌は除く)
- 合併、事業譲渡などに関する専門家の支援
- そのほか、県知事が目的の達成に必要と認める取組
ICTインフラの整備と老朽設備の更新は、募集要項で「協働化等にあわせて行う」ものとされています。グループでの協働化と切り離した、1法人だけの更新は対象に当たるのか、計画を出す前に窓口へ確かめてください。
申請の流れ
- 事業計画書を電子申請で出す(代表の法人→長崎県 長寿社会課。書面は不可。令和8年度は7月31日17時まで)
- 審査を受ける(県→グループ。外部の専門家による審査会。結果は9月中旬ごろに文書で通知する予定)
- 内示を受ける(県→グループ。内示のあとに事業を始められる)
- 交付申請書を出す(グループ→県。内示通知に書かれた期日まで。見積書などの添付書類も再度出す)
- 事業を実施する(グループ。令和9年2月19日までに導入・実施・支払いまで終える)
- 実績報告を出す(グループ→県。完了から30日後か令和9年2月26日の早い方まで)
- 請求して受け取る(県が額を確定したあと、適正な請求書を出す)
- 効果報告を出す(グループ→県。翌年度の10月末まで)
交付決定の前に事業を始める場合は、始める前に「交付決定前着手届」(様式第18号)を出します。発注は、県が行う契約手続きの取り扱いに合わせる必要があります。詳しくは内示のときに伝えられます。
必要な書類
準備できた 0 / 6
様式は1つのExcelファイル「業務改善計画書様式(グループ)」にまとまっています。Excelのまま出し、それ以外の提出物は原則PDFです。提出後のファイルの差し替えは原則できません。
事業計画書(様式3)に書くのは、申請者の基本情報、実施内容と実施予定の時期と依頼先、事業で課題がどう改善されるかの3つです。提出書類チェックリストには、この記事の3項目のほか「費用の支払いを令和9年2月19日までに終えられるか」「県などの調査研究事業に協力できるか」も入っています。内示のあとの交付申請では、交付申請書(様式第1号)と誓約書(様式第4号)なども出します。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 内示の前に契約した:内示前の購入、リース、レンタル、研修の契約は対象外です。
- 期間内に終わらなかった:令和9年2月19日までに納品・実施・支払いまで終えないと補助されません。
- 実績報告が遅れた:期限内に出さないと、補助金は支払われません。
- 審査で必須項目が基準に届かなかった:事業の効果と数値目標の項目が最低基準以下だと、不採択になります。
- 車輌や通信費を入れた:対象外の経費は補助されません。
よく誤解されるポイント
同じ募集ページに4つの補助金がある
長崎県の令和8年度介護現場デジタル改革推進事業補助金には、4種類の補助金が入っています。
| 補助金 | 対象 | 上限 |
|---|---|---|
| 介護テクノロジー普及促進補助金 | 介護保険サービスの事業所 | 1事業所400万円 |
| 介護DX化推進補助金 | 同上 | 1事業所1,000万円 |
| 事業者グループ職場環境改善協働実施推進補助金(この記事) | 小規模法人を含むグループ | 1グループ1,200万円かつ1法人120万円 |
| 介護事業者等経営改善支援補助金 | 介護事業所を運営する法人 | 1事業者35万円 |
介護テクノロジー普及促進補助金とDX化推進補助金は、同時申請できても同時採択はされません。それ以外の組み合わせは同時に申請できます。機器の導入が目的なら前の2つ、複数法人による採用や研修の共同化が目的ならこの補助金です。
1,200万円は、1つの法人がもらえる額ではない
タイトルの1,200万円はグループ全体の上限です。1つの法人が受け取れるのは120万円(訪問介護は150万円)までです。
令和9年度以降の募集は?
令和9年度以降に同じ補助金が続くかどうかは、公式ページに書かれていません。募集が始まるかどうかは、長崎県福祉保健部 長寿社会課 介護人材確保推進班(095-895-2440)への確認が確実です。
連携先との話し合いは、募集を待たずに進められます。グループの組み方(誰が代表で、どの法人が小規模法人に当たるか)と、共同で何をするかが決まっていれば、審査で問われる「事業の効果」と数値目標を作りやすくなります。
よくある質問
令和8年度分は申請できますか?
受付は終了しました。令和8年度は、令和8年6月16日から7月31日(金)17時までが応募期間で、提出は電子申請のみでした。長崎県の公式ページも「募集終了」と表示しています。次の募集があるかどうかは、公式ページに記載がありません。長崎県福祉保健部 長寿社会課 介護人材確保推進班に確認してください。
何法人以上でグループを組む必要がありますか?
「小規模法人を1以上含む、複数の法人」で構成することが条件です。複数の法人とあるので、最低でも2法人は必要と読めます。ただし最少の法人数は募集要項に書かれていません。Q&Aには「申請法人数に制限はありません」とあります。上限がないので、グループの規模は取組の内容に合わせて決められます。
小規模法人とは、どんな法人ですか?
募集要項では「1法人あたり1施設又は事業所のみを運営するような法人等」とされています。複数の施設や事業所を運営する法人は、小規模法人としては数えられません。グループに小規模法人が1つも入らないと対象外になります。自法人が小規模法人に当たるか迷うときは、長寿社会課に確認してください。
介護事業所を持たない福祉法人だけでグループを組めますか?
組めません。障害福祉や児童福祉など、介護保険サービス以外の福祉サービスだけを運営する法人は、メンバーとしては入れます。ただし、代表者として申請できるのは、介護保険法に基づくサービスを提供する事業所や介護施設を運営する法人です。グループの中に、代表になれる介護事業所の法人が1つは必要です。
補助上限額の1,200万円は、1法人でもらえますか?
もらえません。1,200万円は1グループあたりの上限です。1法人あたりは120万円で、訪問介護事業所を経営する法人は150万円です。10法人が揃って、各法人が上限まで使ったときに、グループ全体の1,200万円に届きます。小規模なグループでは、法人ごとの上限が先に効きます。
事業所の車を買う費用は対象になりますか?
対象になりません。老朽設備・備品の更新は補助の対象ですが、「事業所車輌の購入費は対象外」と明記されています。共同送迎を始めたい場合も、車輌の購入は補助されません。送迎に向けた調査に必要な経費は、補助対象の取組に入っています。車を買う代わりに、送迎の需要や運行方法を調べる調査から始めると、補助の範囲に収まります。実際に何が調査に当たるかは、計画を出す前に長寿社会課へ確かめてください。
インターネット回線代などの通信費は対象ですか?
ICTインフラの整備は対象ですが、通信費は対象外です。募集要項の対象外経費にも、インターネット回線使用料などの通信費が入っています。保守やサポートなど事業期間のあとも続く費用も、翌年度以降の分は補助されません。導入する機器や制度に、あとから毎月かかる費用の分は、補助の外に出ると考えて資金計画を立ててください。
内示の前に契約や発注をしてもいいですか?
しないでください。内示の前に購入、リース、レンタル、研修開催の契約を結んだものは対象外です。内示のあとに事業を始められますが、交付決定の前に始めるときは、始める前に「交付決定前着手届」(様式第18号)を出します。見積もりを取る準備は進められますが、契約は内示のあとにしてください。
補助額に消費税は含まれますか?
Q&Aでは、導入経費の消費税と地方消費税額を含めた金額が対象とされています。ただし、補助金の確定後に、消費税の仕入控除税額が確定した場合は、その報告書を出します。免税事業者かどうかを問わず、全事業者が報告する必要があります。経理の担当者に、早めに伝えておいてください。
採択後にやる報告はありますか?
あります。事業が終わったら30日以内(遅くとも令和9年2月26日)に実績報告書を出します。さらに、補助を受けた翌年度の10月末日までに、事業の効果報告書(様式第17号)を出す必要があります。県や厚生労働省が実施する調査研究事業にも、可能な限り協力します。
審査では何を見られますか?
外部の専門家による審査会が、提出された事業計画を審査します。必須項目は「事業の効果」で、グループが抱える課題に対応した効果的な計画か、効果を表す具体的な数値目標があって達成できる内容か、を見ます。最低基準点以下だと不採択です。加点項目は、過去に採択した計画と異なる内容かどうかです。
事業計画を提出前に確認してもらえますか?
Q&Aによると、事前確認は行っていません。事業計画は提出後に審査されます。差し替えも原則できず、提出した計画書だけで審査されます。記載の誤りや、意図が伝わるかどうかを、提出前にグループ内で確認してください。電子申請で出し、書面での提出はできません。
問い合わせ先はどこですか?
長崎県福祉保健部 長寿社会課 介護人材確保推進班です。電話は095-895-2440、ファックスは095-895-2576、メールは kaigojinzai@pref.nagasaki.lg.jp です。所在地は長崎市尾上町3-1(〒850-8570)です。対象になるかどうか、小規模法人に当たるかどうか、協働化と切り離した設備の更新が対象に当たるかなど、募集要項だけでは判断しにくい点は、計画を作る前に電話で確かめておくと、あとからの手戻りを防げます。
